令和6年12月和歌山県議会建設委員会会議記録


令和6年12月和歌山県議会建設委員会会議記録

 

1 日 時 令和6年12月16日(月)午前9時59 分 ~ 午前11時13分
2 場 所 第5委員会室
3 出席者 委員長   山家敏宏
      副委員長  高田英亮
      委員    吉井和視、中本浩精、中村裕一、片桐章浩、岩井弘次
      欠席委員  なし
      委員外議員 なし
4 概 要
   午前9時59分開会
    ●山家委員長
     ◎開会宣告 挨拶
     ◎報告事項 委員の欠席なし
     ◎傍聴協議  なし
     ◎撮影許可 3件
     ◎議  事 議案16件継続審査を要する所管事務調査5件
     ◎県土整備部審査宣告
     ◎議案等に対する説明要請
    ●福本県土整備部長説明
    ●山家委員長
     ◎議案に対する質疑及び一般質問宣告
   
  Q 片桐委員
   老朽化している歩道橋の在り方について聞く。歩道橋の多くは1970年代の車が増加した頃に建設されたが、最近は歩道橋の近くに
  横断歩道が引かれたり、町が高齢化していることもあり、利用する人が減少しているのではないかと思う。自治会によっては歩道橋を
  使って歩いている人を見かけたことがないというところもある。このような老朽化した歩道橋の在り方、例えば撤去するとかも含めて
  見解はどうか。
  A 児玉道路保全課長
   横断歩道橋については、交通事故による死亡事故が急増した昭和40年代に全国的に多く設置された。本県の横断歩道の設置時期も
  同様であり、50年以上が経過し、老朽化が進展している状況である。
   横断歩道橋については、5年に1回の法定点検に基づき、必要な修繕を行うなど、適切に維持管理に努めているところである。
   しかしながら高齢化の進展によるバリアフリーの観点や、少子化による小、中学校の統廃合による通学路の変更など、社会情勢の変
  化も踏まえた対応が必要と考えている。
   そのため、地域からの撤去要望があったものについて、周辺の小、中学校や地域住民などと調整が整ったものから順次撤去を進めて
  いる。
  要望 片桐委員
   歩道橋が造られた頃と比べると、交通事情もかなり変わってきていると思う。特に交差点をまたぐ歩道橋は意味があるが、単に横断
  するだけの歩道橋は今や意味がないと思うので、その観点で検討してほしい。また、警察では横断歩道で人が立っていたり自転車がい
  る場合は停止するよう、免許更新のときに指導がかなり徹底され、最近、横断歩道で人が待っているときは止まる車が多くなっている。
  そういう観点から横断歩道の必要性を地元と協議しながら見直してほしい。
  
  Q 片桐委員
   和歌山市内の市道市駅小倉線吉田交差点について、ここは朝夕の渋滞がかなり増えており、ひどくなっている状況である。これは市
  駅和佐線の整備に伴い、この交差点の利用車両が増加していることが原因だと思う。市内全体の渋滞緩和のため、車の通行が分散さ
  れたということでは成果が出ていると思うが、逆に車の流れが変わったことから吉田交差点がかなり渋滞し、これが問題となっている
  と思う。
   この吉田交差点の渋滞緩和対策について、説明してほしい。
  A 東道路建設課長
   吉田交差点については、令和5年2月の都市計画道路市駅和佐線の和歌山市駅から、和歌山インター南口交差点間の全線供用に伴
  う交通状況の変化に合わせた渋滞対策を目的として、令和2年度に和歌山市が交差点改良を事業化している。
   現在までに交差点東側では和歌山インター方面への東進直進レーンの増設、北側では中之島交差点方面から南進左折レーンの新設
  の整備が完了し、残る西側では、和歌山市駅方面からの東進直進レーンの増設が進められており、今年度完成予定と聞いている。
   なお、整備が完了した上で信号サイクルの調整を行い、交差点の渋滞緩和を図る予定と聞いている。
  要望 片桐委員
   状況がよく分かった。東進直進レーンが本年度に整備され交差点の改良が終えるということで、ぜひ注意してほしいと思う。
  
