令和6年12月和歌山県議会経済警察委員会会議記録
令和6年12月和歌山県議会経済警察委員会会議記録
1 日 時 令和6年12月16日(月)午前9時59分 ~ 午前11時34分
2 場 所 第3委員会室
3 出席者 委員長 玄素彰人
副委員長 中西 徹
委員 森 礼子、井出益弘、尾崎要二、山下直也、中尾友紀
欠席委員 なし
委員外議員 なし
4 概 要
午前9時59分開会
●玄素委員長
◎開会宣告 挨拶
◎報告事項 委員の欠席なし
◎傍聴協議 なし
◎撮影許可 3件
◎議 事 議案6件、継続審査を要する所管事務調査9件
◎審査順序宣告 商工労働部・労働委員会、公安委員会、地域振興部の順に審査
◎商工労働部・労働委員会審査宣告
◎議案等に対する説明要請
●大川商工労働部長及び岡畑労働委員会事務局長説明
●玄素委員長
◎議案に対する質疑及び一般質問宣告
Q 中尾委員
企業誘致で説明していた3社について、それぞれ雇用の人数はどうか。
A 真田企業立地課長
笠野興産株式会社においては17人、株式会社がまかつにおいては14人、株式会社エムアンドティーティーについては12人の雇用
ということで、操業後3年間の見込みを聞いている。
Q 中尾委員
エムアンドティーティーとはどのような会社か。
A 真田企業立地課長
エムアンドティーティー社については、沖縄県に本社のあるIT企業で、ライブ配信のアプリ開発やシステム開発を行う企業であり、
白浜町に進出している。
Q 中尾委員
沖縄の方が和歌山の白浜に来たということで、何かあったのか。
A 真田企業立地課長
社長が田辺市の出身であり、和歌山でぜひ事業を行いたいということで白浜に進出している。
要望 中尾委員
よく分かった。企業誘致は大事なので引き続きお願いする。
Q 森委員
11月に開催された「わかやま仕事発見フェスタ」は、今3年生の学生向けということでよいか。
A 髙橋労働政策課長
11月に開催した「わかやま仕事発見フェスタ」については、広く学卒の方、既卒の方を対象にしている。
特に3年生をメインターゲットにしているということではない。
要望 森委員
県外に出た学生が和歌山に戻るということは大切だと思う。実際自分の子供も2人とも関東に出ているが和歌山に帰ることになって
いる。
2月頃からエントリーが始まり、内定が出るので、2年生、3年生に絞って案内をするほうが帰ってきやすいし、目標が定まるという
ほかの学生の声を聞いたので、幅広くするのと同時に、ターゲットを絞ると帰ってきやすくなるのではないかと思うので、お願いする。
A 髙橋労働政策課長
大学生については、また日を改めて3月にも開催を予定している。
Q 森委員
カイロスの入場券の販売の件で教えてほしい。昨日と一昨日はすごく残念な結果ではあったが、私の友人も日が決まればまた教えて
ほしいという話もあり、次の成功に向けた期待がすごく広まっていると感じた。
今回の入場券の販売については、入場券単体のものはすごく売行きが良かったという報道と、反対にセット販売、宿泊以外にどのよ
うな抱き合わせがあるのか分からないが、宿泊とセットになった商品の売行きが不調で、12月2日から1000人分を入場券単体販売とし
たという報道がすごく目についた。
これだと和歌山に魅力がないとNHKに報道されているようにも感じたが、そうではないと思っている。当初は、体験ブースのようなも
のも考えられていたと思うが、この抱き合わせで来てくれた人に、もっと和歌山を楽しんでもらうためのプランを、今後どのようにして
いくのか聞く。
A 大原成長産業推進課長
まず初めに、12月14日は委員長をはじめ、議会からも多くの方に来てもらい、感謝している。また18日に再挑戦ということなので、本
会議中ではあるが、ぜひ応援のほどよろしくお願いする。
質問のあった件について言うと、初号機の時は完売をして、今回についても95%くらいはチケットとして売れた。
一方、初号機の時は2、3日で再販売も売り切ったが、今回は前日の昼まで売っていたので、売るスピードと言う意味では少し遅かっ
たというのはある。
