令和6年9月和歌山県議会建設委員会会議記録


令和6年9月和歌山県議会建設委員会会議記録

 

1 日時   令和6年9月24日(火)午前9時58分~午前11時6分
2 場所   第5委員会室
3 出席者  委員長   山家敏宏
       副委員長  高田英亮
       委員    吉井和視、中本浩精、中村裕一、片桐章浩、岩井弘次
       欠席委員  なし
       委員外議員 なし
4 概要
   午前9時58分開会
    ●山家委員長
     ◎開会宣告 挨拶
     ◎報告事項 委員の欠席なし
     ◎傍聴協議 なし
     ◎撮影許可 3件
     ◎議  事 議案6件継続審査を要する所管事務調査5件
     ◎県土整備部審査宣告
     ◎議案等に対する説明要請
    ●福本県土整備部長説明
    ●山家委員長
     ◎議案に対する質疑及び一般質問宣告
 

  Q 片桐委員
   京奈和自動車道の紀の川インターチェンジの路面変状による通行止めについ
  て、復旧工事が完成まで1年を要すると聞いているが、復旧工事の状況及び県の
  取組はどうか。
  A 川島高速道路推進室長
   復旧工事については、令和6年5月末から着手している。
   復旧工事の状況については、現在、変状が生じた盛土部を撤去し、それに代わ
  る軽量盛土工を施工しており、5割程度の進捗となっている。
   軽量盛土工完了後に、ガードレールや舗装工などを施工した段階で、インター
  チェンジの利用を再開する予定であると国から聞いている。
   県としては、通行止めが長期に及んでおり、地域の利用者をはじめ、インター
  チェンジ周辺に立地する企業の経済活動への影響も大きいことから、できるだけ
  早期にインターチェンジの利用が再開できるよう、国に働きかけている。
  要望 片桐委員
   インターチェンジ周辺に進出したいと考えている農業関係の企業もあり、これ
  が原因で駄目になることもあるので、早く再開できるよう要望する。
  Q 片桐委員
   先般、和歌山駅まち空間活性化についてプロポーザルによる委託事業者が決定
  されたが、そのプロポーザルの企画内容について説明してほしい。
  A 米田都市政策課長
   令和6年7月に和歌山市においてプロポーザルによる委託事業者の選定が行わ
  れ、和歌山市のホームページにも公表されているが、採択された事業者の提案の
  主な内容について説明する。
   広域連携や広域での和歌山県の位置づけといった県外国内外との関係を踏まえ
  た視点と、和歌山市内の魅力向上、にぎわいづくりにつながる視点の二つの視点
  から検討を進めることの提案があった。具体的には、和歌山駅周辺を聖地リゾー
  トの観光拠点、市内回遊拠点と位置づけ、和歌山の玄関口の顔となる駅舎、駅東
  西をつなぐ自由通路、広域移動や観光の拠点機能などのプランイメージや、駅周
  辺の現状の課題などの提案となっている。
 

  Q 片桐委員
   和歌山市内では期待感が高まっており、今後この基本構想はどこで、どのよう
  なメンバーで協議していくことになるのか。
  A 米田都市政策課長
   この基本構想についてはJR西日本、和歌山県、和歌山市の三者で構成する和歌
  山駅まち空間活性化会議において協議を進めている。
   メンバーについてはJR西日本は近畿統括本部和歌山支社の地域共生担当課長、
  県は総合交通政策課長と都市政策課長、和歌山市は都市計画部長と道路河川部長
  で構成されている。
 

  Q 片桐委員
   基本構想について、今後のスケジュールを説明してほしい。
  A 米田都市政策課長
   基本構想については年内に中間まとめを行い、年度末に策定の予定である。


  Q 片桐委員
   策定は年度内となるが、基本構想に関する意見があれば、県民はどのようにし
  たらいいのか。その意見は反映されるのか。
  A 米田都市政策課長
   この基本構想は今後の基本計画等の策定に向けた議論のたたき台になるもの
  で、基本構想策定後に学識経験者や交通事業者、駅周辺の商業施設の関係者を中
  心に意見をもらい、議論していく予定である。
   基本構想についても和歌山市民をはじめ市内への通勤通学している方々の意見
  をもらったほうがよいのではないかとの提案が活性化会議の中でもあり、その手
  法等については検討中だが、アンケート調査の実施などを活性化会議で検討して
  いるところである。
 

