令和6年12月和歌山県議会福祉環境委員会会議記録


令和6年12月和歌山県議会福祉環境委員会会議記録

 


1 日 時 令和6年12月16日(月)午前10時0分 ~ 午前11時20分

2 場 所 第2委員会室

3 出席者 委員長   佐藤武治
      副委員長  浦口高典
      委員    秋月史成、濱口太史、鈴木太雄、尾﨑太郎、林 隆一
      欠席委員  なし
      委員外議員 なし
4 概 要
   午前10時0分開会
    ●佐藤委員長
     ◎開会宣告 挨拶
     ◎報告事項 委員の欠席なし
     ◎傍聴協議 なし
     ◎撮影許可 3件
     ◎議  事 議案4件継続審査を要する所管事務調査8件
     ◎審査順序宣告 福祉保健部、環境生活部、共生社会推進部の順に審査
     ◎福祉保健部審査宣告
     ◎議案等に対する説明要請
    ●今西福祉保健部長説明
    ●佐藤委員長
     ◎議案に対する質疑及び一般質問宣告
  
  Q 尾﨑委員
   様々な統計や文献を見ると、しっかりとかめる歯を維持する人はほかの部位の健康状態も非常にいいという統計が明らかに出ている。
   和歌山県でも、和歌山県民の歯と口腔の健康づくり条例がつくられており、歯を大事にしていこうという運動がされている。
   高齢者が健康で要介護等にならないためには、しっかりと自分の歯でかむことが非常に大事であるが、このことに対してどのように
  考えているか。
  A 宗野健康推進課長
   歯と口腔の健康づくりについて、令和6年3月に、「第2次和歌山県歯と口腔の健康づくり計画」を策定したところである。
   その中でも、前回の計画に比べ、3歳児の虫歯経験者の割合は改善の傾向であるが、一方で成人期の歯周病の罹患状況については悪

  化している。
   定期的に歯科検診を受けることが重要であるが、小中高の歯科検診以降はなかなか歯科に受診する機会がない。歯が痛くなってきて
  初めて歯科に行くという傾向にあるが、日頃からの歯科検診が大事である。
   また、歯の疾患は認知症や糖尿病といった全身の疾患にも影響を及ぼすといった調査結果も出ている。それらも踏まえて、策定して
  いる条例についても高齢期に限らず、それぞれのライフステージに応じた歯科検診の重要性について明記し、今後そういった方向で取
  り組んでいきたいと考えている。
  要望 尾﨑委員
   子供の歯の健康を守るということに対しては、歯磨きの奨励など意識が高まっており、我々のような現役の世代についても検診も定
  期的に受診するといった意識がある。
   しかし、65歳で仕事をリタイアして老後の人生を送っていく中で、歯が痛くなるまで受診せず放置することで、歯が悪くなりかめな
  くなってフレイルになる可能性が高いということから、高齢者を中心に、歯と口腔の健康について意識を持ってもらえるよう、条例を
  改正するなど県民に周知するように要望する。
  
  Q 秋月委員
   最近様々な感染症が増えてきて新聞紙上や報道をにぎわせているが、以前に比べてHIVやエイズの状況が伝わってこない。
   近年の県内の発症者や感染者の状況を教えてほしい。
  A 宗野健康推進課長
   和歌山県のエイズの感染状況について、直近だと2013年の年間10件がピークであったが、それ以降は減少傾向である。
   2020年以降については年間2、3件程度で推移してきたが、今年については現時点で新規発生が6件と、近年に比べて多い状況で

  ある。
  要望 秋月委員
   検査に行かない人が増えているのかなと思う。また、HIVに感染したとしても、エイズになりにくいよう抑制する薬もできたという
  ことで、HIVないしエイズがすごく軽いもののように思われがちなところもある。今後、非常に怖い感染症の一つであるということを
  県内でさらに周知してほしい。
  
