令和6年12月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(全文)
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令和6年12月 和歌山県議会定例会会議録 第3号
議事日程 第3号
令和6年12月11日(水曜日)
午前10時開議
第1 議案第148号から議案第185号まで及び報第4号(質疑)
第2 一般質問
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会議に付した事件
第1 議案第148号から議案第185号まで及び報第4号(質疑)
第2 一般質問
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出席議員(41人)
1番 三栖拓也
2番 高田英亮
3番 秋月史成
4番 佐藤武治
5番 藤山将材
6番 森 礼子
7番 井出益弘
8番 尾崎要二
9番 上山寿示
10番 鈴木德久
11番 玄素彰人
12番 濱口太史
13番 鈴木太雄
15番 吉井和視
16番 山家敏宏
17番 北山慎一
18番 岩田弘彦
19番 中本浩精
20番 中村裕一
21番 谷 洋一
22番 坂本佳隆
23番 川畑哲哉
24番 堀 龍雄
25番 谷口和樹
26番 新島 雄
27番 山下直也
28番 小川浩樹
29番 中尾友紀
30番 岩井弘次
31番 藤本眞利子
32番 浦口高典
33番 山田正彦
34番 坂本 登
35番 小西政宏
36番 浦平美博
37番 中西 徹
38番 林 隆一
39番 片桐章浩
40番 奥村規子
41番 尾﨑太郎
42番 長坂隆司
欠席議員(1人)
14番 冨安民浩
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説明のため出席した者
知事 岸本周平
副知事 下 宏
理事 田嶋久嗣
知事室長 北廣理人
総務部長 友井泰範
危機管理部長 河野眞也
企画部長 前 昌治
地域振興部長 赤坂武彦
環境生活部長 山本祥生
共生社会推進部長 島本由美
福祉保健部長 今西宏行
商工労働部長 大川伸也
農林水産部長 立石 修
県土整備部長 福本仁志
会計管理者 高橋博之
教育長 宮﨑 泉
公安委員会委員 岸田正幸
警察本部長 野本靖之
人事委員会委員長 平田健正
代表監査委員 森田康友
選挙管理委員会委員長 小濱孝夫
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職務のため出席した事務局職員
事務局長 林 伸幸
次長(秘書広報室長事務取扱)
橋爪正樹
議事課長 岩井紀生
議事課副課長 田中 匠
議事課議事班長 伊賀顕正
議事課副主査 川崎競平
議事課副主査 西 智生
議事課副主査 林 貞男
総務課長 榊 建二
政策調査課長 岩谷隆哉
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午前10時0分開議
○議長(鈴木太雄君) これより本日の会議を開きます。
日程第1、議案第148号から議案第185号まで及び報第4号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、併せて日程第2、一般質問を行います。
17番北山慎一君。
〔北山慎一君、登壇〕(拍手)
○北山慎一君 おはようございます。一般質問2日目、トップバッターで登壇をさせていただきます自由民主党県議団の北山でございます。早速ですけども、通告に従い一般質問を始めさせていただきたいと思います。
まず一つ目ですが、改正道路交通法施行に伴う警察の取組について、小項目一つ目の改正法施行後の県内の検挙状況についてお聞きしたいと思います。
本年11月1日、改正道路交通法が施行されました。道路交通法は、世の交通状況を鑑みて、その状況に応じ、適宜改正されています。今回の改正では、自転車に乗りながらスマートフォンなどを操作・通話するなどのながらスマホの罰則が強化され、また、自転車の酒気帯び運転が新たに罰則対象となりました。
この改正に至る背景として、自転車運転中の携帯電話使用等による交通事故の増加や、自転車を酒気帯び状態で運転した際の交通事故について死亡・重傷事故につながるケースが非常に多くなっているということがあります。そこで、自転車による交通事故を抑止すべく、新たな罰則規定が整備されることとなりました。
新たな罰則規定は、以下のようになっています。
自転車運転中のながらスマホの違反者は、6か月以下の懲役または10万円以下の罰金が科せられ、ながらスマホにより交通の危険を生じさせた場合においては、1年以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。
自転車の酒気帯び運転に関しては、自転車の酒気帯び運転の罰則のほか、酒類の提供や同乗、自転車の提供者に対しても新たに罰則が整備されました。酒気帯び運転の違反者は3年以下の懲役または50万円以下の罰金、自転車の提供者は3年以下の懲役または50万円以下の罰金、酒類の提供者・同乗者は2年以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。この内容を見ても、かなり厳しい罰則となっている印象を受けます。
こうした自転車運転中の新たな罰則が整備されて約1か月が経過しました。改正道路交通法施行後の本県におけるながらスマホや酒気帯び運転に係る交通違反の検挙状況はどのようになっているのか、警察本部長、お答えください。
○議長(鈴木太雄君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。
警察本部長野本靖之君。
〔野本靖之君、登壇〕
○警察本部長(野本靖之君) 自転車の指導取締りについては、警察官の警告に従わずに違反行為を継続したり、交通事故に直結する危険な運転行為をしたりするなど、悪質・危険な違反者に対する検挙活動を強化しているところです。
本年11月1日に施行された改正道路交通法に関する検挙状況につきましては、携帯電話使用等違反、いわゆるながらスマホ2件、また、自転車の酒気帯び運転15件を検挙しております。
○議長(鈴木太雄君) 北山慎一君。
〔北山慎一君、登壇〕
○北山慎一君 続きまして、改正法の周知に向けた取組についてお尋ねします。
自転車に係る新たなルール、改正道路交通法については、昨年の令和5年2月定例会でも質問させていただきました。そのときの質問では、令和5年4月施行の全ての自転車利用者のヘルメット着用が努力義務となったことについて、本県ではヘルメット着用の推進をどのように進めていくのかを警察本部長にお尋ねいたしました。今回は、自転車運転中のながらスマホの罰則強化や、自転車の酒気帯び運転の罰則が本年11月1日に施行されたことを踏まえ、自転車の新ルールの周知をどのように進めていくのかについてお尋ねしたいと思います。
いずれの改正道路交通法も、施行された背景には、自転車による交通事故や交通トラブルの増加を踏まえ、自転車利用者のより一層の安全を目指して行われているということがあります。年々減少傾向にあった自転車関連の交通事故ですが、近年、また徐々にではありますが増加傾向にあり、全交通事故に占める構成比も増加している状況にあります。
自転車は、子供から高齢者まで多くの方が利用され、運転免許証も必要としない手軽に乗れる乗り物です。免許を必要としないため、運転免許証を持っていない利用者は、交通ルールを学ぶ機会が少なく、交通ルールをあまり理解、認識せずに公道を走っている方もいることと思います。当然、11月1日に施行された今回の改正法、自転車の新ルールについても理解、認識していない方がいるのではないかと思います。
交通事故の減少や交通マナーの向上には、自転車の利用者に対し、ルールをしっかりと周知していくことが大変重要であると考えます。様々な世代が利用する自転車、その中には高齢者や児童生徒も含まれます。県内の全ての自転車利用者に対して、自転車の新ルールの周知啓発をどのようにして取り組んでいくのか、警察本部長、お答えください。
○議長(鈴木太雄君) 警察本部長。
〔野本靖之君、登壇〕
○警察本部長(野本靖之君) 警察では、自転車の新たな交通ルールを周知徹底するため、県や関係機関と連携し、本県出身の著名人及び県内のテーマパークの協力を得ての大規模な広報啓発や、道路情報板への掲示、テレビCM、ウェブサイト、SNSを活用した広報に取り組んでいるところです。
特に、自転車のながらスマホについては、通学をはじめ、自転車の利用機会が多い学生への周知を図るため、啓発用チラシ及びポスターを制作し、県内全ての小・中・高校へ配布、掲示を依頼しているほか、教育委員会と連携し、県立高校の学校長会において、各校での法改正の周知及び安全教育の強化を直接依頼するなどしております。
また、自転車の酒気帯び運転については、施行前の10月に、県内の酒類を提供する飲食店等に対して一斉啓発を行うなどの取組を推進しています。
警察といたしましては、新たなルールの周知を含めた安全利用の促進に、引き続き万全を尽くしてまいります。
○議長(鈴木太雄君) 北山慎一君。
〔北山慎一君、登壇〕
○北山慎一君 質問の中でも申しましたが、自転車は、子供から高齢者まで多くの方が利用される乗り物です。また、運転免許証を持っていなくても乗れる乗り物です。そのような状況にある自転車においては、利用者により安全に走行していただくためにも、交通ルールの周知は非常に重要であると考えます。そのことが、ひいては交通事故の減少につながっていくことと思います。
通学等で自転車に乗る機会が多い児童生徒へのながらスマホの周知は、県教育委員会としっかり連携し、取り組んでいただきたいと思います。また、自転車の酒気帯び運転については、これから年末年始を迎えるに当たり、忘年会や新年会などでお酒を飲む機会も増えてきます。しっかり周知していただき、県民の安全、命を守っていただきたいと思います。警察本部長、よろしくお願いします。
それでは、次の質問に移ります。
災害用備蓄物資についてお聞きしたいと思います。
本年8月8日16時43分頃に、日向灘を震源とする宮崎県南部で最大震度6弱、マグニチュード7.1の地震が発生いたしました。気象庁は、同日19時15分に南海トラフ地震が発生する可能性が平常時より高まっているとして、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を発表いたしました。臨時情報の制度ができた平成29年以降、初めての発表ということで、驚きと不安、そして、いよいよ南海トラフ地震が起きるのかという恐怖を感じたことを覚えております。
令和6年2月定例会でも、水道基幹管路の耐震化や井戸水の活用及び整備について等、災害時や災害に対する備えとしての質問をさせていただきましたが、今回も同様に、災害に対する備えとして、備蓄物資、特に飲料水について質問してまいりたいと思います。
備蓄物資においては、大規模災害発生時、物流・流通機能等が停止し、発災後数日間は被災地域外からの支援が期待できないことが想定され、被災地域内での自立的な供給体制が必要となることから、災害に備え、住民、事業所、地方公共団体等が自ら主体となり、食料や飲料水、毛布などの生活必需品の備蓄に取り組んでいることと思います。
災害は、自然がもたらす場合がほとんどで、いつ、どこで、どのように発生するか予測しづらいところがあります。ただ、気象状況においては、気象のメカニズムを解明する気象学の発展とスーパーコンピューターの発達、利用により、雨の降り方や風の強さなど、一定程度の予想が可能となってきており、事前に対処、対応できるようになりつつあります。
しかしながら、地震においては予測が難しく、現時点の技術では、日時や場所、地震の大きさなどを特定するような詳細な情報を事前に提供できるレベルにありません。そんな予測が可能な時代が来れば、また地震に対する備えも今と違ったものになってくると思いますが、当面そんな時代は来ることはなく、そのことを踏まえると、日頃からしっかりと備えることが必要不可欠となります。
その地震に対する備えにも様々な備えがありますが、その中でも今回私が質問として取上げさせていただく飲料水の備蓄について、少し心配する部分があるので、お聞きしたいと思います。
先ほどにも述べましたが、地震は予測が立たず、いつ発生するか分かりません。夏の暑い時期に地震が発生する状況もあれば、冬の寒い時期に発生することもあるかもしれません。私が心配、懸念していることは、気温の高い夏の酷暑のときに大規模災害が発生し、避難を余儀なくされる状況となったとき、空調設備が整っていない、室温が高くなっている避難施設で熱中症を発症してしまうこともあるのではないかということです。もちろん飲料水の備蓄はしているので、水分補給ということに関しては問題はないと思うのですが、高温な室内にいる状況を考えると、熱中症を予防すべく、水だけではなく、スポーツドリンクなどの塩分を含んだ飲料も備蓄しておく必要があるのではないでしょうか。
また、当然、避難所で熱中症を発症する状況も起こり得る可能性はあると思いますので、そのようなときには、OS-1のような経口補水液も必要となってくると思います。さらに、最近は味がない水を飲めない子供も増えていると聞きます。そのような状況を考えると、水以外の飲料も備蓄する必要があると考えますが、現状はどのようになっているのか、福祉保健部長、お答えください。