  Q 片桐委員
   梅原交差点及び県道西脇梅原線の改良について、梅原交差点は令和6年度中に
  地元説明と地元の協力を得ていくと聞いているが、地元協力等は得られているか。
   まだ得られていないのであれば、そのめどは立っているのか。
   また、県道西脇梅原線の木ノ本地域から梅原交差点に至る道路の課題がまだ解
  決しておらず、この道路の周辺には新しい住宅が造成されてきている。当該道路
  を以前と比較して増えているということで何度も確認したが、朝夕の通勤時間帯
  はもちろんのことながら、日中でも通行量が多くなっているので、渋滞や危険箇
  所も認識され始めている。
  道路拡幅や危険箇所の改善は検討しているのか。
  A 児玉道路保全課長
   梅原交差点の改良については、交差点の詳細設計案が完成したので、計画案に
  ついて地権者に説明し、了解が得られれば用地測量に着手するとともに、並行し
  て地元自治会等への説明会の開催を、自治会役員と調整しているところである。
  次に、西脇梅原線の木ノ本交番前交差点から梅原交差点間の交通安全対策につ
  いては、特に狭隘である木ノ本交番前交差点から石橋郵便局前交差点の280メー
  トル区間で歩道整備を進めている。事業区間280メートルのうち140メートル区間
  が既に完成しており、残り140メートル区間では、用地取得や用地測量を進めて
  おり、早期完成に向けて取り組んでいく。
  要望 片桐委員
   西脇梅原線の入口側と出口側の両方を改良するということで、危険箇所と渋滞
  が解消されると思う。
  また、今後、危険な地域と認識されるところが増えてくることもあると思うの
  で、そちらも併せて改良等を検討してほしい。
 

  Q 片桐委員
   熊野白浜リゾート空港に関して2000メートルから2500メートルへの延長につい
  て検討していると思うが、現状について説明してほしい。
  A 安井港湾空港振興課長
   滑走路延伸の事業可能性や、建設に係る検討業務を現在実施中である。
  履行期間は2024年5月31日から2025年3月14日までとなる。委託金額は税込み
  2544万3000円で、受注者は日本工営株式会社和歌山事務所である。
   現在、事業可能性の検討として、需要見通しや費用対効果、航空機大型化の見
  通しの検討を行っているところである。
  要望 片桐委員
   昨日、空港に行ってきたが、3連休の最後ということもあって、観光客と食事
  に来た地元の人などで、結構にぎわっていた。
  さらなる活用のためにも、引き続きお願いする。
 

  Q 片桐委員
   先日、紀伊民報だったと思うが、チャーター便が国内空港4か所と結ぶという
  記事が出ていたが、そのような動きはあるのか。
  A 安井港湾空港振興課長
   その記事は読んでいないが、国内チャーター便の実績については、昨年度は2
  往復、一昨年度は10往復で、フジドリームエアラインズが運航している。
 

  Q 中村委員
   今年1月1日に発生した能登半島地震について、9月の初めに視察に行った。
  内容については、一般質問で言ったとおりだが、報道以上に被害を受けていると
  感じた。県としては、能登半島地震を踏まえた教訓の取りまとめを行っていると
  聞くが、県土整備部ではどのような対応を考えているか。
  A 児玉道路保全課長
   道路に関して回答すると、能登半島地震では、沢部などの集水地形に構築され
  た高盛土の被災が多く発生した。県としても対策を実施していく必要があるため、
  優先順位をつけ、X軸ネットワークの特に迂回路のない区間の沢地形の高盛土に
  ついて、まず、のり尻の補強や排水対策を実施するための準備を進めているとこ
  ろである。
 