  Q 浦口副委員長
   健康長寿日本一わかやまについて、雑賀技監が全体をグリップするということは非常に心強いが、具体的な取組についてはあまり見
  えてきていない。何に力を入れようとしているか、また、今後の展開についてはどうか。
  A 宗野健康推進課長
   前々回の6月及び前回の9月に開催された福祉環境委員会でも答えたとおり、今年度から健康長寿の新たな位置づけとして、骨粗
  しょう症対策に注力している。骨粗しょう症は、高齢になると発症する人が多く、骨折のリスクも高まる。また、市町村別の医療費
  や疾病分類別でも骨折は上位にあり、ここを抑えることで将来の医療費及び介護費の抑制につながるため、健康寿命の延伸に向けた
  喫緊の課題と捉えて、取り組んでいる。
   具体的には、県が骨密度測定を行い、測定結果を踏まえて、保健師、栄養士の視点から、食事や栄養、運動及び日光浴といったアド
  バイスを実施し、本人の生活習慣の見直しの気づきを促すことにより、行動変容につながることを期待するものである。
   今年度は、県内各地で骨密度測定を実施しているが、住民の関心が非常に高く、先週末時点の測定人数の実績は1700人を超えている。
   県内市町村の健康づくりイベントへ出展し、現場の市町村保健師と意見交換をすることで地域の実情を知る機会にもなっており、今
  後の取組にも反映していければと考えている。
   県全体で展開している中でも、特に、和歌山市との連携に重きを置いており、和歌山市保健所で実施した健康推進員のフォローアッ
  プ研修における骨密度測定の併設実施や、県と包括連携協定締結企業である明治安田生命保険相互会社のJリーグウォーキングにおい
  て、和歌山市と合同ブースを出展し、がん検診の啓発と併せて骨密度測定会を実施するなど、和歌山市と連携して住民啓発に取り組ん
  でいる。
   県としては、とにかく、県民がまずは自分の健康度を知って、これからの予防に向けた生活習慣を見直すきっかけをつくるというこ
  とで、様々な機会を通じて取り組んでいる。
   また、現役世代の健康づくりについては、先日、坂本佳隆議員の一般質問にもあったが、保健所が中心となって、地域・職域連携推
  進協議会を立ち上げ、地域における普及活動に取り組むとともに、県と協会けんぽが共同で、職場の健康づくりの取組をサポートする
  「わかやま健康づくりチャレンジ運動」を展開するなど、事業所も含め、全県的に健康リテラシーを高めていきたいと考えている。
  
  Q 浦口副委員長
   私も何度か骨密度を測ってもらったことがあり、良いことだと思うが、いろいろな文献を調べると、骨量は、20歳代以前にピークを
  迎えるとされている。要するに、それまで運動経験があると骨密度が高くなるが、運動経験がないと骨密度が低いまま大人になるとい
  うわけである。骨粗しょう症対策をする場合は、教育委員会と連携して、その大事さを伝えてもらいたい。
   それともう一点、少し視点は違うが、健康づくりにおいては、保健師の影響力が非常に大きいと思う。以前、私が福祉環境委員会委
  員長の時に大東市を訪問し、当時の担当者であった現大東市長の逢坂さんから、健康づくりについて様々な話を聞いた。その際、和歌
  山県内の市町村で唯一、印南町が大東市を視察しに来たというので、その印南町に話を聞くと、要介護にならないように保健師が地域
  をこまめに回っているということであった。印南町は、和歌山市よりも高齢化率が高いにもかかわらず、要介護認定率が非常に低いと
  いうことが分かっている。
   和歌山市においては、エリアが広く、また、地域包括支援センターが15か所あり、民間委託していることから、大東市や印南町と同
  じようにとは言わないが、参考にして、保健師や地域包括支援センターを含め、本格的な地域に根差した健康長寿づくりに取り組んで
  もらいたいと思うが、どうか。
  A 雑賀技監健康局長事務取扱
   和歌山県民の健康指標を上げていく中で、和歌山市の取組は非常に重要だと考えている。これまでも和歌山市との連携を図ってきた
  と考えているが、今後もしっかりと連携して取り組んでいきたいと思う。
  要望 浦口副委員長
   健康長寿日本一わかやまについて、健康で長生きしたらいいというだけではなく、介護人材が不足する中で社会全体の問題であると
  いう広い視野で進めてほしい。
  
    ●佐藤委員長
     ◎議案に対する質疑及び一般質問終了宣告
     ◎議案に対する採決宣告
     ◎議案第148号、議案第150号及び議案第170号については、全会一致で原案可決
     ◎福祉保健部審査終了宣告
     ◎休憩宣告
   午前10時20分休憩
  
