令和6年9月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(全文)
◆ 汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているものもあるため、人名等、会議録正本とは一部表記の異なることがあります。人名等の正しい表記については「人名等の正しい表記」をご覧ください。
令和6年9月 和歌山県議会定例会会議録 第3号
議事日程 第3号
令和6年9月18日(水曜日)
午前10時開議
第1 議案第120号から議案第143号まで、報第3号及び諮問第1号(質疑)
第2 一般質問
────────────────────
会議に付した事件
第1 議案第120号から議案第143号まで、報第3号及び諮問第1号(質疑)
第2 一般質問
────────────────────
出席議員(42人)
1番 三栖拓也
2番 高田英亮
3番 秋月史成
4番 佐藤武治
5番 藤山将材
6番 森 礼子
7番 井出益弘
8番 尾崎要二
9番 上山寿示
10番 鈴木德久
11番 玄素彰人
12番 濱口太史
13番 鈴木太雄
14番 冨安民浩
15番 吉井和視
16番 山家敏宏
17番 北山慎一
18番 岩田弘彦
19番 中本浩精
20番 中村裕一
21番 谷 洋一
22番 坂本佳隆
23番 川畑哲哉
24番 堀 龍雄
25番 谷口和樹
26番 新島 雄
27番 山下直也
28番 小川浩樹
29番 中尾友紀
30番 岩井弘次
31番 藤本眞利子
32番 浦口高典
33番 山田正彦
34番 坂本 登
35番 小西政宏
36番 浦平美博
37番 中西 徹
38番 林 隆一
39番 片桐章浩
40番 奥村規子
41番 尾﨑太郎
42番 長坂隆司
欠席議員(なし)
────────────────────
説明のため出席した者
知事 岸本周平
副知事 下 宏
理事 田嶋久嗣
知事室長 北廣理人
総務部長 友井泰範
危機管理部長 河野眞也
企画部長 前 昌治
地域振興部長 赤坂武彦
環境生活部長 山本祥生
共生社会推進部長 島本由美
福祉保健部長 今西宏行
商工労働部長 大川伸也
農林水産部長 立石 修
県土整備部長 福本仁志
会計管理者 高橋博之
教育長 宮﨑 泉
公安委員会委員 竹山早穗
警察本部長 野本靖之
人事委員会委員長 平田健正
代表監査委員 森田康友
選挙管理委員会委員長 小濱孝夫
────────────────────
職務のため出席した事務局職員
事務局長 林 伸幸
次長(秘書広報室長事務取扱)
橋爪正樹
議事課長 岩井紀生
議事課副課長 田中 匠
議事課議事班長 伊賀顕正
議事課副主任 中阪康仁
議事課副主査 西 智生
議事課副主査 林 貞男
総務課長 榊 建二
政策調査課長 岩谷隆哉
────────────────────
午前10時0分開議
○議長(鈴木太雄君) これより本日の会議を開きます。
日程第1、議案第120号から議案第143号まで、報第3号及び諮問第1号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、併せて日程第2、一般質問を行います。
34番坂本 登君。
〔坂本 登君、登壇〕(拍手)
○坂本 登君 皆さん、おはようございます。
議長のお許しをいただきましたので、質問をいたします。
私は、県勢、すなわち県の勢いを見る上での一つの柱に人口があると思い、これまで少子化対策にこだわって質問を続けてまいりましたが、その根本的な課題としては、本県の人口問題は若者の県離れ、すなわち大学進学や就職で県内にとどまらず、県外に大量に流出していることが上げられます。
大学、短大へは驚くなかれ、8割の若者が県外へ流出し、全国でもワースト3に入っているという現実であります。県外への就職割合も全国平均より高くなっております。大学については、関係者の努力が実り、最近は和歌山市内にも若者の声が聞こえるようになりました。うれしいことであります。
しかしながら、全体的に見れば、県内、特に和歌山市周辺以外の地域での若者の定着は少なく、企業も優秀な人材の確保に苦慮しているのが現状ではないでしょうか。
県内の生産年齢人口は、2040年には37万人とピーク時の約半数に減少することが予測されておられます。
優れた企業が少なく、安定的な雇用機会が少ない、だから若者が県外に流れるのか。はたまた優秀な労働力が確保できないから、優れた企業が立地しないのか。常に繰り返される押し問答ですが、議論ばかりでは出口が見つかりません。現状は待ったなしの状況であります。
議会サイドとしても、知事と共に思い切った対策に取り組み、後世に悔いを残さぬよう取り組む必要があると痛感をしております。
最近、私は、県が発表したわかやま成長産業開拓ビジョンを手に入れ、目を通す機会がありました。その内容は、脱炭素社会という大きな大きな時代の変革とその変革に対応し、成長の可能性を持った県内産業のピックアップと実現に向けての課題を整理するといったかなりレベルの高い報告書であり、私にはいささか難し過ぎる内容でありましたが、ビジョン策定の検討委員会は、岸本知事を座長に、東京大学の先生方をはじめ、名立たる専門家が名を連ね、一見して岸本成長戦略ビジョンとの感を強くいたしました。
本報告書策定の目的は、産業を取り巻く世界情勢が急速に変化する今、その流れを的確に捉え、和歌山の地域特性を生かした対策を図ることにより、県内に成長投資を取り込み、魅力的な地域をどう実現していくのか。そのためには、魅力あふれる豊かな暮らしとともに、脱炭素社会の中心産業となる成長産業を開拓し、取り込み、課題先進県から脱炭素先進県への飛躍を図ることを目標に、その取組を示すこととあります。県の危機感と本気度が伝わってきます。
成長産業の候補としては、カーボンリサイクル燃料、蓄電池、ロケット・宇宙、洋上風力発電などを具体的に捉え、今後の成長の可能性や和歌山の適地性、雇用効果などを整理するとともに、誘致のためのポイントを指摘しています。また、新しい働き方のスタイルとして、白浜を中心に展開を見せておりますワーケーションにも注目しております。
報告書の紹介がやや長くなって恐縮ですが、大変興味ある内容となっておりますので、成長産業の候補として上げた四つの産業についてやや詳しく紹介をしたいと思います。
特に私が興味を持っておりますのが洋上風力発電です。陸上での風力発電の問題点や課題を整理し、将来の洋上風力発電の可能性について議論を深めたいと思います。
まず最初は、カーボンリサイクル燃料です。
ふだんあまり聞き慣れない言葉だと思いますので、ちょっと詳しく紹介をしたいと思います。
30年後の脱炭素社会では、飛行機の燃料は全て廃食油などのバイオマス燃料や都市ごみ、廃プラスチックなどから作られる持続可能な航空燃料を使われるそうであります。
ここまで紹介しますと、あ、それは東燃の箕島工場で取り組んでいる燃料のことだとお気づきの方もおられることと思います。かつて大型タンカーで海外から原油を運び込み、様々な石油製品を作り出し、県経済を支えてきたかつての東燃のことを考えますと隔世の感がありますが、脱炭素化社会への劇的な転換を実感しております。
計画では、2026年度には年間40万キロリットルの航空機燃料を生産することになり、国内最大規模の工場になるそうであります。国は、国内便の燃料の約10%をこの燃料で賄うことを目標に増産を支援しております。広い工場用地や関連企業の集積、人材の確保等を考えますと、次世代の有力な成長産業となることが期待をされておられます。
次に、蓄電池です。
脱炭素社会の進展に伴い、蓄電池の世界的な需要はますます拡大する見通しであります。政府も蓄電池を経済安全保障推進上の特定重要物資に指定をしております。県内では既にパナソニックの電池工場が紀の川市に立地、稼働しておりまして、成長を見込まれる新型車載用バッテリー「4680」の生産に取り組んでいるとのことであります。この取組は、蓄電池産業の集積する関西にあっても重要な一翼を担うことを期待されておられます。
誘致のポイントとしては、国の先行投資支援期間である2028年度までに10ヘクタールから30ヘクタールの用地をできる限り早期に着工することが求められております。
三つ目は、ロケット・宇宙産業です。
既に皆さん御承知のように、現在、串本町において、キヤノンや石川島播磨重工業といった我が国を代表する大企業の関連企業が出資をするスペースワン社がロケット2号機の打ち上げに向けて準備中という状態になっております。
宇宙産業は、ロケット本体などの宇宙機器産業と宇宙衛星を活用した、例えば気象情報や自動車の無人運転などの宇宙ソリューション産業から成り、その需要は急速に拡大し、世界各国はその確保に目の色を変えて取り組んでいるといった状況であります。
我が国の現状は、民間衛星事業の衛星を製造しても、打ち上げのロケットをお願いせざるを得ない状況であり、スペースワン社の商業宇宙輸送サービスに対する期待、要望は、国内はもとより、海外にとっても大変高いものがあります。
ロケット打ち上げ場となるスペースポート紀伊は、様々な制約や条件の中で海外を含む候補地の中から選定されたものと聞いております。その立地上の優位性は、宇宙と地球をつなぐ東南アジアの一大拠点となることが期待されます。
2030年代初めには、年間30機の小型ロケットの打ち上げが計画され、本格的な稼働となれば組立て工場や衛星データ活用ビジネスなどの集積が期待され、地元の雇用、関連産業の波及効果など、これまで私たちが経験したことのない新しい需要が掘り起こされ、一大拠点となることが期待されておられます。
地元串本古座高校では、既に宇宙探究コースを設け、全国から広く人材を募集しスタートをさせています。若者にとっては夢のある魅力的な教育や雇用機会が目の前に広がっています。教育委員会は、この絶好の機会を逃すことなく、目を全国に向けて、広く人材の募集、確保に取り組むことを強く要望いたします。
教育長にお伺いします。
串本古座高校の宇宙探究コースの現状と今後の取組について、積極的な答弁をお願いいたします。
関連産業誘致のポイントとしましては、部品の製造や組立て工場などを見据えた15ヘクタール程度の比較的大きな用地の確保が求められています。過疎化が進む地域にあっては、絶好の機会だと思います。県の積極的な取組を求めます。
四つ目は、洋上風力発電です。
風の力を利用した風力発電には、陸上での風力発電と海上での洋上風力発電の二つのタイプがあります。
陸上の風力発電については、平成20年の広川明神山風力発電所の建設以来16年間、主に日高郡と有田郡の境の白馬山系を中心に次々と建設が進められてきました。その規模は6か所87基に及び、この間、様々な問題点や課題が浮き彫りになってきました。さらに今回、新たに新白馬風力発電計画が提出され、4か所62基、総発電量約24万キロワットの新規増設が計画され、県や国との協議を進めていると聞いております。
そこで、私は今回、最初にこの陸上での白馬風力発電計画について幾つかの問題点や疑問点を指摘し、当局の答弁を求めるものであり、後半は、洋上風力発電の将来性やその可能性について見解をお伺いするものであります。
私たちを取り巻く生活環境や産業構造の高度化に伴い、これを支えるエネルギーもまた大量の安定した電力を必要としています。
しかしながら、石炭火力や火力発電は、環境への炭酸ガス影響の規制を受け、その運転、稼働は大幅に制限され、今後ますます厳しくなることが見込まれ、原子力発電についても、福島の事故や地震の影響などにより、厳しい制約が求められています。
時代は太陽光や風力、バイオマスといった再生可能なエネルギーでの発電といった方向に向かい、施設の立地もそれぞれの適地を求めて大きく動き出していると言っても過言ではありません。
日照時間に恵まれる本県にあっては、至るところに太陽光発電のパネルが見られ、林野率76%の森林資源を求めて、一部にバイオマス発電の立地も見られます。
また、風力に関して言えば、紀伊水道から伊吹山にかけて風の道があると聞いたことがあります。まさに白馬山系は、この風の道に位置し、適地として多数の風力発電施設の立地を呼び込んだものと思います。そして、その施設は、今や東へ東へ、奥地へ奥地へと展開しようとしております。
しかしながら、私は、いかに適地といえども、白馬山系にはもうこれ以上の風力発電施設の立地はかえって環境を破壊し、地域住民には迷惑をかけることになるのではとの心配をしているところであります。
現在、日高郡には6か所87基、15万キロワットの風力発電施設が稼働中であります。今回、新たに4か所62基、23万9870キロワットの風力発電施設の増設が計画中であり、この規模は、これまでの発電力に比べ1.6倍の規模であります。これに伴う環境影響評価の一部について、既に地域住民への説明も始まっていると聞いております。
地域住民からは悲鳴にも似た声を耳にいたします。現状の発電施設に加え、この規模での増設計画は、日高郡、特に白馬山系の環境を大きく破壊し、一変してしまうものではないかとその心配は絶えません。
山地は削り取られ、山を崩壊し、谷川は泥に埋まり、泥流は海にまで及びます。麓で暮らす住民の心配はいかばかりか。山で生きている動植物はどこに逃げればいいのでしょうか。餌を求めて里に下ってくることは必至であります。これまでも鹿やイノシシ、猿などの野生動物に野菜や果物が荒らされ、生活基盤さえ奪われてきた地域住民は、さらに一段の被害を覚悟しなければなりません。施設に近い集落にあっては、低周波による健康被害も心配の種であります。
知事も事業に対しては厳しい意見を述べたと聞いております。私も個人的には、これ以上、陸上での風力発電施設の新規立地については、慎重の上にも慎重な検討が必要であると思っております。
知事にお伺いいたします。
新白馬計画については、今後、事業者によって環境アセスメントが進められていくことになると思います。どういう姿勢で対応していくおつもりなのか、基本的なお考えをお聞かせください。
新白馬風力発電計画については、私なりに疑問点をただしてまいりましたが、目を足元に向けますと、エネルギー、特に電力の大切さは現在の私たちの生活にはなくてはならないものであるということを再認識しなければなりません。電力の安定的な確保なくして、現代の私たちの生活は一日も立ち行かなくなってくるのであります。
このことを再認識するとき、私はあまりにも環境への負担が大き過ぎる陸上での風力発電に対し、海上での洋上風力発電に大きく関心が移りました。陸から海への発想転換であります。
洋上風力発電は、風力発電の一種で、風車を海上に設置する発電方式で、海に囲まれた我が国にとっては注目すべき再生可能なエネルギーであります。もちろんこの方式にはメリット、デメリットの両面がありますが、陸上から離れた海上という立地条件から、騒音や環境に関するもろもろの懸案が解決されるというメリットに対して、建設費や維持管理費に大きなコストと手間がかかるというデメリットも指摘されておられます。
