令和6年9月和歌山県議会文教委員会会議記録
令和6年9月和歌山県議会文教委員会会議記録
1 日時 令和6年9月24日(火)午前9時59分~午前11時12分
2 場所 第6委員会室
3 出席者 委員長 藤本眞利子
副委員長 岩田弘彦
委員 藤山将材、山田正彦、坂本 登、小川浩樹、小西政宏
欠席委員 なし
委員外議員 なし
4 概要
午前9時59分開会
●藤本委員長
◎開会宣告 挨拶
◎報告事項 委員の欠席なし
◎傍聴協議 2件
◎撮影許可 3件
◎議 事 継続審査を要する所管事務調査6件
◎教育委員会審査宣告
◎所管事務に対する説明要請
●宮﨑教育長説明
●藤本委員長
◎所管事務に対する一般質問宣告
Q 小西委員
一点確認だが、香害、いわゆる香りの害について近年、柔軟剤などの匂いで気
分が悪くなったり、吐き気を催すということがちらほら言われだしている。
それについて、県の教育委員会は、どのように現状把握しているのか。また、
それを知った上で何か対策をしていることがあれば、教えてほしい。
A 窪田教育支援課長
香害については、令和3年8月に、県立学校や市町村教育委員会に香害に関す
るポスターの配布等で周知啓発を行っている。その後、令和5年にも改めて周知
をするとともに市町村教育委員会の指導主事向け事務担当者会議においても香害
について周知を重ねて行った。
今後についても、機を見計らって、引き続き周知啓発を行っていきたい。
Q 小西委員
地元の教育委員会を悪く言うつもりは全くないが、実際そんな話を私の選挙区
の方へしたら、幹部級の方でも「それは何ですか。」みたいな話が、つい最近あっ
た。周知というのは、伝わってなんぼというところがあるので、引き続きお願い
したいし、一方、子供たちも香害ということが理解できずに、人の香りだから仕
方ないと我慢しているかもしれない。たしか、岩出市では、子供たちに香害につ
いて、アンケートを取りながら周知するため、「苦しむ子いませんか。」のような
ことも一緒にやっている。それを踏まえながら、県内全域でどうすれば香りを嫌
がっている子供たちを学校現場として救っていけるのか、引き続き尽力いただき
たい。
A 窪田教育支援課長
委員から紹介のあった岩出市の事例等をしっかりと把握した上で、改めてどの
ように先生方や生徒にきちっと行き届く周知につながるのかというところについ
ても、研究して対応を進めていきたい。
Q 小川委員
例年、各地域別PTA から、次年度の高校の募集定員等についての要望が上がっ
ている。今回9月の定例議会でも陳情として上がっていた田辺・西牟婁地域につ
いてまず聞く。
田辺・西牟婁地域の高校の定員枠は、十何年来の地元の要望だが、ほかの県内
の地域に比べて、総合学科、普通科の割合が低い上、地域柄、隣の日高・御坊圏
域から田辺市内の高校を希望する子が非常に多い。結果、田辺・西牟婁の高校の
定員が超えてしまって、日高・御坊の高校は定員を割っている状態である。田辺
市内で受検に落ちた子が、自宅から通える範囲には高校がなく、日高または串本
まで通わざるを得ないという、ほかの地域にはない特別な問題が地元で起こって
いる。人口減で募集定員が何年かに一度減ることは仕方ないにしても、専門学科
に行くことを決断できない子供は普通科に行って、高校3年間を普通科で過ごし
て、その後、進路を決めるということになる。
人口減に伴って募集定員を減らすにせよ、普通科は減らさないでほしいという
要望や、田辺市内の子供たちがなるべく地元の学校に自宅から通えるように、日
高・御坊、田辺・西牟婁をセットにして募集定員を考えてほしいという要望があ
る。これについて、教育委員会の考えを聞かせてほしい。
A 村田県立学校教育課長
県立高等学校の募集定員については、各地域の中学校卒業予定者数の推移、高
等学校への入学状況、現在の欠員状況、あるいは他地域からの流入、他地域への
流出状況等を踏まえて決定している。田辺・西牟婁地域の本年度の中学校卒業予
定者数は、昨年度と比較して40 名弱減少すると把握している。また、昨年度の当