   午前10時22分再開
    ●佐藤委員長
     ◎再開宣告
     ◎環境生活部審査宣告
     ◎議案等に対する説明要請
    ●山本環境生活部長説明
    ●佐藤委員長
     ◎議案に対する質疑及び一般質問宣告
  
  Q 林委員
   ツキノワグマ保護管理について、三重県知事が管理対象に見直したらどうかと発言し、環境省に提案すると聞いている。私も同様の
  考え方を持っている。現在のツキノワグマの状況及び三重県、奈良県との連携について状況を教えてほしい。
  A 松尾自然環境課長
   現在の状況は、目撃情報が11月末時点で167件と増えており、昨年度実績の3倍以上である。
   三重県、奈良県との連携については、ツキノワグマ対策に係る広域協議会を発足する準備をしており、3県で対面やウェブの会議を
  行っている。現在、対策を行うための条件整備をしている。
  要望 林委員
   前回81件で、現在167件となると倍になっている。現在の生息数は、1998年に180頭しか生息していなかった時と比べ、相当増えてい
  ると予想される。人的な被害があってからでは遅いので、三重県、奈良県と連携しツキノワグマを現在の保護対象から管理対象に見直
  すよう要望する。
  
  Q 秋月委員
   まず、災害廃棄物のことについて聞く。紀伊半島大水害の時、新宮市佐野地区や、田辺市本宮地区、那智勝浦町などに災害のボラン
  ティアで行き、畳や瓦礫、車の撤去を行ったが、半端でない量の災害廃棄物があった。かなり前の話になるので記憶も薄れてきている
  が、本宮地区では河原に大きな空き地があり、軽四自動車や1~2トンのダンプカーで運んでいた。能登半島の地震を見ていても相当
  の災害廃棄物が出ると思う。
   紀伊半島においても、南海トラフ地震などで被害を受けたときに、相当な量の災害廃棄物が出ると思う。基本的に各市町村で災害廃
  棄物の仮置場を設けると思うが、その状況はどのようになっているか。
  A 尾藤循環型社会推進課長
   災害廃棄物の仮置場については、現在、30市町村のうち29市町村で事前に選定している。
  要望 秋月委員
   私は上富田町在住であるが、上富田町はコンパクトで意外と土地がない。田辺市や白浜町、すさみ町は海に面しているので、広域的
  に考えると、上富田町で災害廃棄物を受け入れないといけないかもしれない。よく空き地を仮置場にすると思うが、災害はいつ起こる
  か分からないので夏の時期は草が生い茂り、いざという時に仮置きできないという状況も考えられるので、今後、市町村と連携しなが
  ら対策をお願いしたい。
  
  Q 秋月委員
   高齢の母親がいろいろ勧誘の電話を受けて、不安がっている。県民相談などの相談窓口があるが、相談の近年の件数と、主な内容に
  ついて教えてほしい。
  A 加藤県民生活課長
   まず、県の体制としては、和歌山市のビッグ愛に和歌山県消費生活センター、西牟婁振興局に同センターの紀南支所があり、そちら
  のほうで相談を受けている。
   令和5年度に県の消費生活センターへ寄せられた相談件数は5410件であり、令和4年度で5635件ということで、前年度比で約4%減
  少したが、近年、年間5000件はある。直近の令和6年度上半期は2784件であり、おそらく年間5000件ぐらいになる見込みである。
   主な内容については、インターネット通販に関する相談が非常に多く、相談内容で一番多かったのが化粧品の通販で、2番目は健康
  食品の通販によるトラブルなどである。特に目立っているのが、定期購入に関するもので、インターネットなどで、1回だけのつもり
  で注文したが、定期購入が条件になっており、何度も商品が届き多額の支払いを行うことになったというもので、どのように返品や解
  約をしたらいいのかといった相談である。
  要望 秋月委員
   5000件を超えるような、かなり多くの相談があるということに驚いたが、転ばぬ先の杖として、頼れる所があればありがたいと思う
  ので、引き続きよろしくお願いする。
  