国も洋上風力発電については強く推進し、秋田県などを中心に、全国で10区域を洋上風力発電の設置を促進すべき促進区域として指定し、うち8区域で既に事業者が決定されていると聞いております。
全国的な計画を見ますと、促進区域のほとんどが風力に恵まれる東北地方と日本海側に集中し、今後、立地に向けての可能性の大きい地域も北海道などにも多く見られます。
一方、大規模の需要を控える東海地方から九州にかけての太平洋側には促進区域がなく、立地のバランス上からもこの地域も設置が望まれているのではと考えます。関西地域も原子力発電や火力発電に大きく依存し、電源構成から再生可能なエネルギーへの転換が急がれていることと思います。その関西地域にあっては、本県周辺海域の風況が最適と言われておられます。
また、海の上での洋上風力発電には、陸地からバックアップ施設として基地港湾が必ず必要であり、東京から関西の間で3か所の基地港湾が必要となります。現在、茨城県の1か所のみであります。本県は、近畿随一の洋上風力発電に適した風況を有し、港湾施設にも恵まれ、また、火力発電の休廃止により、送電線の空き容量が大きいという特性も有しています。
私は、この洋上風力発電という新しい分野の可能性に注目しています。もちろんこのプロジェクトは、海の上に風力発電施設を設置し、発電しようとする全く新しい発想が必要であり、それに伴って様々な面での新たな調整が必要になってくることは当然であります。
一定以上の風がコンスタントに吹くという自然条件は絶対的な条件です。同時に、漁業との調整も整いませんと適地とは言えません。風光明媚な本県にあっては、観光や景観との調和も優先すべきテーマであります。こうしたもろもろの検討課題をクリアした地域が適地となります。
県が作成したゾーニングマップでは、日高郡から串本町の沖合を対象に、有望海域の目安とされる風速毎秒7メートル以上の海域を対象に、国立・国定公園や熊野古道景観形成地域などを除外、陸域から30キロメートル、水深200メートル以下といったもろもろの条件を付け加えながら適地を絞っていき、関係者のヒアリングなどを通して得た現在の調査の概要を見ますと、最も可能性のある海域としては、紀伊水道南、御坊市から印南町の沖合5キロから30キロ、水深200メートルまでの海域285.6平方キロメートルの範囲となっております。既にこの海域を中心に、二つの事業体から大規模な洋上風力発電計画が提案されております。
繰り返しますが、このゾーニングマップは、関係書類の調査など、言わば机上の結論であり、今後、仮に事業化の段階になりますと、海域に関係する漁業者の方々や様々な分野の関係者との調整が必要であることは論をまちません。
そして同時に、再エネルギー海域利用法に基づき、国の関係機関と協議を経て、経済産業大臣並びに国土交通大臣による促進区域の指定を受け、その後、事業を行う事業者の公募という段階を踏むことになります。
事業化されますと着手から最大30年という長期に及ぶプロジェクトになるため、様々な分野への雇用効果も見込まれています。仮に100万キロワットの規模の洋上風力発電建設ということになりますと、建設時は2400人、運転開始後は3880人の雇用効果が生まれます。事業規模は数千億円と言われます。また、海上監視やメンテナンス船の運航など、地域の漁業分野においても新たな雇用の発生が見込まれます。
知事にお伺いします。
解決すべき課題は山積していると思いますが、私はこの洋上風力発電が和歌山県の特性を生かした特色あるプロジェクトではないかと捉えています。洋上風力発電に対する知事の御認識をお伺いいたします。
いささか洋上風力発電にこだわり過ぎたことになってしまいましたが、もう一度、報告書全体に目を戻したいと思います。
知事に質問します。
知事は、わかやま成長産業開拓ビジョン検討会の座長として、本報告書の取りまとめに当たられました。座長として、また和歌山県知事としてこの報告書をどう評価し、どう県勢に位置づけ、実現に向けてどう取り組んでいこうとしているのか、お考えと決意をお聞かせください。
商工労働部長にお聞きします。
この報告書の実現に向けては、報告書の中におきましても、誘致のポイントや行政の役割といった項目を設け、様々な課題を上げておられます。用地の確保や国との協議など、時間と多大な労力、予算を要する分野も指摘されています。
許された時間は多くありません。令和7年度の予算編成も始まっていることと思います。今後に向けてどのようなステップを踏もうとしているのか、具体的な事例を含めてお示しください。
以上、新しい産業の分野だけに分かりにくい言葉や内容が多くなり、皆様にはお聞き苦しかった点、多々あったと思いますが、現在の落ち込んだ県勢を踏みとどまらせ、将来の和歌山を担う若者に希望のふるさとを引き継ぐためにも避けて通れないテーマであると確信し、本報告書の紹介を中心に質問をいたしました。
最後に、県土整備部長にお聞きします。
日高地方の道路整備につきまして、おかげさまで相当進んでまいりました。今回は、おさらいを込めまして、次の5か所の事業と河川改修事業の進捗状況と今後の見通しについてお伺いをいたします。
一つ目は、中芳養南部線小規模道路改良工事のみなべ町晩稲に係る箇所、二つ目は、御坊由良線道路改良工事のうち由良町大引から小引に係る箇所、3点目は、御坊由良線地方特定道路整備工事のうち美浜町三尾に係る箇所、4点目は、井関御坊線道路改良工事のうち日高町に係る箇所、原谷から萩原の箇所、5点目は、御坊中津線道路改良工事のうち日高川町に係る箇所、山野から三十木に係る箇所、河川は、西川改修工事のうち美浜町に係る箇所、以上です。
以上で、質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(鈴木太雄君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。
知事岸本周平君。
〔岸本周平君、登壇〕
○知事(岸本周平君) 坂本議員の御質問にお答えをいたします。
3問いただきましたので、順次お答えしたいと思います。
まず、第1問、新白馬風力発電事業に関する御質問でございます。
これにつきましては、本年8月28日に環境影響評価法に基づきまして、方法書に関する知事意見を経済産業大臣に述べたところでございます。
本事業は、現在稼働中の白馬ウインドファームの運転終了後、同発電所の跡地とその周辺で新たに風力発電設備を設置する計画となっており、事業実施想定区域の東側に当たる白馬ウインドファーム稼働中の区域につきましては、土地の改変等が既に実施されております。
一方で、西側部分は大部分が未開発の森林であります。その周辺には多くの住居等もありますことから、開発によって重大な環境影響が発生する可能性が懸念されます。
この点も含めて、坂本議員御指摘のお考えに私も全く同感のところがございます。
そのため、知事意見では、環境影響の回避・低減のために事業規模を縮小することも視野に入れ、計画の見直しを積極的に進めるよう求めさせていただきました。
和歌山県といたしましては、脱炭素社会の構築に向け、再生可能エネルギーの導入促進には積極的に取り組んでいるところではありますけれども、その導入に当たりましては、何より地域の環境との調和が必要であり、引き続き環境保全の見地から、必要かつ適切な意見を述べさせていただきたいと存じます。
2問目は、洋上風力発電に関する件でございます。
私ども和歌山県が脱炭素先進県を目指していくに当たり、地産地消で大量導入が可能な再生可能エネルギーとして、洋上風力発電は大変重要な選択肢であると考えております。
また、洋上風力発電は、クリーンなエネルギーを求める成長産業を誘致、集積させるための大きな推進力になります。
さらに加えて、設置工事や部素材の製造、メンテナンスやそれを支えるサービス業でも地元企業の活躍が期待されますので、これは極めて挑戦する意義の大きい事業ではないかと考えております。幸い坂本議員にも御指摘いただきましたが、和歌山県周辺海域は、風況など近畿圏では随一のポテンシャルが高い地域でありまして、洋上風力発電の適地であると認識をしております。
県といたしましては、環境省の委託事業を活用してゾーニングマップを作成し、2021年3月に公表いたしました。その後、2022年10月には、県の漁業協同組合連合会と共同いたしまして、事業者が漁業関係者の皆さんに接触する際の一元的な調整用窓口を設置いたしました。
また、本年度になりましては、議会で御承認いただいた当初予算によりまして、県の単独事業として洋上風力発電の導入に関する漁業上の課題の抽出やその対策の整理、また、理解醸成活動などを行うためのわかやま洋上風力検討会を県の漁業協同組合連合会と共同で設置させていただいたところでございます。
私ども和歌山県といたしましては、引き続きまして、漁業関係者をはじめとする和歌山県沖海域の利用者の皆様の御意見を踏まえつつ、洋上風力発電の実現に向けた取組を進め、県の経済の発展に向けた新たな成長の芽になるようしっかりと取り組んでまいりたいと思いますので、引き続きの御指導、よろしくお願い申し上げます。
3問目でございます。
坂本議員からは、わかやま成長産業開拓ビジョンについて詳細な御紹介をいただきました。御指摘のとおり、昨年の11月から、学識者、それから和歌山県出身の経営者の皆さん、アナリストなどの有識者で構成する検討会におきまして、市場の成長性や和歌山県との親和性などの観点から、県内での産業集積を目指す成長産業についての議論を重ねました。本年4月に取りまとめをさせていただきました。
このビジョンでは、将来の中核産業として地域に成長産業の集積の土台を築くとともに、本県がGX実現先進県、脱炭素社会先進県となることを目指すための行動指針としております。
脱炭素社会先進県を目指すに当たりましては、県土の多くを占める森林組織を生かしたカーボンクレジットの取得や、今、御指摘をいただきました洋上風力発電をはじめとする再生可能エネルギーの導入などにより、産業界とも協調して和歌山の持つポテンシャルを発揮できると考えております。現在、策定に取り組んでおります2040年頃を展望した県の新たな総合計画におきましても、このビジョンが産業部門の柱になっていくと、そのように考えております。
今後は、新総合計画の策定に向けた議論も踏まえつつ、それぞれの成長産業の集積に向けたアクションプランを作成するようにしたいと思っております。GX、脱炭素といった成長産業の集積を目指して全力で取り組んでまいりますので、県議会の先生方の御協力、御支援、御指導、よろしくお願い申し上げたいと思います。
○議長(鈴木太雄君) 教育長宮﨑 泉君。
〔宮﨑 泉君、登壇〕
○教育長(宮﨑 泉君) 串本古座高等学校では、2024年度に普通科を改編し、宇宙探究、地域探究、文理探究の三つのコースを持つ未来創造学科を設置しました。
宇宙探究コースでは、宇宙に関する科目を開設し、大学や研究機関、宇宙産業関連企業等と連携しながら、探究的に学べるカリキュラムとしております。専門的な学びを充実させるために、JAXAでの勤務経験のある宇宙教育専門の教員も配置いたしました。
県内外から集まった1期生となる1年生は、ロケットに関する大会に出場したり、連携機関等の人材を活用した特別講義を受講するなど、体験的に宇宙のことを学んでいます。今後、学年が進むにつれて、宇宙航空工学、衛星データ分析と活用といったより高度な内容を学んでいくことになります。
今後は、この魅力的な教育内容をさらに広く発信し、串本古座高等学校の宇宙探究コースで学ぶことを希望する子供たちを増やし、地元の生徒たちと切磋琢磨し、大きく成長してほしいと思っています。
○議長(鈴木太雄君) 商工労働部長大川伸也君。
〔大川伸也君、登壇〕
○商工労働部長(大川伸也君) わかやま成長産業開拓ビジョンに係る今後の取組についてお答え申し上げます。
わかやま成長産業開拓ビジョンにおいて、成長産業候補として位置づけたそれぞれの分野では、時代の潮流を捉えた新たな動きが出始めています。
洋上風力発電の動きについては、知事の答弁のとおりでございますが、そのほかの例えばカーボンリサイクル燃料分野では、ENEOS和歌山製造所におきまして、SAF建設用地確保のためのタンク撤去工事を本年7月から開始するなど、SAFの事業化に向けた取組が進められております。
県におきましても、SAFの主な原料である使用済み天ぷら油を家庭から回収し、SAF等の燃料の原料へと利活用する仕組みをつくるための実証事業を本年7月から開始したところです。
蓄電池分野では、パナソニックエナジー社による新型車載用リチウムイオン電池「4680」の量産準備が完了したところです。
県としましても、工業に関する学科を設置する五つの県立高等学校におきまして、今年度から国が主導する蓄電池教育プログラムを導入し、今後、蓄電池分野に携わる人材を育成し供給していく予定でございます。
ロケット・宇宙分野では、スペースワン社が日本初の民間ロケット射場、スペースポート紀伊からカイロスロケット2号機の12月中の打ち上げを目指して、鋭意作業を進めているところです。2030年代には年間30機の打ち上げが予定されており、宇宙関連の産業集積が期待され、それに向けて関係する市町村との連携を深めていくべく検討を進めております。
また、昨年12月に関西電力から和歌山発電所建設計画を中止し、その計画予定地について、2026年度をめどに、一部を先行して企業誘致エリアに整備する旨が発表されたところです。現在、関西電力が主催する和歌山発電所計画予定地の新たな活用に向けた協議会に、本県と和歌山市も参画し、GX、脱炭素に資する企業誘致の早期実現に向けた議論を進めているところです。
こうした動きをさらに加速させるためには、大規模事業用地・関連インフラの整備、クリーンエネルギーの供給、産業人材の確保、地元産業との連携といったプロジェクトを部局横断的に検討していくことが必要です。これらの取組を通じまして、将来の中核産業として地域に成長産業を呼び込み、産業レベルでの集積を実現できるよう、県としても全力で取り組んでまいります。
○議長(鈴木太雄君) 県土整備部長福本仁志君。
〔福本仁志君、登壇〕
○県土整備部長(福本仁志君) 日高地方における5か所の道路改良事業と西川の河川改修事業の進捗状況と今後の見通しについてお答えします。
中芳養南部線のみなべ町晩稲地内につきましては、事業延長約0.1キロメートル区間において、昨年度に測量設計が完了しています。今年度は用地測量を実施し、用地取得に着手する予定としています。
御坊由良線の由良町大引から小引間につきましては、事業延長約2.1キロメートルのうち7割に当たる約1.4キロメートルが完成し、今年度は、残る区間のうち約0.3キロメートルの路側工事や舗装工事を実施しています。
同じく御坊由良線の美浜町三尾地内につきつきましては、事業延長約0.3キロメートルのうち8割に当たる0.2キロメートルが完成し、今年度は残る区間の測量設計を実施しています。
井関御坊線の日高町原谷から萩原間につきましては、事業延長約3.2キロメートルのうち8割に当たる約2.5キロメートルが完成し、今年度は、残る区間のうち約0.4キロメートルの排水工事や舗装工事を実施しています。