チケットの種類は3種類あり、入場券のみというのが一つ、もう一つが、自動車で来て、少し離れた駐車場に駐車し、そこからシャト
ルバスで送るというパークアンドライドつきというのが二つ目、最後が、旅行商品と組み合わせて、宿泊し、そこからバスやJRで会場ま
で行ってもらうという3種類がある。
パークアンドライドつきのチケットの売行きが一番良くて、これは売り始めると、1日くらいで売り切れる。
次が入場券チケットで、これが最後少し売れ残った。ツアー商品については、委員が言うとおり、用意した部分に対してあまり売れな
かったという事実はある。
ただし、初号機の時は、あまり時間もなく、それほどツアー商品を作れなかった。また、ツアー商品の中でも日帰りツアーが多かった
ので、今回はチャレンジで、すごく多くの宿泊つき商品をつくってもらったが、少し分析は必要である。料金が高いとか、3月に比べる
と12月が旅行の閑散期といった理由で、売行きが伸び悩んだのではないかと思っている。
しかしながら、宿泊してもらわないと経済波及効果は増えていかないので、どのようなPRで宿泊してもらえるかについては、18日より
先、2号機ではなく3号機に向けて、今回の結果を踏まえて分析していきたいと考えている。
要望 森委員
1回に何千人もの方が来てくれるチャンスなので、ぜひ研究を重ねてほしい。
Q 山下委員
和歌山県の景気について、県ではどのように把握しているのか。
A 大川商工労働部長
景気の状況については、毎月の状況などときどきで変わるため、難しいところがあるが、一般的に直近の状況を言うと、どの論調も
「持ち直している」と言われている。
また、直近の指標でも、「持ち直しているが、依然として厳しい。」と言っており、製造業のほうが若干上向きつつあるがまだまだで
ある。非製造業がプラスの見込みとなっており、依然として厳しい状況であるのは間違いない。
先ほども話があったが、ロケットや就職関連など、人を呼び込むものも出てきて、さらには消費もしてもらっていくということで、い
い方向に行ってもらえればと思う。
Q 山下委員
観光は県当局の努力でよくなってきている。例えば、水泳連盟などの大きな大会があると、2日で1600名を超える人が来て、泊まると
ころや食べるところなど、いろいろなところにお金を使ってもらっている。一方で、製造業、建設関係は厳しいという声が多い。
なかなか難しいと思うし、みんな同じような考えかと思うが、和歌山県は今、本当はどういう状況なのかというのを聞きたかった。
やはり、おおむね厳しいということかと思うが、新年度に向けての方策で、特に大きなことで新たに考えていることは商工労働部では
ないのか。
A 大川商工労働部長
いろいろと検討はしている。2月定例会で説明したい。
Q 山下委員
昔からこだわっており、水面下で県も動いていると思うが、高級ホテルがない。なぜ高級ホテルが来ないのかとよく言われる。
白浜などで今まで幾つか話があったと思うが実現していない。俗に言う高級ホテル誘致の県の取組について、話せる範囲で教えてほし
い。
A 辻企業立地課企画員
高級宿泊施設の誘致をしているが、ホテルができるまでの時間軸がすごく長い部分もあり、その中で景気の判断や投資効果の判断など
がある中で、それができるのかできないのかというところもある。その中でも、県としては観光の潜在力の高さなどをPRしながら、誘致
している。今年の1月から12月までの間に、具体的な企業名は言えないが、約20社程度の企業、グループが和歌山県に直接入り、それぞ
れの素地を視察・調査しているところである。今後もその誘致の実現に向けて努力していくので、支援のほどよろしくお願いする。
要望 山下委員
ぜひよろしくお願いする。大阪から1時間なので、その辺を考えたら大きなホテルが例えば和歌山市内に来るのは難しいという考えも
あるだろう。しかし会議するたびに和歌山に大きな高級ホテル、24時間ルームサービスをやるホテルはない、という話が必ず出てくる。
よって県はどう思っているのかを聞いた。誘致に向けて頑張っているということで安心した。ぜひ続けて頑張ってもらいたい。