  Q 秋月委員
   ディーゼル車について、昔、石原元東京都知事が黒煙粒子の詰まったペットボトルを振りながら「こんなものを吸わされている」と
  言って以来、日本でもNOxやPMの環境規制が非常に厳しくなったが、脱炭素の点でのディーゼル車の環境負荷について、脱炭素政策課
  の考え方を教えてもらいたい。
  A 竹中脱炭素政策課長
   ディーゼル車に限った話ではないが、古い車と新しい車では、新しい車のほうが環境性能は高まっており、CO2を含め環境負荷は少
  ないという考え方をしている。
  
  Q 秋月委員
   ディーゼル車で問題になるのはNOx(窒素酸化物)やPM(粒子状化合物)であり、炭素の点では比較的環境に負荷がなく、脱炭素で
  あるという認識がある。ディーゼル車は、ヨーロッパ(イギリス)では2050年までに廃止するとされているが、CO2削減という点では
  クリーンディーゼルは次世代自動車の一つとも言われている。脱炭素政策課としてはEV、PHV、FCVを推奨しているが、脱炭素という
  点ではクリーンディーゼル車が有効だと考えるが、どうか。
  A 竹中脱炭素政策課長
   確かにディーゼル車は熱効率も高く、燃費も良いことから、欧州でも環境には負荷が少ないということで使われてきた。

  しかし、欧州や世界的な状況を見るとハイブリッド車やEVの方向に進んでいると考える。比較の話になるが、世界的にもディーゼル単

  体より、ハイブリッド車や電気自動車により環境負荷を下げていく方向だと考えている。
  要望 秋月委員
   県としては、脱炭素先進県を目指して、公用車に電動車を中心に入れているが、ディーゼル車はNOxやPMも90%削減できる状態にな
  ってきているし、脱炭素という意味では良いのではないかと思う。ハイブリッド車はそうでもないが、EV、PHV、FCVは乗る側にとっ
  て不便なところがある。ディーゼル車であれば手軽に燃料をガソリンスタンドで給油できるし、脱炭素には有効な部分もあると思う。
  産業車、例えば2トンダンプやトラック、商用的な箱バンなどについても、購入費用は少し高くなるが環境には優しいと思うので、
  電動車だけではなくディーゼル車も今後検討してもらいたい。
   古いディーゼルはあまり良くないということでよいか。
  A 竹中脱炭素政策課長
   そのとおりである。環境負荷という点では良くない。
  
  Q 濱口委員
   買い物難民と呼ばれる問題で、昔は地域に小売店がたくさんあったが、大型の店舗が進出してきてなくなり、さらに小さなスーパー
  も人口減少などとともに減っており、例えば、新宮市では国道沿いの中心的な場所にあるスーパーも撤退した。今まで歩いて買い物に
  行っていた高齢者などが大変困っている。
   そういうことについて、この部局で何か改善ができるような対策をしているのか、所管しているのかそれとも違うのか、教えてほしい。
  A 加藤県民生活課長
   県庁2階にある県民相談室は、あらゆる分野の相談を受け付ける総合的な窓口となっている。相談内容についてよく聞き、その内容
  に応じた相談窓口を案内する仕組みになっており、様々な相談を受けている。
   令和5年度は相談が1329件あって、その内容は多岐にわたっているが、スーパーなどの話ではなく、相続問題や土地借家問題など民
  事関係の相談が多い。
   県民相談のほうへ電話してもらえれば、ふさわしい相談窓口を案内する仕組みはあるが、委員の質問の内容とは少し違う内容では
  ある。
  意見 濱口委員
   個別のそういう相談の窓口はあるが、先ほど説明したような適当な店を引っ張ってくるとかそういうところまではいってないという
  ことか。当然民間のことでもあるが、生活していく上で、近くに買い物へ行ける所が減ってくると、居住地として離れてしまうという
  根本的な要因でもあると思う。
   県でいろいろしているのかと思い聞いたが、また別のルートで一度考える。
  A 竹中脱炭素政策課長
   私が過去に所属した企画部では、過疎対策等の一環でいろいろ考えた記憶がある。
   人口減、交通、地域の話も関連する。こうしたことが話題になって、例えば民間レベルで行っている移動販売車等について議論した
  ことがある。
   この場において具体的に説明はしかねるが、現在の地域振興部においては、そうしたことも含め検討されているのではないかと考え
  る。
  