○議長(鈴木太雄君) 福祉保健部長今西宏行君。
〔今西宏行君、登壇〕
○福祉保健部長(今西宏行君) 災害時に必要となる物資の備蓄について、県の方針においては、発災後3日間における必要量を県、市町村、県民の3者で分担し、それぞれ1日分を備蓄していくこととしています。この方針に基づき、県は、飲料として7年以上保存が可能な2リットル入り飲料水を約10万本備蓄しています。
スポーツドリンクなどの飲料は、現状では長期保存が可能な製品がなく、備蓄に適していないと考えており、災害時には物資調達の協定を締結している事業者を通じて確保することとしています。
○議長(鈴木太雄君) 北山慎一君。
〔北山慎一君、登壇〕
○北山慎一君 答弁いただきました。
本県で必要とされる物資は、それぞれに備蓄されていたり、確保していくという現状が分かりました。
ただ、災害はいつ発生し、どのくらいの被害を受けるかは分かりません。これからの社会情勢の変化などを的確に捉え、備蓄量が適正であるのか、また、現在備蓄している物資以外にも、その他備蓄する必要がある物資がないのかなど、しっかりと見直す機会を設け、今後も備えていっていただきたいと思います。福祉保健部長、よろしくお願いします。
それでは、次の質問に移ります。
県立図書館の利用環境についてお尋ねいたします。
季節は進み、ひんやりとした空気を感じる季節の12月を迎え、今年も残すところあと僅かとなってきました。
皆さん、今年の夏を思い出してみてください。今年は全国各地で35度を超える気温が連日続き、例年以上に猛暑の夏、酷暑の夏となったのは、まだ記憶に新しいと思います。
私が子供の頃は、夏真っ盛りのときでも扇風機だけで過ごすこともあり、エアコンを使用しなくてもそれなりに過ごせていた記憶がありますが、近年の日本の夏は、屋外はもちろんのこと、屋内においても熱中症を発症するなど、年々暑さが増してきており、猛暑となる日本の夏には、今やエアコンはなくてはならない存在となっています。
そのような暑さ厳しい夏のさなか、県民の方から、県立図書館の室温環境について御相談がありました。その御相談は、館内が暑く、集中できず、落ち着いた状態で利用できないという内容でした。御相談を受け、実際に私も連日猛暑が続いているときに県立図書館を訪れてみましたが、確かに館内に入ると涼しさはあまり感じられず、少し暑いなという印象を受けました。
猛暑ということもあり、室温の上昇は無理もないと思いますが、図書館という場所は、読書を楽しむ、また勉強に励むなど、静かな環境で心が静まり、落ち着いた場所、リラックスできる空間、集中できる場所であると思います。私が県立図書館を訪れたときの館内の環境は、そういった場所、空間であったかというと、そうでなかったという印象を受けました。
特に、南側の窓付近に行くと暑さは増し、汗をかくくらいの温度に感じました。南側に窓があることで太陽の光が差し込み、温度が高くなり、暑く感じてしまうのは致し方ないことかもしれませんが、南側の窓付近の室温は、大半の方が暑いと感じる状況にあると思います。
図書館法によれば、図書館とは、「図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資することを目的とする施設」とされています。簡単に言えば、誰でも利用することができ、本に触れ、本に親しんでもらう施設であります。
本を読む、調べ物をする、また勉強する際の環境は、気持ちが落ち着く環境、集中できる環境で行いたいというのが一般的であると思います。館内の室温が高く、利用者が暑いと感じたらどうでしょう。集中力は持続できるでしょうか。集中力が低下し、読書の質や学習効率が落ちてしまうのではないでしょうか。図書館を快適に利用できる空間づくりということを考えると、館内における室温環境を整えること、つまり室温調整に気を配ることは重要ではないでしょうか。特に猛暑が続く夏場は、よりしっかりと室温調整を行っていただきたいと思っています。
もちろん空調設備の更新や改修が望ましいですが、予算的に厳しい、また、即対応できないのであれば、現状で可能な対応をしっかりと行っていただきたいと願います。例えば、館内の室温管理をより効率よくするために、サーキュレーターを設置するなど、空気の循環を促すことも有効な手段になると思います。
県立図書館における利用環境についてどのように考えているのか、教育長のお考えをお聞かせください。
○議長(鈴木太雄君) 教育長宮﨑 泉君。
〔宮﨑 泉君、登壇〕
○教育長(宮﨑 泉君) 近年、厳しい暑さが続く中、図書館閲覧室の南側窓に遮熱効果のあるフィルムを施工したり、必要なときにはエアコンの冷房能力を最大にするなどの対応を行っています。
一方、快適と感じる室温環境には個人差がありますので、相談があった際には、送風口に近い閲覧場所へ移動等、御案内をしております。
将来、県立図書館の施設設備の更新や改修などが行われる際には、より効率的かつ効果的な空調となるよう検討していきたいと考えております。
その間、御提案のサーキュレーターの設置など、現状の可能な対応を検討し、多くの県民の皆さんにとって、より快適で、利用したいと思える県立図書館となるよう、引き続き努力をしてまいります。
○議長(鈴木太雄君) 北山慎一君。
〔北山慎一君、登壇〕
○北山慎一君 先ほども申しましたが、図書館という場所は、読書を楽しむ、また勉強に励むなど、静かな環境で心が静まり、落ち着いた場所、リラックスできる空間、集中できる場所であると思います。もちろん利用者が快適に利用できる空間づくりに取り組まれていることと思いますが、現状の環境は、利用者が満足できる状況には至っていません。
現在の県立図書館が竣工されてから30年が経過しているので、仕方ない部分はあるのかもしれません。竣工時期が違うので比較してはいけないのでしょうが、和歌山市駅に併設された和歌山市民図書館などと比較する県民も少なからずいらっしゃいます。快適な空間、環境の中で、読書や勉強にいそしみたいと思うのは当然のことであります。空調施設の更新なども含め、県立図書館の利用環境がよりよくなるよう取り組んでいっていただきたいということを強く要望したいと思います。教育長、よろしくお願いします。
それでは、最後の質問に移りたいと思います。
ストレスチェックについて質問してまいりたいと思います。
皆さんは、ストレスチェック制度という制度があるのは御存じでしょうか。
ストレスチェック制度とは、労働者に対して行う心理的な負担の程度を把握するための検査や、検査結果に基づく医師による面接指導の実施などを事業者に義務づけた制度となります。この制度は、平成27年12月1日から施行され、従業員数50人以上の事業所での年1回以上の実施を義務づけており、また、50人未満の事業所については努力義務とされています。
ストレスチェック制度が施行される前から、事業者による労働者の心の健康保持増進のための措置、メンタルヘルスケアの実施は促進されてきました。仕事や職業生活に関して強い不安や悩み、ストレスを感じている労働者が5割を超える状況に、厚生労働省は、平成18年3月に、労働者の心の健康の保持増進のための指針を策定し、職場におけるメンタルヘルス対策に取り組んできました。
しかし、仕事による強いストレスが原因で、精神障害を発病する労働者が平成18年3月の指針策定以降も増えている状況を踏まえ、厚生労働省は、平成26年6月に公布された労働安全衛生法の一部を改正する法律により、新たにストレスチェック制度を創設し、具体的な運用方法を定めた指針を定め、平成27年12月の制度施行を迎えるといった経緯となりました。
また、厚生労働省は、本年10月に、働く人のストレスチェックを従業員数50人未満も含めた全事業所に義務づける方針を固めたところです。将来的には、全労働者がこのストレスチェックを行っていくこととなり、職場環境の改善やメンタルヘルス不調の未然防止につながっていくことが期待されています。
もちろん、本県の行政の中枢を担う和歌山県庁もストレスチェックの対象事業者に該当するわけですが、県庁におけるストレスチェックの実施状況及び結果について、総務部長にお尋ねいたします。
○議長(鈴木太雄君) 総務部長友井泰範君。
〔友井泰範君、登壇〕
○総務部長(友井泰範君) 本県では、2016年度からストレスチェックを実施しています。
今年度は、7月29日から8月21日にかけて実施し、対象者4260名のうち4112名が受検し、受検率は約96.5%となっています。
回答者のうち、約9.5%に当たる389名が高ストレス者と判定されたところです。
○議長(鈴木太雄君) 北山慎一君。
〔北山慎一君、登壇〕
○北山慎一君 では、次の質問に移ります。
実施結果の活用状況についてお聞きします。
今年度の受検率は約96.5%、対象者4260名に対し4112名が受検され、その回答者のうち約9.5%に当たる389名の方が高ストレス者と判定されたとのことですが、高ストレス者に対しての対応、また、ストレスチェックの実施結果をどのように活用しているのか、総務部長、お答えください。
○議長(鈴木太雄君) 総務部長。
〔友井泰範君、登壇〕
○総務部長(友井泰範君) 実施の結果、高ストレス者と判定された職員には、産業医による面接指導を勧奨しています。面接指導の結果、必要に応じ、産業医は労働時間の短縮などの就業上の措置について、所属長に意見を述べることとなっています。あわせて、カウンセラーや精神科医師、保健師による相談を案内し、利用を勧めています。
また、所属ごとに仕事の量やコントロール度合い、上司・同僚からの支援の面から集団分析を行い、各所属におけるストレスを低減するための環境改善を促しているところです。
今後も、ストレスチェックを活用し、職員自身のストレスへの気づきを促すとともに、働きやすい職場づくりを進めることにより、職員のメンタルヘルス不調の未然防止に取り組んでまいります。
○議長(鈴木太雄君) 北山慎一君。
〔北山慎一君、登壇〕
○北山慎一君 総務部長より答弁をいただきました。
所属ごとに仕事の量やコントロール度合い、上司・同僚からの支援の面から集団分析を行い、各所属におけるストレスを低減するための環境改善を促しているとのことですが、働きやすい職場づくりを進めていくには、事業者のトップの考えは非常に重要な要素になると私は思っています。
そこで、次の項目、職員のメンタルヘルス対策について質問していきたいと思います。
職場における事業者による労働者のメンタルヘルス対策は、取組の段階ごとに、メンタルヘルス不調となることを未然に防止する一次予防、メンタルヘルス不調を早期に発見し、適切な対応を行う二次予防、そして、メンタルヘルス不調となった労働者の職場復帰を支援する三次予防に分けられます。
先ほど、一次予防の段階で実施されるストレスチェックと実施後の相談等の取組についてお聞きしましたが、和歌山県庁では、職員のメンタルヘルス対策として、これらの段階に応じた取組が行われているのでしょうか。
県庁においては、和歌山県知事である岸本知事が事業者のトップになります。本県の行政の中枢を担う和歌山県庁における、職員のメンタルヘルス対策についての知事のお考えをお聞かせください。
○議長(鈴木太雄君) 知事岸本周平君。
〔岸本周平君、登壇〕
○知事(岸本周平君) 北山議員の、職員のメンタルヘルス対策についての考えにつきまして、私も同様の考え方を持っております。
よりよい行政サービスを提供するためには、県政を担当する職員お一人お一人が心身ともに健やかで、それぞれの能力を十分に発揮できるということが何より重要であります。そのためのメンタルヘルス対策というのは、これは本当に大変大事なことだと考えております。
先ほど友井総務部長が答弁したとおりでありますけれども、ストレスチェックによるメンタルヘルス不調を未然に防止するということがまず大事であります。したがいまして、常日頃からメンタルヘルス対策として、職員がカウンセラーや精神科のお医者様の相談を受けられる体制を整備しております。
それから、メンタルヘルスが不調ということになり、療養する職員につきましては、円滑な職場復帰、それから再発防止を行わなければなりません。そのため、専門家を交えたチームによりまして、療養の開始時点から職場復帰後のフォローまで、それぞれの段階におきまして、県として支援を行っております。
県の職員の仕事は、前から申し上げていますとおり、県民を幸せにする、一人でも多くの県民の皆さんを笑顔にすることだと考えております。そのためにも、職員自身が笑顔でなければなりません。そのためにもメンタルヘルス対策にはしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
その前提として、やはり職場が働きやすくて、楽しくて、明るいということが何よりだと思います。それは、民間も官庁も同じだと思っております。そのため、例えば働き方改革について、先般、男性育休100%宣言、それから勤務間インターバル宣言、仕事が終わってから開始まで11時間空けましょうということであります。それから女性が再就職できるような応援宣言、それから、職場が明るいように、1年間を通じてノージャケット、ノーネクタイ、スニーカーなどでの軽装勤務に加え、リモートワークの推進なども行っているところでございます。
○議長(鈴木太雄君) 北山慎一君。
〔北山慎一君、登壇〕
○北山慎一君 知事より答弁をいただきました。