  Q 中村委員
   今回、能登半島地震は、せめて三が日を外してくれたらよかったのにと思うが、
  そのような我々の考えや営みとは全く関係なく、1月1日に地震が起きた。南海
  地震が起きて、さらに同時に台風が来ると、復旧復興に時間をかけてやっている
  と二次被害が発生する。実際に能登では二次被害が発生しており、堤防は、地震
  で緩んでるところに洪水が起きれば破堤する確率は高くなる。今回大雨があって、
  詳細に調査できるわけではなく、詳細な検討ができているとは思わないが、感想
  でも結構なので、何か意見のようなものがあれば、答えてほしい。
  A 千野河川課長
   1月1日の能登半島地震、それと今般の線状降水帯の豪雨ということで、まず
  地震そのもので河川管理施設だけでも石川県の管理する88の河川において、土砂
  で川が埋まる、あるいは堤防の沈下、護岸の損傷等、甚大な被害が発生しており、
  それらの被害に対し復旧工事に順次着手、本復旧ではなく応急復旧を、例えば、
  大型土のうで仮の復旧をしているような状況の中で、今般の被害が発生した。
   また、堤防護岸が損傷し、完全に復旧できていない中での被災ということで、
  石川県においては、通常よりも低い水位で氾濫の可能性があったということもあ
  り、地震が発生した後、今回の線状降水帯の発生の前から、水防活動の目安とな
  る各基準水位を通常より引き下げた運用を行っていた。本県においても能登半島
  地震の教訓ということで、事前にこの地震直後に緩んだ堤防や損傷した護岸に対
  応して基準を下げるということを考えてはいなかったが、地域防災計画を今後改
  定して、地震により著しく河川管理施設の機能が低下してる場合は、例えば基準
  水位よりも少し下げて安全側の運用をしていくという、こういったことを検討し
  ていこうと考えている。
  要望 中村委員
   道路でもそうだが、あらかじめ補強ができればいいし、それから堤防も地震で
  緩まないようなものができるといいと思う。それには、やはり莫大な予算がかか
  るので、多少の補強はしつつも、壊れるものだということを前提にして、それで
  壊れたときにすぐに復旧する。河川課長も言ったが、日高川もしゅんせつを河口
  付近でしているが、あらかじめ綺麗にしておくことで、予測以上の事態が起きて
  も、対応できるという、そういう新しい考え方はいるのではないかと思っている
  ので、県土整備部でも従来の地震対策ではなく、地震対策と洪水対策を合わせた
  ような対策を、ぜひ考えてほしい。
 

  Q 中村委員
   7月5日に第7回けんさんぴんフェアがあった。
  50社程度の県内の県産品登録業者が出品していたが、もっと多いものと思って
  いた。
   南海地震のような災害を控えた和歌山県では、予算が厳しくてもしていかなけ
  ればいけないことがたくさんあると思う。その上で、新しい技術、例えば防災に
  関連するような技術開発は人助けになる。さらにその企業、和歌山県の企業の発
  展、経済の振興になると思う。
   また、この県産品以外に県内開発建設技術も奨励し、和歌山県で積極的に採用
  していると聞くが、このような技術がどんどん出てくるよう、県としても何か仕
  組みづくりがいるのではないか。
  A 曽和技術調査課長
   建設技術の県内開発については、県内企業等の技術力向上及び競争力強化を図
  る観点から重要だと考えている。
  開発段階における支援としては、試験施工段階におけるフィールドを提供する
  和歌山県建設技術開発及び普及支援事業や商工労働部局における先駆的産業技術
  開発支援事業などの補助制度を活用できる場合がある。
  今後は他部局の制度等も技術調査課のホームページにリンクを貼るなど、県内
  企業に対し、さらなる周知に努めていく。
  また、開発された建設技術の支援としては、県内開発建設技術登録制度により、
  その技術が活用できる工事では、総合評価落札方式での入札や工事成績評定にお
  いて加点し、その利用促進を図っている。
  要望 中村委員
   大変よいと思うが、県内開発建設技術の登録数は、現在、10件前後と聞い
  ている。
   以前から和歌山県内土木建築人材の養成と言っているが、大学のような高
  等教育機関で、発明や発見ができる技術者が県内で養成されることがすごく
  大切だと思う。
  役所の土木建築技師の採用が少ないことや和歌山県内は中小零細が多く、
  上場会社のような会社が全く育ってこないことは、一にも二にもやはり技術
  者が県内に少ない、それは和歌山県には、大学や高専が少ないからだと思う。
   土木建築の技術者養成は、県土整備部だけの責任ではないと思うが、ぜひ
  ともそんな議論を併せてお願いしたい。
 