地域の流入・流出状況については、流入が約90 名、流出が約70 名であった。欠
員状況は46 名で、そのうち26 名が分校であった。欠員は若干少なかった。次の
募集定員については、そうした状況を踏まえて総合的な観点に立ち、様々な状況
を慎重に検討して、できるだけ生徒が地域から外に押し出されることのないよう
考えていきたい。
また、普通科を希望する生徒が多い傾向にあることは承知している。しかし、
専門学科での学びにより力を発揮する生徒もたくさんいる。子供たちの将来の可
能性を広げるために、専門学科の学級数の維持も必要なことだと、同時に考えて
いる。
Q 小川委員
学区制が撤廃されて、県内どこでも受検できる状況が長くなった。学力を競わ
せ、行きたい高校に学区を超えていけるということ自体は、もちろん否定するこ
とではない。地域によっては、特に田辺・西牟婁においては、単純に田辺高校、
神島高校の普通科がパンク状態になって、日高高校に空きがあって、落ちた子供
たちが日高へ通う。結果的には日高地方から受検する子供に地元の子供が押し出
されるということが、ほかの地域よりも顕著に起こっていると思われる。和歌山
市内でも、学力の高い桐蔭・向陽に電車で通える範囲の地域外の子供たちがたく
さんいる結果、和歌山市の子が海南高校や那賀高校に行くというのと同じ現象だ
とは思う。地元の子供たちが自宅からの通学範囲で行ける普通科の学校を確保し
ておくことが、大事ではないかと思っている。
8年か9年前にちょうど田辺の保護者の代表として陳情に来たことがあるが、
その時も同じ答弁だった。特段、普通科のクラス数を維持するような答弁ではな
く、専門学科系の高等学校に特色を持たせて、来て喜んでもらえるような取組を
していくということで、各学校が特色を持ち、中学生が行きたい学校にしていく
ことにする内容であった。そのことは理解しているが、中学校卒業時点で、自分
の将来の職業を確定したうえで、専門科課程に進む子供は少ない。高校3年間で、
選択肢を持った期間として、地元の生徒のために、普通科を残しておくことも必
要であると思うが、考えを聞かせてほしい。
A 村田県立学校教育課長
普通科も含めてではあるが、現在、県全体で緩やかな募集定員を設定している。
和歌山の子供は和歌山で育てる、あるいは、本人の意に反して地域外の高校に出
て行くということがないように、各地域の実情に応じて募集定員を慎重に決めて
いきたい。
Q 藤山委員
6月でも伺ったが、県立自然博物館リニューアルに係る有識者会議の立ち上げ
について、進捗具合を教えてほしい。
A 藤戸総務課長
現在、有識者の選定や会の持ち方を含め、開催に向けた準備を進めているとこ
ろである。
Q 藤山委員
今、どの程度まで進んでいるのか。
A 藤戸総務課長
人選や会の持ち方、日程等まだ決定するというところまでは至っていないので、
今後進めていきたい。
Q 藤山委員
6月でも言ったが、早く人選を決めて、1回だけではなく何度か会を重ねない
といけない。10 名程度の有識者の方に集まっていただく日程を含めて、あと半年
で結論を出せるのかと思うが、職務怠慢ではないか。
立ち上げられない理由を教えてほしい。
A 藤戸総務課長
立ち上げられない理由はないので、年内に進めていけるよう、引き続き準備を
進めていきたい。
Q 藤山委員
有識者はまだ1人も決めていないのか。それとも当たっているのか。
A 藤戸総務課長
正式に決定という段階には至っていないが、教育委員会内で人選や候補者の選
定の検討は進めているところである。
Q 藤山委員
教育委員会が意中の方に振られ続けているという認識でよいか。
A 藤戸総務課長
委員の選定状況について、具体的にどの方にお願いをして断られたというよう
な回答は控える。あくまで教育委員会内で候補者の選定を行っているという状況
である。
Q 藤山委員
半年以上、教育委員会の中で人選すらできていないということか。
A 藤戸総務課長
決定する段階までは至っていない。
Q 藤山委員