労働者が働きやすい職場をつくっていく上で、雰囲気のよい、風通しのよい環境をつくることは重要なことだと考えています。行政にかかわらず、全ての職業において、仕事を進めていく上で、メンタルの部分は大きなウエートを占めていると思います。メンタルが健康な状態でないと、やる気や集中力に欠け、パフォーマンスが落ちてしまい、能力が十分に発揮できなくなってしまいます。
スポーツの世界では、パフォーマンス力を高めるために、モチベーションを非常に大切にします。特に、試合前には最大限能力を発揮できるよう、選手たちはモチベーションを上げて試合に臨みます。仕事においても、モチベーションは非常に大切であると私は思っています。
労働者のパフォーマンス力を高めるには、高いモチベーションを保った上で仕事に臨めるようにしなければなりません。人それぞれモチベーションを保つ条件は違うと思いますが、共通して言えるのは、それぞれの能力を最大限発揮できる状況、環境が整っていること、つまり、働きやすい職場が労働者のモチベーションに大きく影響すると私は考えています。
本県の行政の中枢を担う和歌山県庁が県内事業者の手本となるよう、知事を先頭に、率先して働きやすい職場づくりに向けて、ワンチームで取り組んでいただきたいと思います。知事、よろしくお願いします。
以上で、私の一般質問を終えたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(鈴木太雄君) 以上で、北山慎一君の質問が終了いたしました。
質疑及び一般質問を続行いたします。
40番奥村規子君。
〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 おはようございます。
議長のお許しを得ましたので、通告に従って一般質問をさせていただきます。
今、国民生活や地域をめぐって様々な変化が生じています。先に、質問に当たり、特に四つの点について感じていることを述べたいと思います。
一つ目は、地域の平和が2015年の安保法制により脅かされていることです。
日本全土が再び戦場になりかねないような事態になりつつあるように感じざるを得ません。基地の再編が沖縄、九州を中心としつつ、全国に広がっているように思います。政府の安全保障に関しては、自治を踏みにじってもいいと言わんばかりの姿勢が非常に気になります。地域で暮らし続けるためには、平和が大前提であり、この大前提が崩れかねないという危機感を持っています。
二つ目は、雇用破壊、実質賃金の低下が続いていることです。
企業の人件費削減、それを後押しした新自由主義的な政策が安定した雇用を崩し、先進国の中で唯一、賃金が低下している状況をつくり出しました。個人消費の回復なしに、地域経済の活性化はないと思います。生活が安定しない状況では、少子化対策の成果が限定されます。非正規の雇用の多くは女性であり、このことが日本のジェンダー平等を妨げている大きな要因ではないでしょうか。
三つ目は、行政が福祉・教育施策の縮小を続けていることです。
コロナ禍の中で、医療体制の脆弱さが浮き彫りになりました。相変わらず公立・公的病院の統廃合を進めています。後期高齢者が増えているにもかかわらず、介護保険制度を後退させています。学校、幼稚園、保育所の統廃合も進めており、子育て環境が悪化していると思います。
四つ目は、経済対策の切り札としての情報化をさらに進めようとしているということです。
昨年10月には、デジタル庁、デジタル田園都市国家構想など、四つの部門を束ねる改革の司令塔というべき行財政改革会議が設置されました。デジタル化の焦点は地域にあって、利便性向上を進めるなどと宣伝しています。行政のデジタル化、標準化、アウトソーシングを進めています。こういったことが自治体にも大きな影響を与えるのではないでしょうか。デジタル化によって、自治体の情報システムの統一・標準化、ガバメントクラウドへのシステム移行などが進められ、各自治体で進めてきた独自施策が削減されないか、また、政府の権限・関与の強化が進み、他方では、自治体業務の外部化、公共施策の縮小、自治体職員の削減・非正規化が進み、憲法で保障された自治が縮小されるのではないか、大変危惧しています。
このような中において、例えば、県が小中学校の給食費無償化支援に努力されていることには、改めて敬意を表するものです。ほかにもまだまだそういった施策があると思いますが、時間の都合上割愛させていただきますが、こういった地域の安心・安全と地域の将来を守る自治体の役目が大きくなっています。
県においては、政府が進める政策に対して、県民生活を守る立場から、政府の政策を改めるように働きかけつつ、自治の縮小につながるような施策は改め、団体自治・住民自治の拡充を求めることに関連して、以下、質問をさせていただきたいと思います。
まず最初に、国民保護共同訓練の実施についてお尋ねいたします。
県が11月18日、国際情勢を踏まえ、弾道ミサイルが県内に着弾した場合における、国・市町村及び関係機関による連携要領について確認、習熟を図ることを目的とした訓練を実施したと報道されました。内閣官房、総務省消防庁、陸上自衛隊第37普通科連隊、自衛隊和歌山地方協力本部など、14機関の参加の下で共同訓練が行われました。「X国から複数発の弾道ミサイルが発射され、その内1発が田辺市内(田辺市役所旧本庁舎)に着弾したとの想定」でした。2004年6月に成立した国民保護法の下に、共同訓練をされたことと思います。
国において武器輸出三原則が撤廃されるなどの中で、戦争に巻き込まれていくのではないかという不安を一層かき立てるものになるのではないでしょうか。これまでも訓練は行われてきましたが、今回、なぜミサイル着弾を想定した訓練を行ったのでしょうか、知事にお尋ねいたします。
御答弁よろしくお願いいたします。
○議長(鈴木太雄君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。
知事岸本周平君。
〔岸本周平君、登壇〕
○知事(岸本周平君) 奥村議員の質問にお答えいたします。
先ほど議員から御指摘をいただきました国民保護共同訓練を、今回行いました。これは、最近、北朝鮮からの度重なる弾道ミサイルの発射をはじめ、それこそシリアのアサド政権の崩壊をはじめ、本当に不透明な世界情勢に我々は今、直面しているわけでございます。したがいまして、何が起こるか分からないと、本当に一寸先は闇というような、緊張した状況にあるかと思います。
そのため、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(国民保護法)に基づきまして、国、市町村などと連携し、今回はミサイル着弾を想定した訓練として、初めて実施をさせていただきました。これは、決して県民の不安をあおるというものではなくて、むしろ県民の安全・安心の確保に万全を期するために、他国からの武力攻撃事態に対する事態対処についての図上訓練を実施したものであります。想定外ということがあってはいけないということであります。
また、こういった訓練は、本県のみならず、他の都道府県におきましても実施をされております。
この訓練を行いました結果として、田辺市をはじめ、消防、警察等の関係機関と連携し、危機事象発生時における初期対応、住民避難に関する措置要領等について習熟、理解を深めることができました。また、たくさんの機関と訓練したものですから、事前の連絡等で本当に顔が見える関係もできたというふうに自負しております。このことが今後の対応には大変重要なものであると思います。
今後とも、自然災害を含め、あらゆる危機事象に対応するべく、関係機関と連携した訓練を通じまして、危機対処能力を向上させていきたいと、そのように考えておりますので、どうぞ御理解を賜りたいと存じます。
○議長(鈴木太雄君) 奥村規子君。
〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 知事に御答弁いただきました。
決して県民の不安をあおるためにやったというようなことではないということは、重々分かっています。ただ、先ほども知事からもありましたように、世界の状況が非常に不透明だと、何が起こるか分からない、そういったときにこそ、私は政治の役割が大きいというふうに思うんです。そういった点から、実際に今の日本の状況も含めて、日本の中の、そして、和歌山がどういうふうな平和の発信をどんどんとやっていけるのか、そこが大切ではないかなと思っているんです。
その背景には、やっぱり何といっても2022年の2月24日、ロシア軍がウクライナに侵攻し、ロシア圏と、ウクライナ支援を表明したNATO諸国の陣営対立が激しくなりました。そんな中で、核戦争の現実的な危機が広がったことで、特に有名になったのが、タモリさんが「徹子の部屋」で「新しい戦前」と言ったことが現実感を増したのではないかなと私は思うんです。
そういう中で、もう一方、バイデン米国大統領が岸田前首相に日米同盟の一層の強化を迫るという中で、岸田前首相が安保3文書、防衛力増強、そういったことを閣議決定して推進すると、そういうようなことが背景にある中で、全体としてやっぱり危機感がすごく増しているんじゃないかというようなことを思うので、そういった中で、昨夜、ノーベル賞の平和賞受賞ということで本当にうれしい話があって、そういった平和の願いのそういう運動や活動がもっともっとクローズアップされて、発信されて、平和を築いていくということで、私はやっぱり何といっても、和歌山県も取り組んでいらっしゃる国際交流とか、そういう民間レベルの交流にもしっかり支援をして、そういう中で友好都市との交流を活発にする、住民同士の交流が戦争を食い止めていく、そういった力になると信じているんですけども、そういうことでぜひともしっかりと、訓練どうの、訓練自体はいろいろと連絡し合ったりとか、いろんな形でのやり方、訓練が必要なことがあるかと思いますが、こういった状況の中でわざわざ今回のような国民保護法の下でこういう、初めてのミサイル着弾を想定というのは非常に県民に不安を与えると、私自身とても不安になったもので、それで質問をさせていただきましたので、こういうことの中で一つ提案なんですけど、やっぱり和歌山県が今度のノーベル賞を記念して、非核平和宣言自治体というようなことで、また、世界連邦都市宣言自治体というところにも加わったりとかするというようなこともぜひ考えていただきたいなというふうに思いますので、これは要望をしておきたいと思います。
次に、万博会場の安全対策について。
11月22日、私どもの日本共産党近畿国会議員団の視察に同行して、建設中の万博会場に行ってまいりました。木製の大屋根リングの上から建設現場を見渡しながら、メタンガスへの対策、災害時の避難計画などを経済産業省の担当者から説明を受けました。
その後、観光外周道路からメタンガス爆発事故現場と同じ夢洲第1区にある交通ターミナルなどを車中から視察をしました。このエリアには、2.5メートルほどのガス抜き管がところどころにむき出しで立っており、「火気厳禁」と明示されているものもありました。現場視察を終え、万博協会内で経済産業省の博覧会推進室長から聞き取りを行いました。
これまでも安全対策について質問してまいりましたが、さらにこの視察で大変気になったのは、飲料水など提供する大型の給水タンクの安全管理や、行き交う多くのトラックを目にして、渋滞の問題や外来生物などの防疫体制など、安全面への不安をさらに感じました。県としての安全対策の取組状況をお答えいただきたいと思います。
○議長(鈴木太雄君) 知事室長北廣理人君。
〔北廣理人君、登壇〕
○知事室長(北廣理人君) 万博会場の安全対策につきましては、議員と同様、大変重要な問題であると認識をしております。
県といたしましては、これまでも災害時の対策などを示すよう、博覧会協会に申入れを行ってきたところであり、博覧会協会におきまして、9月に防災実施計画が公表され、大規模災害時における対応等が示されております。
議員御指摘の飲料水などの給水タンクの安全管理、渋滞対策、外来生物に係る防疫などにつきましても、引き続き申入れを行うとともに、迅速な対応を求めてまいります。
今後も、子供たちも含め、県民の皆様が万博会場を安全・安心に、そして快適に楽しめるよう、万博会場の安全対策も含め、様々な情報をホームページやメールマガジン、SNSなどを活用して提供してまいります。
○議長(鈴木太雄君) 奥村規子君。
〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 今、室長にお答えいただいたんですけども、パビリオン建設が遅れていたり、会場建設費もどれだけ膨張してくるか分からないという状況だと思うんです。
万博開催後の夢洲は、カジノを中核とした統合型リゾート・IRが建設されています。万博の名による公費の投入がカジノのためのインフラ整備と深く結びついているというふうに思うわけです。
国の担当者に、先日行かせていただいたときに説明を受けたりした中で、赤字になったらどうするのかという質問がありました。それは考えていない、ならないようにするという答えです。カジノと一体の大阪・関西万博の中止を再度求めるものですが、何よりも会場は現役の廃棄物処理場になっています。3月に爆発事故が起きています。
国の補正予算で会場内の安全確保費が計上されていますが、いや、万博をやめることこそ安全確保となると思いますが、こういった今の状況を、特に教育旅行、また子供たちを招待するという中でも、父兄や、また県民に細かく丁寧にしっかりとまず伝えていただきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