  Q 片桐委員
   最後にもう一点、先月、京奈和自動車道建設促進協議会決起大会が開催され、その中で和歌山県側から構想で示されたものは、京奈
  和関空連絡道路及び和歌山環状北道路であったが、この道路計画とか構想について説明してほしい。
  A 上柏道路政策課長
   まず、京奈和関空連絡道路の県の取組状況について、京奈和関空連絡道路は、京奈和自動車道などの整備効果をさらに波及させる
  上で必要な道路であると考えている。本道路の事業化には、府県をまたぐ地域全体で取り組む必要があることから、県では、2016年度
  に大阪府、泉佐野市、紀の川市などで構成される京奈和関空連絡道路調査検討会を設立し、農産品の販路拡大を図るための広域物流
  ネットワークの形成といった整備効果の検討などを実施するとともに、これまで機会を捉え、繰り返し国に対し、早期事業化に係る要
  望を行ってきた。その結果、2021年7月に国が策定した近畿ブロック新広域道路交通計画において高規格道路の調査中区間に位置づけ
  られた。県としては、引き続き検討会において整備効果や必要性の検討を行うとともに、国において概略ルート・構造の検討に早期に
  着手してもらうよう働きかけていく。
   続いて、和歌山環状北道路の事業化に向けた県の取組状況について回答する。和歌山環状北道路は、同じく、2021年7月に国が策定
  した近畿ブロック新広域道路交通計画において、高規格道路の調査中区間に位置づけられた。本道路は、和歌山都市圏の環状道路を構
  成する道路で、さらに大阪府や関西圏とのさらなる連携強化を図る関西大環状道路の一部でもあり、京奈和自動車道などの整備効果を
  波及させる上でも、重要な役割を果たすものと考える。現在、国が開催する勉強会に和歌山市と共に参加し、和歌山都市圏の渋滞状況
  や交通流動を把握するとともに、市内の交通課題の抽出やその要因の分析を行うなど、国が実施している道路調査に連携して取り組ん
  でおり、加えて、機会があるごとに国に対して早期事業化に係る要望を行っている。県としては、国において概略ルート・構造の検討
  に早期に着手してもらうよう働きかけていく。
  要望 片桐委員
   この決起大会では、特に地元市町から、紀の川市長からも、強力に京奈和関空連絡道路の要望というか、現状の説明があったと思う。
  ぜひ地元市とも連携しながら取り組んでほしい。 
  
  Q 中村委員
   土木職及び建築職の人材育成の観点から何点か聞く。 
   来年の春に採用される土木職、建築職の技術職員の採用は、どのような状況か。 
  A 山縣県土整備政策課長
   土木職については、まだ採用試験が全て終わっていないが、現状は、30人の採用予定人数に対して15名の合格者である。 
  建築職については、4名の採用予定人数に対して4名の合格者である。
  要望 中村委員 
   和歌山県では、県職員は人気の職種だと思うが、土木は残念ながら定員割れしている。さらに現職の人も辞めていく人が多いと聞い
  ている。 
   魅力のある仕事だと思うので、土木や建築の技術者のすばらしい仕事をPRしてほしいと思う。地域で役に立つ、働いてくれる子供を
  育てるということは、公教育の一番の大切な仕事だと思うので、ぜひ県教育委員会にも働きかけてほしい。 
  