6月の文教委員会でも、今年度中に開催できればと答弁している。今年度中に
結論を出してもらわないといけない話である。去年の9月に、知事が記者会見で
有識者会議の立ち上げに言及して、12 月議会に有識者会議を立ち上げると答弁し
ている。構想する時間が随分あったと思うが、何をしているのか。
A 宮﨑教育長
確かに少し遅いという印象は持たれるかと思うが、総務課長が答弁したように
もうすぐ開催できると思うので、その時はこういった委員になるという話を相談
させていただく。
Q 藤山委員
12 月の文教委員会で、教育長から有識者会議立ち上げのプロセスについて、文
教委員会だけでなくいろんな議員の方々に相談しながら、何の疑念もなくやって
いきたいと思っており、相談しながら決めていきたいと考えているという答弁だ
った。これまでに何の相談も報告もないが、進んでいるのかと思い、今質問した
らまだ何も決まってない。有識者の方は暇な方ばかりではない。本当にできるの
か。第1回の開催はいつ頃か。
A 藤戸総務課長
1回だけで全てを決められるというものではないと認識しているので、少なく
とも年内には第1回を開催する必要があると思い、準備をしている。
Q 藤山委員
トータル何回ぐらい考えているのか。
A 藤戸総務課長
正式に何回と決定しているものではないが、少なくとも2回から4回あたりで
内容を検討していきたい。
Q 藤山委員
次に自然博物館が移転予定だった海南市の防災公園について聞く。以前もこの
件について質問したが、海南市に約3億円負担させて用意した土地のことについ
て、県が一方的に約束をほごにしたので、それなりの埋め合わせはするべきだと
いう主張をしているが、県は振興局に丸投げしているような答弁ばかりである。
それを受けて、以前も文教委員会で、所管しているのは教育委員会であるから、
県庁内横断的に話をして、海南市に対して答えていく必要性があるという提案を
したが、その後、庁内で協議はしたのか。
A 藤戸総務課長
6月の答弁以降、庁内で情報共有はしているが、具体的に集まって協議はして
いない。
Q 藤山委員
防災公園に自然博物館が移転するか関係なく、防災公園の整備について地域振
興部が協力するのは当たり前である。県が用意させた土地の話をしている。何の
協議も行わないのは問題があると思うが、もう一度答弁をお願いする。
A 藤戸総務課長
防災公園に移転するかどうかは、海南市ともこれまで話し合いをした上で断念
した状況になっていると認識している。教育委員会としては、自然博物館の今後
のあり方を、検討委員会でどのようにしていくかについて取り組んでいる。
移転跡地で海南市が提案事業を行って、具体的に事業を進めていることは承知
しているが、具体的にどのような事業がまた進められていくか、そのような段階
になれば、振興局を窓口にいろいろ考えた中で、県全体として協力できるところ
があれば協力をしていく。
Q 藤山委員
例えば、知り合いの人が土地造成して家を建てるときにちょっと離れに蔵を建
てたい、茶室を建てたいので少し広めに造成してほしいと頼んで、結局やっぱり
やめた、でも金は出さないけど、庭の植栽や外構についてアドバイスするという
ような話である。この世の中で通るわけがない。以前、教育長も海南市は何も悪
くないと答弁している。自身に置き換えてこんな話は許せるか。
A 藤戸総務課長
県としては海南市の防災公園の事業で、協力できる点については協力していく。
Q 藤山委員
それは当たり前の話で、3億円の土地の話をしている。仮に自然博物館が現地
でリニューアルすることになると、県は温山荘を持っている新田財団に、海南市
を通じてお世話になるわけであるが、そのときに海南市にどうお願いに行くのか。
A 藤戸総務課長
自然博物館の今後のあり方については、現地改修も一つの方法だと考えている。
具体的にどのような形でどのような事業として進めていくかというところは、海
南市とも協議を含めた上で考えていかなければならない問題だと思っている。
Q 藤山委員