次に、行政DX推進についてお尋ねします。
行政にデジタル技術を生かすことで、行政手続の迅速・簡便化が図られ、住民の選択肢が増えることはいいことだと思います。しかし、国のデジタル改革で、自治体への影響や住民へのサービス低下につながらないか心配するところです。
例えば、ほかの県で、あるまちでは、移動困難の方にタクシーを利用する補助制度があり、高齢者が多く利用していますが、デジタル化でマイナンバーカード利用しか認めないとしたり、コンビニで住民票発行が可能になったからと区民事務所が撤廃されたり、全国ではいろいろな対面サービスを後退させる事例をお聞きしています。
そこで、お尋ねします。
県行政におけるDXの目的について、改めてお聞きいたします。
御答弁よろしくお願いします。
○議長(鈴木太雄君) 総務部長友井泰範君。
〔友井泰範君、登壇〕
○総務部長(友井泰範君) 本県では、2022年4月に県庁DX推進本部を設置し、今後予想される少子化・人口減少の進行、大規模災害・感染症の発生、社会全体のデジタル化への対応の遅れという中長期的な変化・リスクに対応していくために、行政の在り方をデジタルを前提としたものへと移行する行政DXを推進しております。
行政DXの取組は、デジタル技術を利用して、県民の利便性を高めるとともに、定型業務等の効率化を進めることで、人的資源を窓口業務や相談業務などの非定型業務にシフトすることにより、行政サービスの質の向上につなげていくことを目的としております。
議員が懸念されているような、行政手続をオンライン化することで、窓口での手続を廃止するということではなく、今までの窓口での手続に加えて、電子申請もできるようにすることであり、県民の選択肢を増やしていく取組でございます。
県としましては、引き続き、デジタルの力を活用しながら業務改革を進めていくことで、組織資源の有効活用、働き方改革等を図るとともに、県民サービスの向上に取り組んでまいります。
○議長(鈴木太雄君) 奥村規子君。
〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 ただいま総務部長のほうから答弁をいただいて、その中で、やっぱり今までの窓口の手続に加えてということで、県民の選択肢を増やしていくというふうに答弁をしてくださったので、安心をしたんですけども、このデジタル技術、行政DXを進めるという中で、やはり何よりも県民のサービスが向上するように、人の体制などもそういったところで効率化、省力化できたところは、そういう県民サービスのところにしっかりと体制を充てていただくと、そういったことをぜひ進めていってほしいなというふうなことで、要望をさせていただきます。よろしくお願いします。
最後に、4点目の選択的夫婦別姓制度の早期実現ということで、これは私ごとですけども、私自身、結婚によって姓が変わることに対して、すごく違和感を感じました。何げなく夫となる方に──今現在、夫なんですけど……。すみません。何げなく夫と……、自分で言って笑っている。今は夫なんですけど、そのときは夫となる方に、どっちの姓にするかと聞いたことを今も覚えています。夫のほうは覚えていないようですが、結局は社会的な流れの下で、夫は長男であり、私には弟がいることもあり、あえて抵抗することもなく改姓をしました。
その後、看護師の国家資格の届出者名の変更手続の際に、再び違和感が襲いました。その感覚は今も残っています。もっともっと社会的に不利益を被っている方もいらっしゃいます。結婚による改姓に抵抗され、生きづらさを感じている人もいます。
この10月、国連女性差別撤廃委員会が日本政府に対して、選択的夫婦別姓の導入を求める4度目の勧告をしています。経団連も、夫婦別姓を認めない今の制度は、女性の活躍が広がる中で企業のビジネス上のリスクになり得るとして、政府に対し、選択的夫婦別姓の導入に必要な法律の改正を早期に行うよう求めています。
そういったことから、知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○議長(鈴木太雄君) 知事。
〔岸本周平君、登壇〕
○知事(岸本周平君) 奥村議員の御質問にお答えしたいと思います。
選択的夫婦別姓制度につきましては、1996年に、法務大臣の諮問機関である法制審議会においてその導入が答申されております。それから既に30年近い月日がたってしまいました。
女性の社会進出や家族形態の多様化が進む中で、現在行われている夫婦同姓制度は、今、奥村議員がおっしゃいました改姓による職業生活上及び日常生活上の不便、不利益を生じさせ、望まない改姓による精神的な苦痛やアイデンティティーの喪失感を与えるなど、女性の活躍、ジェンダー平等を阻害する要因の一つになっております。
私ごとですけども、私の今の家内も旧姓で仕事をしておりますけれども、社内の手続とか、それから海外出張したときなんかは大変な不便であるというようなことをいつも聞かされております。
また、奥村議員御指摘のとおり、国連女性差別撤廃委員会からは4回にわたり是正を勧告されておりまして、経済界の代表である経団連からも早期の実現を求められているという、喫緊の課題だと認識をしております。
選択的夫婦別姓制度の導入につきましては、既に最高裁の判決も出ております。2015年及び2021年の決定にもあるとおりでありまして、国会で議論されるべきだと考えております。今回、選択的夫婦別姓制度の導入について前向きな石破総理大臣のリーダーシップの下、国会での議論が進むことを期待しているところであります。
私ということになりますと、私はこれまで、多様性や公平、包摂、いわゆるDEIと言われる哲学に基づいて県政を実施してまいりました。したがいまして、この問題につきましては、社会に開かれた形で早く議論が進められ、1996年の法制審議会答申が一日も早く実現できることを願っております。
したがいまして、この議論が加速されますよう、全国知事会などを通じまして、引き続き国に要望をしてまいりたいと考えております。
○議長(鈴木太雄君) 奥村規子君。
〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 今、再質問させていただこうと思ったら、全て知事のほうからもおっしゃっていただいたので、大変勇気をいただいたと思います。
世界で夫婦同姓を義務づけている国は、日本だけというように聞いています。そういった中で、ぜひ今、地方からも、県からも、またしっかりと働きかけをしていただきたいなというふうに、よろしくお願いしたいと思います。
名前、氏名は個人の人格ということだと思います。人格の象徴だと思います。姓を変えることは、アイデンティティーが奪われると感じる人もいらっしゃいます。個人の尊厳を脅かしている状況ではないかと思います。そのため、夫婦同姓でなければ結婚できない現行制度は、法の下の平等、また、婚姻の自由をうたう憲法に反するのではないかと思います。いろんな意見があるからこそ選択ができる、そのことが必要ではないかということを申し上げて、次に行かせていただきます。
次の2点は、要望ということでよろしくお願いいたします。
太陽光発電所の建設についてでございますが、和歌山市の鳴滝採石場の跡地で計画されている太陽光発電事業について、付近の住民の方々から心配の声が出され、中には自治会の総会まで開き、反対の決議を上げられています。
災害発生の防止、自然環境、生活環境、景観の観点から、理解や納得できないという住民の意見がたくさん出されているにもかかわらず、県と市は、それぞれの太陽光条例で認定したということです。しかし、住民の不安は解消されていません。
和歌山県太陽光発電事業の実施に関する条例の目的は、「事業者と県、市町村及び県民が太陽光発電事業について事前に協議する手続その他所要の事項を定めることにより、太陽光発電事業について県民の理解と本県の環境との調和を確保し、もって本県の環境にふさわしい太陽光発電事業の普及を図ることを目的とする。」となっています。条例上では、住民意見をどのように出すことができ、その取扱いについてはどうなっているのか疑問を持っています。そもそも住民の不安を解消するための条例ということで理解をしていますが、より一層皆さんの意見を反映した審査を行っていただけますように、改めて強く要望をしておきたいと思います。よろしくお願いいたします。
最後に、物価高騰等における地域の医療機関への支援について要望させていただきます。
コロナ禍を経て、物価高騰する中、今年の6月には診療報酬がマイナス改定され、地域医療を担う医療機関から悲鳴が上がっています。
国は、病床削減、病院統廃合、医師数の抑制によって地域の医療体制を切り縮める政策を進めています。そのような中、コロナ危機の教訓を踏まえながら、地域医療を支える医療機関への公的支援の拡充と、診療報酬の増額、改善を求めるものです。
物価の高騰に見合うだけの診療報酬になっていない、看護師・薬剤師不足などの人的確保が厳しい中、24改定の算定要件を満たすのが難しい、極めて厳しい改定など、現場の声をよく聞きます。今、臨時国会で審議されている政府の総合経済対策における物価高の克服、国民の安心・安全の確保のため、地域の医療機関を守るよう、強く働きかけていただきたく要望いたします。
医療はいつでもどこでも誰でも受けられる、そのことが命を守るために不可欠なことです。そんな医療体制をつくっていくよう、ぜひよろしくお願いを申し上げまして、この要望2点、よろしくお願い申し上げます。
これで、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。(拍手)
○議長(鈴木太雄君) 以上で、奥村規子君の質問が終了いたしました。
これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
この際、暫時休憩いたします。
午前11時16分休憩
────────────────────
午後1時0分再開
○副議長(堀 龍雄君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
質疑及び一般質問を続行いたします。
38番林 隆一君。
〔林 隆一君、登壇〕(拍手)
○林 隆一君 皆さん、こんにちは。県議会議員の林でございます。(「分かっている」と呼ぶ者あり)分かっている。
最近、本当、県議会議員の林と言われることは少なくて、林佑美衆議院議員の旦那さんとかそういうふうに、肩書じゃなく前置きでよく言われることがあって、どうして挨拶していいものかなと。お願いします。林佑美の旦那とは言えないし、どうしようかなというふうに思っている次第なんですが、今日は、本当に県議会議員らしく質問をしたいというふうに思っていますので、知事、よろしくお願いいたします。
それでは、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
まず、県立中学校の学校給食について質問させていただきます。
県は、この10月から、学校給食費の無償化をスタートさせました。
県民の友12月号の知事のメッセージで、知事は思いを書かれております。そこには、「来年度の県財政も厳しい状況には変わりありませんが、政府が給食費無償化に取り組むまでは歯を食いしばって続けていきたいと考えています。県民の皆さん、応援よろしくお願い申し上げます。」とあります。
学校給食費の無償化については、私も以前から提案していたところであり、ぜひ頑張って続けていってほしいと思っております。
一方、県立中学校は、学校給食を実施していないため、無償化の恩恵を受けることはできておりません。
今年3月の予算特別委員会で、また6月議会においても、県立中学校に学校給食を実施するよう要望させていただきました。
知事に、「30市町村の学校では、ほとんどの学校で学校給食を実施しているが、その中には県立中学校より狭い学校も多くあるし、ほかの都道府県の中高一貫の学校で学校給食を実施しているところもある。」「県立中学校で学校給食の実施に向けて配膳室を設置できる方法を研究するため、市町村や学校給食を実施しているほかの都道府県立中高一貫校へ調査及び検証していくべきであると考えるがいかがか」というふうな質問をさせていただきましたところ、知事は、「他の都道府県の学校給食を実施している中高一貫校や、県内の給食センターから給食を配達される学校を調査及び検証して、研究することについてはやりたいというふうに考えております」との御答弁をいただきました。
学校給食は、栄養バランスの取れた食事を提供することで子供たちの健康の増進に役立つのはもちろんのこと、学校における食育の生きた教材として、子供たちが食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身につけること、さらには食を通じて地域等を理解することや食文化の継承を図ること、自然の恵みや勤労の大切さなどを理解することなども非常に重要ですので、ぜひ県立中学校においても学校給食を実現していただきたいというふうに考えております。
そこで、知事に質問いたします。
6月議会から半年ほどになりますが、その間、どのような調査、研究をされましたか。また、それを受けて、現在、県立中学校の学校給食について、どうお考えでしょうか。併せて知事にお伺いいたします。