  Q 中村委員 
   これまでも建設委員会で何回か質問をしたが、和歌山県には土木建築人材を養成する学校が圧倒的に少ない。和歌山工業と紀北農
  芸、新翔、さらに和歌山高専に土木、和歌山大学には建築の技術者を養成する学科はあるが、和歌山県内の人材不足は役所だけでは
  なく民間会社も同じ状況にあると思う。 
   以前報告したが、西日本建設業保証株式会社の建設会社の規模別受注金額を見ると、全国に比べて個人請負の額が圧倒的に多い、
  技術者がいないために会社の規模が大きくならないと思うが、民間の土木建築人材の採用状況、求人状況を把握していれば報告して
  ほしい。 
  A 曽和技術調査課長 
   厚生労働省和歌山労働局の資料から算出したところ、県内の建設業に関する技術者の有効求人倍率は、令和4年度が5.55倍、令和
  5年度が4.91倍である。 
   
  Q 中村委員 
   全体の有効求人倍率が1倍少しということから、やはり土木建築関係の技術者が圧倒的に足りないということであり、それが教育委
  員会の仕事なのか、それとも建設会社が独自でそれぞれの司々のところが頑張るべきことなのか、土木建築人材が足りないと発注や受
  注が遅れ、道路や河川の整備が遅れることで最終的に困るのは県民である。人が足りないという視点で土木建築分野での最大の責任者
  は県土整備部だと思うが、人材養成についてどう考えているか。 
  A 曽和技術調査課長 
   6月と9月の建設委員会においても委員から人材育成に関する意見を受け、県教育委員会との意見交換を行ってきた。その中で高等
  学校の学科創設等については、学校との意見交換などを通じて課題を共有し、保護者も含め、地域の盛り上がりにつなげていくこと、
  また求人件数や給与、休日などの条件が就職先を選択する上で重要であることから、これらの情報を発信していく必要があるのではな
  いか、とのことであった。
   こうしたことを踏まえ、10月に実施した建設業協会各支部との意見交換において、「給料がよく、休暇が取れ、希望が持てる」に
  「かっこいい」を追加した新4Kの実現、また地元高等学校等に対するリクルート情報の提供や、人材確保等の課題の共有などの取組
  を働きかけたところである。 
  要望 中村委員 
   県土整備部が主導的に頑張ってほしい。 
  
  Q 中村委員
   地震・津波が起きると西川から浸水していくことから、選挙の公約として、西川の河口に水門を作ればいいと提案したが、東日本大
  震災の被災地や能登半島地震の被災地を視察し、早く取り組むことが重要だと感じた。
   このため、まずは県が提案していた堤防のかさ上げに同意し、今年度は平面測量を実施していると聞いたが、進捗状況はどうか。
   また、来年度の取組についても教えてほしい。
  A 米地港湾漁港整備課長
   西川河口部の地形図等を作成するため、測量業務を発注し、8月に受注者と契約した。屋外での測量作業はおおむね終わっており、
  今後、測量結果の取りまとめを行うと聞いている。また、高潮対策事業の実施に向け、海岸保全区域の指定に向けた協議を国と実施し
  ているところである。
  
  Q 中村委員
   来年度はまだ協議だけで、設計まではいかないのか。
  A 米地港湾漁港整備課長
   来年度については、事業採択に向けて取り組んでいきたいと考えている。
  
  Q 中村委員
   御坊周辺の日高平野に係る日高川の右岸側は、土生川という御坊市と日高川町の間の河川以外、全部西川に流れることになっており、
  西川の深堀りを継続して行っている。今回の補正予算でも、さらに予算をつけているので、ぜひよろしくお願いする。その西川の支川
  である下川や堂閉川についても箇所づけをした上で、調査や設計が進んでいると聞くが、進捗状況はどうか。
  A 千野河川課長
   まず下川の改修については、人家が連担し、河川の拡幅が困難であるため、平成28年3月策定の日高川水系河川整備計画の中で、日
  高川へ接続する放水路を県道御坊停車場線の下に整備することで浸水被害の軽減を図る計画としている。
   下川の進捗状況については、令和3年度より調査設計に着手しており、放水路の詳細設計が本年11月に完了している。今後は、来年
  度の放水路工事の早期着手に向け、工事契約手続きを進めていく。
   続いて堂閉川の改修については、同じく日高川水系河川整備計画の中で、河道を一部付け替えて斉川の下流に接続することで、流下
  能力を高める計画としている。
   堂閉川の進捗状況については、令和4年度から地元説明会を実施するなど、地域の皆様の意見も聞きながら設計を進め、現在、用地
  測量を実施している。今後は、来年度の用地買収着手に向け、地元調整を進めていく。
  