  Q 中村委員
   今、物価が高くなり、国民生活も大変だと言われている。
  県が発注する工事でも価格が高くなり、数か月に1回調査をして、設計時
  に反映していると聞く。それはもっともだと思う。それをやっていけば、最
  終的に同じ工事でもどんどん金額が高くなってくると思うが、発注基準は長
  らく変わっていないと思う。
   県の公共調達制度の手引きを見ると、土木一式で3000万円以上や、1500万
  円から3000万円というこの区切り方はこれで良かったと思う。これはずいぶ
  ん前で、恐らく20年ほど前、その間に倍とは言わないが、物すごく高くなっ
  ているので、これを1回見直す必要があるのではないか。
  A 曽和技術調査課長
   資材や労務単価の上昇により、これまでと同程度の工事量であっても予定
  価格が上昇しており、土木一式工事については、特に一番下のDランクの工
  事件数が減少傾向にあったため、本年6月よりランクによる発注区分の予定
  価格を、これまで50 0万円未満だったが600万円未満に引き上げた。ABCとい
  ったその他のランクについても、現在発注状況、件数等を注視しており、今
  後の資材や労務単価の上昇も勘案して必要に応じ対応していきたい。
 

  Q 岩井委員
   県道沿いの道路脇の雑草対策について、以前は年に2回程度草刈りをしていた
  ように記憶するが、雑草対策の状況はどうか。
  A 児玉道路保全課長
   道路の除草については、山間部と交通量の多い市街地に分けて、実施している。
   交通量の多い所の除草は年2回実施しており、おおむね6月から7月ぐらいに
  1回、9月の下旬ごろから11月ごろにかけてもう1回行う。
   山間部等の除草は原則1回としており、7月頃からお盆までの間に行っている。
  要望 岩井委員
   除草について、山間部が年1回、市街地で交通量の多いところが年2回という
  ことだが、紀の川右岸の県道139号の北島橋から鳴滝団地、六十谷方面辺りで、
  草が生えていて安全確認がしにくいという話を最近、地域の住民から聞いた。
  この道路は堤防道路であり、堤防の下から上っていく際、また、堤防道路から
  下る際、雑草のために安全が確認しにくく、事故が最近1件あった。
   また、バイクで走っている方からは、ガードレールの高さ以上に伸びている草
  が風でなびき、顔に当たって危なかったという話も聞いた。
  除草してもすぐ伸びてきたらコスパが悪いため、例えば、防草シートによる対
  策は考えていないか。
   最近、兵庫県の西宮土木事務所かどこかの取組で、雑草の生えたところに熱湯
  をかけ、シリコンを流し込むと5年ほど雑草が生えてこないということを聞いた。
  この対策は、費用面も大変で少子高齢化の中で編み出したものであり、科学的な
  根拠はこれからだが、県でも防草シートや他の手立てなどを研究してほしい。
   和歌山市と県管理の境目にある道路の除草について、例えば県道139号でいえ
  ば、堤防道路は県が除草しているが、側道に下りる道路の一部から和歌山市の管
  理となっており、除草箇所に線引きがあるが、県と和歌山市で話し合いながら、
  効率的な除草をしてもいいかと思うので、工夫してもらいたい。
 

  Q 中本委員
   紀見トンネルの改修について、今日から通行止めと聞いているが、その内容と
  完成予定についてはどうか。
  A 児玉道路保全課長
   紀見トンネルの修繕工事については、本日9月24日より一般交通を通行止めし、
  修繕工事に着手している。まずは、天井板の撤去工事に着手し、その後、トンネ
  ル背面の空洞への注入、壁面クラックの補修、防災設備や照明の更新などを順次
  実施していく。
   完成のめどは、早期完成を目指すが、トンネル内での工事ということもあり、
  各工事を並行して実施できない制約もあるが、本日の着手から遅くとも2年以内
  としている。
  要望 中本委員
   他の委員の要望にもあった除草もそうだが、樹木について、地権者の問題もあ
  ると思うが、要望させてもらう。
  標識が見えないケースや、樹木が伸びてきたら、当たるのが嫌なので、避けて
  通る。車が滅多に通っていないところでも、そういう危険性もあると思うので、
  草もそうだが、木についても、言い出したらきりはないとは思うが、危険性が高
  いところや、標識が見えないところは、優先して実施してほしい。
 

  Q 中本委員
   道路の白線だが、自身も年を取ってきて、夜の運転が怖くなってきた。特に薄
  暮、夕暮れ時、雨が降ったときなどは見にくい。たくさん消えているので、きり
  がないと思うが、白線は補修してもらっても、すぐまた薄くなっていく。こんな
  時代なので、白線も消したりするときもあるから難しいと思うが、消えにくい塗
  料とかあるのか、それとも一定のものなのか、教えてほしい。
  A 児玉道路保全課長
   区画線については、一定の基準に則った品質で引いている、車のタイヤが載り
  やすい箇所など、磨耗で消えやすいところがある。ただ、区画線の材質等につい
  ては全国統一の基準で行っている。
  要望 中本委員
   全国の基準ということがよく分かった。話は戻るが、危ないところなど、白線
  もかなり消えているところがたくさんあるので、費用や予算面もあると思うが、
  これは要望しておく。
 