○副議長(堀 龍雄君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。
知事岸本周平君。
〔岸本周平君、登壇〕
○知事(岸本周平君) 林議員の御質問にお答えしたいと思います。
林議員からは、前回も県立中学校の学校給食の在り方について御質問いただいておりまして、この間、教育委員会のほうでいろいろ調査、研究をさせていただきました。
まず、県内で新たに配膳室を設置しました公立の小中学校が10校ございまして、調査をいたしましたところ、空いている教室、あるいは校務員室、それから湯沸かし室、場合によっては倉庫などを改修して配膳室を設置するなどの工夫をされていたことが分かりました。
また、他の都道府県の教育委員会にも調査をしたところ、給食を実施している36校の中高一貫の学校から回答いただきました。その多くが近隣の給食センターなどに委託しているというところが多かったです。
それで、配膳室があるところも、学校がスタートしたときから配膳室があると、そういうところが大半でありました。一部開校後に、増築または既存の部屋を改修したケースもございました。
そして、何度も申し上げていますけれども、学校給食には調理施設と配膳室の設置が必須であります。衛生管理というのが何より、そこへ通っておられるお子様の命と安全を守らないといけませんので、衛生管理というのが本当に重要なものですから、そう軽々に進めるわけにはいかない、慎重に考えていくべきだと思います。
県内の県立中学校と今回調査したところでは、もちろん生徒の数、あるいは校舎の配置など事情が異なりますけれども、今後も学校給食の実施に向けて、配膳室の場所やその動線などにつきましても研究は進めてまいりたいと、そのように考えております。
○副議長(堀 龍雄君) 林 隆一君。
〔林 隆一君、登壇〕
○林 隆一君 県立中学校の給食実施に向けてさらに研究していくとの前向きな御答弁、どうもありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたします。
続きまして、県立中学校の質問をいたします。
我が県の県立中学校は、平成16年(2004年)の4月に向陽高等学校に併設される形で向陽中学校が初めて設置されて以来、平成18年4月に橋本高等学校に古佐田丘中学校が、また田辺高等学校に田辺中学校がそれぞれ併設され、平成19年には桐蔭高等学校に桐蔭中学校、平成20年には日高高等学校に附属中学校が併設され、現在は5校となっております。
5校の県立中学校は、それぞれ県立高等学校に併設された併設型中高一貫教育校として設置されております。
最初の向陽中学校が開校されてからは20年、日高高等学校附属中学校の開校からでも16年が経過しております。これほど長く運営していると、設立当時の状況と変わってきた部分があると思います。例えば、少子化による子供の減少は、直接入学希望者の数に影響を与えるものと考えております。また、実際に運営することによって見えてきたものもあると思います。
このあたりで一度、県立の中高一貫校について改めて考えてみるのもよい機会ではないでしょうか。
そこで、教育長にお伺いいたします。
近年の県立中学校の出願状況と県立中学校の創立から20年が経過し、どのようなメリットと課題があったかを含めて、県立中高一貫校の状況をお答えください。
○副議長(堀 龍雄君) 教育長宮﨑 泉君。
〔宮﨑 泉君、登壇〕
○教育長(宮﨑 泉君) 県立中学校の出願状況につきましては、2022年から2024年までの過去3年間で平均して見ていきますと、古佐田丘中学校は1.5倍、向陽中学校は3.4倍、桐蔭中学校は3.2倍、日高高等学校附属中学校は1.1倍、田辺中学校は1.4倍となっております。
中高一貫教育のメリットとしては、中学校と高等学校の6年間を接続した計画的、継続的な教育課程を展開することにより、生徒の個性や創造性を伸ばせること。また、県立中学校の生徒は、高校生との異年齢集団による活動を行えるため、社会性や人間性を高めることなどが上げられます。
課題としては、県内の中学校の生徒数の減少が続いております。市町村立中学校に影響を与える可能性が考えられます。
県教育委員会としましては、市町村と協力して中学校教育の多様性や信頼性を高め、教育ニーズに応えていくとともに、県立中学校の在り方についても検討しつつ、引き続き中高一貫教育の充実に努めてまいります。
○副議長(堀 龍雄君) 林 隆一君。
〔林 隆一君、登壇〕
○林 隆一君 御答弁ありがとうございます。
課題もあるとのことですが、和歌山市以外にある3校は、出願状況は1倍少々ですが、ただ和歌山市にある桐蔭中学校や向陽中学校は、出願状況が3倍を超え、非常に狭き門になっております。2校に関しては、格差是正といいますか、そういったのも含めまして定員数を増やすように要望し、次の質問に移ります。
続きまして、大阪・関西万博について質問いたします。
2025年大阪・関西万博も開幕に近づいてまいりました。今回、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、海外のパビリオンや民間パビリオンも含め、様々な展示が予定されております。
和歌山県においても、関西パビリオン内に和歌山ゾーンを設けるなど、本県の歴史、文化、自然、食、産業などの魅力を大いに発信するものと思われます。
加えて、和歌山県では、小中学生を万博に招待し、実際に万博を体験してもらうための支援に取り組んでもおられます。
その中で、紀南地域の小中学生の参加が低い状況であったことから、宿泊支援を行うなどにより、紀南の子供たちが参加しやすい環境を整備しようと取り組んでくれております。
しかしながら、アンケート結果によると、宿泊支援があれば万博に参加するといった学校がアンケート結果からはなかったことから、宿泊支援事業を現状ではやらないと聞いております。
県としては、何とか県内の子供たちを万博に参加してもらえるよう取り組んでいる状況であると考えますが、高校生の万博参加に係る支援についてはあまり取り組めていないのではないか、そういうふうに思っております。
小中学生の宿泊支援を考えていたのであれば、高校生に対する何らかの支援も考えられるのではないかというふうに考えております。
そこで、今後、万博への参加を希望する高校生に対し、経済的支援を含め、何らかの支援に取り組まないのか、知事にお伺いいたします。
また、これまでも質問していることではありますが、万博会場の安全・安心の確保に係る防災対策等に対する県からの申入れについて、知事に併せてお伺いいたします。
○副議長(堀 龍雄君) 知事。
〔岸本周平君、登壇〕
○知事(岸本周平君) 林議員の質問にお答えをいたします。
今回、県が県内の小中学生にぜひ大阪・関西万博へ行ってもらいたいということで、チケット代ですとかバス代の一部の支援をさせていただくことになりました。
これは、前の万博のときに私自身が中学2年生でありまして、あのときに二つありました。一つは、やっぱり国際的なパビリオン、外国のパビリオンで初めて外国ということを肌で感じることができた。それから、携帯電話とか動く歩道とか、当時で言えば、最先端の技術を見てびっくりしたというようなことがあって、ぜひ今回も県内の小中学生の方にそういう国際的な出会いとか、最先端の技術との出会いをしてほしいという思いで制度をつくったわけであります。
一方で、やはり財源に限度がございますので、それはもう高校生までできればそんなありがたいことはないんですけれども、まずは小中学生ということにならざるを得なかったということであります。
ただ、大変ありがたいことなんですが、現在、3社の企業から高校生の皆さんへのチケットの御寄附がございました。したがいまして、寄附をいただいたチケットにつきまして、枚数の限度はあるんですけれども、今、教育委員会などを通じまして、万博へ参加したいという希望する学校を募っております。そこに渡していければという作業をやっているところでございます。
そういう意味で、間接的ではありますけれども、県内の高校生が万博で貴重な体験ができますよう今後も取り組んでいきたいと思いますし、また、できれば企業含め、そういうチケットの御寄附をいただければありがたいなと考えているところでございます。
それから、安全・安心の確保に向けて御質問がございました。
これは、今、例えば小学校で低学年のお子さんたちのバスの乗降場所が少し遠いところにあったり、あるいは移動するときに歩道の上に屋根がないとか、いろんな問題、あるいは断水したときはどうするんだ、いろんな場面を想定して万博協会に申入れを行っているところでございます。
今後も、議員御指摘のとおりでありますので、子供たちが安全・安心に、また快適に万博を体験できるようしっかりと取り組んでまいりますので、御指導よろしくお願い申し上げます。
○副議長(堀 龍雄君) 林 隆一君。
〔林 隆一君、登壇〕
○林 隆一君 知事、御答弁ありがとうございます。
20分程度でございましたが、以上で、私の一般質問を終了いたします。御清聴いただきありがとうございました。(拍手)
○副議長(堀 龍雄君) 以上で、林隆一君の質問が終了いたしました。
質疑及び一般質問を続行いたします。
39番片桐章浩君。
〔片桐章浩君、登壇〕(拍手)
○片桐章浩君 こんにちは。議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問を行わせていただきます。
今回、4項目ということなんで、早速、第1問に入らせていただきます。
まず、闇バイトという言葉を聞かない日は少なくなってきております。連日ニュースでこの言葉を聞くことがありますが、聞くたびに、いつの間に日本はこんな状況になってしまったのだろうかと思います。
高齢者を思いやる、お互いに声をかけて助け合う、困っている人がいたら親切にするなど、日本人が本来有しているはずの思いやりの心などの価値観はどうなってしまったのかと思うことがあります。
若い世代の感覚が分かり、上の世代ともつなげる30代前半の方から、あと5年もすれば、日本人はお年寄りの方が道で倒れていても誰も見向きもしない、助けもしない社会になっていますよと若い人の感覚を話してくれましたが、そんな社会の到来を感じさせる闇バイトによる凶悪犯罪の数々があります。こんな犯罪が頻繁に起きると、人を信頼しなくなるだとか、疑いの気持ちで接する、そんな社会になりそうで、社会から思いやりや優しさが次第に失われていくようにも感じます。
これまでは首都圏で発生しているものですが、全国に拡大することも予想でき、今の段階からの対応が必要になっています。
和歌山市内のホームセンターなどでは、防災用品が品切れになっていることや、インターネットでこれらの商品を注文したけれども届くのは2か月先だ、こういう状況もあるようです。
防犯用品が品切れになっているのは、首都圏で発生している強盗事件が拡大することへの不安、危機感を感じている、こんな人が多いことを表しているのではないでしょうか。
また、先日、和歌山市内のリフォーム会社の社長さんをはじめ、懇談をさせていただきました。社長はこんな話をしてくれました。「仕事が忙しくて年内はいっぱいです。その理由は、闇バイトに関係していて、凶悪事件が関東で多発していることから、面格子の取付けの依頼が増えています。安全を求めて窓に面格子を取り付ける依頼をいただくのですが、注文してから納品されるまで55日間、2か月かかっています。全国の方々が防犯対策を急いでいるので取付けができないこの間に、これ以上闇バイトによる犯罪が発生しないことを願っています」、このように話してくれました。
これら防犯対策の動きは、日常生活に不安を感じ、凶悪犯罪への備えをしていることにほかなりません。
日常生活に不安を抱えている、こんな日常が私たちが安全と安心を願ってこれまで築き上げてきた日本社会だろうかと思うこともありますから、まちの安全・安心対策は一層強化すべきだと思います。
そこで、犯罪から県民の生活を守るためのまちの安全、暮らしを守る取組についてですが、闇バイトに端を発して犯罪が発生しています。和歌山県内では、まだ被害は発生していませんが、県民の皆さんを不安に陥れ、平穏な生活すら脅かしている状況です。
犯罪から県民の生活を守るため、まちの安全と暮らしを守る取組について、知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○副議長(堀 龍雄君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。
知事岸本周平君。
〔岸本周平君、登壇〕
○知事(岸本周平君) 片桐議員の御質問にお答えしたいと思います。
今、県におきまして、刑法犯の認知の件数でありますけれども、これは2022年以降、増加傾向にございます。
それから、今、片桐議員が御指摘いただいたとおりでありますけれども、凶悪な強盗事件が全国で毎日のように話題になっておりますし、また特殊詐欺、あるいはSNSを使った投資詐欺とか、あるいはロマンス詐欺といったものが急増しております。県民の皆様の不安が高まっているということは、私自身も肌で感じているところであります。
そして、犯罪のない安全で安心して暮らせる社会の実現は、全ての県民の願いであると思います。
そこで、県では、県民の皆様が安全で安心して暮らせる地域社会を実現するために、和歌山県安全・安心まちづくり条例を制定しております。