  Q 尾﨑委員
   長期総合計画の審議をしているときに、脱炭素の話が盛り込まれようとしている。和歌山県において脱炭素の動きを、できれば産業
  の振興にも結びつけて、その経済を単に脱炭素で地球温暖化に対応するだけではなくて、それを契機として地域経済の活性化を図ると
  いう、非常に素晴らしく遠大な目標が掲げられている。国のほうでは、脱炭素先行地域をつくって地域課題を解決し、この世界的な地
  球温暖化に対して貢献していくという試みがなされているが、この脱炭素先行地域とはどんな地域のことか。
  A 竹中脱炭素政策課長
   脱炭素先行地域とは、先進的なイメージを持ってもらえればと思う。国においては、2030年までに100か所程度、全国で先行地域を
  つくって、それを各地域に広めたいという思惑の下で取組を行っている。予算上も非常に拡充されており、大体5年間で50億円ぐらい
  を上限に国の補助が受けられる。
  
  Q 尾﨑委員
   脱炭素先行地域に選ばれたら、5年間で国から50億円の補助がもらえるとなると、今まで他地域で選ばれていると思うが、例えば、
  イメージ的にどういったものか。
  A 竹中脱炭素政策課長
   全ての地域を理解しているわけではないが、太陽光発電や省エネの導入などを先進的に取り組むということであり、単に一般的な
  住宅の太陽光発電設備の設置というものではなく、少しとがったようなイメージであり、他地域に対して模範的になるようなもので
  ある。
   県で取り組んでいる重点対策加速化事業というものは、住宅の太陽光発電設備や、事業者の高効率の給湯器の導入に補助を出すと
  いうものを実施しているが、それだけでは国の採択は受けられない。
  
  Q 尾﨑委員
   先進的というのがイメージしにくい。既に都道府県では採択されていると思われるが、和歌山県の採択状況はどうか。
  A 竹中脱炭素政策課長
   和歌山県においては、脱炭素先行地域の採択はない。
  
  Q 尾﨑委員
   そうすると大々的に長期総合計画に脱炭素化を進めていき、さらに和歌山県ではそれを経済成長にまで結びつけていきたいという
  ことであるが、脱炭素先行地域に採択もされてない現状について、部長はどう思うか。
  A 山本環境生活部長
   全国的に脱炭素先行地域に選定された地域がない県は少なくなってきている。県内で脱炭素先行地域の選定がされ、そこでの様々
  な取組が横展開されていくことは、脱炭素を進めていく上では非常に有意義だと思っている。脱炭素先行地域に選ばれることが全て
  というわけではないが、様々な政策の中で脱炭素先行地域に県内のどこかの地域が選定されるということは非常に有意義なことだと
  思っている。
  
  Q 尾﨑委員
   それぞれの首長によって違うと思うが、和歌山県の脱炭素化にかける意気込みというのは、長期総合計画の提案を見るとほかの県
  より多いような気がする。脱炭素というのが経済成長に結びつかないという意見の所もあり、例えば、ほかの国だが、もうやめてし
  まったほうがいいと言ってパリ協定を離脱する所もあった。そういう為政者がいる所の中には、脱炭素にかじを切るよりも、むしろ
  既存のエネルギーを利用して経済成長を図るといったポリシーを掲げる所もある。都道府県においても、それぞれの首長のポリシー
  によって温度差が出てくると思う。
   しかし、和歌山県においては、少なくとも今の体制を見ると、県有施設に太陽光発電設備を設置できるかどうか調査し、そこにく
  まなく設置していくなど、積極的に脱炭素に取りかかろうとしており、また、長期総合計画では単にCO2を削減するだけでなく、そ
  れをビジネスの経済成長の活力にまで結びつけたいといったことを言っている中、脱炭素先行地域が一つもないというのはどうかと
  思う。
   県も、市町村が申請するのであれば、採択されるようサポートしてあげてほしいと思うが、どうか。
  A 山本環境生活部長
   結論的に言うと、脱炭素先行地域の選定実現を目指して本県としては頑張っていきたいと思っている。
  要望 尾﨑委員
   炭素を削減したからといって、温暖化防止に貢献できるかどうかは、いろいろな意見がある。例えば、中国とアメリカがやめて、
  インドもやめる、そうするとヨーロッパや日本などの先進地域だけが頑張ったからどうなるという話がないわけではないが、経済
  圏を同じくする大きなマーケットの中で、日本の製品が輸出をしてお金を稼ごうと思えば、クリーンエネルギーで作った製品でな
  いとマーケットから締め出されるといったことが起こり得る。そういう意味において、和歌山県に自然エネルギーの拠点が築かれ、
  その電力を求めて製造業が集積していくといった未来図があれば、非常に地域経済の活性化につながっていく可能性もある。