  Q 吉井委員
   何点か聞かせてもらいたい。
   国土強靱化の予算、県土予算についても、和歌山県に多くついてると思う。県
  土予算を聞いたら、数年間で1000億円以上がついている。他にも要望している箇
  所がたくさんあると思うが、この優先順位について聞きたい。湯浅町では、田村
  から吉川に出雲道路というのがあり、これを県道バイパスでやるということで予
  算がついている。これは多目的な県道バイパスで一つは産業道路、田村地域は県
  下でも有数で人口が少ないが、産業が発達しており、ミカンやシラスの運送等、
  地域内の総生産GDPが高いわけである。これで産業道路として、生活道路として
  の役割と、そしてもう一つは、これはやはり言うまでもなく、防災の対応がなさ
  れていない地域である。この防災道路ということと、もう一つは和歌山県紀中は
  観光の空白地域で、道路行政についても、観光を考えて観光道路ということを考
  えてやらなければならない。多目的な県道バイパスがあるわけである。そこで、
  こういった道路をよく考えてみたら、有田の県道バイパスも考えれば長くかかり
  すぎだ。県道の海南金屋線のトンネルでは、仁坂知事に変わった直後に発注した
  が、仁坂知事の4期の間で、まだ完成していない。たかだか50億円の道路で18年
  もかかっているわけである。だからこんなにかかっておったら災害に間に合わな
  いので、やはり加速化資金ということで国土強靱化で十分やってもらいたいと思
  うが、見通しはどうか。
  A 東道路建設課長
   まず、鏡石トンネルについては、2567メートルという非常に長大なトンネルで
  あることから、当初から工期を5年間として工事を進めてきた。掘削を進める中
  で約6割の区間で当初想定よりも岩質が悪く安全に工事を進めるために補助工法
  の追加や掘削パターンの変更を行ったことから、工期が約1年間長くなり工事期
  間が長期化している。昨年の9月にトンネルが貫通し、その後、本年7月にトン
  ネル覆工が完了するなど、工事は順調に進んでおり、本体工事は今年度末の完成
  を見込んでいる。鏡石トンネルについては延長が長く工事費も膨大だが、国土強
  靱化の予算も活用し、必要な予算を確保しており、予算不足による工事の遅延は
  ない。
   また、現時点における鏡石トンネル本体工事の請負金額が84億円でその内約4
  割にあたる38億円が国土強靱化に係る予算となっている。
  もう1点、県道有田川湯浅線、この路線は、湯浅町田から国道42号のバイパス
  3.7キロメートルについて、令和4年度に新規事業化した。令和5年度より測量
  業務に着手し、本年9月に地形測量が完了している。現在、切土部の地質状況を
  把握するための地質調査を行っている。事業延長が3.7キロメートルと長いため
  測量に時間がかかっており、今後、設計や用地取得が進捗し、工事段階になれば、
  国土強靱化予算を積極的に活用し、事業を推進していきたい。
 

  Q 吉井委員
   私が聞きたいのは、必要な国土強靱化において多数の要望がある中で優先順位
  をどのように考えているのかということだ。
  A 山本道路局長
   強靱化予算の優先順位について、県としては補正予算をできるだけ多く取れる
  よう、それぞれの事業箇所で必要額を見積り、国に対して要求しているところで
  ある。道路建設課長から答弁した有田川湯浅線についても、国土強靱化予算を活
  用することはできるが、現時点の段階で測量設計中ということもあり、今後それ
  らが進捗して工事が進められる段階になれば、しっかりと強靱化予算の補正を要
  求したい。
   特段、どの路線が優先してというよりも、事業の進捗の状況や、補正予算がそ
  の事業に合致して、どういうことに使えるのかというところを観点に、できるだ
  け多くの補正予算を確保していきたいと考えている。
  要望 吉井委員
   そういうことで多目的な道路であるので、よく考えて頑張ってほしい。それで
  当の湯浅町もこの道路は悲願の道路なので、2点ほど考えていることがある。そ
  れは、この道路を早く供用してもらうために道の駅の構想を練ったり、フラワー
  ランドを、湯浅町のためにではなく、観光空白地域である有田地域のために観光
  の名所として計画しているので、よろしくお願いする。
 