今の状況で気持ちよく汗を流してくれると思うか。
A 宮﨑教育長
例えば現地にまた戻るという話になると、当然新田財団にお願いに行かないと
いけないと考えているので、もちろん、海南市の協力を得ながらしっかりと真摯
にお願いをしていきたい。
Q 藤山委員
そんなことで今の状況で気持ちよく海南市が協力してくれると思うか。
A 宮﨑教育長
その場合は、協力していただくようにお願いをするのみである。
意見 藤山委員
そういうことになる前に、そのほかの話だけでも解決しておくべきだと強く申
し入れておく。
Q 藤山委員
それから最後の3点目だが、今議会一般質問中に同僚議員から「当局がうそを
ついた」というような発言があった。穏やかな話ではない。もしうそであれば発
言した議員もけしからん話になるし、逆にそれが事実だとしても、とんでもない
話だ。聞けば、8月の本監査での教育委員会の所管する監査での出来事だと当事
者に聞いたが事実か。
A 藤戸総務課長
発言のあった事案については、教育委員会総務課で所管している県立近代美術
館の本監査の際の対応で、説明を求められた事項に対して誤った説明をしてしま
い、後日訂正をして回答を行っているというような事案があった。誤った発言を
訂正した事実があるので、玄素議員が議場で発言したことについては事実である
と受け止めている。
Q 藤山委員
聞けば、当日監査で答えられず、後日説明に行った内容も間違っていて、それ
を指摘され、また後日説明に行って、またうその説明をした、という理解でよい
か。
A 藤戸総務課長
まず初日の監査の際に、委託業務に関して、業務内容や法的根拠、随意契約を
整理して改めて教えてほしいという指示を受けたので、後日説明の機会をいただ
いた。本来その際にきっちりと説明すべきところだが、その説明のときに法令等
の知識が不十分で、もちろん故意にというわけではないが、誤った説明をして、
その場で監査委員の方から疑義を提示されたため、三たび、説明の機会をいただ
き、その際に2回目の回答が誤っていたということで修正の回答を行ったもので
ある。
Q 藤山委員
教育委員会から、玄素議員にクレームを入れていないということは、もうその
事実、一度ならず二度までもうそをついたということで、我々は受け取っていい
ということか。
A 藤戸総務課長
誤った説明をしてしまったために、修正して回答を行っているということは事
実である。
Q 藤山委員
あと数件、契約書について提出を求めているのに一向に出てこないというのは、
何かあるのか。
A 藤戸総務課長
玄素議員には、監査の際に、美術館以外の所属に関する質問等があり、再度の
説明や資料の提出等は対応しており、何か回答が漏れているというような状況で
はないと認識している。
意見 藤山委員
今日の委員会に際して聞いておいてほしいと言われたので、確認した方がいい。
2点ぐらい、契約書を出せと言われ、その日のうちにでも出せそうなものをいま
だに出していないということは、意図的に何か隠しているのかと疑念を持たれる
と思うので、そこは直ちに対応された方がいい。
Q 藤山委員
教育長の冒頭の説明でも、差別事件、海南市に対する不法行為、議会に対する
うそ、本当にこれで和歌山県の教育は大丈夫なのか心配するが、最後に何か言う
ことがあれば、教育長からぜひ一言いただきたい。
A 宮﨑教育長
玄素議員との見解の違いというのも確かにあって、虚偽、うそというふうに言
われているが、間違った説明をしたのは確かである。しかし、それを意図的にや
ったのではないということを説明したが、そう取り上げてもらえなかったという
こともある。
差別事象については、本当に申し訳なかったと思っており、こういう状況にあ
るが、常に足元をしっかりと見ながら、和歌山県の教育に携わっていきたいと思
っている。
Q 山田委員
人それぞれ感想もある中の一つとして、私なりに感想を言いたい。
いつも思うが、例えば小中学校の学習状況調査を評価されるが、和歌山県の子
供は、全国的に何番かを気にする人もいるが、そうではなく、私は基本的に、例