   そういう先行地域の絵が描けるのかどうかは、民間も含めてプランニングをしていかないといけない。
   長期総合計画に書き込む限りは、頑張ってもらいたい。
  
    ●佐藤委員長
     ◎議案に対する質疑及び一般質問終了宣告
     ◎議案に対する採決宣告
     ◎議案第148号及び議案第169号については、全会一致で原案可決
     ◎環境生活部審査終了宣告
     ◎休憩宣告
   午前10時57分休憩
  
   午前10時59分再開
    ●佐藤委員長
     ◎再開宣告
     ◎共生社会推進部審査宣告
     ◎議案等に対する説明要請
    ●島本共生社会推進部長説明
    ●佐藤委員長
     ◎議案に対する質疑及び一般質問宣告
  
  Q 林委員
   全国的に児童虐待が増加している中で、本県における児童虐待や一時保護の状況はどうなっているか。
   また、和歌山市は人口が多く、児童虐待においても占める割合が高いと聞いているが、その状況はどうなっているか。
  A 田甫こども支援課長
   県内児童相談所における児童虐待相談件数は増加の一途をたどっている。令和5年度は2192件と過去最多を更新した。

   そのうち和歌山市分は975件で、全体の44.5%を占めている。
   一時保護の状況についても、年間保護実人員は、令和元年度が304人であったが、令和5年度は450人ということで、年々増加し
  ている。令和5年度の450人のうち、和歌山市分は222人で、全体の49.3%となっている。
  
  Q 林委員 
   児童虐待や一時保護の件数は本当に増えてきている。年間保護実人員は450人と聞いたが、調べたところによると、年間保護延べ
  人員が1万3826人、1人平均保護日数は30.7日、1日平均保護人数は37.9人ということで、令和5年度も相当増えている状況下に
  おいて、どのように対応しているのか。
  A  田甫こども支援課長
   児童虐待、一時保護が年々増えているということで、県においては児童相談所の体制強化を図っているところである。
   まず、今年の4月に従前の「子ども・女性・障害者相談センター」を再編して「中央児童相談所」を単独設置し、単独の所長を置
  いて、これまで以上に迅速にきめ細かな対応ができるようにした。
   また、児童相談所の職員についても計画的に増員を図っている。児童福祉司という、社会福祉士などの資格を持って保護者対応や
  関係機関との調整など、ケースワークを行う専門職があり、平成30年度は30人であったが令和6年度は47人となっている。

   さらに、子供の心理判定や心理療法を行う児童心理司についても、平成30年度は13人であったが、今は26人ということで体制強

  化を図っている。
  
  Q 林委員 
   一生懸命努力というか、人員も1.5~2倍ぐらい増やしているということだが、それにしても児童虐待が相当増えてきているので
  はないかと思う。
   児童相談所における一時保護について、子供がけがをしていない状況下でも一時保護をするというような事例を耳にしているが、
  一時保護に至る判断基準や意思決定プロセスはどうなっているか。
   また、保護者の同意がない一時保護の割合はどうなっているか。
  A  田甫こども支援課長
   児童相談所に虐待通告があった場合は、48時間以内に児童の安全を確認することとなっている。
   安全確認にあたっては、市町村等と連携して行うが、外傷の有無のみならず、発育状況、保護者や周囲の大人に対する態度、おび
  えの有無等を複数人で児童本人に直接会って確認している。また、保護者に対しても面接等を行い、児童への感情や態度、虐待の自
  覚や認識、家事や育児能力、保護者自身の心身の状況等を情報収集する。
   これらの確認情報により、現状の生活では児童の安全が確保されない状況にあると児童相談所長が判断した場合には、保護者に一
  時保護の必要性を説明し、児童の安全を最優先に考えて一時保護を行っているという流れになる。
   保護者による同意がない一時保護については、令和5年度で250件であった。一時保護全体が450件になるので、全体の55.6%を占
  めている。  
  