  Q 吉井委員
   道の駅は、町が設計、計画して整備するものということは分かっているが、最
  近は防災道の駅というものもある。これは全国に何か所あり、どのような観点で
  つくっているか。
  A 児玉道路保全課長
   防災道の駅は、広域的な防災機能を担うため、国の支援を受けてハード・ソフ
  ト対策を強化した道の駅として2020年に新たに導入された制度である。
  防災道の駅は、大規模災害時の広域的な復旧・復興活動の拠点として、自衛隊
  等の救援活動の拠点、緊急物資等の集積基地の機能などを有するものである。
  全国で現在39か所が選定されており、県内ではすさみ町にある道の駅すさみが
  防災道の駅に選定されている。
   なお、選定基準としては、高速道路のインターチェンジからおおむね5キロメ
  ートル以内に立地し、駐車場の面積が2500平方メートル以上などの一定の条件を
  満たすものが対象になる。
  要望 吉井委員
   湯浅町が防災道の駅の設置について考えており、地域の観光施設にもなるため、
  広域で各町にも支援をお願いしている。県の支援もお願いする。
 

  Q 吉井委員
   あと1点、町の災害関連の工事で不調が起きている。なぜ入札不調が起こって
  いるかというと、資材が高すぎて勘定が合わないということで辞退するケースが
  ある。県工事では、そのようなことは起こっていないか。
  A 曽和技術調査課長
   資材が高くて不調だという具体的な理由までは確認できていないが、入札不調
  は数件程度ある。
 

  Q 吉井委員
   もう一つ、万博の和歌山県ブースにおいて、和歌山県の業者が木材の県産品を
  展示すると聞いているが、どういう展示を行うのか。
  A 曽和技術調査課長
   把握していない。
  要望 中村委員
   浚渫債というのができて、すごく便利だというふうに思っている。しかし、今、
  和歌山県内に200もの河川があるが、昔であれば、川の近くの人が田の周りの草
  を刈るときに、川の堤防も一緒に草刈りをやってくれていたと思う。耕作放棄地
  がたくさん増えて、川の堤防どころか田の管理もできてない。それで、川の管理
  道みたいなところに木がいっぱい生えて、私の住んでいる熊野川、岩内というと
  ころにはもう大木が生えている。
   日高振興局建設部の基準では、水の流れを阻害するものは何とかしないといけ
  ないが、その堤防の上まで手が回らない状況である。
  しかし、大木が生えて台風などの風が吹く、それから地震などで揺れるときに、
  大木みたいなものがあれば木が倒れて、堤防が壊れるということは十分あると考
  える。
   建設委員会で去年も、それから今年も視察で、東京の荒川や江戸川などを見て
  いても、川の中に木が生えていても、堤防は綺麗に刈っている。多分堤防に木が
  生えてくると倒れたりして破堤する可能性があるからだと思うが、そこで私が思
  ったのは浚渫債の対象に、しゅんせつだけではなくて堤防を管理する草刈りとか、
  木を伐採するというものが対象にならないのか、今のところ対象になってないの
  で、ぜひこれは和歌山県からも要望を建設委員会から意見書を出すとか、そんな
  ことをやってほしいと思う。委員長が一度そういうものを研究してもらえないか。
  ● 山家委員長
   一度検討してみる。
 