御坊中津線の日高川町山野から三十木間につきましては、事業延長約8.7キロメートルのうち9割に当たる約7.4キロメートルが完成し、今年度は、下田原地内の山切り工事を実施しています。
続きまして、西川を含めた日高川水系における河川整備につきましては、2016年に策定した日高川水系河川整備計画に基づいて実施しており、その計画期間はおおむね20年間となっています。
西川につきましては、整備区間の約4.8キロメートルのうち3割に当たる約1.6キロメートルの整備が概成しており、今年度は、蟹田橋の架け替え工事や、その下流の河道掘削と護岸工事を実施しています。
道路事業、河川事業ともに、引き続き国土強靱化に係る国の補正予算等も活用しながら、用地取得や工事等を進め、一日も早い完成を目指し、事業を推進してまいります。
○議長(鈴木太雄君) 答弁漏れはありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(鈴木太雄君) 再質問を許します。
坂本 登君。
〔坂本 登君、登壇〕
○坂本 登君 丁寧な答弁、ありがとうございました。
新白馬計画について要望いたします。
本計画については、知事も開発計画については重大な環境影響が発生する懸念があり、特に周辺の多くの住民の影響が心配される場合は、計画の見直しを進める旨の答弁をされました。まさにそのとおりでありまして、周辺の環境影響、とりわけ多くの住居等への影響は絶対に避けなければならないと申し上げ、このことを強く要望しておきます。
成長産業ビジョンについては、パナソニックの車載用バッテリー「4680」につきましては、日本はおろか、世界的にも広く成長産業として紹介されているところであり、我々としても大きな大きな希望と誇りを持って、今後の成長を楽しみにしています。
串本のロケット打ち上げも、2030年には予定どおり年間30機の打ち上げが実現するでしょう。ロケット打ち上げ本体に関するビジネスにとどまらず、関連する産業の集積にも大きな期待を膨らませております。
洋上風力発電については、先ほども申し上げましたとおり、近畿にあって本県の立地条件は大きな優位性を持っております。事業主体は、漁業組合などの関係者との真摯な積極的な取組を期待しております。
それぞれ楽しみな課題が芽を出してきました。知事の強力なリーダーシップの下、新たな産業、新たな雇用が実現し、若者が定着し、子供の声が聞こえる和歌山を目指して頑張ってください。
以上です。ありがとうございました。(拍手)
○議長(鈴木太雄君) 以上で、坂本登君の質問が終了いたしました。
質疑及び一般質問を続行いたします。
10番鈴木德久君。
〔鈴木德久君、登壇〕(拍手)
○鈴木德久君 10番鈴木德久でございます。
10番といいますと、私は、地元で子供向け野球のチームのプレイングマネジャーをやっておりまして、背番号10番でございますので、ひそかに議席番号10番、喜んでおりました。
もう一つ、余談をお許しいただくならば、今年の夏、本当に暑かったんですけども、昨日は中秋の名月、そして彼岸を迎えます。私の地元では、そろそろ落ちアユ漁の準備をしております。熊野川本流にあって、四村川とか大塔川といったきれいな支流のブランドのアユがたくさんいる川の下流部に位置しておりますので、熊野川本流域でもなかなか絶好の漁場と言われている場所にあります。そこにせぎを打って、落ちアユが落ちてくるのを、戻るのを小鷹網を使って捕るという、そういう漁です。
これもなかなか大変でして、我々のところで大体川幅が60メーターぐらいあって、1メーター置きにヒノキのくいを打ち込んで、そこに竹のササをくくったやつを横に落として、それを竹のくいでその間に4本ずつぐらい打っていくわけですから、相当な本数になります。それも深いところで1メーター40センチから80センチぐらいまで、5種類ぐらいのを作っておいて、一日中掛矢打ち、専門職です。掛矢をずっと、それを40年ぐらいやっています。
さすがにいい漁場ですので、1日に何百匹も捕れるときもあります。ただ、そんなことはめったになくて、本当にそれだけ苦労して2日間かけたせぎの設備が一晩の雨で、1回の放水でどんと流されてしまう。それをまためげずに2回、3回と打つ年もあります。
そういった意味もあって、ダムの放流なんかにはかなり神経質といいますか、お付き合いをずっと40年ほどやってきておりますので、今回もまたちょっとやらせていただきたいと思います。
まず、ダムの運用と県の関わりについて。
1番目、治水対策と事前放流についてお伺いしたいと思います。
今年の台風10号は、8月22日にマリアナ諸島で発生し、南の海上をゆっくりと北上、非常に強い勢力まで発達、8月29日に鹿児島県に上陸しました。その後、ゆっくりと四国を進み、9月1日に東海道沖で熱帯低気圧となりました。
この台風10号は、最大瞬間風速が鹿児島県枕崎市で51.5メートル。また、宮崎県のえびの高原や静岡県の天城山では、総雨量が900ミリを超えるなど、各地で記録的な大雨となりました。
人的被害としましては、8名の方がお亡くなりになり、129人がけがをされたとのことです。お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、被害に遭われた全ての皆様にお見舞い申し上げます。
今回の台風の特徴として、高気圧や偏西風の影響を受け、非常にゆっくりと停滞するほどのスピードで、平成23年の台風12号の記憶がよみがえり、非常に不安を覚えました。
最近の大型の台風や線状降水帯の状況を見ますと、気候変動が大きく影響していることは間違いなく、今後も毎年のようにさらに強大化して日本列島に来襲するものと予想せざるを得ないと思われます。
もちろん世界的な温室効果ガス削減などの気候変動を抑制する取組は大変重要ですが、身近な問題として水害対策に適応していくことも大事ではないかと思います。
以前の一般質問でも、本県では、平成23年9月の紀伊半島大水害を契機として、全国に先駆けて、洪水対策の一つとして、平成24年5月に県内の四つのダムにおいて、利水事業者である関西電力株式会社と協定し、事前にダムの水位を低下させ空き容量を確保する事前放流を実施しています。また、新宮川水系でも電源開発が自主的に運用を行っており、平成30年台風30号の際には、熊野川河口近くで1.8メートルの水位低下効果があったとの回答をいただいています。
このような先進的な取組が令和2年4月の国土交通省水管理・国土保全局から発表されたダムの事前放流ガイドラインにつながったものと思います。
平成23年の紀伊半島大水害の年で7287億円であった水害被害額は、令和元年には、東日本台風の1兆8800億円を含め、全国で約2兆1800億円となっています。
現在、全国には1460のダムがあり、多目的ダムが562、利水ダムが898となっていますが、治水能力を有するのは多目的ダムで、利水ダムは水害対策に活用されてきませんでした。さらに、利水ダムは発電などが目的であり、水害対策に利用できる貯水容量も設備も整備されていません。
全てのダムにおいて治水機能を有する設備とその運用により、事前放流の対策が取れれば絶大な効果が得られるものと思われます。
新宮川水系におけるダムは全て利水ダムでありますが、熊野川のさらなる治水安全度の向上を図るためには、事前放流に伴う損失の補塡のみならず、より効果的なダム運用への変更、ダム施設の改造など、既存ダムのさらなる有効活用に向けて国に対して働きかけていくことが重要と考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
○議長(鈴木太雄君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。
知事岸本周平君。
〔岸本周平君、登壇〕
○知事(岸本周平君) 鈴木議員の御質問にお答えしたいと思います。
今、議員御指摘の先日の台風第10号をはじめ、毎年のように全国各地で水害が発生している状況や、近年気候変動によりまして水災害が激甚化、頻発化していると言われております。県といたしましても、ハード面・ソフト面両面から治水対策を強化していくことが極めて重要な課題であると考えております。
今、御指摘の新宮川水系における利水ダムの事前放流につきましては、紀伊半島大水害を受けまして、2012年から一部ダムで運用を開始し、2020年からは、ダム管理者の協力の下、関係者間で締結した治水協定に基づきまして、おかげさまで流域の全ての利水ダムで事前放流の体制が確立されました。
しかしながら、それでも紀伊半島大水害と同規模の大きな洪水が起きました場合には、事前放流をはじめといたしました現状の取組だけでは、残念ながら被害は防ぎ切れないという状況であります。
したがいまして、本県では、新宮川水系の既存ダムのさらなる洪水調整機能の強化につきまして、継続して国に要望してきております。本年6月には県の単独要望、それから8月には紀伊半島知事会議として、国に対して要望活動を実施してまいりました。
今後とも、新宮川水系の治水対策の強化に向けて、県としても管理区間の河川整備を着実に進めるとともに、引き続き既存ダムのさらなる洪水調節機能の強化を国に働きかけてまいります。
○議長(鈴木太雄君) 鈴木德久君。
〔鈴木德久君、登壇〕
○鈴木德久君 御答弁いただきました。ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。
続きまして、流域住民の理解についてお伺いします。
新宮川水系のダムは、全て利水ダムであるため、近年までは治水利用はされてきませんでした。それでもどう考えても流入量より放水量が増えることはないので、ダムのせいで洪水被害が大きくなるとは思いませんが、平成23年の紀伊半島大水害の後では、あたかもダムのせいで被害が広がったとの議論が続きました。
前の一般質問の答弁でも、令和2年4月のガイドラインを受け、5月29日に河川管理者、ダム管理者及び関係利水者間で事前放流に関する治水協定を締結しました。これにより事前放流によるさらなる容量確保の可能性が数値化されるとともに、関係者間の連絡体制が構築されましたとのことでした。
例えば、洪水が予想される状況にあるとき、事前放流の判断等に県は関わっているのでしょうか。また、その操作後の洪水対策から見た効果について、河川管理者として数値化して地域住民に公報していただければ理解も深まることと思いますが、県土整備部長の御所見をお伺いします。
○議長(鈴木太雄君) 県土整備部長福本仁志君。
〔福本仁志君、登壇〕
○県土整備部長(福本仁志君) まず、利水ダムにおける事前放流につきましては、事前に利水容量の一部を放流することで治水容量を確保し、浸水被害の軽減を図ることを目的に、ダム管理者に可能な範囲で協力していただいている取組です。
したがいまして、事前放流実施の個々の判断は、降雨予測や貯水位等を踏まえてダム管理者が行っており、県が関わっているわけではありません。
一方で、事前放流の運用ルールの策定には県として関わってきております。
具体的には、2011年に紀伊半島大水害を受けて電源開発株式会社が立ち上げたダム操作に関する技術検討会において、県も委員として参画し、さらなる水位低下の可能性を求める意見を述べるなど、事前放流の運用ルール策定に関与をしてきているところです。
次に、事前放流の治水効果については、例えば昨年の台風第7号の出水時には、風屋ダムと池原ダムにおいて事前放流が実施され、新宮市日足地区では事前放流がなかった場合と比べ水位が3メートル程度も低下するなど、大きな治水効果を発揮したものと承知しています。
事前放流は、県管理ダムにおいても関係利水者の協力の下、実施しておりますが、事前放流や緊急放流などの運用方法や治水効果を地域住民に伝えていくことは、円滑な避難行動を促すとともに、既存ダムをさらに有効活用していく観点から重要と考えており、河川整備と併せてダムの役割や効果の情報発信に努めてまいります。
○議長(鈴木太雄君) 鈴木德久君。
〔鈴木德久君、登壇〕
○鈴木德久君 御答弁ありがとうございます。
我々としましては、事前放流の協定がされたということで、利水ダムであったものが、今度は治水にも使えるよということになりました。それまでの県と電源開発とかの関係とかとはまた変わってきていると思うんです。だから、今まであんまり立ち入らないでくれみたいなところがあったと思うんですけども、今後はどんどん現場へも行ってもらって、そのノウハウを積み重ねて、本当に県としても意見を言えるような現場でのやり取りをやっていただきたいな、そういう希望を持っています。
次のダムの長寿命化についてお伺いします。
昨年の台風7号の出水でも事前放流により下流の水位が下がり、大きな治水効果があったとのことです。
このようなダムの流域治水への有効性を認識した上で、事前放流の効果を発揮し続けるためには、ダム湖に十分な容量を確保し続ける必要があると考えます。
そこで、ダムの長寿命化を図っていくためには、堆積土砂を撤去するなど、ダム湖を適切に管理していく必要があると思いますが、現状でどのような課題があり、その対策と電源開発の今後のダムの長寿命化に向けた計画に対する県の考え方を県土整備部長にお伺いいたします。
○議長(鈴木太雄君) 県土整備部長。
〔福本仁志君、登壇〕
○県土整備部長(福本仁志君) 流域のあらゆる関係者が協働して治水対策に取り組む流域治水を進めていく上で、既存ダムの有効活用は重要な取組と認識しています。
電源開発株式会社が管理するダムでは、将来にわたり発電や治水協力といった貯水池機能が発揮できるよう、貯水池内の土砂管理を実施しているところですが、流入土砂の増加や受入先の制約から、貯水池内の堆積土砂量が増加していると聞いています。
同社では、堆積土砂の問題及び濁水の長期化軽減への対策として、二津野ダムにおいて、土砂や濁水の早期排出のためのバイパストンネル等の設置を視野に入れた検討を進めていると聞いています。
県としては、新宮川水系は土砂生産が活発な流域であることから、土砂管理対策については、ダム地点のみならず、県管理の下流河道、さらには河口や海岸までの影響をも考慮した上で、流域全体の視点で関係機関が連携して取り組む必要があると考えております。
現在、国土交通省、三重県、奈良県、和歌山県、沿川自治体、ダム管理者である電源開発株式会社、関西電力株式会社で構成する熊野川の総合的な治水対策協議会の中で土砂管理対策を議論しております。
引き続き本枠組みの中で、堆積土砂がもたらす様々な課題に対し、総合的な土砂管理が図られ、ダムなどの施設の機能が将来にわたり発揮し続けられるよう、関係機関と連携しながら取り組んでまいります。
○議長(鈴木太雄君) 鈴木德久君。
〔鈴木德久君、登壇〕
○鈴木德久君 どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、大項目の災害発生後の緊急対策についてお伺いします。
まず1点目、能登半島地震の検証について。