えば中学校の国語や数学が全国ポイントを3ポイント下回ったからといって、一
喜一憂するものではないと思う。対応として指導力を向上させることや先生方の
教え方を勉強させる、あるいは校長会でも指導力を強めるような取組をすると言
っているが、基本的に上から勉強しろというのではなく、もっと人間性を教育す
るというか、情操的なことも含めてそういうことに重点を置く方が必要でないか
と思う。その一端として読書をもっとして、心の栄養にしろというのはいいが、
それと同じように、先生方にばかり負担をかけるのではなく、全国的に学力のト
ップクラスは秋田か福井だと思うが、秋田県では多くの家族は3世代同居、そし
て祖父母の、日頃の所作・立ち振る舞いで、孫である子供たちに自然と感覚的に
身につく環境にいるから、心が安定して情操的にも落ち着いて、結果的に勉強の
成績が上がるのではないかと思う。私も現地で聞いたら、3世代同居という家庭
が圧倒的に多いということであった。これは教育の現場の責任ではないけれども、
そういうような情操的な環境を整えるのも教育委員会の仕事のうちの一つではな
いかと思う。
先ほどから言うように、全国ポイントが3ポイント上がってどんな感じなのだ
ろうと思う。仮に全てのことについて下位であっても、心の豊かな子供に育って
もらう方がよっぽど日本のためあるいは和歌山県のためにも、家族的な後世のた
めにも必要だと思うが、先生の子供たちへの教え方が悪いとかというのは一方的
な感覚であるし、いろんなことを言われて教育委員会も先生の教育をすると言う。
このことについて教育長はどう思うか。
A 宮﨑教育長
全国の学力調査で一喜一憂して何ポイント高いあるいは低いと大騒ぎをしてい
るわけではなく、和歌山県の今の成績はこのぐらいだという位置を知るというこ
とが非常に大事で、委員の言うように情操の部分というのは非常に大事だと思っ
ているし、その両方をしていかないといけない。やはり社会で独り立ちができる
ような、最低限の知識は必要だと私も思っているので、そのためには、やはりこ
ういう全国の学力調査は非常によい問題を作っていると私も認識しているので、
これについてはよい指標だと思っている。
情操の部分も大事であるし、先生方に、質のよい教育ということでしっかりと
勉強してほしいとお願いをしているのは、当然、先生はずっと勉強していかない
と、新しくどんどん変わってくる子供たちに対して対応していくという責任があ
るので、先生方はずっと勉強をしてほしいとお願いをしており、それは当然、先
生としてもやっていかないといけないと思ってもらっていると思う。そういうこ
とで、先生と生徒がうまく関係を持っていければさらによいと思っていて、知事
も、ペーパーテストのことをよく言うけれども、社会に貢献できる人間を育てて
いくという意味では、やはり最低限の学力というのはつけていきたい。そういう
ことによって、子供たちにきっとよかったと思ってもらえると確信をしている。
意見 山田委員
それは、教育委員会としては、言うことは全くもっともだし、必要だと思うが、
それと同じぐらい重要性があるのは、後期高齢者の1人として言うが、これは今
までの過去からの歴史というか、子供が結婚しても同居せず、家を新築して別居
させるのが物分かりのいい親だと言われたいがために、子供に別居させるという
ような社会的状況でずっと今まできて、それがもう構造的に当たり前のようなこ
とになってしまった。
例えば私の個人的な話で申し訳ないが、孫が遊びに来ると言ったとき、祖父母
が、例えばいろんな節目節目で仏壇に行って鐘をたたいて手を合わすというのを
教えていなくても、そこにいる孫は、まず私の家に来たら仏壇に手を合わすとい
う慣習というか、そういうことのほうが、算数で3点や5点上か下かというより
も、人間性として必要だと思う。だから、これは教育委員会の場でそういうこと
をするのではなく、岸本知事にそのぐらいのことは言って、和歌山県の家族構成