●玄素委員長
◎議案に対する質疑及び一般質問終了宣告
◎議案に対する採決宣告
◎議案第148号、議案第149号、議案第151号、議案第152号及び議案第171号については、全会一致で原案可決
◎商工労働部・労働委員会審査終了宣告
◎休憩宣告
午前10時25分休憩
午前10時28分再開
●玄素委員長
◎再開宣告
◎公安委員会審査宣告
◎議案等に対する説明要請
●野本本部長説明
●玄素委員長
◎議案に対する質疑及び一般質問宣告
Q 中尾委員
本部長から説明のあった少年の検挙または補導の291人は、増えているのか、減っているのか、その推移はどうか。
A 西ノ少年課長
少年の検挙・補導状況については、刑法犯に関していえば昨年と比較して増加している。増加要因は、令和4年まで減少傾向にあった
が、令和5年、コロナの関係が要因と思われるが増加し、本年においては38名の増加となっている。
Q 中尾委員
補導の人数はどうか。
A 西ノ少年課長
補導の件数については、11月末現在で6028名になる。これは昨年と比較して、192名の減少となっている。
Q 中尾委員
前月11月、夜回り先生を招いて講演会をしたと聞いているが、その内容というかエッセンスはどうか。
A 西ノ少年課長
先般、那智勝浦町において、夜回り先生として全国的に有名な水谷修先生を講師とし、県内少年補導員の方々に対して研修会を実施し
た。講演内容は、今までの現場での実体験・少年の保護活動・今後あるべき少年の未来について、いろいろ講演してもらい、大変勉強に
なった。
Q 中尾委員
和歌山県内に補導員はたくさんいると思うが、そのエッセンスだけでも紙なりホームページなり媒体を使い、その内容を知らしめると
いうことは可能か。
A 西ノ少年課長
それについても当時の講義内容を、当課発信のSNS等を活用して、披露できればと思っている。
要望 中尾委員
よろしくお願いする。
● 玄素委員長
それを行う場合は、報告してもらいたい。
Q 山下委員
殺人・強盗・放火の重要犯罪が15件増加したと本部長から説明があった。最近のテレビの報道を見ていると、関東圏で多発しているい
わゆる“闇バイト強盗”は、今までの空き巣などと違い、人がいても堂々とガラスを割り入り込み、殺人なども含めた犯罪を行っている。
私も含め和歌山県民も不安に思っている方が多いと思う。闇バイト強盗の県内での発生状況についてはどうか。
A 井田組織犯罪対策課長
県内で闇バイトなどいわゆるトクリュウグループが絡む強盗事件は現時点で発生していない。また、予兆的な情報も把握していない。
しかしながら、連続発生している闇バイト強盗事件は、全国どこで発生してもおかしくないものであり、関係府県と情報交換しながら
警戒に当たっていく。
情報交換というものは、例えばある県で逮捕した被疑者の携帯電話の中に別の県の住所番地や家の写真等があったことで、その県へ至
急連絡をして、警戒を行ったという事例や、携帯電話の中に闇バイトに応募した者の顔画像や免許証があれば、その者の現状を確認した
り、直接事情聴取をする場合もある。このように各都道府県県警がほかの県警の情報を迅速に発信、共有することで、事案の発生を防ぐ
べく対応している。
Q 山下委員
もう1件、教えてもらいたい。昨日、テレビで、自分でできる防犯対策として、窓ガラスにフィルムを張るとなかなか割れにくいとか、
人が通ったらアラームが鳴るようなセンサーがあるとか、いろいろと紹介されていた。
この闇バイト強盗への対策に当たって、和歌山県警察が取り組んでいる関係機関との取組や、我々が気をつけるべきことについて、
分かる範囲でよいので、教えてほしい。
A 保田生活安全企画課長
報道以降、不審者情報が多数寄せられており、県民の皆様の不安感が拡大していることは承知している。
警察としては、住宅等の防犯性能の向上等について関係団体と連携を取りつつ、犯罪に加担しようとする者への呼びかけを実施すると
ともに、不審者情報への的確な対応や警ら、職務質問の強化などの街頭活動を強化し、犯行の未然防止に注力している。