能登半島地震が発生してから8か月が経過しました。石川県と和歌山県は同じ半島地域であるという地理的条件や高齢化の状況など類似点が多く、能登半島地震における課題は、和歌山県でも同様に起こり得るべきこととして対策を検討していく必要があります。
ちなみに、能登半島の面積は2404平方キロメートル、人口が約16万人、奈良県、三重県も含めてですけども、紀伊半島と言われる場所でいきますと9900平方キロ、123万人、かなり規模が大きいとは思うんですけども、県としては、これまでいろいろな機会で能登半島地震を踏まえた防災・減災対策の検証を行うと発言しています。
そこで、現時点における検証状況と今後の方向性について、危機管理部長から御答弁よろしくお願いいたします。
○議長(鈴木太雄君) 危機管理部長河野眞也君。
〔河野眞也君、登壇〕
○危機管理部長(河野眞也君) 能登半島地震の検証については、能登町への応援職員の派遣が終了した5月から各部局において本格的に開始いたしました。
県では、これまでの派遣職員の知見や、国の能登半島地震に係る検証チームによる自主点検レポートを踏まえ、検証を進める中で、公助だけでなく自助・共助の力を一層高めることが大切であること、清潔で快適なトイレ設置や温かい食事の提供など、きめ細やかな被災者支援が重要であること、応援職員の宿泊場所確保や応援機関との連携訓練実施など、応援・受援体制を強化していく必要があること、孤立集落への輸送手段の確保など、迅速かつ的確な初動体制を確立する必要があること、橋梁の耐震化など、インフラの強靱化と早期の復旧が重要であることが課題の大きな柱になると考えています。
これら五つの柱に分類される様々な課題に対し、今後どう取り組んでいくかについて、既に着手していることや短期で実施していくこと、政府提案が必要なものも含め中長期にわたって取組を進めていくことなどの仕分を行っているところでございます。
これらの検証内容については、県議会や市町村等への説明を行い、その意見を踏まえ、速やかに中間報告を公表した上で、今年度中に最終報告を公表する予定としております。
この検証結果を踏まえ、今後発生が懸念される南海トラフ地震等の大規模災害に対する防災・減災対策をさらに推進してまいります。
○議長(鈴木太雄君) 鈴木德久君。
〔鈴木德久君、登壇〕
○鈴木德久君 続きまして、災害時におけるボランティアの受入れについてお伺いします。
9月3日のNHKクローズアップ現代は、能登半島地震の災害後の初動検証がテーマでした。印象的だったのは、外部からの応援を前提とする体制づくりを想定した日頃からの準備が重要だということです。
今回の能登半島地震では、和歌山県からも地震発生後、関西広域連合の支援方針に基づき、カウンターパートの石川県能登町に対し、避難所運営や住家被害認定など、約5か月にわたり延べ2560人の応援職員を派遣しました。
被災地の市町村では、もともと職員数が多いとは言えない状況にあって、職員自身が被災するため、一層職員不足が深刻化します。甚大な被害を前に、被害情報の収集、救助活動、避難所運営と支援物資の提供など、職員数に対して明らかに膨大な災害対応業務を着実に進めていかなければなりません。このときマンパワー不足を補うためには、県による積極的な支援の必要性も当然のことですが、早い段階から災害ボランティアによる支援体制を構築していくことは必要ではないかと思います。
もちろん行政でしか対応できないことは市町村や県の職員で行う必要もありますが、民間の方でも対応できることは積極的に民間の方にお願いする、その具体的な手法として災害ボランティアによる支援を積極的に受け入れていくことが有効だと言われています。
とりわけ、避難生活の支援という場面では活躍の場が広いと考えますが、できるだけ早く日常生活に近い避難所の生活環境を整えていくということが重要です。海外を見てみますと、例えばイタリアでは、国が避難所の設営や生活支援を主導し、法律で発災後48時間以内に、避難所にベッド、仮設トイレ、食堂を準備し、提供することが定められています。そのために、災害ボランティアがテント、ベッド、キッチンカーを準備しており、被災地の行政職員は避難所運営を行わず、近隣の州から被災地にボランティアの支援が入ることで、速やかに避難生活を支援するという体制が構築されています。
一方、我が国の状況を見ますと、能登半島地震では、ボランティア活動の中核である石川県の社会福祉協議会が発災後すぐに活動に入ることができず、2か月たってもボランティアの受入れができない状況ということでした。
我が国に、すぐにイタリアと同じ取組を導入するというのは困難でありますが、遠くない将来、南海トラフ地震の発生が懸念される本県においては、できるだけ早く災害ボランティアの受入れが可能な体制を構築しておくことが必要です。
そして、何よりも重要なことは、災害時に有効に機能できるよう準備しておくことです。災害時にボランティアを早期に受け入れ、支援活動を円滑に進めることができる環境を整えるためには、関係機関同士が災害時の対応を想定し、平素から連携を図ることが必要です。そのためには、今から顔が見える関係を構築し、それを継続させていくことが最重要と考えます。
県では、能登半島地震を踏まえ、本県の防災・減災対策の検証を行っているとのことですので、ぜひ、災害時におけるボランティアの受入れ体制の強化について真剣に御検討いただきたいと思います。
そこで、本県の災害対策本部設置時のボランティアの受入れ体制をどう整備しているのか、そして災害時の活動を円滑に実施するために平時からどのような連携を図っているのか、能登半島地震で見えてきた課題も踏まえ、環境生活部長から御答弁よろしくお願いいたします。
○議長(鈴木太雄君) 環境生活部長山本祥生君。
〔山本祥生君、登壇〕
○環境生活部長(山本祥生君) 災害対策本部設置時のボランティアの受入れ体制についてでございますが、専門的な知識、技能を必要とする防災ボランティアは、県民生活課が総合調整窓口となり、関係課を通じて防災ボランティアに依頼内容を伝達し、活動を行っていただくこととしております。
また、専門的な知識、技能を必要としない家屋内外の片づけや軽作業を行う一般ボランティアは、被災地の市町村社会福祉協議会が設置する市町村災害ボランティアセンターにおいて、募集、受入れを行うことになっております。
県社会福祉協議会に常設している県災害ボランティアセンターは、県及び関係団体と連携して、一般ボランティアが円滑に活動を行えるよう、情報の発信や資機材の提供に加え、必要に応じて災害ボランティアバスを運行するなど、市町村災害ボランティアセンターを後方支援することとしており、県は、災害対策本部設置時には県災害ボランティアセンターに県職員を派遣し、運営を強化することとしております。
また、市町村災害ボランティアセンターが被災による人員不足で運営に支障が出る場合は、県災害ボランティアセンターから応援人員を派遣し、運営を支援することとなっております。
次に、平時からの連携につきましては、県災害ボランティアセンターでは、ふだんから県内の市町村社会福祉協議会、自治会や民生委員など地元関係者が参加する災害対応訓練を実施し、一般ボランティアが円滑に活動できるよう環境整備に努めているところです。
さらに、県では、社会福祉協議会等と連携し、災害時のボランティア活動への参加を呼びかけるため、本年度は能登半島地震を踏まえ、「ボランティア活動とこれからの課題」などをテーマとしたシニア災害ボランティアシンポジウムを開催したところです。
能登半島地震で見えてきた課題につきましては、災害発生時にボランティアを受け入れるに当たり、自家用車で多く来ていただいた場合の交通渋滞や、宿泊場所等から被災地までの距離が遠く作業時間を確保できないといったことが想定されるため、一般ボランティアが被災地に移動するための災害ボランティアバスの運行や、ボランティアに来られた方が被災地周辺で寝泊まりすることのできる場所の確保について、関係部局と共に検討し、ボランティアを受け入れるための環境整備に努めてまいります。
○議長(鈴木太雄君) 鈴木德久君。
〔鈴木德久君、登壇〕
○鈴木德久君 御答弁いただきました。よろしくお願いします。
3番目といたしまして、避難所における住環境について少し具体的な議論をしたいと思います。
今年4月3日午前7時58分、台湾の東部沖を震源とするマグニチュード7.2の地震が発生しました。震源に近い台湾東部の花蓮県で震度6強の揺れを観測したものの、被災後の行政の動きは迅速でした。象徴的なのは避難所の開設です。台湾の避難所は、地震の発生から数時間で設営が完了しています。地震が発生して1時間で市や各支援団体を結ぶLINEグループが立ち上がり、必要な物資の情報交換が始まります。2時間後にはテントを設置、3時間後には被災者を受け入れ、4時間後には設備がほぼ完了とのことです。このように避難所における住環境の整備がスムーズに対応できる鍵は、官民連携だと言われています。日頃から災害時に備えて官民協力の仕組みができているとのことです。
当然ながら、この連携の背景には、ふだんから自治体と各ボランティア団体が頻繁に避難所開設訓練や研修を実施しているからだとのことです。
また、行政は、どのボランティア団体がどんな支援を提供できるか把握しており、災害時に支援が重複しないことが重要だと言われています。
2次避難の対応も早く、花蓮市内の避難所は地震発生から4日で閉鎖されています。各ボランティア団体は支援の専門家であり、避難所設置に関する行政アドバイザーでもあります。
台湾でも2009年のモラコット台風で700人近い人が亡くなる大きな被害があり、このときは、報道された地域には、物資やボランティアが集中し、分配に手が回らず、人員や物資が浪費されました。逆に報道されなかった地域では、人員と物資が不足したそうです。この反省から強靱台湾計画という防災プロジェクトを立ち上げます。
内容は、発災時の直轄市、県、町など自治体の業務の役割分担、町の防災計画づくり、避難訓練、防災備蓄、民間との連携の確認だそうです。このような台湾の体制づくりには、東日本大震災や熊本地震での対応を参考にしていると言われています。
能登半島地震では、石川県で全壊・半壊が2万3653棟、一時最大約3万4000人が1次避難所に避難。避難所では雑魚寝で身を寄せる被災者の姿が伝えられていました。今も1次避難所146か所で3597人、避難ホテルなど2次避難所187か所で2671人が暮らしています。阪神・淡路大震災から30年の月日が経過しましたが、今回の被災地における避難所の置かれた生活環境は、当時の状況から大きな改善は見られず、改めて災害から助かった命をその後の避難生活で失わないためにも、避難所において、トイレや食事、ベッドなど、より日常に近い生活環境を確保することは非常に大切という思いを強く持ちました。
そこで伺います。
避難所の運営体制を効率的で速やかに整えることが必要だと思いますが、それに対する県の取組はいかがでしょうか。また、併せて避難所における快適な住環境を整備するため、県としてどのように取り組んでいくのか、危機管理部長から御答弁よろしくお願いいたします。
○議長(鈴木太雄君) 危機管理部長。
〔河野眞也君、登壇〕
○危機管理部長(河野眞也君) 大規模災害時において、被災市町村では避難所運営業務に十分な人員を配置するのは困難であるため、県では、自主防災組織など地域住民が主体となって避難所運営を行っていただくよう市町村に働きかけているところです。
あわせて、避難所のスムーズな設営・運営を図るため、段ボールベッドの配置や、プライバシー保護のためのパーティションのレイアウトをあらかじめ定めたり、県内外からの応援職員の受入れも想定した上で事前に役割分担を決めるなど、市町村と連携して、できるだけ速やかに避難所運営を開始するための準備をしてまいります。
また、議員御指摘のとおり、避難所の生活環境として、清潔で快適なトイレ、温かい食事、雑魚寝ではなくベッドでの就寝は重要な要素と認識しています。そのため、県では、今年度、トイレカーを1台導入し、県内市町村に対しても導入を働きかけるとともに、県内外に相互応援体制を構築していくこととしております。
このほか、キッチンコンテナを1台導入し、温かく栄養に配慮された食事を避難所に配送できるよう体制構築を検討していくとともに、ベッドについては、各市町村において備蓄を進めており、県としても財政支援を行いながら、市町村にさらなる備蓄を働きかけてまいります。
南海トラフ地震などの大規模災害においては、これらの取組だけでは十分に対応することができないため、地域の状況等を踏まえつつ、資機材の提供など、県内外の民間との連携強化を一層推進してまいります。
同時に、災害時にこれらの連携が十分機能するような関係性を平素から構築しておく必要があるため、その観点も含めて、民間との連携による受援体制の強化を図ってまいります。
○議長(鈴木太雄君) 鈴木德久君。
〔鈴木德久君、登壇〕
○鈴木德久君 御答弁ありがとうございました。
我が地域では、避難所等でプライバシーを守るためのテントやパーティションなんていうのは今どこにあるのでしょうか。全国的にもテントがある自治体とない自治体があると言われています。それは、災害対策基本法で市町村が避難所開設の主体となっているため、ばらばらの避難所の在り方が存在しているとの指摘があります。全国どこで災害が起きても、より快適な避難所の運営ができる仕組みを構築すべきであるし、避難所運営に限った話ではなく、防災対策全般に言えることだと思います。
近年、全国各地で災害が発生し、そして激甚化していることを踏まえると、規模の小さい自治体でも同様の防災対策を講じられるよう、国レベルで災害に備える方向に転換を図っていくべきだと考えますので、国に対し、防災専門の省庁の設置を働きかけていただくよう要望しておきます。
あわせて、迅速な復旧・復興に向けて、避難所の開設や運営だけでなく、あらゆる面でボランティアなど民間と連携した仕組みについて御検討を要望し、次の質問に移ります。
大項目の3番目、地域公共交通の今後についてお伺いします。
ライドシェアへの対応についてでございますが、日本の地域の公共交通はこれからどうなってしまうのかという漠然とした不安があります。
まずは、本年、2024年問題があります。2024年には、ドライバーの労働環境改善のため、労働時間などの規制が強化されます。この規制強化でドライバー不足は加速すると見られており、2030年には全国で3万6000人のドライバー不足との予想もあります。
さらに交通弱者の増加です。人口減少社会の中で、高齢化は急速に進行し、2036年には65歳以上人口は人口の3分の1に達すると推計されており、出かける手段のない交通弱者は今後も増加し続けます。
さらに交通事業者の撤退が進んでいます。コロナ禍での移動ニーズの激減は、交通事業者の事業存続に大打撃を与えました。公共交通のその大多数が赤字路線となっており、減便、路線廃線の流れを止めることが難しい状況です。
そこで、今、注目されているのが日本版ライドシェアです。現在、試行されているのは、大都市部での夜間にドライバーが不足する対応策として、あるいは万博等の大規模イベント開催中を想定してのことですが、ここでは過疎地のライドシェアについて議論したいと思います。