御存じのとおり、その基本理念には、県民等による自主的な防犯活動を基本とし、安全で安心な地域社会の形成に配慮した環境の整備が実施されるよう推進されなければならない、その旨が定められております。
県警では、県民の安全を守ることを責務として、犯罪検挙活動やパトロールなどの防犯活動を行っております。
一方で、県民、地域活動団体及び事業者がそれぞれのお立場で自主的に安全で安心なまちづくりに取り組んでいただくことが不可欠であると考えております。
県といたしましては、県民の皆様に防犯意識を高めていただくための啓発活動を行っていくことが重要な役割であると考えております。
引き続き、県警と連携しながら、犯罪の発生状況や傾向を迅速に共有し、県民の皆様に理解しやすい形で情報発信していくとともに、防犯活動を促す啓発を行って、地域で犯罪は許さないぞという機運を高め、犯罪のない安全、そして安心なまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
○副議長(堀 龍雄君) 片桐章浩君。
〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 それでは、次の項目で、防犯意識を高める取組であります。
その取組の一つに、防犯カメラというのが効果的ではないだろうかと思っています。
コロナ以前は、企業が無償で各地域に防犯カメラを設置するという取組がありまして、何件か取り付けていただいたことがあるんですが、この防犯カメラに関して、ジチタイムズというところは、こんな効用を述べております。的を射ているかなと思います。
「防犯カメラの設置も監視性の確保に有効な手段です。カメラの存在自体が犯罪抑止力となり、犯罪企図者に心理的なプレッシャーを与えます。さらに、万が一犯罪が発生した場合でも、映像記録が重要な証拠となり、犯人特定や再発防止に役立ちます。」と、このように紹介をしてくれています。
安全・安心できる生活を守るため、各自治会内や道路、住宅などへの防犯カメラの設置や防犯機能の高い住宅のドア、窓ガラスの取付けなどが必要だと思います。
これまでは繁華街とか駅周辺は防犯カメラが必要だと思っていたんですが、住宅地の道路とか、そんなところはプライバシーの観点もあって、それほど重要ではなかったのかなと思っていたんですが、今では住宅地の入り口とかに防犯カメラを設置している自治会もあったりとか、かなり防犯意識が高まっているというふうに思っております。
また、一般的に必要性の乏しい秘匿性の高いアプリを例えば禁止することや、防犯機能の高い住宅のドア、窓ガラスの設置を促す啓発も必要ではないかなと思います。
そこで、質問です。
自治会や県民の方々の防犯意識を高める取組が必要だと思いますが、どのような取組を現在行っているか、昨今の状況から鑑みて、さらに防犯意識を高めることについて、環境生活部長の答弁をお願いいたします。
○副議長(堀 龍雄君) 環境生活部長山本祥生君。
〔山本祥生君、登壇〕
○環境生活部長(山本祥生君) 県民の皆様に防犯意識を高めていただくための取組につきましては、犯罪に関する情報を掲載した啓発情報誌の発行や、関係団体を通じた高齢者宅への戸別訪問による情報提供、児童がフィールドワークを通じて町なかの危険な場所等を学ぶ地域安全マップづくり事業などを実施してきたところです。
また、より防犯意識を高めるため、県警察と連携し、特殊詐欺等の月末時点における被害の認知状況について情報発信を行い、注意喚起に努めています。
加えて、犯罪の防止に配慮した環境整備にも取り組んでおり、安全で安心なまちづくりを推進するための防犯指針を策定するとともに、2016年度から3年間、市町村が設置する防犯カメラについて、設置費用の一部を支援したところです。
今後とも、社会情勢を踏まえ、県警察や市町村、関係団体と連携し、防犯意識をより一層高めるための広報啓発を行い、県民の皆様が安全で安心して暮らせるまちづくりに向けての取組を進めてまいります。
○副議長(堀 龍雄君) 片桐章浩君。
〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 部長からお答えいただきまして、防犯カメラを、2016年から3年間で増やしてきたということで、多分1000台強ぐらいは設置できているのかなということで、安全性は高まっていると思うんですが、昨今の状況を鑑みて、また、治安の状況によっては防犯カメラを増設することの必要性が出てくるのかなというふうに思いますので、より一層防犯意識を高める取組をお願いしたいと思います。
続きまして、次の項目に入りたいと思います。
県内では、少子化の影響で地域の青少年スポーツチームに属する人数が減少しているようです。単独チームで試合に出られないチームもあるため、最近では合同チームで出場することは珍しくありません。
本年度開催された第37回近畿ブロックスポーツ少年団軟式野球交流大会、これは今年の6月に開催されたものなんですけども、ここで出場権を獲得した合同チームがあります。しかし、この競技規定第8項、同一チームのユニホームを着用のこととの決まりにより、大会出場はかないませんでした。
県大会を勝ち抜いたんですけども、近畿大会は出られなかったと、こういうことになります。
トーナメント表には、さらにちょっとこれ、ひどいなと思うんですけども、和歌山代表のチームのトーナメント表は棄権と記されておりまして、チーム名すら記載されていない、こういう状況がありまして、出場権を得た、獲得した合同チームの選手は、小学生ですけども、悔しくて涙を流し、それを伝えた、棄権を伝えた指導者は、子供たちの涙を見て、指導者も悔しくて涙を流したそうです。ユニホームを統一しなければ出場できない競技規定は承知していたものの、子供たちの涙を見て、やるせない悔しい思いをしたということです。
それで、指導者の方がこういう話をしていただきました。「この競技規定がある限り、来年も同じことが繰り返されます。もう二度と子供たちに同じ思いをさせたくありません。1回限りで十分です。出場できなかった子供たちの涙は今も離れません」と言って、話している最中も涙を流しながら訴えてくれました。
この言葉と涙を聞いて、子供たちに棄権を伝えたとき、どれだけつらかったのだろう。子供たちの涙を見たときは、指導者としてどれだけ悔しかったのだろう。こんな涙を流させてはいけないと思いました。
この合同チームで近畿大会出場が決まったからといって、チーム名やデザイン、費用負担の問題があるので、新しいユニホームを短時間で作れるものではありません。
また、合同チームであっても、入部する子供たち、例えば来年入ってくる子供たちが少ないときもあれば多いときもある。単独でいける年もあれば合同になる年もあると、こういうことがありますので、最初から合同チームを目指しているわけじゃないんですよね。ですから、単独チームで大会に出られるように子供たちに入部を働きかけているのですが、なかなかそれがかなわないという状況がありますので、事前にこことここで組んでユニホームをそろえておこう、こういうことが実はできないわけです。
ただ、スポーツを行っている子供たちに、このような大人の事情や、これは昭和の時代に決めた競技規定だと思いますが、関係はありません。少子化以前は小学校単位の単独チームで試合を行うのは当たり前でしたが、最近では合同チームで試合に出場することになって発生した問題です。
合同チームで出場する場合のユニホームを仮にそろえる場合の問題点は、さきの理由に加えて、ユニホーム代の費用発生という家庭の経済的な問題もあり、ユニホームを統一しなければ大会に出場できないというのは時代遅れの価値観に基づいた競技規定であり、改正する必要があると考えます。
時代は多様な価値観を取り入れる社会に変化しています。この競技規定は、時代に即した規定ではないと思いますし、来年の大会開催までに早急に改正の必要があろうかと思います。
そこで、質問です。
今年開催された第37回近畿ブロックスポーツ少年団軟式野球交流大会に合同チームで出場権を獲得した和歌山県の合同チームが、この競技規定により大会に出場できなかったことを鑑みて、選手や監督は悔し涙を流した、心に傷がついた。特に小学校6年生の子供は最後の大会だったわけですから、傷ついている、こういう状況があります。
また、高校の硬式野球和歌山県大会、ここに合同チームでそれぞれの学校のユニホームでは出場できていますし、規定を見ますと、仮に合同チームの甲子園出場が決まった場合、それぞれの学校のユニホームで出場できるそうなんですね。統一する必要はないと。高校野球もこのように規約が変わっております。
ユニホームが統一できないことから、出場できなくなるような競技規定があることについて、知事はどう考えますでしょうか。知事が常に思っている憲法の幸福追求権の価値観から、また時代の感覚からおかしな競技規定だと思いますが、答弁をお願いしたいと思います。
○副議長(堀 龍雄君) 知事。
〔岸本周平君、登壇〕
○知事(岸本周平君) お答え申し上げます。
今、片桐議員の御質問を聞いておりまして、耳を疑いました。いつの時代のいつの話なんだろうかという思いでお聞きをしておりましたけれども、大変非常識なことであろうかと存じます。
そもそもスポーツ少年団は、子供たちがスポーツを楽しむだけではなくて、学習活動ですとか野外の活動、レクリエーション活動などを通じて協調性とか創造性を養い、社会のルールや思いやりの心を学ぶ組織であります。そして、県のスポーツ少年団の本部は県のスポーツ協会の中に設置をされております。
今、片桐議員もおっしゃったとおりで、この少子化の中で、少年団に入団する子供が少なくなり、地域によってはチームが組めないという少年団が増加しております。
このため、県のスポーツ少年団の軟式野球大会におきましては、単独チームで出場できない場合、合同チームの出場を認めるとともに、当然のことでありますけれども、ユニホームの統一条件は付与していないというふうに承知をしております。
また、今、これも片桐議員がおっしゃったとおりで、高野連においても部員不足による大会参加については特例措置を設けており、帽子やユニホームなどは連合チーム間で統一の必要はないという旨が定められております。
少子化が進む中で、みんなで知恵を出して、一人でも多くのお子さんがスポーツをする機会を確保するということこそが重要でありますので、今、お聞きした規定は問題外というか、明らかに時代遅れであります。大変遺憾に存じます。
○副議長(堀 龍雄君) 片桐章浩君。
〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 それでは、知事にお答えいただきました。
では、競技規定の改正について、当該規定は時代遅れじゃないかと答弁をいただきましたが、では、来年度の大会開催までに和歌山県が主導し、競技規定改正に向けた取組をしてほしいと思いますが、知事のお考えをお示しください。
○副議長(堀 龍雄君) 知事。
〔岸本周平君、登壇〕
○知事(岸本周平君) お答え申し上げます。
今、御指摘いただきました案件につきましては、昨年度も近畿ブロックスポーツ少年団連絡協議会におきまして、合同チームの出場可否について議論がなされたと聞いております。その際に、和歌山県のスポーツ少年団としては、滋賀県と共に合同チームの出場が承認されるよう提案をしましたけれども、規定の改正は全会一致ということが原則だそうでありまして、一部の委員からは、単独少年団から有力選手を選抜し、仮に強いチームが形成され、他府県チームを圧倒してしまうというようなことがあると、これはよくないんではないかというような理由で反対がなされ、結果として認められなかったというふうに聞いております。
これは民間の任意団体がなさることなので、県当局として、民間の皆さんの判断について直接何か申し上げる立場にはないと思いますけれども、やはりおかしいと思いますので、今後とも一人でも多くのお子さんがスポーツを楽しむ機会を得ていただきますように、和歌山県のスポーツ少年団を通して時代に合った規定に改定されるように働きかけを続けてまいりたいと考えております。
○副議長(堀 龍雄君) 片桐章浩君。
〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 今年の大会の前、昨年もそういう協議があって、多分、都会のまちをお持ちな県が反対したんではないかなと思うんですが、和歌山を含む各県は、規定はやっぱり時代に即して変えるべきだというふうな主張を多分されていると思います。ぜひ、今年こそ改定に向けてお願いできたらなと思います。
続きまして、3項目めは、観光産業についてです。
和歌山県は、観光立国を目指しているわけなんですけども、ここで旅行事業者やリゾートホテルの関係者から、事業者ですけども、話を伺いました。よい話とそうでない話の両方がありますので、よいところは伸ばし、よくないところは改善する、これが和歌山県の観光振興につながると思いますので、以下、述べさせていただきたいと思います。
まず、ホテル事業者から聞いた和歌山県の夕日の話です。
今年、家族で和歌山県を訪れ、和歌山マリーナシティホテルに宿泊したのですが、ここから眺める夕日は最高で、家族全員が感動しました。中でも子供が夕日がきれいと言ってずっと見ていたので、子供の心も震わせる和歌山県の夕日と海はすごいと思いました。私も仕事柄、世界のリゾート地を訪ねていますが、和歌山県の海に沈む夕日は世界一だと思います。