  Q 中村委員 
   能登半島地震については、今朝のNHKのニュースで、公費解体ということがなかなか進まないというような報道がされている。
  だが、珠洲市では、和歌山県にはこんなに広い空き地がないような広い場所を処分場にして、全国から来たトラック、ダンプカー
  それから重機、また労働者の人が作業をしていた。それでも、なかなか進まないということからいくと、やはり家が壊れていないとい
  うことは、解体しなくてもいいし、人の命を守ることができるので、住宅の耐震化は大事だと思った。ニュースで能登の人が、家はび
  くともしなかった、耐震化したおかげと自慢げに言われていた。先ほど部長の説明の中にも、住宅耐震化は、県も進めていくというこ
  とだが、どんなように取り組んでいくのか。 
  A 古田建築住宅課長 
   住宅の耐震化について、能登半島地震以降、住宅耐震化補助への問合せや申込みが県内でも大幅に増えている状況である。
   そのため、少しでも早く対応できるよう、今回補正予算として9265万円を計上している。 
   これは市町村からの要望を受けたもので、約200戸分の改修を行う予定となっている。 
     
  Q 中村委員 
   補正予算で200戸分だが、来年度はどれぐらいか。 
  A 古田建築住宅課長 
   来年度については、来年度の予算という形で、現在、制度も含め検討しているところである。今年度補正という形で、国も制度を拡
  充しようという形で考えており、来年度についても、そういった拡充の方向であり、金額についてはこれから検討していく。 
    
  Q 中村委員 
   200戸というのはすごいと思う。大体の倍率がもし分かれば、教えてほしい。
  A 古田建築住宅課長 
    現時点では、11月の末の数字になるが、応募戸数が405戸で、現在市町への配分済みが376戸で、待ってもらっている状況である。
    それに加え、市町村に補正の額として要望が上がっているもので、今回の200戸については、その対応になっている。
    来年度についても、市町村に要望戸数を最終確認している状況である。 
  要望 中村委員 
   ぜひ積極的に取り組んでほしいと思う。能登も同じだと思うが、和歌山県もすごく高齢化が進んでいる。さらに高齢者は、年金をも
  らってない人が2万人ぐらいである。それから国民年金だけをもらっているような人も入れると30万人ぐらいである。皆が集合住宅や、
  市営住宅に入っているのではなく、戸建ての人も多いと思うし、私らも市内を回っていると、高齢者だけの家庭がすごく多いと思って
  いる。 
   住宅の耐震化をすることは、高齢者の人の命を守ることになるし、耐震化して下水道とつなげておけば、住宅を借りたり、売るとい
  うことも、亡くなった後にもできるようになるので、ぜひ高齢者だけではなく、皆が耐震化に取り組めるように、特に高齢者への対策
  をぜひお願いしておきたい。
  