県民に対しては、過度な不安感は不要であるものの、犯罪に対する警戒心は怠らずに、自主防犯対策を進めてもらい、不審を感じた場
合は、ためらいなく110番通報してもらうよう適切な呼びかけを勧めている。
意見 山下委員
説明を聞いて安心した。しかし、くどいようだが、今回の連続強盗のような事件は、今までなかったように感じている。
例えば、中学生も関係しているとか、かなり複雑な構造になっている。他府県の事例であるが、マンションも被害に遭っている。
道に面していても、堂々と入り込んできて、しかも殺人事件まで起こしているのは、今までなかったように思う。
このような闇バイト強盗が関西、そして和歌山県でも発生する可能性があり、素朴に怖いと思ったので、今日は、和歌山県における
発生状況や、それらの対策について質問した。和歌山県で発生しないよう、対策をお願いする。
Q 森委員
中尾委員の質問に関連し、ここに示されている刑法犯の少年291人ということであるが、犯罪を犯さなくとも、夜遅く、深夜まで外で
いる子供たちを補導したりする数も含めれば、どれくらいになるか。
A 西ノ少年課長
11月末だと6028名、このうち内訳であるが、委員の言うのは深夜徘回に該当するので、これは3665名となる。
Q 森委員
ちなみにそれは、県下全域だと思うが、どの辺りで補導される子供たちが多いとかというのはデータがあると思う。
たまたまこの間、勉強会へ出た時に、私は子供の貧困という勉強会に出たが、そういう深夜徘回している子供たちを、ちゃんと見守って
いくことが貧困対策につながるというような、そういう子供たちは学校へ行かなくなるというデータが多かったりして、教育の継続とい
うのが貧困対策になるとか、そういうところの勉強会に行ったが、うちの場合はどの辺でそういう検挙が多くなっているか。
A 西ノ少年課長
これといった場所は特にないが、コンビニエンスストアが多い統計になっている。
要望 森委員
また私も勉強するので、いろいろと教えてほしい。
● 玄素委員長
今のその地域分布というのは、森委員が言ったのは、データとして取っていないっていうことで理解したらいいのか。
A 西ノ少年課長
データとしてはあるが、詳細については、追って報告する。
Q 中西副委員長
ネットカジノの検挙が急増し、昨年の2.7倍ということが新聞報道に載っていたが、和歌山県警でも摘発はあったのか。
A 大野サイバー犯罪対策課長
今年、京都府警等6府県警察合同で摘発した。これは和歌山県内というよりは京都府警のサイバーパトロールで端緒を把握して、
その中の賭客として和歌山県の者を検挙している。
Q 中西副委員長
店舗型と無店舗型とがあるかと思うが、それは店舗型・無店舗型のどちらであったのか。
A 大野サイバー犯罪対策課長
会員制のオンラインサイトを舞台としたもので、実店舗がないオンライン上の店舗である。
Q 中西副委員長
海外ではオンラインカジノが合法なところもあると聞いているが、そのサイトに日本の顧客が賭けても違法となるという理解で
よいのか。
A 大野サイバー犯罪対策課長
そのとおりである。
●玄素委員長
◎議案に対する質疑及び一般質問終了宣告
◎議案に対する採決宣告
◎議案第148号及び議案第161号については、全会一致で原案可決
◎公安委員会審査終了宣告
◎休憩宣告
午前10時53分休憩
午前10時56分再開
●玄素委員長
◎再開宣告
◎地域振興部審査宣告
◎議案等に対する説明要請
●赤坂地域振興部長説明
●玄素委員長
◎議案に対する質疑及び一般質問宣告
Q 中尾委員
説明の中に病児保育のICT化についてとあるが、もう少し具体的に説明してほしい。
A 宮本デジタル社会推進課長
この事業については、県でデジタル化を進めていく中で、関係部署に課題を、デジタルでどんな課題が解消できるかというところで、
解決したい課題を出してもらった。
その中で、こども未来課から、病児保育のICT化について実証してもらえないかという話があり、それについて、県のほうで公募を
かけたところ、全国病児保育協議会和歌山県支部と、民間企業がタッグを組んで提案してもらった。