ライドシェアとは、移動の手段である車とそれを運転するドライバーをシェアリングする新しい移動の形です。スマートフォンアプリなどで配車を依頼し、タクシーのように利用する仕組みです。
現在の公共交通は、バス、タクシーのように、専門のドライバーが専用の車両を運転するケースがほとんどで、法律で多くの規制が課せられています。バス・タクシー事業の許可制や第2種免許が必要とされています。危機的なドライバー不足を解決するためには、こうした規制を緩和してライドシェアを解禁し、ドライバーを確保すべきだとの声がその背景にあります。
現在では、欧米だけでなくインドやシンガポールなどアジアでもライドシェアアプリが一般の人に普及していますが、日本ではまだまだ本格実施には至っておりません。安全性が確保できない等の既存の交通事業者からの心配の声が大きいためということもあるようです。
話を地方の公共交通に戻しますと、住民バスやコミュニティーバスなどの運行のため莫大な予算を投じている自治体も少なくありません。しかも、便数が少ないために乗車率は低く、満足度も低いといった悪循環に陥っているケースもあります。
私の思い描く地方版のライドシェアの利点は、休日に運転できるサラリーマンや、退職した元気な高齢者といった潜在的なドライバーを活用し、休日運行していない公用車や、使用頻度の低い自家用車など遊休車両を使ってニーズのあるときだけ運行する利用率100%の公共交通になれるのではないかと思います。
自治体の負担を軽減しつつ、担い手となるドライバーを確保しなければ地域の公共交通の維持が難しく、経営も立ち行かなくなることは明らかです。地域の公共交通が完全な機能不全に陥る前に、地方版ライドシェアを導入し、交通事業者の存続と地域の公共交通の抜本的な見直しを図るべきだと思いますが、現在の県の公共交通の取組とライドシェアに関する所見を地域振興部長にお伺いします。
○議長(鈴木太雄君) 地域振興部長赤坂武彦君。
〔赤坂武彦君、登壇〕
○地域振興部長(赤坂武彦君) 県では、地域公共交通の維持が厳しい状況にある中で、住民等の移動手段の確保を目的として、本年2月に交通政策のマスタープランとなる和歌山県地域公共交通計画を策定し、課題を抱える市町村へのアドバイザー派遣や、公共交通のキャッシュレス決済の導入支援などに取り組んでいるところです。
議員御指摘のとおり、一般ドライバーを活用するライドシェアは、公共交通機関の運転手不足という大きな課題を解決するための有効な手段であると認識しており、昨年12月にタクシー事業者や学識経験者等をメンバーとする研究会を立ち上げ、ライドシェアの導入地域の検討などを行っているところです。
県といたしましては、日本版ライドシェアは、事業主体となるタクシー事業者の経営が観光客の増減に左右されることなども考慮しながら、地域の実情に応じて公共ライドシェアやデマンド交通なども組み合わせ、住民等の移動手段の確保に積極的に取り組んでまいります。
○議長(鈴木太雄君) 鈴木德久君。
〔鈴木德久君、登壇〕
○鈴木德久君 御答弁ありがとうございました。できれば県内で一つ、二つ、そういった成功事例を見せてあげて、それがほかの市町村にも広がるといった、そういうところを期待しておりますので、ぜひともよろしくお願いいたします。
続きまして、介護保険制度における要介護認定の迅速化についてお伺いします。
介護保険制度における要介護認定は、要介護者の状態に応じて適切なサービスを給付するための根幹をなす仕組みであり、要介護認定の公平性、中立性を確保するため、介護の必要量を全国一律の基準に基づき、保険者が客観的に判定しています。
介護保険法上、保険者は30日以内に要介護認定を行う義務がありますが、現実には、令和4年度実績では95%の保険者において守られておらず、平均で40日、長ければ3か月以上との報告もあり、必要な介護サービスを迅速に利用できない事例が生じていることから、要介護認定制度及びその運用について迅速化の観点から見直しが必要な状況にあると言われています。
また、認定調査、主治医意見書、コンピューターによる一次判定、保健・医療・福祉有識者で構成される介護認定審査会における二次判定といった要介護認定における各プロセスにおいて、申請者及びその家族、ケアマネジャー、認定調査員、主治医、介護認定調査会の対応のスキルによって、調査、評価、判定の結果が異なるとの指摘があり、要介護認定の正確性、公平性について、恒常的な問題が生じているのではないかと言われております。
その結果、必要な水準の介護サービスを迅速に利用できず、申請者本人やその家族にとって大きな問題となっています。加えて、要介護認定に係る保険者、認定調査員、介護認定審査会委員、ケアマネジャー等にとっても、そしてそれを担当する行政職員にとっても非常に重い事務負担が生じていると言われています。
要介護認定者は年々増加傾向にあり、介護保険制度発足時には218万人だったのに対し、2025年には725万人、2030年には900万人、2040年には1000万人に増加する見込みであり、現行の要介護認定制度や運用のままでは、その課題が一層悪化するおそれが大きいと言われています。
要介護認定の迅速化、正確性確保の観点から、全国一律の基準でデジタル、AI等も活用し、人の関与はできるだけ減らすことにより、全国同等の要介護認定となり、公平性、中立性を高めつつ、迅速性を高められることは可能なのではないでしょうか。
もっと言えば、将来的にさらに技術が進めば、制度発足以来蓄積されたデータを基にAIに勉強してもらい、精度を高めた一次判定のみで判定結果として、そうすることにしてもいい時期が来ているのではないかとも考えますが、要介護認定の迅速化や市町村の事務負担軽減に対する県の認識や取組について、知事にお伺いいたします。
○議長(鈴木太雄君) 知事。
〔岸本周平君、登壇〕
○知事(岸本周平君) お答え申し上げます。
今の鈴木議員が御指摘されましたとおり、市町村における要介護認定の迅速化や事務負担の軽減などは、私どもも喫緊の課題であると同じように考えております。
国におきましても、本年6月の規制改革実施計画に基づきまして、デジタル、AIなども活用しつつ、要介護認定制度及びその運用の見直しを行うこととされております。
現時点では、コンピューターの一次判定の後に、認定調査の特記事項などを加味して合議する二次判定のプロセスは、真のニーズを反映する上で欠かせないわけでありますけれども、国の側の研究におきましても、AI技術を導入した自動二次判定システムの開発が進められているとお伺いしております。
県といたしましても、このような国の動向を注視しつつ、県内で先行するAIソフトを活用した認定調査や介護認定審査会のペーパーレス化などといった、そういう事例を横展開していきたいと思っておりまして、引き続き市町村の事務負担の軽減などに向けて取り組んでまいりますので、鈴木議員におかれましても、御指導よろしくお願い申し上げます。
○議長(鈴木太雄君) 鈴木德久君。
〔鈴木德久君、登壇〕
○鈴木德久君 御答弁ありがとうございました。
以上で、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(鈴木太雄君) 以上で、鈴木德久君の質問が終了いたしました。
これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
この際、暫時休憩いたします。
午前11時35分休憩
────────────────────
午後1時0分再開
○副議長(堀 龍雄君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
質疑及び一般質問を続行いたします。
35番小西政宏君。
〔小西政宏君、登壇〕(拍手)
○小西政宏君 皆さん、改めましてこんにちは。お昼後の一般質問をさせていただけたらと思います。
それでは、早速ですが、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い一般質問を行わせていただきます。
今回、4項目ありますけれども、まずは1項目めです。
乳幼児医療、子供医療費助成の所得制限についてお伺いいたします。
子供医療費助成は、市町村が業務を窓口として行っていただいておりますが、その財源は県と市町村で2分の1ずつ負担しています。
かつては医療費助成は所得制限がありましたが、県内各市町村とも順次所得制限を撤廃しており、本年6月に橋本市が県内市町村で最後の所得制限撤廃が決まりました。
しかし、県負担分については所得制限が撤廃されておらず、その分の費用を市町村が負担している状況です。全市町村が所得制限を撤廃している状況を踏まえると、県においても所得制限を撤廃すべきと考えています。
そこで、質問をいたします。
子供の医療費助成制度に係る所得制限について、県の考えをお伺いいたします。また、その上で、今後の子供の医療費助成について県はどのように取り組んでいく予定か、お伺いをいたします。
○副議長(堀 龍雄君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。
知事岸本周平君。
〔岸本周平君、登壇〕
○知事(岸本周平君) 小西議員から子供の医療費助成の所得制限について御質問をいただきましたので、お答え申し上げたいと思います。
昨日の一般質問でもるるお答え申し上げましたが、和歌山県の人口が減っていくのを少しでも止める、抑制する、緩和するという意味で、私は子育て世帯への経済的な支援というのは大変重要なものだと考えております。その意味では、今御指摘の子供の医療費助成というのも子育て世帯を応援するという意味で大変重要な制度であるというふうに認識しております。
また、今年の10月から実施します給食費の無償化も同様に、子育て世帯を支援する経済的な大きな政策だと考えております。
そして、県の予算の名前でいうと乳幼児医療費助成制度といいますけれども、これは制度開始当初から負担能力に応じて一定の金銭的な負担は県もやるべきだということで、所得制限を設けた上で市町村に対しての補助を実施してきたところであります。
これも、今、小西議員が御指摘いただいたとおり、市町村によっては独自の制度を設けていただいて、徐々に支援対象者を拡大するということで、地域の実情に応じた取組を行っていただいております。橋本市さんが実施されたことによって、県内30市町村、子供の医療費については所得制限はないという状況になっております。これは保護者の側から見てということであります。
この給食費の無償化や子供の医療費の助成は本来政府がやるべきだということは、これもるる申し上げております。本来国でやるべき施策であります。この県ではやって、この県ではやっていないというのはおかしいわけでありますから、これは県としても、あるいは関西広域連合や全国知事会を通じて、これまでも国に要求してまいりましたけれども、引き続き、国に対して要望してまいりたいと考えております。
その上で御理解いただきたいのは、保護者の立場から見たときに、給食費はこれまで負担をいただいておりました。今回、県と市町村が2分の1補助することで、保護者から見たときに給食費が無償化したわけでございます。子供の医療費助成についても、保護者の側から見ると無償化されているわけです。
でも、これは言うまでもないことですが、県のみならず市町村も大変厳しい財政状況の中で、ある意味、子供医療費については役割分担というか、市町村の側が少し配慮をいただいているということになるかもしれませんが、保護者の側から見たときに、県と市町村がタッグマッチを組んで、今回、給食費も無償化、子供の医療費助成についても所得制限がないという状況がございますので、県とすると、まずはこれまでお金のかかっていた給食費の無償化を保護者の側から見て応援するということで、苦渋の決断としてやらせていただいていることについては、どうか御理解を賜れればと存じます。
○副議長(堀 龍雄君) 小西政宏君。
〔小西政宏君、登壇〕
○小西政宏君 答弁いただき、ありがとうございました。
知事が言っていただいたように、まずはこの制度について、子供を育てていくという環境については重要であるというふうにも言っていただきました。
一方で、この子育て制度ということについては、本当に地域とか所得関係なく、本来は国一元でやるべきなんだというところについても、私も同じ認識を持っています。ただ一方で、国だけを待っていてもなかなか進まないというところがありますから、今回も知事に決断をしていただいた給食費のように、各都道府県または市町村でやっていかなければならないことも現実としてあるのかなというふうに思います。
そういった中で、知事も言っていただいたように、それこそ県民さんから、市民さんからすると、負担は今回変わらないわけですから、そういった意味では、きっちり財源は限られています、優先順位をつけてやっていかなければならないというところについては私も理解をしているところであります。
ですけれども、市町村の現場を見てみると、医療費助成のやり合いじゃないですけど、あっちの市町村がやったらこっちもついていかなければならないと。何歳まで拡充したらこっちもやらなければならないみたいな感じの、現実、覚悟を決めてやっていただいているんだと思うんですけど、ついていかざるを得ない。財源が限られた中でやっていっていると。そんな現状も現実もあるわけですから、そういったところについては県のほうにきっちりとお伝えをしていくと。そんなことも重要かなと思い、今回の質問をさせていただきました。
ということで、それはもう知事も御理解いただけたと思いますので、今後また様々ある中で検討していっていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは次に、水道の広域化についてお伺いをさせていただきます。
この水道自体も各市町村で事業を営んでいただいているわけですけども、もう皆さん御承知のとおり、人口は減り、施設もどんどんどんどん老朽化をしていっています。その更新を考えたときには、市町村単独でやっぱり事業をしていくというのは非常に厳しいと。これは、もう当たり前のことであります。
そんな中、平成30年に水道法が改正されまして、水道事業の基盤強化を図る方策として、県と市町村で検討委員会を構築して、市町村の区域を越えた広域連携に取り組むことということが求められているわけです。
県のほうでは、令和5年の3月に和歌山県水道広域化推進プランというものを作成して、広域化の推進に取り組んでいただいていると思いますけれども、県における、まずは水道事業広域化の進捗状況をお伺いしたいと思います。
○副議長(堀 龍雄君) 環境生活部長山本祥生君。
〔山本祥生君、登壇〕
○環境生活部長(山本祥生君) 県内水道事業の基盤強化を図る方策として、和歌山県水道広域化推進プランを2023年3月に策定したところでございます。このプランにおいて、県内を五つの圏域に区分し、事業統合だけでなく、施設の共同化や管理の一体化などを含んだ多様な広域化の取組により、水道事業の基盤強化につなげていくこととしております。