  Q 中村委員
   能登の地震と津波だけでも大変であったが、さらに9月に大雨が降り本当に気の毒に思った。いつか来るかもしれない南海トラフ巨
  大地震は、能登地震の数百倍ぐらいの被害が出るのではないかと思っている。また、残念ながら地震は時を選ばず来るわけである。
   和歌山県では毎年夏から秋にかけて、能登以上の台風が来る。もう20年ぐらい前になるが、日本列島に四つの台風が上陸して、その
  うち三つは紀伊半島に上陸したときもある。県においても防災対策の見直しを行っていると聞くが、県土整備部の取組の中で、対策上
  の課題なり、特徴的なことがあれば説明してほしい。
  A 千野河川課長
   和歌山県では、1月の能登半島地震を受けた石川県の取組事例を参考にしているが、地震等により堤防等の河川管理施設の機能が
  低下している場合には、氾濫危険水位、避難判断水位といった避難の判断、あるいは水防活動の目安となる各種基準水位を通常より引
  き下げた運用を行うべく、11月に地域防災計画の内容の変更を行ったところである。現在、具体的な暫定の水位、これをどう設定して
  いくかの方針、あるいは関係者への周知方法など詳細について詰めているところである。
   加えてこの9月の水害について、石川県では、被災要因の分析・検証、あるいは今後の対策を検討することを目的に「令和6年奥能
  登豪雨災害を踏まえた奥能登地区流域治水対策検討部会」が設置されている。この検討部会の中で、年度内をめどに、ハードソフトの
  両面から流域治水対策を取りまとめる予定と聞いている。石川県における同検討部会の検証や対策をしっかり勉強し、これらの教訓を
  踏まえた本県における対策を検討していく。
  要望 中村委員
   その上での要望となるが、日高川は河川整備計画ができており、それに沿って事業をしているが、津波は遡上してくると思うし、地
  震が起きた後、盛土の堤防がどの程度被害が出るのか予測がつかない。和歌山県には沖積平野がたくさんあり、その下流の沖積平野
  に人口が集中しているため、液状化していく中で、堤防がどの程度持ちこたえられるのか。それからその堤防が津波、さらにあの潮流
  から来た洪水に持ちこたえられるかについては、河川整備計画を新たに違う視点でもう一度見直すことが必要ではないか。
   日高川のしゅんせつについて、御坊市を始め、市民からも要望があり、今年度、県でしゅんせつをするということを聞いているが、
  先般、日高川の天田橋の橋の上から導流提を見ると、川側にもたくさん土砂が堆積しており、本当にしゅんせつしなくても大丈夫かな
  と思った。測量や設計が間違えているとは言わないが、その時々に応じたそれこそ肌感覚での調査研究や河川整備計画の見直しもぜひ
  お願いしておきたい。
  
  Q 岩井委員
   補正予算の道路維持費の中で約73億円増額されているが、無電柱化の推進について教えてほしい。
   令和2年3月に県の無電柱化推進計画が策定されている。和歌山県は全国的に見ても遅いということと、災害対策だとかいろいろな
  目的がある。県内で具体的に言えば、大浦街道では縁石で歩道と車道を区切っているが、歩道は歩くのも困難なぐらいの状況であり、
  ところどころ電柱があって非常に通行しにくい。
   高齢化社会ということもあって電動車椅子も増えてくると思い、そういったときに車道を走らないといけないのかなと、あちらこ
  ちらを走りながら思ったところである。
   県道だけではなく、市町村道も同じだと思うが、電柱を地中化すれば多少は解消されるのかなと思う。
   今回、73億円の増額補正予算が上がっているが、今後の無電柱化について、どのような計画でどういうところを目的に目指している
  のか。
  A 児玉道路保全課長
   無電柱化については、バリアフリーの観点と、もう1点、災害時に電柱が倒壊して進めないことがないよう物資輸送や救助救援など
  緊急輸送道路の強化といった二つの観点で進めている。
   南海トラフ地震等の話もあったが、緊急輸送道路のうち広域防災拠点をつなぐ道路を優先し、防災の観点から無電柱化を進めている
  ところである。
  要望 岩井委員
   今の話は理解できるが、特に通学路指定されているような道路についても、優先的にとは言わないが、配慮してほしいと思う。
   当然、電柱の地中化は関係各位の協力がなければ進まないことだと思うし、県道だけでなく、市町にもその推進を促していくという
   ことも重要だと思う。
   電柱の地中化工事は非常にお金のかかる事業だと思うが、推進していってほしいと要望しておく。
  