県内では、病児保育施設が全部で七つあり、今回の実証についてはそのうちの五つの施設が実証に参加してもらっている。
現状、急に子供が病気になれば、施設に電話をかけたりして、今、空きがありますかということを確認しなければならない。
ただ、子供なので急に夜中に熱が出るときがあるが、夜中であれば施設も休みであったりするので、この取組では、スマホなどで
どの施設が空いているか確認した上で、予約もできるようになる。
逆に、急に行くつもりにしていても、熱が下がって行かなくて済むということもあるので、そこでキャンセルができる。
夜間でも、また違う人がそこを使うことができるといったメリットがあるのではないかというところで取り組ませてもらっている。
いろいろな予約が増えてきており、今のところは事前登録してもらいながら順調に始まっているというところである。
Q 中尾委員
アプリを使って予約をするということか。
A 宮本デジタル社会推進課長
そのとおりである。
Q 中尾委員
5か所というのはどこになるのか。
A 宮本デジタル社会推進課長
和歌山市に2か所、有田市に1か所、御坊市に1か所、田辺市に1か所の全部で5か所になる。
施設名で言うと、「病児保育室ぴょんぴょん」という月山チャイルドケアクリニックがやっているところである。
それと、和歌山市の「せせらぎの病児保育」、こちらはせせらぎクリニックがやっている。有田市は、「病児保育室きらりん」。
こちらは有田市立病院がやっている。
御坊市については、「病児・病後児保育室ひまわり」で、こちらは社会医療法人黎明会北出病院がやっている。
それから、田辺市は、「病児保育にじ色ひろば」というところで、こちらは赤ちゃんとこどものクリニック「ビィ」というところ
がやっている。
以上の5つとなる。
Q 中尾委員
その中で課題とかはあるか。
A 宮本デジタル社会推進課長
現状のところ順調かと思っている。何か支障が出ているということはない。
Q 中尾委員
県内全域で行われるようにお願いしたいが可能か。
A 宮本デジタル社会推進課長
もちろんそうなるように、あとの2か所についてもこども未来課と一緒に、導入に向けて働きかけをしているところである。
Q 尾崎委員
地域振興でいうところでの観光に県政の柱の一つとして力を入れるのは大事なことである。県は、移住者を増やすためには、子供
を育てやすい環境にしようというのを10年も20年も言い続けているが、人口は減る一方である。
子供の親世代の数が圧倒的に少なくなってきており、その理由は食べていけないからである。そこに対する施策はいくつもあると
は思うが、成果が伴っていない。結果として、子供を産み育てている世代が県外に出ていってしまっている。
いかに安定して食べていけるかという点が一番ネックであるということに焦点を当てなければ、急激に人口が減るのを止めること
ができない。まず減るのを少しでも食い止めていくというのは、新たに地域振興部ができたのだから、地域振興部で様々な産業につ
いて、統括して考えるべきである。
農林水産業は、食べていくことが難しいため、家業を継がない人が増えている。将来的に家族を養えないような収入しか見通せな
いのなら、県外に出ても楽に家族を養えるような生活をしたほうがよいと考える人が多い。
漁師をしている家の子供が漁を継ぐということはほとんどない。移住施策で和歌山に人が増えても、稼げる仕事がないとまたすぐ
転出してしまうのではないか。
農業で言うと、県外から来て新規に就農する場合は助成金が出るが、農家の息子が継ぐ場合は施策が少ない。
和歌山県は国と比べて額は小さいが、県単独事業で息子が継ぐケースでも内容によって支援する施策があるというのは立派だと思う。
難しい問題だが、地域振興部が中心となって関連する部と密接な意見交換をすべきであると思う。
実らない施策が非常に多い。部長の意見を聞きたい。
A 赤坂地域振興部長
和歌山に残っている産業は大事にしていかないといけない。私が農林水産部にいた時は農作物を高く売る仕組みづくりを行ってい
た。商工労働部にいた時も、地場産業、化学産業等の和歌山の産業を守る取組をしていた。移住施策においても、しごと暮らし体験