そのため、各圏域において、県主導で水道事業懇談会を開催し、各市町村が地勢的特性や地域の実情などに応じて段階的に進めることができるよう、窓口や検針業務の共同化、また施設維持管理業務の共同化など、具体的な基盤強化策について提案を行っているところでございます。
○副議長(堀 龍雄君) 小西政宏君。
〔小西政宏君、登壇〕
○小西政宏君 答弁ありがとうございます。
今、御説明をいただきまして、県で水道事業の懇談会を開催して取組を進められているということを答弁で確認をさせていただきました。
ということで、いろんな市町村へちょっと聞きに行かせていただいたりとかさせていただいていたら、言い方とか捉え方はまたあれとして、県はいろいろ紹介はしてくれるんですと。いろんな事業、こうやったらいいんじゃないかと紹介はしてくれるんですけども、一定その辺で止まってしまっているんじゃないのかなというふうな声もいただいたりしています。
一方で、県の立場として、県は水道を持っていませんから、県がなかなか前へ進んでいってやるという立場的なしんどさも理解はいたします。
ですけども、現状においては、市町村の立場としたら、提案だけしか県はしてくれませんみたいな、そんなことも聞こえたりするわけです。現実はなかなか進んでいないと。広域化についても進んでいないというふうに思います。
この広域化って考えてみると、何かハード事業、いわゆる水道管を、例えばですけど紀の川水、どんとつなげてみたいな、そんなイメージもあるわけですけども、そんなの、いきなりなんて到底無理です。各市町村の事情もあればということはあると思うんですけど。なので、私が、ここで1個思うことは、まず小さくてもいいんです、まず1歩、小さな広域の事業というか、そんな成功事例をつくっていくと。そんなことも非常に私は重要だと思っています。
例えばですけど、先ほど窓口業務とか検針業務と言っていただきましたけど、各市町村で、それこそ貯蔵品とか、いわゆる修繕の部品というんですかね、各市町村は、持っています。それを何か緊急で破裂したりしたときに、部品が各町村、持っていればいいんですけど、実際持っていない現実があって、各ほかの市町村に、こんな物はありますかと何とかお願いして、そこは人間関係で、部品をお借りして何とか応急的に対応すると、そんな状況もあるんです。
例えば、これ一つを取っても、ふだんからそこは情報共有、図書館じゃないですけど、こんな物が、貯蔵品があるんだと、そんな広域連携とかもできると思いますし、ほかにも、これは実際事例としてでも、茨城県で、県がすごい主導して、衛星を使って水道管の漏れを調査する業務を12のそれこそ自治体と県が一緒になって進めていくと。それで水道漏れを、チェックを一括発注するわけですよ。そうやって見てみると、今のところ目安ですけど5割以上コストカットできるんじゃないかとか、あくまでハードだけではなくて、そんなソフト事業みたいなところも小さなところからいうとやっていけるところもあるんじゃないかなと思っています。
ですから、それも、でも紹介も大事なんですけど、それらの今いろいろ例がありましたけども、具体的なテーマを県が持って、それについて市町村の皆さんに検討を進めていっていただくと。そういうやり方も一つのやり方だと私は考えています。
そういったことで、今後のこの広域化についての検討の進め方についてお伺いをさせていただけたらと思います。
○副議長(堀 龍雄君) 環境生活部長。
〔山本祥生君、登壇〕
○環境生活部長(山本祥生君) 県といたしましては、広域的な連携に向け多様な取組を行っていく中、議員御指摘のとおり、小さな成功事例であっても積み重ねることは、水道事業者ごとの基盤強化につながり、意義のあることだと考えております。
今後は、水道事業懇談会をはじめとして様々な機会を捉まえ、基盤強化策の一つ一つについて、水道事業者である市町村と地域の実情を踏まえつつ丁寧に協議し、その上で地域ごとにテーマを洗い出し、検討していくことにより、引き続き広域的な連携の推進役として取組を進めてまいりたいと考えております。
○副議長(堀 龍雄君) 小西政宏君。
〔小西政宏君、登壇〕
○小西政宏君 答弁いただきました。ありがとうございます。
小さな成功事例というところにも意義を考えていただいていると、御理解いただけたということですので、また皆さんのお力添えをいただきながら、少しずつでありますけども進んでいっていただけるように応援させていただけたらと思います。ありがとうございます。
それでは、次の項目へ行かせていただけたらと思います。
次は、道の駅への支援についてということでお伺いをさせていただけたらと思います。
基本的には市町村が設置者というか事業者であるということは理解した上で、ちょっと思うことがあって今回取上げさせていただきました。
今、県内では、30市町村あるわけですけど、実際20市町村に道の駅が設置されていて、数でいうと36か所、道の駅が整備されていっています。
道の駅といえども、時代とともに大きく変わってきていまして、かつては道のいわゆる寄り道というか、ついでに寄るようなところであったというところから、今、全国を見渡してみますと、それこそ目的地が道の駅になっていると。様々複合化して、時にはサウナがあったりドッグランがあったり、時には防災の拠点としてでもこれから非常に重宝されていくと。そういうふうに、かつてと注目度がどんどん変わってきていると私は思っています。
もちろん、事業体は市町村が本来やるべきですからあれなんですが、ただ、橋本市には偶然、道の駅がなくて、隣のかつらぎ町さんにはたくさんあるんですが。
個人的には、橋本市にもそんな複合的な施設が1個できるといいななんて夢物語を今日は取上げさせていただけたというところではあるんですけども、一方で、市町村が仮に道の駅をやりたいとなったときに、実際、県としてどのような支援があるのかというところだけ今回聞かせていただけたらと思いまして取上げさせていただきましたので、答弁をよろしくお願いいたします。
○副議長(堀 龍雄君) 県土整備部長福本仁志君。
〔福本仁志君、登壇〕
○県土整備部長(福本仁志君) 道の駅は、道路利用者への安全で快適な道路交通環境の提供や地域振興に寄与することを目的として設けられた制度であり、議員御指摘のとおり、和歌山県内では、現在まで36か所の道の駅が登録されています。
道の駅は、基本的に市町村が構想計画を策定し、事業を実施した後に、国土交通省に申請し登録を受けるものです。
県の支援につきましては、市町村等の構想計画策定における助言や、整備コンセプトに応じ、国土交通省や農林水産省、経済産業省などの様々な交付金・補助金等の制度の中から、ニーズに応じて適合する支援メニューの提案等を行っているところです。
また、道の駅に隣接する道路の管理者が県である場合には、市町村が整備する地域振興施設と一体的に、県が道路区域内の施設として、駐車場、休憩施設、トイレ、情報提供施設を整備することが可能となっています。
○副議長(堀 龍雄君) 小西政宏君。
〔小西政宏君、登壇〕
○小西政宏君 答弁いただき、ありがとうございます。
ということで、繰り返しになりますけど、事業体は市町村がやるということですから、ぜひ私の地元でもそういった声が上がったときには県の皆さんのバックアップをいただきたいと思いますので、その際、よろしくお願い申し上げます。
そしたら、最後の4項目めに入らせていただきます。
運転免許の更新時の講習のオンライン化についてお伺いさせていただけたらと思います。
運転免許の更新手続は、従来、会場に出向いて検査等々をして、それこそ講習を受けてというふうな物事が必要なわけですけども、私の住んでいる橋本市においては、もちろん橋本警察署のほうでもやっていただいていますが、当日、即日交付というのはなかなかできないと。となりますから、何日も取れない方とかというと、和歌山市にある交通センターまで行かせていただくわけです。交通センターに行かせていただくとなると、片道だけでも約1時間、往復2時間とかかるわけですから、それこそお仕事を持たれている方とか子育てをされている方とかというと、やっぱり結構負担になるというのが私自身も経験からそういうふうに思っています。
そんな中、一方で、実は2022年の2月から、北海道と千葉県と京都府、山口県と、4道府県において、この講習をオンラインでできるようなモデル事業──という言い方で合っていますかね──というのが実施されていました。
これをぜひ和歌山県でも実施できたらいいななんていうふうに考えていて今日に至っているわけなんですけど、実は先日の9月の12日に、報道、ニュースのほうがちょっと出ていまして、警察庁のほうからの報道で、来年の3月には全国で一斉に始めていくというふうな報道がなされていました。ということで非常にうれしいなというふうに考えるわけですけども、そこを踏まえた上でお伺いをしたいと思います。
なので、今回の運転免許更新時のオンライン講習の対象者、また、今までモデル事業をされていたと思います、での評価と、あと大事なのは、県民の皆さんに周知することも非常に大事だと思いますので、今後の周知を含めて、県民の利便性向上のためにどう進めていくのか、お伺いをさせていただけたらと思います。お願いいたします。
○副議長(堀 龍雄君) 警察本部長野本靖之君。
〔野本靖之君、登壇〕
○警察本部長(野本靖之君) 議員御質問のとおり、運転免許更新時のオンライン講習については、来年3月24日から運用開始予定となっております。
オンライン講習を受けられる方は、前提として、運転免許証の免許情報が記載されたマイナンバーカード、いわゆるマイナ免許証を保有し、かつ講習区分が優良運転者区分または一般運転者区分である方が対象となります。
また、運転免許更新時のオンライン講習については、現在、北海道ほか3府県でモデル事業を実施しており、利用者のアンケートの上位回答で、「任意時間、場所で受講できてよかった」、「待ち時間を削減できてよかった」が上げられるなど、好評であったと承知しております。
県警察といたしましては、運用開始に向け、県警察ホームページへの掲載、報道機関を通じた広報活動など、各種警察活動を通じて県民への周知を図り、利便性の向上に資するよう適切に対応してまいります。
○副議長(堀 龍雄君) 小西政宏君。
〔小西政宏君、登壇〕
○小西政宏君 答弁をいただきまして、ありがとうございました。
もうしっかり広報等々も通じて県民の利便性向上のために取り組んでいっていただけるという本部長の御答弁をいただきましたので、安心をしております。
オンライン講習という中で、本当に県警察としても慣れない、県民の皆さんとしても慣れない、そんな中ではありますけれども、御尽力いただきまして、スムーズにいっていただけるよう応援をさせていただきまして、私の一般質問を終わらせていただけたらと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(堀 龍雄君) 以上で、小西政宏君の質問が終了いたしました。
質疑及び一般質問を続行します。
28番小川浩樹君。
〔小川浩樹君、登壇〕(拍手)
○小川浩樹君 28番議員、公明党の小川でございます。本日、最後の4人目の登壇でありますが、お疲れとは思いますが、最後までの御清聴を何とぞよろしくお願いを申し上げます。
それでは、議長のお許しをいただきましたので、大きく大項目3点につき、質問をさせていただきます。
まず1点目ですが、南海トラフ地震への備えにつき、質問をいたします。
先月8月8日、宮崎県日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生をいたしました。最大震度6弱、重軽傷者16名、50センチの津波を宮崎港で観測をするという地震でございましたが、気象庁は、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を2017年11月の運用開始以来初めて発出、南海トラフ地震の想定震源域では大規模地震が発生する可能性が高まっているとして、防災対策の推進地域に指定をされている29の都府県707市町村に、1週間、地震への備えを改めて確認してほしいと呼びかけをいたしました。
南海トラフ地震がいよいよいつ起こってもおかしくないという再認識をしなければならないという状況に至ったと考えます。
私は、沿岸部市街地の市議会議員として、東日本大震災以降、当局と共に多くの施策に関わってまいりました。東日本大震災発災後の当時は、地震・津波災害に対しての住民の意識が非常に高い中、家族単位での避難方法の話合い、地域での避難訓練の開催や、町内会、民生委員が連携しての要配慮者の避難計画作成、小中学校での児童生徒への避難啓発、訓練等々、まず自分の命を揺れから守り、そして津波から逃げるという徹底を様々な施策の下で行いました。
そして、要配慮者の避難計画作成がいかに自治会にとって困難であったかや、沿岸部にある保育所や小学校にとって避難を誘導することがいかに大変であったかということ等につき、町内会役員としてやこども園の運営に携わる者として身をもって体験をいたしましたが、しかし、それでも東日本大震災発災後は、現場に防災に対する高い意識があり、時には激しい意見交換もしながらと、多くの方にその熱量がありました。
しかし、喉元過ぎればではありませんが、時間とともに、やはりその意識は少しずつ薄れてきた印象があります。
今2月議会、予算特別委員会でも発言をいたしましたが、私は、昨年末に、教頭先生、校長先生たちとの懇談会を持つ中で、東日本大震災発災直後当時の意識とは、自分たちの学校の子供たちを1人残らず救うという意識、気概に、そのときと比べると薄れてきているのではないかと感じたことや、沿岸部町内会役員の方との懇談の中でも、要支援者名簿を用意をして皆さんを避難させるという意識が薄れてきたのではないかと感じたことなどがありました。
家族、そして町内会や小中学校といった単位でリーダーとなるべき方たちの意識も当時と比べて薄れていると感じており、再度、行政からの命を守るための意識徹底の啓発が必要だと感じていたところです。
過去の南海トラフ関連の地震につき、1605年の慶長地震以降の発生とその間隔は、1605年から102年後の1707年、宝永地震の発生、その147年後、1854年11月4日、安政東海地震が発生、翌日11月5日、安政南海地震が連動し発生、4000人以上が死亡、そして、その90年後、1944年(昭和19年)12月7日、昭和東南海地震が発生、そして2年後、1946年(昭和21年)12月21日、マグニチュード8.0、潮岬沖を震源とする昭和南海地震が発生をし、その被害は、死者、行方不明者約1500名、負傷者2500名、全壊住宅1万1500棟、半壊住宅約2万3500棟、流出約1450棟、焼失約3000棟に及びました。そして、80年が経過をした本年8月8日、南海トラフ震源域の西の端である日向灘において地震が発生をいたしました。