というか、県民性はこうだと言うようなことをもっと性根を入れてしろと言いた
いぐらいだけれど、逆に、先生にばかり責任を負わすという社会も悪いという思
いで言っている。
先生方も大変苦労すると思うけれども、勉強する、させる、その内容にもう少
し心の教育というか、心の豊かさというか、余裕を持ったような教育を考えてあ
げるのも、教育委員会の仕事ではないかと思う。
変な話であるが、一流大学に全ての人が行ってしまったら、皆の足元の生活を
する、面倒を見るのは誰だという。かごに乗る人担ぐ人、そのまた草履を作る人
という言葉もあるように、そういうことで社会が構成されているのだから、勉強
して東大へ行くのも必要だけども、もっと地元のために働く仕事というのは大事
なのだから、あまり先生にばかり圧力をかけるのではなく、心の教育というより
はその教育の時間を作るというような研究も教育委員会で今後してもらいたい。
それで心の豊かな、情操的に豊かな子供が育って、それがやがて世界の中心にな
るのではないかと思っている。そういう意味で、教育の現場を幅広く考えてほし
いということで、お願いしておく。
Q 岩田副委員長
小学校の教科担任制についてだが、今の流れとしたら、小学校3年生4年生に
も教科担任制が、2025 年度からということで中教審の工程表が示されている。
これについては、県議会議員になった1期目だったが、現場の先生の意見も聞
いて、平成24 年6月議会で、小学校の教科担任制について、特に小学校の高学年
は中1ギャップもあり、授業の質を上げることもできるし、多面的な児童理解が
できるので、教科担任になる中学校への円滑な接続のため、小学校でも教科担任
制を広げていくほうがいいのではないかという提案をした。
これに対し、当時の西下教育長の答弁は、「小学校の場合は、やはり担任の先生
が子供と触れ合う時間が必要で、専科教員とか、教科担任の幅を広げると、その
時間が少なくなって子供との人間関係、特に課題の多い子供たちと担任とどう触
れ合っていくのかっていう課題も出てくる」という答弁であった。また、「特に規
模の小さい学校であれば可能なのかどうか、様々な課題が指摘されているので研
究していく」とのことであった。
担任の先生が子供と触れ合う時間が短くなるという部分と、そして、特に規模
の小さい小学校であれば可能なのかどうかという、当時そういう心配を教育委員
会がしていたと思うので、3年生4年生に教科担任制を広げるに際して、そこの
部分について現状はどうなのかを教えてほしい。
A 中井義務教育課長
教科担任制についてお答えする。教科担任制のメリットというのは、例えば、
授業の質の向上であったり、小中学校間の円滑な接続、それから多面的な児童理
解、それと教師の負担軽減と数々あると考えている。実際に、この教科担任制を
導入して、教科によっては、例えば、音楽科においてはもう80%以上、外国語や
理科についても60%程度が教科担任制を導入していると把握をしている。先ほど、
委員が言われた学級担任の先生が子供と触れ合う時間が少なくなるというあたり
だが、メリットの方で申し上げた多面的な児童理解ということで、ある1 人の児
童をその学級担任だけではなくて、教科担任を持った複数の教員の目で見るとい
うことがあるので、そちらの方がメリットは大きいのではないかと考えている。
もう一つ、小規模な学校ではどうなのかというご意見だが、例えば、完全複式の
学級で、教員が本当に少ない場合は、なかなか難しいところもあるとは思うが、
例えば加配だけを使用するのではなく、担任の授業交換という形で工夫をされて
いる学校もあると聞いている。さすがにやはり極小規模な学校は少し難しいとい
うことは聞いている。
Q 岩田副委員長
私が聞かせてもらったのは、当時、教科担任制を進めるように質問をさせても
らったので、そのデメリットの方というのは、これデメリットではなくて、そこ
までするのであれば解決すべき課題であると思う。課題について、上手に対応し
てくれているかを聞きたかった。それを対応してくれているのであれば、次に3・