マリーナシティホテルから夕日をずっと見ていましたが、和歌山県はこのきれいな夕日を観光資源として売り出すべきです。和歌山県の皆さんは、毎日見る夕日なので見慣れている、当たり前になっていると思いますが、本当にすごい夕日ですから、外国にアピールすれば、たくさんの観光客が訪れてくれると思います。
「ところで、世界のリゾート地で共通していることがあります」と言って教えてくれたことが、「それは、陸地や半島の西に位置していること、つまり夕日が海に沈む光景を見ることができることがリゾート地の条件だよ」と、こういうことだったんです。
東側の朝日の地域は、なかなかリゾート地になり得ないと、こういう話をしてくれまして、例えば沖縄県のリゾート地は、多くは西側に存在していますし、カリフォルニアでは半島の西側がリゾート地になっているように、共通しているのは西側、夕日だと、これがポイントだということです。
和歌山県はほぼ西に海があるので、多くの市町で海に沈む夕日を見ることができます。しかも、和歌山県の夕日は、島影や山影などが交ざり合い、ずっと見ていられる光景だと、こうおっしゃっていただきました。
「ただ、弱点は、外国人が好む高級ホテルが海沿いにないことや、食材が豊富なのに食べたい料理の選択肢が少ないという課題があります。都内のホテルの宿泊費や食費は、インバウンド観光の影響で軒並み高くなっていますが、和歌山県では、外国人から高い宿泊費を頂ける高級ホテルはないことが観光産業にとっての欠点ではないだろうか」と、こういう意見であります。
続いて、外国の、これもリゾート関係のサービス事業者からの話です。
「外国人が日本で求めているものの一つにフルーツがあります。おいしいフルーツが食べられる和歌山県は、インバウンド観光客に来てもらえるアドバンテージがある県です。日本で和歌山県に対抗できるのは、福岡県ぐらいだと思います」ということで、和歌山を評価してくれております。
観光には、おいしいものが食べられ、買物ができて、楽しい時間を過ごせることが大事なので、フルーツをはじめ、新鮮な食材が豊富な和歌山県は、充実した時間を提供できるリゾート県だと思います。
和歌山県に必要なものは、人の動きと産品に価値を持たせて流通させることだと思います。
人が動くと利益が生まれますが、デジタル社会では利益を生む方法は大きく変わっています。従来は、人の交流があって取引につながり利益を得られる仕組みでしたが、現在は、インターネットを介在しての取引や流通が主流なので、人を介さずにデジタルツールで利益を得られる仕組みになっていて、人と人との交流が割愛されている分野が多くなっています。
ところが、デジタルに置き換えられないのがサービス産業です。高いサービスレベルによって楽しい時間や豊かな時間が得られますが、そんなサービスは人が提供しているもので、デジタルで代替できないものです。
和歌山県には観光客が求める食材があり、ここに娯楽、エンターテインメントを提供できる仕組みをつくることができれば、観光産業につながります。
ただし、そのためには、現状でよいという意識からの脱却と変わることを受け入れる県民性が必要となります。まちは社会の変化に対応していくことで発展していくものです。
こういう意見であります。
それから、続いて、三重県の友人から聞いた観光ゴールデンルートの話です。
これは、岸本知事も多分聞かれている話だと思うんですけども、現在、インバウンド観光で注目を集めているのが金沢、岐阜のゴールデンルートです。これは、東京から入国したインバウンド観光客は、上越新幹線で金沢市に入り、そこから岐阜県・飛騨高山と白川郷に向かうルート、そして名古屋市に抜けて東京に戻り、羽田から帰国するか、大阪に抜けて関西空港から帰国するルートがここで言うところのゴールデンルートです。
従来のゴールデンルートは、東京都内から入り、都内観光、富士山、京都、大阪、そして関空から帰るという東海道ゴールデンルートだったんですが、これとともにこのルートも観光客でにぎわっている、この状況を伝えてくれました。
日本の文化と伝統を感じられる世界遺産の白川郷や飛騨高山は、外国人に人気があるのは理解できます。しかも、東京から新幹線と高速道路を利用することで、金沢、岐阜までの周遊は利便性がよくなり、観光ルートに適した地域に変貌を遂げています。
彼は続けてこう言いました。「紀伊半島一周高速道路が完成し、熊野白浜リゾート空港を利用すれば、このゴールデンルートに勝てるポテンシャルがある」、このように話してくれました。
和歌山県には熊野三山、世界で初めて川自体が世界遺産に登録された熊野川、そして熊野古道とロケット発射場のある串本町と那智勝浦町があります。入国と出国は熊野白浜リゾート空港を利用できますし、熊野白浜リゾート空港から入国し、紀南を周遊した後は和歌山市にも滞在してもらい、関西空港から出国するルートもゴールデンルートになり得ます。
和歌山県の観光の課題である観光地が点在していることによる移動時間の問題も、紀伊半島一周高速道路が完成することで解決に向かいます。和歌山県の世界遺産と温泉、国際空港、おいしいフルーツや豊富な食材がありますから、優れた観光ゴールデンルートに仕上げることができると思います。これが和歌山のゴールデンルートの提案であります。
そして、最後は、旅行事業者からの話ですが、これは僕にとっても聞いていて非常に厳しい話でしたが、厳しい意見も観光産業に必要だと思うので、ここで何点か紹介したいと思います。
これは、和歌山市ということですけど、和歌山市の観光資源は、インバウンド観光客を呼び込めるだけの力はないとの評価です。関西空港駅で外国人観光客にアンケートを取ったところ、99%が京阪神に行くと回答し、1%が和歌山県に行くと答えたそうです。その1%の観光客も、積極的に和歌山県に行くというものではなく、ホテルが取れなかったから和歌山市に行く、こういう見解も、意見もあったそうです。
これは、鉄道利用客へのアンケートのため、アクセスがよくない鉄道で和歌山市や和歌山県に来る観光客が少ないことは理解しているものの、少し残念な数字です。
続いて、和歌山市でインバウンド観光客が訪れる観光地といえば、和歌山電鐵貴志川線の貴志駅のたま駅長が1位、続いて和歌山城が2位、ほかは極端に少なくなっている、こういう状況があるそうです。
そして、三つ目、今年12月、南海電鉄のダイヤ改正で、なんばと和歌山市を結ぶ急行の本数が減少しています。代わって、なんばと関西空港を結ぶ急行が増発となり、南海電鉄がインバウンドに力を入れていることが分かります。これでは、ますます和歌山市にインバウンド観光客が来なくなりますので、ダイヤ改正で利便性が高まるよう和歌山市の力を引き上げていく必要があろうかと思います。
四つ目です。旅行商品として、和歌山市観光だけの商品はほとんどありません。高野山や熊野古道、白浜温泉や那智勝浦温泉の組合せで旅行商品が成り立っているもので、和歌山市単体で商品というのは厳しい、こういう現状があると。
それから、五つ目、観光施設は進化させなければお客さんは来てくれませんし、リピート性もありません。ユニバーサルスタジオが今人気なのは、毎年のように新しい施設を新設しているからです。どんなテーマパークでも進化させる必要がありますが、和歌山の場合、例えばマリーナシティの設備は更新されていないので、進化していないテーマパークに人を呼び込むことはできません。
六つ目、ベイエリアは観光地になり得る場所です。和歌山市内のベイエリアには何がありますか。どんな可能性があるか考えるべきです。大阪だとユニバーサルスタジオ、海遊館、大阪・関西万博の開催、将来の大阪IRの開設もあり、将来とも人を呼び込める要素というか仕掛けをしている。
それから、7番目、最後ですが、インバウンド観光客が求めているものは、主にグルメとか美容だということです。和歌山市に行きたくなるようなグルメと美容のお店が必要だと思いますし、ここに先進医療も入るかもしれません。
こういう少し厳しい意見を聞かせていただきました。
以上のことから、インバウンド観光客を呼び込むだけの力に欠けているとの認識を持ち、インバウンド観光を考える必要性を伝えてくれていますが、グルメなお店、高級レストランや美容、健康、先進医療、高級ホテルとエンターテインメント、スポーツ施設などを造り上げる必要があろうかと思いますし、核となる観光拠点があって、現在ある和歌山城やたま駅長、紀三井寺などが観光に生かせる、こういった構図だと思います。
人が造り上げた壮大なものには価値があります。例えば、ハワイのワイキキビーチは人工の砂浜ですが、今では世界が認める観光資源になっています。今から将来を見据えて、和歌山県としてインバウンド観光客に来てもらえるだけの観光資源を造り上げることが必要かと思います。
そこで、1番目、和歌山県の観光資源を生かすことについてですが、和歌山県の夕日やフルーツなどの食材は、優れた観光資源であり、インバウンド観光に生かせるものと思います。これらの事業者からの見解も踏まえて、令和7年度の戦略的な観光プロモーションの展開につなげていくべきだと思いますが、地域振興部長の答弁をお願いいたします。
○副議長(堀 龍雄君) 地域振興部長赤坂武彦君。
〔赤坂武彦君、登壇〕
○地域振興部長(赤坂武彦君) 議員御指摘のとおり、和歌山県内には夕日を望める絶景スポットや生マグロ、ミカン、しょうゆをはじめとした食文化など、豊富な観光資源があり、これらを活用した誘客プロモーションに取り組むことが重要であると認識しております。
県では、現地観光プロモーターや職員派遣を通じ、各市場の特性を十分把握した上で、市場ごとにそのとき求められる適切な情報提供を行うとともに、旅行会社やメディアへのセールスコールなどの誘客プロモーションに取り組んでおります。特にアジア市場と欧米豪市場では、観光に対するスタンスや求められるコンテンツの違いが大きいことから、常に各市場の嗜好や特性の把握に努めているところです。
また、近年、個人旅行者が増加しているインバウンドの傾向を鑑み、個人旅行者が情報収集に利用する大手旅行メディアや観光ウェブサイト、SNSを活用した情報発信にも注力しております。
今後とも引き続き、市場の動向や傾向を注視、分析しながら、各国市場の嗜好や特性に応じたインバウンドの誘客に積極的に取り組んでまいります。
○副議長(堀 龍雄君) 片桐章浩君。
〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 それでは、二つ目です。和歌山県観光のゴールデンルートの構築についてであります。
金沢、岐阜のゴールデンルートに負けることのない潜在性を持った和歌山県観光ゴールデンルートを構築し、国内外に発信すべきだと思います。そして、京阪神の観光のついでではなく、和歌山県観光をメインとした誘客のためには、熊野白浜リゾート空港の国際チャーター便や定期便を就航させることも一つの方法かと思います。観光資源を生かした和歌山県観光ゴールデンルートを構築することについて、知事の答弁をお願いいたします。
○副議長(堀 龍雄君) 知事。
〔岸本周平君、登壇〕
○知事(岸本周平君) お答え申し上げます。
今、片桐議員に御指摘をいただいたとおりでありまして、ゴールデンルートという名前を使えるかどうかは別にしまして、県内の周遊ルートを構築いたしますと、当然、訪問者の満足度が高まりますので滞在日数が増える、そうすると旅行の消費額も増えるということで、大変重要な施策だと考えております。
それで、紀伊半島の周遊ルートにつきましては、紀南地方にどれだけお客様を送れるかということであります。アジアにおいては、そういう周遊のルートについては、ある程度認知をされておりまして、商品造成も進んでおります。したがいまして、その魅力の紹介や利用の促進に向けた取組を進めているところであります。
一方で、ヨーロッパ、あるいはアメリカ、オーストラリアということになりますと、高野山とか熊野古道とか、ピンポイントの認知度が高まっているんですけれども、ゴールデンルートというような形ではまだまだ認知度が低いわけでありますので、奈良県、三重県と組みまして、紀南のほうのブランド化、あるいは商品造成に向けた取組、これは、実は観光庁の予算も使わせていただきながら、今、取り組んでいるところでございます。
それから、今、これも議員の御指摘のとおりでありまして、紀伊半島のど真ん中に位置します熊野白浜リゾート空港を活用するということで、魅力的な県内の周遊ルート、ゴールデンルートを構築できないか、今いろいろ検討を進めております。
実際、今年の2月と5月なんですけれども、韓国からのチャーター便をつくりました。ここで3泊4日の周遊ツアーを造成しまして販売しましたところ、大変韓国のお客様に喜んでいただきました。これもこれから一つの目玉になるんではないかと考えております。
今後とも、旅行者の求める周遊ルート、ゴールデンルートの構築、あるいは旅行会社への商品造成の働きかけをはじめとします戦略的な誘客のプロモーションに取り組むことによりまして、インバウンドの誘客に向けて前へ進んでいきたいと思いますので、また御指導よろしくお願い申し上げます。
○副議長(堀 龍雄君) 片桐章浩君。
〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 お答えいただきまして、特に空港は、せっかく県内にも生かすということは非常に重要だと思いますし、聞くところによると、地方空港の中で一番利益を上げているのが熊野白浜リゾート空港だというふうに聞いておりますので、経費削減はかなりやっているんで、あとは売上げを伸ばす、利用客を増やすということだと思います。