  Q 中村委員
   それと関連して、今、県の政策で脱炭素と言っており、農業新聞など見ている
  と、稲作時に途中田んぼの水を抜いてやると二酸化炭素の排出量が減るといって、
  それをJクレジットで売ると言っている。
   それがどれだけ効果があるのかは不明だが、でもそれは科学的に根拠があり、
  きちんと数字まで出てきている。堤防の草というのは全く何もなければ、やはり
  雨が降れば流れていくので、この草を適当に伸ばして、それを刈り取るというよ
  うなことが、Jクレジットで売れないのか。
   そうすれば、管理費用の一部にもなるし、それから世の中の役にも立つと思う
  が、そういったことはできないのかなと思っているがどう考えるか。
  A 千野河川課長
   まず緊急浚渫推進事業債の制度の拡充の要望について、県としては、まず本来
  今年度までの時限措置ということだが、非常に有用な事業でありしっかり活用し
  ているので、まずはこの時限となっている制度の延長を国に対して働きかけてい
  るところである。まだその延長というところが決まったわけではないので、まず
  は延長をということで働きかけていく。その次に、もし延長されることになれば
  制度の拡充について、しっかりと地域の要望を国に伝えていきたいと考えている。
   次に、河川管理について、一般的な説明にはなるが、県管理河川の樹木の伐採、
  あるいは除草は、河川管理上必要な範囲、とりわけ洪水時に流下能力が低いよう
  なところや、堤防に先ほど発言のあった樹木の根があり悪さをするような、そう
  いった緊急性の高いところから実施しているところである。
   それらに加え、河川愛護会など地域の方々でも除草等を行っており、河川管理
  上大変大きな助けになっている。
  こういったところがあるので、緊急浚渫債の制度を拡充していければ、予算の
  中で堤防の除草あるいは伐採にも予算を回せていけるのかなと思っているので、
  しっかりと、まずは緊急浚渫債の延長あるいは制度拡充に努めていきたいと思う。
  3点目のJクレジットについては、まずは勉強させてもらいたいと思っている。
  ● 山家委員長
   中村委員から先ほど発言のあった浚渫債の継続、護岸の管理制度の拡充
  については、私も委員長として国に対してどのような要望ができるのかと
  いうのをもう一回考え、また提案していきたいと思う。
 

  Q 高田副委員長
   県道岩出野上線と県道和歌山橋本線における紀の川市役所の貴志川支所前交差
  点から神戸交差点の交通安全対策の件について、朝夕の通勤通学時間帯及び休日

  は近隣商業施設への出入りが多いために慢性的に渋滞が発生していることから、
  交差点改良等の交通安全対策の整備により渋滞緩和が図られるように、早期に検
  討してほしいという質問を前回した。その後、すぐに交通量調査を行ったが、そ
  の後の状況はどうか。
  A 児玉道路保全課長
   県道岩出野上線の貴志川支所前交差点から神戸交差点までの区間の交差点につ
  いては、令和5年度に交通量調査を実施し、ピーク時には和歌山橋本線から貴志
  川支所に向かっての渋滞長が100メートル程度となることが数回あることを確認
  している。
   しかしながら、店舗や家屋が連担していることから、どのような対策が可能で
  あるか紀の川市の意見も聞きながら検討していきたいと考えている。
  要望 高田副委員長
   長年の懸案で、なるべく早く対策を考えてほしい。
  要望 山家委員長
   まず一点は、先ほど吉井委員からも田村の出雲道路の話があったが、これはも
  う本当にみんなの悲願の道なので、早期に完成を目指してほしい。
  そして、湯浅町も先ほど話があったようないろいろなことをその道路沿い等に
  も考えているので、その協力をお願いしたい。
   また、歩道に草がいっぱいあると聞けば、すぐに振興局にお願いして対応して
  もらっている。郡部のほうに行けば余計に多いかと思うが、先ほど岩井委員から
  もあったように、いろいろな除草対策のやり方もあると思うので、研究してほし
  い。
   もう1点は先ほど中本委員からあった樹木の話である。私も建築限界へ入って
  いるような樹木を見つけたら、振興局に対応をお願いしている。また、住民から
  要望があれば、それも振興局に伝えて、結構早期に対応してもらっているが、住
  民から直接振興局に言うときも相当な数があり、なかなか全部できない部分もあ
  る。実際トラックとか観光バスとかが、木を避けるために寄って来たら危ないと
  いうのが現状である。
  維持管理費の予算については、維持してくれているとの話も聞くが、今は特に
  人件費も処分費も高騰しているので、実質対応できる量が減ってきてるはずであ
  る。実質減っていることも加味して、予算確保に努めてほしい。
 

    ● 山家委員長
     ◎議案に対する質疑及び一般質問終了宣告
     ◎議案に対する採決宣告
     ◎議案第120号、議案第121号、議案第132号、議案第133号、議案第139号
      及び議案第141号については、全会一致で原案可決
     ◎県土整備部審査終了宣告
     ◎継続審査を要する所管事務調査宣告異議なし
     ◎市町村から当委員会へ寄せられた計167項目の陳情について、今後、県
      としての意見を取りまとめ、12月の当委員会で報告後、各市町村に回答
      することを報告
     ◎県内外調査について、令和6年10月8日から10月10日までの日程で実施
      することを報告
     ◎閉会宣告
   午前11時16分閉会
 

 

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