  Q 中本委員
   高野橋本線の岸上橋について、平成30年には補修工事が完了したところである。
   ただ災害等がいつ起こるか分からないような状況の中で、地元の皆さんや西部地域幹線道路の協議会から架け替えをお願いしてい
  るが、優先順位もあり、現実的にはちょっと難しいと私自身は思っている。和歌山県の広域受援計画では、紀和病院が橋本市の紀の川
  の南のほうからも最短ルートで岸上橋を通って来るルートになるが、災害支援病院にもなっていることから、県のいろいろな説明を聞
  いていると、耐震化は特に緊急輸送道路を重点的に進めているというところである。この岸上橋については、架け替えは難しいという
  判断か、または耐震化を考えているということか、どちらなのか。
  A 上柏道路政策課長
   議員指摘のとおり、和歌山県では緊急輸送道路から先に耐震化を図っているところである。岸上橋は緊急輸送道路ではないため、
  5年に1回の法定点検に基づいて点検し、補修が必要となれば補修していく考えであり、耐震化等の検討には至っていない。
  
  Q 吉井委員 
   山を守ろうということで、私たちは関西ガードという会社をつくり、木製ガードレールを作ろうという話になった。いろいろな方に
  協力してもらい、元県議会議員の向井さんや、多くの事業者に投資をしてもらいながら有田川町にそういう会社を作った。以来8年が
  経ち、ようやく高野山や白浜温泉への元有料道路で、多くのガードレールを使ってもらっている。この万博では、和歌山ウィークという
  ことで、和歌山ブースの中で先進技術として紹介されるようになった。万博で紹介されるということは、和歌山のみならず、関西に、
  全国に、世界に発信されることである。 
   そういった理由から国も支援金をくれたものだと思うが、このことをどのように評価しているか。関西万博でもやるのだから県土整
  備部も力を入れないといけない。県土整備部としてどのような支援を行うのか。 
  A 曽和技術調査課長 
   大阪関西万博において、5月2日、3日のEXPOメッセでの2日間と、9月18日のTeam EXPOパビリオンでの合計3日間、地場産業等
  の魅力発信などを目的に、県内開発建設技術に登録されている木製ガードレールが展示されると聞いている。本県においても、地場産
  業である紀州材の需要拡大がとても重要だと考えており、それが図れるよう、公共土木工事木材利用マニュアルを適宜改定していると
  ころである。その中で、木製ガードレールの部分については、平成29年度に木材利用マニュアルの改定時に、新規項目として追加して、
  観光スポットなどを木材利用のPR効果が高い箇所において原則利用していくことで定義づけている。
   今後、道の駅など新たな観光スポットが整備されれば、木材利用マニュアルに基づいて、その周辺やアクセス道路などが採用できる
  ので、順次整備をしていきたい。 
  