といって、移住を検討している方に実際に仕事を体験してもらうといった取組をしている。
和歌山は産業が少ないため、今ある産業を強くするとともに、これからは観光産業も大切であると考えている。
アルベルゴ・デフューゾといって、地域に分散している空き家を改修し、まち全体を宿泊施設と見立てる手法が広がってきている。
そういうことも新しい産業として考えていく。
委員が言ったことは非常に大事なことだと考えているため、関係部長と連携しながら実施していく。
意見 尾崎委員
奈良の橿原神宮と大神神社に行ったが、外国人にほとんど会わない。一方で、東大寺や若草山へ行くと多くの外国人がいる。
同じ奈良にありながら多くの参拝客もいる中で、インバウンドの観光客がいるところといないところがある。それぞれの特徴を生
かせればいろいろできるのではないか。
熊野も外国の方が多く来ており、山の中を歩く外国の方も多いが、それがまた一つの魅力なのだろう。例えば、和歌山市にも三社
と呼ばれる神社があるが、ほとんど人が歩いておらず、生かしきれていない。
いろいろな面で一度目を配って何か探してほしいと期待している。
Q 山下委員
先ほど、商工労働部長にも尋ねたが、和歌山県の景気について赤坂部長はどのように思っているか。
A 赤坂地域振興部長
よくはないと思う。物価高で日常生活を送るにも生活が苦しいと聞いている。そうした中で、賃金を上げようという流れがあり、
本会議の一般質問において、長坂議員から、各業界の価格転嫁がどれほど進んでいるのか、という質問もあった。地域振興部で担当
している業界においては、夏の南海トラフ地震臨時情報の際に、宿泊施設のキャンセルが相次ぐなど観光業界も厳しく、お客さんが
乗ってくれないのでバス業界やJRからも非常に厳しいと言われた。
また、人口減少に伴い、商売ができない、商業施設の売上げも下がるという景気の悪さも当然あるので、和歌山の景気を良くする
ためには、先ほど尾崎委員が言ったように、新しい需要の創出等が必要ではないかと感じている。
Q 山下委員
先ほどの部長の説明の中で、食、歴史、文化を感じながら、和歌山の温泉の認知度を全国的に向上させるという話があった。
これは国内だけでなく海外の話でもある。また2月にも行く予定になっているが、議連があり、韓国へ行った。
韓国は、和歌山もターゲットの中にあり、その理由は食と温泉とゴルフだと言っていた。和歌山にこれからチャーター便を飛ばす
かどうか真剣に考え、和歌山に行きたいという話がある中で、この前は国際課の方が一緒に来てくれたが、地域振興部も一緒に来て
もらっていろんなことをやらないのか。
A 赤坂地域振興部長
当然行く。韓国へも来年2月にチャーター便の話がある。観光振興でいろんなところから来てもらえたら良いと思う。
どのような嗜好を持つ人が多いのか、例えば韓国はゴルフや温泉、欧州のフランス人は高野山が好きといったような、その素材を
もってエージェントやメディアと一緒に話をしたり、チャーター便の件で航空会社に話をしに行ったりということは、どんどん行か
せてもらいたいと思っている。
要望 山下委員
窓口は国際課かもしれないが、誘客という面に関しては、いろんな部と一緒になって頑張ってもらえたら大変ありがたいので、よ
ろしくお願いしたい。
Q 中西副委員長
今回の予算に「わかやま『観光力』推進」で、1527万9000円と出ている。これは夏の巨大地震注意報に伴う観光に係る対策で、夏
に落ち込んだ宿泊客数の回復を図り実施していくということだが、どういうことを考えているか。
A 林観光振興課長
1527万9千円の概要についてであるが、今年8月に初めて発表された南海トラフ地震の臨時情報を契機に取り組むもので、大きく
二つあり、一つは、安全安心の観光地域づくりを促進するためのものである。もう一つは、落ち込んだ需要を回復させる、冬季の観
光需要喚起策である。2本の柱で取り組んでいきたいと考えている。
まず、安全安心の取組については二つあり、一つは、観光事業者向けの防災研修会を来年1月と2月に紀北・紀南の2会場で観光