いよいよ南海トラフ地震がいつ起こってもおかしくないとの認識の下、県行政は、生命、財産を守るための県民への啓発を発信し続けなければなりません。県民への周知、避難の確認等を促すとともに、各自治会への再度の啓発や小中学校への対応等々、今後の取組について知事の御所見をお伺いいたします。
続いて、小項目2点目、住宅耐震改修事業に……
○副議長(堀 龍雄君) 一問一答になっております。
○小川浩樹君 分かりました。
大きな項目1問目、小項目1点目についての御当局の答弁を求めます。
○副議長(堀 龍雄君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。
知事岸本周平君。
〔岸本周平君、登壇〕
○知事(岸本周平君) 小川議員から南海トラフ地震への備えについて御質問をいただきました。
今るる御指摘いただいた点につきましては、私も全く同感であります。
これは、議員御指摘いただいたわけでありますけれども、今年の元日の能登半島地震、その後、4月17日には豊後水道でマグニチュード6.6の地震が発生、そして8月8日、日向灘ではマグニチュード7.1の地震ということで、この時点で初めて南海トラフ地震臨時情報が発表されました。
近年、日本のいろいろな場所で大きな地震が発生しています。また、小川議員がおっしゃったとおりで、南海トラフの地震はこれまで大体90年から150年の周期で発生をしております。直近の昭和南海地震が起こってから既に約80年が経過しておりますので、年々地震に備える重要性が高まっていることは言うまでもありません。
このような中、南海トラフ地震に備えるためには、公助の取組を強化するだけでなく、教育や啓発、避難訓練等を通して、幅広い世代で自助や共助の意識を高め、それを一過性で終わらせることがないように継続的に取り組み、将来につなげていくことが肝要だと思います。
その意味では、先般の南海トラフ地震臨時情報の発表によりまして、一般的には防災意識が高まったと承知しております。
これを契機に、地域全体で防災意識を高め、地域の防災力が向上するよう、和歌山県としても今後とも防災・減災対策を積極的に進めていく所存でございます。
○副議長(堀 龍雄君) 小川浩樹君。
〔小川浩樹君、登壇〕
○小川浩樹君 御答弁をいただきました。
東日本大震災発災後の後に、「釜石の奇跡」で知られる片田教授という方が、田辺市にも、その後、防災アドバイザーとして赴任をしていただいている時期がありました。
片田教授は、釜石で小中学生を相手に、もうずっと、自分の命を自分で守るという教育を続けてきたその直後に、ちょうど東日本大震災が発災をして、ほとんどの小中学生が高台に逃げて、逃げ延びたという、それが一つの大きなエピソードとなっている方ですが、この方のお話を伺ったときに、1人だけ亡くなった児童の方が、地震が揺った後に学校に保護者が迎えに来て、その児童は高台に逃げずに、その保護者の車に乗って、沿岸部にあるその自宅に向かい、流されて亡くなったと。このことを悔やんでも悔やみ切れない悔しさがあるということを片田教授が言っていたことを強く印象に持っています。
あらゆる防災対策の大前提であります自身の命を自身で守る、このことを片田教授の言うような「想定にとらわれず、最善を尽くし、率先避難者として自身の命を守れば、その後、家族と会うこともできるし、その後の復興も果たせる」、この大きな意識啓発を再度、県当局には各市町を通じての啓発、お願いをしたいと思います。
続いて、小項目2点目、住宅耐震化事業につき、質問をさせていただきます。
本年1月1日に発生をいたしました能登半島地震により石川県で犠牲になられた方の死因は、氏名を公表した129名のうち、約8割近くの方は家屋倒壊だと発表をされています。残念なことに、能登半島地震でも、耐震改修ができていない古い家屋が倒壊をし、また、正月の帰省時期とも重なり、多くの犠牲者を出してしまいました。
この能登半島地震の教訓を受けてなのでしょう。和歌山県内の自治体において、住宅耐震化補助金の申請希望数が本年は大きく増加の傾向にありますが、既に多くの自治体で1年分の予算分、件数枠から超過の状態にあり、予算が確保できるまで改修を待っておられる方が多数おられるという状況になっております。
この補助制度は、おおよそ国2分の1、県4分の1、市町4分の1で、多くの市町自治体は、この国・県の財源確保を待っている状態にあります。
県民の耐震改修への意識が高い今、耐震化を一刻も早く進めるために、県として予算の確保や国への要望等、対応を取るべきだと考えますが、県土整備部長のお考えをお聞かせください。
○副議長(堀 龍雄君) 県土整備部長福本仁志君。
〔福本仁志君、登壇〕
○県土整備部長(福本仁志君) 能登半島地震以降、住宅耐震化補助への問合せや申込みが大幅に増加しており、2024年8月末時点の市町村への申込状況を集計したところ、無料の耐震診断が1316件、耐震改修補助が392件と、昨年度1年間の実績を既に上回っている状況となっています。申込戸数が募集戸数を上回っている市町の中には、予算枠の拡充を検討しているところもあると聞いています。
8月には南海トラフ地震臨時情報が発表され、いつ起きてもおかしくない地震に備え、住宅の耐震化を早期に進めることが極めて重要であると再認識したところです。
こういったことから、県としては、県民の防災意識が高まっている機会を逃すことなく、住宅の耐震化を加速していくため、市町村からの要望に応じられるよう、国費の追加配分を要望していくとともに、県予算の確保についても検討してまいります。
○副議長(堀 龍雄君) 小川浩樹君。
〔小川浩樹君、登壇〕
○小川浩樹君 御答弁ありがとうございました。
私も驚きましたが、和歌山市議会のこの9月定例会に、和歌山市独自の事業として、民間建築物耐震改修促進事業という市単独事業が上程をされております。これが議決することになっていくと思われますが、和歌山市も、本来、国2分の1、県4分の1、市町4分の1の住宅耐震改修事業につき、現在で当初予算分の枠を超過している件数分について市単独事業として計上するという大変思い切った政策を上げたということのようです。
この背景には大きな政治的な判断があるのかも分かりませんし、また、テクニックとして、一旦市単事業で補正予算を計上した後に、冬、また春先になるであろうと思われる国庫補助2分の1なり県補助4分の1がつくと確信を持てたときに、何かテクニックで、それを後追いで吸い上げることができるということの確信があるのか、これはどちらなのかは分かりませんけれども、とはいえ、県下最大の都市である和歌山市が住宅耐震改修事業の希望に応えられる状況の枠を超えているので、予算配分をして、早期にこれを実現しようとしていると。この姿勢は事実だと思います。
これが、後に、国費、県費を何か方法で後追いで頂けるという可能性があるのであれば、これは当然どの市町もこれを行っていって、枠を増やして、補正予算を組みたいということになるかと思いますが、果たしてそれが本当にできる状態なのかは私も理解をしていません。
とにかく県当局といたしましては、希望している方たちが安心・安全のために耐震改修事業を行えるように、国への要望も含めての後押しをお願いしたいというふうに思います。
続いて、小項目3点目です。
この耐震の一部改修への補助についてですが、対象となる住宅は、大枠、昭和56年の建築基準法改正以前のものとなるわけですので、自然と高齢者のみの世帯が多い傾向になります。将来、新たな家族が住む可能性のない建物に改修費用をかけようとしないことや、また、1棟全体の改修は高額になり、補助金内では不足するため断念する方がおられるなどのことから、結果、耐震化が進まなかったことが能登半島地震においても被害を大きくさせたという分析があります。
このような中、現在の住宅耐震改修補助金は1棟全ての耐震化を前提とする中、住宅建物の一部改修に対しても改修補助金の申請を認めるという自治体が出てまいりました。
子供たちが出ていき、高齢者のみの世帯となってしまった部屋数の多い一戸建てでは、日常使う部屋が限られているため、その部分、特に寝室だけでも耐震化できれば救える命があるとの考え方からかと思いますが、これは研究するべき制度ではないでしょうか。県土整備部長のお考えをお伺いいたします。
○副議長(堀 龍雄君) 県土整備部長。
〔福本仁志君、登壇〕
○県土整備部長(福本仁志君) 部分改修についての補助についてお答えいたします。
県の住宅耐震化の補助制度としては、建物全体の耐震改修を基本としつつ、それが費用面等で困難な方に対しては、人命の安全確保につながる耐震ベッド、耐震シェルターの設置や、避難するまでの間、建物が倒壊しないよう改修を行う避難重視型補強の補助制度も用意しており、1人でも多くの方に住宅の耐震化に取り組んでいただきたいと考えております。
議員御提案の居間や寝室のみの部分的な耐震改修については、そのことにより、建物全体のバランスに影響を与え、逆に倒壊の危険性が増す可能性があり、安全性の検証が難しいことから、現時点では導入していません。
今後、国や研究機関等において、部分改修の安全性の検証方法が示されるなど一定の安全性について判断できるようになれば、施工性や費用面でも大変有効な選択肢の一つになると考えられます。
県としましては、引き続き、住宅の耐震改修に関する最新の技術開発等の動向を注視するとともに、他府県の取組状況など先進事例の情報収集に努めてまいります。
○副議長(堀 龍雄君) 小川浩樹君。
〔小川浩樹君、登壇〕
○小川浩樹君 御答弁ありがとうございました。
核シェルターの市町村の補助を打たれているという事業があるということは認識をしていますが、シェルターそのものだけを買って、それを補助金内で購入をするというだけでは、やはり現実は無理なようです。そのために改修をしないとシェルターを家に入れられないということが発生をするそうで、結果、一つの部屋をシェルター化することで命を守れるかどうかということと、既に富山県と岡山県が開始をしましたこの一部改修について補助を打つことのほうが安価なのかということについては、また今後の研究をよろしくお願いを申し上げたいと思います。
続いて、大項目2点目、持続可能社会への取組についてお伺いをいたします。
私たちのそれぞれの郷土とする地域は、長い歴史の中で、海岸沿い平野部や山間部では、農業、林業をなりわいとする方たちが集落を形成しながら生活圏域を形成し、その歴史をつないでまいりました。
人口が集中するところに役所機能やまち、商店ができ、1次産業のみならず、そこに圏域内の雇用が生まれ、その圏域内での経済が循環するようになり、そして、戦後、高度成長期とともに人口を増やし続け、地域としても国としても成長を遂げてまいりました。
しかし、様々な原因、またその分析はあるにせよ、いずれにしても人口増加が鈍化をし、そしてとうとう2008年(平成20年)、1億2800万人を折り返しとし、人口が減少していくという時代に突入をいたしました。
2月議会での人口減少問題に力を注いでこられた浦口議員と知事との人口戦略会議が提言をした「人口ビジョン2100」についての議論を大きな政治テーマとして傾聴させていただきました。
私も地方の政治に携わる者として、これら少子高齢化、人口減少を大きな原因とする課題につき、雇用創出や就労支援、子育て支援等々、個別の施策には関わりながらも、大きな根本となる問題に特効薬はないことにも大きなジレンマを感じている現状があります。
この「人口ビジョン2100」の提言の中にある大きな二つの柱は、減少し続ける人口を2100年までに8000万人の水準で安定化させるという定常化戦略と、質的な強靱化を図り、小さい人口規模であっても多様性に富んだ成長力を構築するという強靱化戦略ということです。
特に後者は抽象的で、具体的にどうすれば強靱化なのか分かりにくいところがありますが、新たな成長産業や雇用形態を確保しながら生産性の伸び率を確保させていくということなのでしょう。そして、この二つを同時に成立させることによってのみ、最小単位のコミュニティー、生活圏域の成立、そして地域自治といったものが存続可能となり、ひいては、自治体、国の存続が可能となるとの考え方なのだと解釈をいたしました。
いずれにせよ、この提言は、今までの国の取組姿勢の反省点も指摘をした上で、今回が人口減少した中でも社会を持続可能なものとする挽回のラストチャンスだと捉えています。
そのような中ですが、現在、新たな次期和歌山県の総合計画の策定について着手をされている段階にあろうかと思います。その中身については、順次議会にも示され、特別委員会でも議論を重ねることとなるかと思いますので具体論には言及をいたしませんが、しかし、次のこの計画は、県の未来にとり、今まで以上に影響が大きく、重要なものとなることは明らかです。もはや、合計特殊出生率につき、その将来の回復目標数値を掲げ、その達成を前提とし、各施策の目標があるというのはあまりにも無理があり、結果、抽象論で終わってしまうのではないかというのは、多くの皆様の懸念をするところではないでしょうか。
行政も、私たち政治に携わる者も、特効薬のないことには悩みつつも、しかし、それでもこの計画では、地域の将来像に対し、方策を示さなければなりません。過去のものとは、その中身も意味合いも違ってくるであろうその計画を策定するに当たる今、和歌山県の将来につき、人口減少と少子高齢化をどのように捉えているのか。昨日の玄素議員、浦口議員の質問と重複するところはありますが、改めて知事の御所見をお伺いいたします。
○副議長(堀 龍雄君) 知事。
〔岸本周平君、登壇〕
○知事(岸本周平君) ただいま小川議員からは、人口減少下で持続可能な社会にどう取り組んでいくのかという御質問をいただきました。
昨日もお答えしたとおりでありますけれども、人口減少というのは、人口のレベル、少ないこと自体の問題ではなくて、人口減少のスピードの速さとか、あるいは年齢構成や就業構造の変化に合わせて社会や経済の構造をどのように適応させるのか、そのための政策をどうつくっていくのかということが私たちに課せられた課題なんだろうと考えております。
もちろん、学校給食費の無償化など子育て世帯への支援、あるいは移住定住の促進、外国人材の積極的な受入れ、成長産業の誘致・集積など、人口減少を抑制するために、緩和するためにやってきた取組は、さらにこれまで以上に深化をさせていくべきということは言うまでもありません。
その上で、今、小川議員もおっしゃったとおり、この問題には特効薬はないと。まさに魔法のつえはないのであります。みんなで悩みながら議論を続けていくしかないのだろうと思っています。
その意味で、今回、来年9月をめどに、2040年を展望した新総合計画をつくらせていただくことになりました。
この中で、トレンドとしては避けられない人口減少でありますとか少子高齢化につきまして、それでも、例えば行政が県民、市民、町民、村民をしっかりとサポートしていって、満足度の高い人生や人間を尊重する社会を構築していくためにはどうすればいいのか、これをまさに県議会の先生方、あるいは市町村長の皆様、そして県民各位と、熟議という形でもありますけれども、これから時間をかけて議論をさせていただきますので、ぜひ小川議員からも具体的な御提案をいただければと思います。どうかよろしくお願いいたします。