それから、もう一点、これはちょっと蛇足になるかも分かりませんが、インバウンド観光客が来るときのチャーター便なり、将来定期便という話もぜひ実現させたいんですが、課題の一つは、逆に帰りの飛行機に乗るお客さんをつくってくれと海外の旅行社から実は言われていまして、これは和歌山だけではなく京阪神も含めて利用してもらえることが必要だよと。ということは、このゴールデンルートをつくることによって、国内のお客さんも和歌山に寄ってから、白浜空港から、例えば台湾へ行こうかとか、そういうのも出てこようかと思いますので、ぜひこのルートというのはしっかりつくって、インバウンドのみならず、国内にもぜひアピールをしていただけたらと思います。
それでは、3項目めであります。
国内観光事業者、旅行社の話なんですけれども、先ほど言いましたように、和歌山県の観光について厳しい意見もあります。しかし、それは観光資源が劣っているというものではなく、生かせていないだけだという愛情のある指摘なので、既存の観光資源を生かすためのリゾート施設や民間投資を求める必要があります。
今後、高級ホテル等のリゾート産業における大型民間投資についてどう取り組むのでしょうか、知事の答弁をお願いします。
○副議長(堀 龍雄君) 知事。
〔岸本周平君、登壇〕
○知事(岸本周平君) お答え申し上げます。
これも、今、片桐議員の御質問の中に出てまいりましたけれども、リゾート産業の核となる高級宿泊施設が和歌山の場合は致命的に少ないので、やはりインバウンドの富裕層、高付加価値旅行者というネーミングがありますが、何のことやら分かりませんので、私は富裕層という言葉を使わせていただきたいと思いますけども、そういう富裕層の旺盛な旅行消費を通じまして、観光消費額を大きく押し上げることが可能になります。また、その結果、飲食や和歌山の農林水産業など、多様な産業にも経済効果が波及しますので、地域全体が活性化します。
何としても県としては高級宿泊施設を立地させたいということで、これは県の職員さんも一生懸命、今、誘致に努力をしていただいているところであります。
そういうことで、まさに紀伊山地の霊場と参詣道のような世界に発信できる豊かな観光資源がありますものですから、そういうものを見に来る富裕層に向けた高級な宿泊施設を造っていきたいと考えております。
これも県だけではなくて、地元の市町村、あるいは関係の機関と連携して誘致活動を進め、また海外も含めた国内外の投資家の皆さんがかなり関心を持っていただいていますので、さらにそのホテル用地、どんなところがいいのか調査もし、また新たに発掘などもしていきたいと思いますので、積極的に取り組んでいくことをお約束申し上げたいと思います。
○副議長(堀 龍雄君) 片桐章浩君。
〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 それでは、最後の項目は、大阪・関西万博で和歌山県の魅力を発信することについて質問させていただきます。
今のところ、万博のチケットの販売目標が未達であり、あまり町なかの話題にもなっていないようにも感じます。しかし、関西で開催される機会は現世代では最後だと思うので、この機会を将来の和歌山県の活力を生み出すことに生かしたいと思っております。
その意味から、現在、和歌山ゾーンに出演する団体は、和歌山県のために気持ちが入って活動をしているところでありますが、今回、和歌山ゾーンに出演する予定のKIYORA和歌山が、万博からつなぐ和歌山市の未来デザインプロジェクト、これを企画しながら地域で万博を盛り上げよう、こういう活動をしているので紹介をしたいと思います。
このKIYORAってちょっと聞き慣れない言葉ですが、KIYORA和歌山、着物と着るを掛け合わせて、着物を着て和歌山の魅力を伝えようという、こういう着物文化の発信を万博でしようという取組になります。
言うまでもなく、記紀の時代から歴史の舞台に登場する和歌山県ですが、紀州徳川時代は、紀州の文化が花開いた時代です。幾つか紹介したいと思います。
江戸時代の紀州藩は、全国一の出版物を刊行していたようですが、これは紀州藩主の徳川吉宗が情報を共有しなければ社会は発展しないと考え、今で言う出版社をつくらせて印刷物を刊行していたからだそうです。当時、出版社の数が紀州和歌山は全国一で、今に残る紀伊國名所図会は、江戸時代から続いている帯伊書店が刊行したものであり、紀州の風景が浮世絵として残っており、城下町は活気であふれていたことが分かるものです。
この印刷物に使った、次は和紙の問題になります。和紙は、コウゾの木が原材料になっています。このコウゾの木は、紀の川筋に群生していることから、和紙が生産されたことも印刷技術が紀州で発展した要因の一つになっています。
和歌山県の和は和紙の和であり、和をもって尊しの和、和みの和でもあります。古来より和歌山県は和みの地であり、文化の地であったのです。和紙も着物も繊維を束ねたものなので、着物の文化と和紙の文化は全国に誇れるもので、ここに奥深い紀州の文化を、着物をテーマに和歌山ゾーンで伝えてくれる、このことを実は楽しみにしているところであります。
ところで、今回の万博での和歌山ゾーンでの出し物は、徳川治宝公時代を描こうとしてくれております。その理由は、治宝公は、茶の湯や音楽、絵画などの芸術を愛したことから、数寄の殿様と呼ばれたことから、華やかの文化を表現できること。そして、和歌山藩主としての治世は34年6か月と長く、紀州徳川時代の象徴的な文化を表現できると考えたからです。
さて、紀州の着物文化です。もともと庶民が着ていたのは、小袖と言われる粗末な一枚着だったのですが、応仁の乱以降、上質な小袖形式の服装に変わり、ここで当時の上流階級の人たちもそれを着ていったそうです。そして、現在の着物のスタイルになったのは江戸時代です。
明暦の大火、江戸の三大大火なんですけれども、それで江戸が大火事になり、多くの家屋が焼失しました。そのため、大量の着物が必要となり、デザインは簡素化され、染物の着物も登場しました。多くの人が着物を必要としたため、ひな形本やカタログブックが刊行されたのもこの頃で、町民文化としての着物が台頭していったのです。
そして、江戸時代中後期には、現在と同じ太さの帯となり、デザインは上下模様や半模様などが登場し、絵模様も伝説や伝承、年中行事や物語、詩歌、名所と歌枕、そして駄じゃれなどが描かれるようになりました。この時代のスタイルが現在の着物の原型になっています。
KIYORA和歌山のメンバーは、企画会議や日常の活動において大変盛り上がっていて、万博のテーマソングのダンスの振りつけを練習中で、動画を撮影し、これからSNSで広めようとしています。ほかにも、ユーチューブチャンネルの開設やTikTokの活用、わかやまプレ万博への出演も既に行っています。
KIYORA和歌山は、和歌山県内で万博の機運を醸成すること、そして万博では紀州の着物文化を通じて和歌山県の魅力を伝え、万博後は和歌山県への誘客を目指して活動してくれています。今から万博後までを考えて活動することで、和歌山県の魅力を発信しようとしてくれているのです。
したがって、この周囲ではもう今から盛り上がっていまして、参加できる機会は1度だけなので万博を楽しもうと、多くの方に呼びかけて機運醸成に努めてくれています。
そこで、1問目です。
今はまだ万博自体がまちの話題になることが少ない状況ですが、和歌山県として万博の機運醸成に向けた取組について、知事の答弁をお願いいたします。
○副議長(堀 龍雄君) 知事。
〔岸本周平君、登壇〕
○知事(岸本周平君) お答え申し上げたいと思います。
もうあと100日なんですよね、万博まで。100日の割には盛り上がらないというのは議員の御指摘のとおりであります。しかし、これ、始まったら、当然盛り上がるんだろうと思うんですけれども、我々県としては、これまでも機運醸成には一生懸命努力をしてきたところであります。
県の商工会議所連合会と共同で国際博覧会和歌山推進協議会をつくりまして、これまでもいろんなイベントをしてまいりました。プレ万博のイベントも、例えば小学生のブラスバンド、あるいはそれこそ高校生のミュージカルですとか、あるいは和歌山でも有名な少年少女合唱団のような皆さんと一緒にプレイベントをやってきました。
それから、9月には、空飛ぶクルマの実証飛行イベントを串本町の潮岬望楼の芝で行いましたし、それから、先々月には和歌山ビッグウエーブでわかやまプレ万博をやりました。
さらには、若者向けにSNSで発信もしております。それから今週末の12月14日ですけれども、ちょうど開催100日前イベントということで、県内の子供さんたちが中心となって、合唱、ミュージカルで盛り上げようと思っております。
ぜひあと残りの100日、一生懸命機運醸成をやってまいりますので、県議会の先生方にもぜひ御指導、御支援賜りたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
○副議長(堀 龍雄君) 片桐章浩君。
〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 お答えいただきましたので、次の和歌山県の誘客についてであります。
KIYORA和歌山の出演テーマが万博からつなぐ和歌山市の未来デザインプロジェクトは、城下町における着物文化をテーマにしています。和歌山ゾーンで取り上げるそのほかの団体も含めて、様々な文化を誘客にどうつなげていくのか、知事の答弁をお願いします。
○副議長(堀 龍雄君) 知事。
〔岸本周平君、登壇〕
○知事(岸本周平君) 今、議員が御指摘いただきました和歌山ゾーンなんですけれども、テーマが「和歌山百景─霊性の大地─」、そして「“上質”のつまった和歌山」というコンセプトで、今、吉本さんという若いプロデューサーがいろいろ準備をしてくださっています。
今、これも議員御指摘のとおりでありまして、県内には、神話の時代から現在に至るまで、いろんな物語のゆかりの地がございます。また、日本の精神文化に大きな影響を与えた地域でありまして、それらを大いに表現していきたいと思っております。
これも議員御指摘の紀州藩の徳川家の居城であります和歌山城、あるいは紀州東照宮の例祭である和歌祭、それから、世界遺産である熊野古道などの歴史文化の発信に際しましても、あるいはKIYORA和歌山という、今、御紹介がございましたけれども、県内で活躍されている皆様につきましても、ゾーン内のステージでいろんな発表をしていただけるように取り組んでまいりたいと思います。
和歌山ゾーンですけれども、ぜひ一人でも多くの県民の方が参加していただくようなプロモーションの場としたいということで、県庁の職員も一生懸命準備をしておりますので、どうか御期待をいただければと思います。よろしくお願いします。
○副議長(堀 龍雄君) 片桐章浩君。
〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 それでは、最後です。
和歌山ゾーン出演者との調整状況についてですが、和歌山ゾーンに出演する団体は、出演に向けて企画を練っているところだと思いますが、出演者がよりよいパフォーマンスを発揮し、万博後の地域活性化につなげるため、現在、出演に向けてどのような調整を行っているのか、知事室長からお答え願います。
○副議長(堀 龍雄君) 知事室長北廣理人君。
〔北廣理人君、登壇〕
○知事室長(北廣理人君) 現在、和歌山ゾーンのステージに出演される方々は47名を予定しております。
その方々の展示物やプレゼンテーションの内容につきましては、和歌山ゾーンの総合構築ディレクターであります吉本英樹氏との打合せを通じて準備を進めているところです。
加えまして、出演スケジュール調整にも取りかかってございまして、それに伴う機材の搬入搬出等の調整も併せて行っていく予定としております。
県といたしましては、これらの調整を迅速に行うことで、出演される団体や県民の方々の円滑なパフォーマンスにつなげてまいります。また、万博に参加し、よりよいパフォーマンスが披露できること、それは出演する皆様はもとより、地域の皆様の誇りの再認識につながり、万博後の活動がより一層活性化されるものと考えております。
○副議長(堀 龍雄君) 片桐章浩君。
〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 全てお答えいただきまして質問を終わらせていただきますが、今回、和歌山ゾーンの、例えば着物の文化とかに触れたことで、今まで聞いたこともなかった、例えば詩歌とか歌枕、こんな日本が持つ古来のきれいな単語、意味もかなり広がりがあってきれいなんですけど、こういう文化に僕も触れることができていますし、関わった団体の皆さんの周囲は、万博の機運が盛り上がっているわけなんですね。
ぜひ一人でも多くの方が関わることで盛り上げを図っていきたいなというふうに思っていますので、併せてよろしくお願いできたらと思います。
以上をもちまして、一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(堀 龍雄君) 以上で、片桐章浩君の質問が終了いたしました。
これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
明日も定刻より会議を開きます。
本日は、これをもって散会いたします。
午後2時17分散会