  Q 林委員 
   親の同意がない一時保護が55%ぐらいあるということで、それがクレームになったり法的措置を講じる人もいるということも聞く
  ので、トラブルにならないように、ある程度保護者が納得した上で一時保護をしたほうが良いのではないか。ただ、虐待によって亡
  くなる子供もいるので、そういったことも判断に入れて検討していってもらえれば良いと思っている。
   また、児童虐待や一時保護に占める和歌山市の割合が多い状況であり、和歌山市に児童相談所を設置してはどうかと思っている。
  私が和歌山市議会議員をしている時にはそういったことを議会で話していたし、尾花市長も検討するといった答弁をしていたことも
  あるので、一度、和歌山市に児童相談所を設置するように要望してはどうかと思うが、どうか。
  A  田甫こども支援課長
   中核市における児童相談所の設置については、全国的な人員不足等の問題もあり、令和6年4月現在、全国62の中核市のうち、横
  須賀市、金沢市、明石市、奈良市の4市にとどまっているのが実情である。
   和歌山市においては、今年4月にこども家庭センターを設置し、全ての妊産婦や子育て世帯、子供を対象に児童福祉と母子保健が
  一体となって、それぞれの家庭の状況に応じた相談や支援を切れ目なく行う体制を整えたところだと聞いている。
   児童相談所の設置については、委員の意見も伝えつつ、今後、和歌山市とよく話し合っていきたい。
  要望 林委員 
   努力はしていると思っているが、結果が全てだと思っている。
   児童虐待がどんどん増えている状況はいかがなものかと思っているので、少しでも減るように、和歌山市とも共闘して、できれば
  和歌山市に児童相談所を設置するよう強く要望していってもらいたいと思っている。 
  
  Q 秋月委員
   被選挙人と言われる私たちにも人権はあると思うがどうか。
  A 玉置人権政策課長
   そのとおりである。
  
  Q 秋月委員
   被選挙人に対して、人権侵害に当たるようなインターネット上の書き込みが多数ある。ある女性議員に対して、非常に人権侵害に
  当たるような書き込みがあり、県に相談し、削除依頼の要請をしてもらった事例もある。
   また、女性議員は、セクシャルハラスメントやパワーハラスメントに当たるようなことを有権者からよく受ける。私が一番危惧し
  ているのは、次世代の被選挙人が人権侵害に当たるような誹謗中傷を受けることを恐れ、出馬しないことである。
   男女や人種等の人権問題というものは、教育によって人権侵害をしてはいけないという理解がある一方で、被選挙人に対しては何
  を言ってもいいという傾向があると思うが、どうか。
  A 玉置人権政策課長
   インターネット上の誹謗中傷等の書き込みはあってはならないことだと考えている。
   インターネットは、今の社会においてなくてはならないものであるが、使い方によっては危険なものになっているという現状があ
  る。
   そうしたことから、県としてもインターネット上の人権侵害を防止するため、講習会、研修会を実施している。
   また、県民の友への掲載、啓発資料の作成等を行い、県民の意識の醸成に取り組んでいる。
   さらに、誹謗中傷等の被害に遭われた方から相談等があった場合は、適切な対応を取れる体制をとっている。
   引き続き、誹謗中傷等が起こらないように、県民に対して啓発等を行っていく考えである。
  要望 秋月委員
   被選挙人は、選挙が近くなってくると誹謗中傷等を多々受ける。兵庫県議会においても、1名の議員が誹謗中傷を脅威に感じ、そ
  れが家族にも及んでいるということで議員辞職したという事例がある。議員を辞職するほどしんどいことがあったのではないかと推
  測する。
   被選挙人に対する誹謗中傷も人権侵害に当たるということを、教育、啓蒙する必要がある。被選挙人にも人権があるということな
  ので、被選挙人の人権も守ってもらえるように、県民に対しての周知、啓蒙をしてもらえたらありがたい。
  
    ●佐藤委員長
     ◎議案に対する質疑及び一般質問終了宣告
     ◎議案に対する採決宣告
     ◎議案第148号については、全会一致で原案可決
     ◎共生社会推進部審査終了宣告
     ◎継続審査を要する所管事務調査宣告 異議なし
     ◎閉会宣告
   午前11時20分閉会
 

 

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