事業者、DMOや市町村等を対象に研修会を開催し、講義とワークショップ形式で実施していきたいと考えている。
もう一つは、観光客向けの防災情報の提供で、受入環境整備の一環として安全安心の取組や観光客が災害時に取るべき行動を分か
りやすく説明した動画を制作し、ホテル等で情報取得できる環境を整えていきたいと考えている。
大きな柱の二つ目は、冬季の観光需要喚起策で、夏季に落ち込んだ宿泊客数の回復を図る施策として、期間中に県内に宿泊しても
らった方にアンケートに答えてもらい、回答してもらった方の中から抽選で次回利用できる宿泊券や体験チケット等が当たるキャン
ペーンを1月中旬から3月下旬にかけて実施し、県内外の方にたくさん宿泊を呼びかけ、冬場の宿泊需要の喚起を図りたいと考えて
いる。
Q 中西副委員長
県内全てが対象なのか。全宿泊施設が対象ということでよいか。
A 林観光振興課長
宿泊してもらう場所は、旅館業法又は住宅宿泊事業法に基づいた宿泊施設であれば、対象になる。
Q 中西副委員長
わかやまLIFE移住フェアについて、235名の来場があったと説明があったが、どのような方に対してどのような内容で行っている
のか。和歌山に住みたい方を対象にしているのか、もしくはイベント的に実施したのか。
A 杉本地域振興課長
わかやまLIFE移住フェアは11月17日に東京交通会館で実施した。対象は主に首都圏近郊で和歌山への移住を検討している方で、
県内11市町と6団体が出展した。先ほど尾崎委員から話があったように、仕事についての相談にも対応できる体制にするため、就農
相談や産業振興財団等の就業関連団体も含めて出展した。
昨年度は全て民間に委託したが、今年度は相談会を中心とし、できるだけ自分達で実施したところ、昨年度と比較し5分の1程度
の費用に抑えることができた上で昨年度と同程度の人数の方に参加いただくことができた。
また、参加者層としては、首都圏の30代から50代の方が多かった。
参加者も様々な段階の方がいるため、それぞれの意向に応じてフォローアップしていく。
Q 中西副委員長
デマンド交通の実証運行補助について、海南市が利用しているが、県内だとほかにどこが利用しているのか。
A 大畑総合交通政策課長
海南市のデマンドタクシーのほか白浜町のオンデマンドバスの実証運行に補助をしている。
白浜町は、「チョイソコ白浜」という名称で、熊野白浜リゾート空港、JR白浜駅、ホテルや観光地を結ぶ予約型のバスであり、
10月から実証運行を開始している。利用実績は、11月末時点で600名である。
Q 中西副委員長
実証運行に対しては補助が出ていると思うが、割合は県が2分の1、事業主体が2分の1で合っているか。
A 大畑総合交通政策課長
事業主体が国からも補助を受け、残りを市町村と県で2分の1ずつ負担している。
Q 中西副委員長
本格運行の場合はどのような予算の割り振りになるのか。
A 大畑総合交通政策課長
県としては、市町村をまたがる部分については本格運行においても補助を行うこともあるが、現在実施されている白浜町のオンデ
マンドバスは白浜町内のみの運行となるため、実証運行については今回補助を行っているが、本格運行になると今のところ県の補助
制度はない。
Q 中西副委員長
本格運行の場合、県の補助がないということは、白浜町が補助をするのか。
A 大畑総合交通政策課長
白浜町が補助を行うか運賃収入で賄うことになる。
Q 中西副委員長
本格運行の場合、国の補助もなくなるのか。
A 大畑総合交通政策課長
国の補助についても、やり方によっては補助がつく場合もあるが、基本的には町独自で行うこととなる。
その代わり、特別交付税で町が支出した分の80%が算入されることとなる。
●玄素委員長
◎議案に対する質疑及び一般質問終了宣告
◎議案に対する採決宣告
◎議案第148号については、全会一致で原案可決
◎地域振興部審査終了宣告
◎意見書案に係る協議宣告 質疑なし
◎意見書案に対する採決宣告 全会一致で可決
◎継続審査を要する所管事務調査宣告 異議なし
◎閉会宣告
午前11時34分閉会