○副議長(堀 龍雄君) 小川浩樹君。
〔小川浩樹君、登壇〕
○小川浩樹君 ありがとうございました。
それでは、小項目2点目と3点目に入らせていただきます。
私は、市議会議員時代を含め、生まれ育った旧市街地沿岸部に在住をしておりましたが、全国の地方都市の旧市街地にたがわず、少子高齢化が始まった折から、年々、町内会での役員の成り手が減り、地域の学校の児童数が目に見えて減少を始め、空き家が増加し、また、高齢化により地域の行事や祭り等が成り立たなくなるというさまを見てまいりました。
当時より、私は自身の考えとして、人口増加の時代は常に市域や宅地を大きく広げてまいりましたが、これからは、沿岸部平野部においては旧市街地に、山間部においては、中でも大きな地域集落になるべく多く居住をし、そしてこれ以上、市域、宅地は広げないという施策が必要だと思っていました。
人口が減少する時代に入ったのですから、単純に新たな緑を壊し、宅地を造成する必要はなく、新たに新居を求める方には今ある宅地にそれを求めていただき、人口が少ないながらも、なるべく同じ地域に集約をして住み、コミュニティー、生活圏域、地域自治を成立させていくことが重要だとの考えです。
私は、この考えの下、農業委員会が簡単に宅地造成のための農地転用を認めることを抑制し、田畑が簡単に宅地となることを防げないかや、新たに緑をなくす形での開発許可を抑制することはできないか等々、当時は少しむちゃな主張をし、当然ですが、そのたびに関係業界の方から苦情があったり、行政の先輩方にたしなめられたりもいたしましたが、しかし、その心情は基本的には今も変わっていません。
このいわゆるコンパクトシティーという考え方は、約20年前頃より、国も大きなテーマとしてこれを推奨してまいりましたが、しかし、各地方においてこれが進んでいるという状況にはありません。
将来、もし最小単位コミュニティー、地域自治、そしてそれぞれの生活圏域が成り立たなくなれば、結果、現在地域自治として行っている防災や福祉等の取組についても全て自治体行政側が行わなければならなくなりますが、それには限界があるはずです。
これら地域の機能を将来も成り立たせ、ひいては持続可能な県としての社会を維持していかなければなりません。
この項目での2点目として、各生活圏域を将来も維持していくための都市の取組について県土整備部長の御答弁を、そして3点目、各地域のコミュニティー機能を将来も……
○副議長(堀 龍雄君) 議員に申し上げます。一問一答でございます。複数の質問は控えてください。
○小川浩樹君 各生活圏域の将来も維持していくための都市の取組について県土整備部長の御答弁を求めます。
○副議長(堀 龍雄君) 県土整備部長。
〔福本仁志君、登壇〕
○県土整備部長(福本仁志君) 生活圏域維持のための都市の取組についてお答えします。
本県は、山地が多く、河川沿いの限られた平地、丘陵地において市街地が発達し、河川流域ごとにまとまりのある生活圏が形成され、下流域においては、人や物が集まり、地域の社会的、経済的、政治的な中心となる生活圏全域を支える都市が形成されてきました。
このような県土構造を踏まえたコンパクトなまちづくりを掲げ、都市計画法に基づき、県において2004年に30の都市計画区域ごとにマスタープランを策定しました。2015年には、広域調整の役割を一層充実させるため、県内を五つの圏域に分け、それぞれの圏域についてのマスタープランに改定しております。
本計画では、人口減少、超高齢化社会の進行や産業構造の転換などに対応した持続可能なまちづくりを基本理念として、買物や医療、福祉、教育といった日常生活に不可欠なサービス機能を集約するとともに、それぞれの都市をつなぐ集約拠点ネットワーク型のまちづくりを目指しています。
また、この計画は本県の都市計画に共通する方向性を示すものであり、まちづくりの主体となる市町においては、本計画に即した市町村マスタープランを策定し、地域の実情に沿ったまちづくりを行うこととなっております。
県としましては、県土全体の発展を見据えつつ、引き続き市町と密接に連携し、持続可能な都市の形成に努めてまいります。
○副議長(堀 龍雄君) 小川浩樹君。
〔小川浩樹君、登壇〕
○小川浩樹君 すみません。通告を分割方式で通告をしたと思っていての原稿でしたので、大変申し訳ありません。一問一答で通告をしていたようであります。
続いて3点目、各地域のコミュニティー機能を将来も維持させる取組について、地域振興部長の御答弁を求めます。
○副議長(堀 龍雄君) 地域振興部長赤坂武彦君。
〔赤坂武彦君、登壇〕
○地域振興部長(赤坂武彦君) 人口減少や高齢化が進行し、地域の担い手不足や日常生活に必要なサービスの撤退が懸念される中、地域において、住民が安心して住み続けるためには、日常生活を住民同士で支え合うコミュニティー機能の維持が重要であると認識しております。
そのため、県では、地域において、住民で構成される寄合会が地域の課題解決や活性化に向けた取組について話し合い、計画、運営することを支援する過疎集落支援総合対策事業を実施し、地域の維持、活性化に取り組んでいるところです。
この事業では、これまで25市町村48生活圏で57事業が実施されており、例えば那智勝浦町太田生活圏では、廃校となった中学校を地域の交流拠点に再生し、農業の担い手育成や地場産品の付加価値向上に取り組んだり、印南町奥真妻生活圏では、閉店した商店を改修し、住民が日用品や食料品等の販売を行うとともに、地域の交流拠点として活用しているところです。
また、県で推進しております子供食堂につきましても、多世代にわたる交流拠点となることを目的としたものです。
今後とも、市町村と連携しながら、振興局と共に地域課題解決に向けた各生活圏での取組を支援することで、住民が安心して暮らし続けることができる持続可能な地域づくりに取り組んでまいります。
○副議長(堀 龍雄君) 小川浩樹君。
〔小川浩樹君、登壇〕
○小川浩樹君 御答弁をいただきました。
知事からもありましたとおり、人口減少ながらも、あらゆる個別施策、雇用を生むことや子育て支援等々をしながら頑張り続けていくというのは当然のことですが、一方、人口が減るという前提の中でに当たり、私は、まちづくりや地域コミュニティーを維持するために、その地域内での過疎過密を読み取り、ある程度人口を集約させていくという施策が必要だと本当は思っております。
今回のやり取りでよく分かりましたが、行政の中で責任を持てるのは、都市部まちづくりに関しては都市計画区域内、また、山間部過疎地については過疎地域を維持するという前提というところでしか、この両極でしか政策として取り組めない、全部をカバーできずに、この範囲とこの範囲の中でと県行政としてはなってしまうということをやり取りの中で感じております。
どこに住むかという自由もありますし、また、民間の経済活動を抑制することもできませんけれども、少子高齢化の中で、このまちづくり、どこにこれから人が住んで、動物との境目の地域がどこにあって、どこでコミュニティーを形成していくかというようなことを長い目で見ていかないと、将来、市域が伸び伸びになって、地域コミュニティーが成り立たなくなるのではないかなというふうに感じています。
本当に難しい問題ですが、あらゆる取組をお願い申し上げまして、この大項目の質問を終わらせていただきます。
続いて、子宮頸がんワクチン接種の状況についてお伺いをいたします。
子宮頸がんは、子宮の入り口部分である子宮頸部にできるがんでありますが、我が国では、年間約1万人近くの女性が子宮頸がんにかかり、約3000人もの女性が亡くなっています。
特に、妊娠、出産を迎え、さらに子育て世代、働き盛りの20代から40代での発症が多く、95%以上の子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウイルス、HPVは、その感染経路は性的接触です。HPVは、ごくありふれたウイルスで、性交渉を経験する年頃になれば男女問わず多くの方が感染するものとされ、性交渉の経験がある女性の50%から80%が感染していると予想されています。
通常、感染者のこのHPVウイルスは、時間がたてば体内から消えていくのですが、一部の女性にはこれが残り、感染細胞が異常な形に変形し、がんの前段階を発症し、これがさらに進行すると子宮頸がんに進行をいたします。
異形成と言われる状態での治療は、子宮頸部の一部切除が多く、これは、将来、早産、流産のリスクが高まります。子宮頸がんまで進行すると、子宮や卵巣を摘出することや放射線治療、抗がん剤治療などを行うこととなり、将来の妊娠の可能性が大きく失われるという、女性にとっては大変リスクの高いがん疾病です。
しかし、一方、この子宮頸がんは、HPVにさえ感染しなければ発症することはなく、ワクチンによる感染予防は大きな効果があり、最も予防しやすいがんとも言われております。
子宮頸がんワクチンは、国の2010年度からの基金事業を経て、2013年に定期接種となり、小学6年生から高校1年生相当の女子は接種を希望すれば無料で接種が可能となりましたが、しかし、一方で、副反応の報告があり、2013年6月より、国は、国民に適切な情報提供ができるまでの間、積極的に勧奨を行うべきではないと判断をし、自治体に通知をいたしました。
これより、この勧奨を行わない期間は、この後、2021年まで8年間続くこととなりますが、この間、厚生労働省の検討部会等の研究で、このワクチンがほかのワクチンと比較をしても副反応の出る確率は同程度であり、勧奨を再開すべきではないかという意見が出されたことや、産婦人科学会や小児科学会からの要望、また、接種機会を逃した女子の保護者からの署名など、HPVワクチンの積極的勧奨再開を求める動きが非常に大きくなった等の経緯があり、2021年11月26日、厚生労働省が積極的勧奨の再開を通知、各自治体は次年度よりそれに取り組むこととなりました。
私は、あらゆるワクチンの全面推奨派ではありませんし、ワクチンである以上、確率は低くとも副反応が出る可能性があることで、打たないと選択する方がいるのは当然のことだと思っています。また、副反応の出た方への対応を充実させることも当然必要だと思っています。
そして、その上で、子宮頸がんで死亡される方が年間3000人、また、手術により子供を産めなくなる方が大変多いとされる状況を改善するために、子宮頸がんの正しい知識を得て、それを防ぐためにワクチン接種の機会を選択する権利は対象女子にあるべきだと思っています。そして、この権利により接種を選択し、将来子供を産めなくなるリスクを回避できる方が増えればいいなと思っています。
子宮頸がんワクチン接種について、1点目です。
無料での定期接種となった2013年、そして政府がワクチン接種の勧奨を控えた2013年度から2021年度の間、そして勧奨を再開した後、この三つの期間の小6から高1女子の接種数について、その増減、その傾向について、福祉保健部長の御所見をお伺いいたします。
○副議長(堀 龍雄君) 福祉保健部長今西宏行君。
〔今西宏行君、登壇〕
○福祉保健部長(今西宏行君) 子宮頸がんワクチンの接種状況についてお答えします。
定期接種が開始された2013年度は2万4627名の方がワクチン接種を受けていますが、積極的勧奨が差し控えられた2014年度から2021年度までの8年間の合計は4482名となっており、中でも、2014年度から2018年度までは年間100名未満で推移しています。
勧奨が再開されて以降は、暫定値ですが、2022年度が4222名、2023年度が4324名となっています。
○副議長(堀 龍雄君) 小川浩樹君。
〔小川浩樹君、登壇〕
○小川浩樹君 御答弁をいただきました。
この政府が勧奨を控えた前の時期、そして控えていた時期、それが終了をして再び勧奨、推奨をし、自治体がそれに取り組んだ時期と、3段階の中ですが、現在でもまだ勧奨を控える時期以前の数字にはとても戻っていないという数値かと思います。
様々な、間でコロナワクチンがあり、ワクチンに対しての様々な意見が出たこと等々、いろんな背景があるのかも分かりませんが、いずれにしても、勧奨を差し控える以前の数字に戻っていないということは、現在以降もまだまだ啓発をしなければならない状況にあると思います。
2点目の質問をいたします。
勧奨をストップしていた8年間の期間に、当時、小6から高1であった方たちは、当時このワクチンへの認識がなく、接種機会を逃したものの、現在接種を希望する方へのキャッチアップ接種期間が来年3月までとなりました。
この1997年から2007年、つまり現在17歳から27歳の学年の女性の方たちですが、この方たちにつき、2022年度及び2023年度のその対象者数、そしてその接種者数について。また、3回目接種を前提とするこのワクチンを来年3月の期間内に打ち終えることを考えると、この9月が1回目を打つ、いよいよタイムリミットとなります。現状、多くの希望が自治体に寄せられていると考えますが、いよいよその対象者につき、最後の期間の啓発とその取組について福祉保健部長の答弁を求めます。
○副議長(堀 龍雄君) 福祉保健部長。
〔今西宏行君、登壇〕
○福祉保健部長(今西宏行君) キャッチアップ接種とその動向についてお答えします。
まず、キャッチアップ接種についてですが、暫定値となりますが、2022年度は対象者3万4623名に対し5366名、2023年度は対象者3万6752名に対し5957名の方が接種を受けています。
また、ワクチン接種者を増やす取組についてでございますが、市町村が行う個別通知のほか、県では、ホームページやラジオ、SNS等を活用した広報や研修会の実施、県内大学等での周知を行っています。あわせて、市町村と連携して、企業や学校、医師会への働きかけを行っています。
今年度で終了となるキャッチアップ接種については、期限が限られた中ではありますが、より効果的な啓発に取り組んでまいります。
○副議長(堀 龍雄君) 小川浩樹君。
〔小川浩樹君、登壇〕
○小川浩樹君 御答弁ありがとうございました。
いよいよキャッチアップの期間が最終段階になってきたということで、最後の啓発をよろしくお願いを申し上げます。
質問中にも申し上げましたが、このワクチンの存在を知った上で接種を選択するかしないかというのはもちろん個人の自由だと思っていますが、将来、子宮頸がんという疾病にかかった折に、子供を産めなくなる状態になり、当時ワクチンがあったことを知らなかったという後悔をする方だけはつくりたくないなという思いです。どうぞ告知をお願い申し上げまして、私の一般質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(堀 龍雄君) 以上で、小川浩樹君の質問が終了いたしました。
これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
明日も定刻より会議を開きます。
本日は、これをもって散会いたします。
午後2時13分散会