4年生に行くとき、小学校1・2・3年、1・2年生ぐらいは1 人のお母さん先
生でよいかもしれないが、だんだん上がっていくといろいろな人との出会いもあ
るし、いろいろな先生が、担任が男の先生であるならば専科教員が女性の先生で
あると、男性目線女性目線のいろいろな目線で見ることができ、いろいろな個性
の子供もいるので、いい制度であるということで提案している。
ただ、一つ気になる課題は、いろいろな先生に見ていただいて、その担当が責
任を持ってやっていくという形になると全体的なチームでやはり子供を見ていく
ことや、マネジメントの部分が管理職も含めて、重要になってくるのではないか。
その取組が、一番うまくいってほしいと思っている。だから、中学校では元々担
任の先生がいて、全部教科担任制で行っているので、その仕組みができていると
思うが、中間的なところでうまくいくのか少し心配である。その課題解決にどの
ように取り組まれているのか教えてほしい。
A 中井義務教育課長
教科担任制実施に当たっては、やはり管理職のマネジメントはとても大切にな
ってくると考えている。この教科担任制のためだけではないが、昨年度は、学校
経営力向上のために校長や教頭に対して研修を行って、教員を組織的にマネジメ
ントする研修も行った。
意見 岩田副委員長
この体制を取るのであれば、組織的に上手に学校全体で取り組めるような小学
校の風土もやはり大事であると思う。特に、小さい小学校であればどうしていく
かというものもある。そこは、頑張っていただいて、私とすればよりよいものと
なるように3・4年生にも広げていただいたらよいと思う。9年間を見通した中
で、今まで6と3でなければという節目だけではなく、9年間全体の中でどうい
うふうに進めていくかというのも含めて、また頑張っていただけたらと期待して
いるのでよろしくお願いする。
Q 藤本委員長
先ほど全国の学力学習状況調査の中でも、中学校のポイントが下がっていると
いうことで、そういうことも含めて県としては中学校の学力テストを年に2回も
するという県独自の学力テストを続けてきている。
私は再三、学力テストを何回しても学力向上につながらないという意見を申し
上げてきた。9月が終わり、また来年度の予算取りになってくるが、学力テスト
も結構な予算がかかっている。しっかりとその辺は精査し、来年度の予算に反映
させてほしい。
それから先生の資質の向上と先ほど教育長から答弁があったが、先生の旅費が
極端に少なくなっており、全国のいろいろなところへ研修に行きたいという話を
よく先生から聞くが、旅費が少なく、先生が他府県に先進的な事例を研修しよう
としても、旅費がなく行けないという事態になっているようである。
子供たちの学力テストを2回もするような予算があるのであれば、先生の研修に
しっかりと旅費を配分してあげてほしい。教育長から少し意見がほしい。
A 宮﨑教育長
県単独の学力テストについては、3年間見てほしいとお願いをしてきた。一応
3年経過するので、今、結果を検証している。実際、成果がなかった、点数が上
がってないということがあり、何らかの見直しをしていきたいと考えている。
旅費に関してはそのとおりであると認識をしており、もっと先生にいろいろな
ところへ行ってもらい、先進地の勉強や有名な方の話などを聞いてもらえると非
常にありがたい。それについては、一生懸命努力したい。
意見 藤本委員長
今オンラインでもかなりいろいろ研修は進められると思うが、やはり実際、そ
の場に行って研修するというのは、私達議員でもそれがすごく大事であると思う
ので、ぜひその点に配慮いただきたい。
●藤本委員長
◎所管事務に対する一般質問終了宣告
◎教育委員会審査終了宣告
◎意見書案に係る協議宣告 質疑なし
◎意見書案に対する採決宣告 全会一致で可決
◎継続審査を要する所管事務調査宣告 異議なし
◎県外調査について、令和6年10 月9日から11 日までの日程で実施する
ことを報告
◎閉会宣告
午前11時12分閉会