  Q 吉井委員 
   県の支援策ということになれば、観光地とか木材利用マニュアルで指定しているところの徹底、実証を行うことが大事だと思う。
   この和歌山ウィークの展示は、木製ガードレールだけでなく、直根苗もやるらしい。直根苗は知っているのか。これは農林水産部で
  主体的に取り組まないといけないことだが、今の杉、ヒノキの植えている山は、薄っぺらい表土で、すぐ水に流されるので、雨が降れ
  ば、それで災害が起こってくることをみんな知っている。昔から言われているように、山の雨水能力は、何十兆円もの価値がある。
   年間で、年間70兆円、80兆円の価値があると言われている。 
   そのような直根苗を植えたらどうかということで、これも有田川町の業者だが、その技術が評価されて万博に出展する。そういうこ
  とで、県の取組としては、農林水産部だけでなく、県土整備部も大切だと思う。万博の期間も間近に迫っているが、会場でも、高野山、
  あるいは白浜で、このように施工されていることをビデオで紹介する。そうすれば観光も兼ねて白浜、高野山に来てくれると思う。 
   万博開催まで、できるだけの努力をして、整備を推進していかなくてはならないと思う。 
  A 福本県土整備部長 
   先ほど課長が回答したとおり、木材利用マニュアルに従い、かなり積極的な使用を行ってきた。今後とも、その方針に変わりはなく、
  着実に、土木系の公共事業における木材利用について、しっかりと取り組んでいく。 
  意見 吉井委員 
   しっかりと推進していくということだが、一昨年よりも今年はその推進力が落ちてきていると聞く。今後控えてくのか。 
   そのようなことがないように、コストも高いが、高いのは当たり前で、これは山を守る木材利用ということを主眼に置くと、コスト
  が2倍になったとしても十分ペイできるのではないかと思う。 
   それは観光目的もあり、白浜にも私はよく行くが、最近は驚くほどやってくれている。本当にその一つの観光の名所に、人工的な観
  光の名所になるのではないかと思うほどにやってくれている。 
   少し木が生えて、草が生えて、隠れているところはあるが、田辺から白浜温泉街まで全線でやれば、全国各地から、観光も、そして
  また視察にも来るような、そういう代物だと思う。 
  要望 吉井委員 
   直根苗であるが、杉を伐採した後、広葉樹を植えることは原則の一つである。県の、のり面工事では、緩衝林として、こんなふうに
  変更するということを考えなくてはいけない。全国的にも緩衝林の取組はある。これは、やはり土木関係の仕事になると思うのでよろ
  しくお願いしたい。
  要望 中村委員 
   木質ガードレールは観光地で使うという話だが、私は新規のところでも、木質に変えたほうがいいと思う。 
   別に木を使うというのではなく、県の行政でよく言われるGXについて、その中で、県土整備部の発注の中に温暖化ガスを出さないと
  いうことと、木質系のものを多く使うという視点について、これは国もやっていこうという話なので、森林県の県土整備部としての目
  標の中にもぜひ取り入れてほしい。 
  
  Q 山家委員長
   諸報第45号、臨港道路での車両損傷事故の専決処分について、くぼみに車が入ったことによる物損ということだが、例えば県道や三
  桁国道では道路の距離が長いにもかかわらず、あまり専決処分を見たことがないように思う。取扱いはどうなっているのか。 
  A 山縣県土整備政策課長
   県管理の公共施設の事故に関する専決処分報告については、部内で二通りの運用がある。まず一つは保険会社が支払いを行うので、
  議会の議決または専決処分が不要だという考えと、もう一つは損害賠償責任が前提なので保険会社が支払ったとしても議会の議決等が
  必要だという考えである。担当課の道路保全課では、前者に基づいて運用しているのが現状である。なお、各自治体でもこの二つのう
  ち、いずれかの運用がなされている。 
  
  Q 山家委員長
   県道も国道についても、片方は見舞金ということで対応し、もう片方は専決処分として対応しているので、同じ部内であるなら対応
  を統一すべきだと思うがどうか。
  A 山縣県土整備政策課長
   運用については、今後、部内で統一する方向で検討していく。 
  要望 山家委員長
   今後きっちり検討して、統一するよう要望する。 
  
    ●山家委員長
     ◎議案に対する質疑及び一般質問終了宣告
     ◎議案に対する採決宣告
     ◎議案第148号、議案第163号及び議案第175号から議案第188号までについては、全会一致で原案可決
     ◎県土整備部審査終了宣告
     ◎継続審査を要する所管事務調査宣告 異議なし
     ◎市町村から当委員会へ寄せられた計167項目の陳情に対し、県の意見を取りまとめたので、各市町村に回答することを報告
     ◎9月の当委員会で中村委員から発言のあった「緊急浚渫推進事業債による財政支援の延長等の要望」について、10月23日に
      関係省庁に要望活動を行ったことを報告
     ◎閉会宣告
   午前11時13分閉会
 

 

このページの先頭へ