令和6年9月和歌山県議会福祉環境委員会会議記録


令和6年9月和歌山県議会福祉環境委員会会議記録

 

1 日時  令和6年9月24日(火)午前9時58分~午前11時42分

2 場所  第2委員会室

3 出席者 委員長   佐藤武治

      副委員長  浦口高典

      委員    秋月史成、鈴木太雄、尾﨑太郎、林 隆一

      欠席委員  濱口太史

      委員外議員 なし 

4 概要

   午前9時58分開会

    ●佐藤委員長

     ◎開会宣告 挨拶

     ◎報告事項 濱口委員の欠席

     ◎傍聴協議 なし

     ◎撮影許可 3件

     ◎議  事 議案8件継続審査を要する所管事務調査8件

     ◎審査順序宣告 共生社会推進部、福祉保健部、環境生活部の順に審査
     ◎共生社会推進部審査宣告
     ◎所管事務に対する説明要請
    ●島本共生社会推進部長説明
    ●佐藤委員長

     ◎議案に対する質疑及び一般質問宣告

 

  Q 林委員
   令和5年度の県内における児童虐待相談件数は、前年度から126 件増えたとい

  うことであるが、今後、和歌山県として具体的にどのように取り組んでいくのか。
  A 田甫こども支援課長
   児童相談所の体制強化や相談支援の充実に取り組んでいる。
   まず、児童相談所について今年4月に組織改編を行い、従来の「子ども・女性・
  障害者相談センター」については、中央児童相談所ということで児童相談所単体の
  所長を配置した。児童相談所の職員についても、年々増員を図っている。
  また、児童相談所の補完機関として、地域の中に児童家庭支援センターというも
  のがあるが、従来は和歌山市内に1か所のみ設置していたものを、昨年度には、紀
  南地方にも白浜町内に1か所設置し、現在は県内2か所体制で家庭相談支援を行っ
  ている。
   次に、市町村における体制であるが、今年4月の児童福祉法の改正により、児童
  福祉と母子保健を一体化した「こども家庭センター」をつくるべく取り組んでいる。
  これは、市町村において、児童虐待への予防的な対応から子育て支援全般に対応で 
  きるように力を入れていくというものであり、県と市町村で連携しながら取り組ん
  でいるところである。


  要望 林委員

   児童虐待相談件数は毎年のように2000 件を超える状況であり、本当に大変な
  ことだと思っている。

  虐待被害に遭う児童が1人でも2人でも減るよう努力してもらいたい。

  Q 鈴木委員
   理工系企業見学バスツアーについて、具体的に教えてもらいたい。
  A 大久保多様な生き方支援課長
   理工系企業見学バスツアーは、昨年度初めて実施し、今年度が2回目である。
  大学進学において理工系に進学する女性の比率が男性に比べて大きく下回ってい
  るという現状を鑑み、文系理系を選択する前の女子中高生を主な対象として実施
  している。今年度は、県女性活躍企業同盟にも参加している菱岡工業株式会社に
  協力いただき、工場見学や事業所内保育所も含めた本社見学や、女性従業員との
  意見交換を行った。
   次に、和歌山大学では、システム工学部における女子学生への取組についての
  説明を受けた後、システム工学部女子学生との意見交換を行った。
  さらに、その会場にて、内閣府の理工系女子応援大使で、インドを拠点に活躍
  されている土木技術者の阿部玲子さんから、インドの地下鉄建設現場での現場監
  督や管理施工等についての講演を聴いた。
  このように、いろいろな進路選択の幅があるということを中高生に知ってもら
  う機会とした。
  Q 鈴木委員
   参加者数はどれくらいか。
  A 大久保多様な生き方支援課長
   今年度の参加者数は20 名である。多くが和歌山市近辺在住者であるが、田辺市
   方面からも数名の参加があった。主な対象は女性としているが、申込時には性別
   を問わず参加できるようにし、男性の参加もあった。
  Q 鈴木委員
   募集人員が20 名か。
  A 大久保多様な生き方支援課長
   募集人員は30 名で、参加者が20 名である。
  Q 鈴木委員
   昨年度の参加者数はどれくらいか。
  A 大久保多様な生き方支援課長
   昨年度は、中高生29 名である。
  Q 鈴木委員
   昨年度と比べて10 名弱が減っていることについて、感想や原因を教えてほし
  い。また、参加者の感想は聞き取っているか。
  A 大久保多様な生き方支援課長
   参加者数が減ったことは残念である。県民の友やラジオ、テレビ等の広報は行
  っているが、これまでの実績も踏まえて来年度の周知には工夫し、さらに広げて
  いきたい。
   また、参加者にはアンケートを実施しており、ツアーの一番の目的である「今
  後の進路選択に生かせたか」の問いについては、9割の方が生かせたと回答して
  いる。
   さらに、「普段話を聞くことのできない人から、いろいろなアドバイスを聞く
  ことができて良かった」、「進路について悩んでいたので、理工系の話を聞いて
  視野が広がった」、「理系に進んだ場合の就職先を想像できていなかったので、
  自分の将来を考える良い材料になった」という意見があった。
 

  要望 鈴木委員
   アンケートの内容を聞くと、県の思いが通じた感想になっている。生徒指導の
  先生など、先生の力を活用して取組を続けていくのがよいと考える。今でもやっ
  ているのかもしれないが、もう少し力強くやっていくと、もっと広がっていくと
  思う。
 

    ●佐藤委員長
     ◎所管事務に対する一般質問終了宣告
     ◎共生社会推進部審査終了宣告
     ◎休憩宣告
   午前10 時14 分休憩
 

   午前10 時16 分再開
    ●佐藤委員長
     ◎再開宣告
     ◎福祉保健部審査宣告
     ◎議案等に対する説明要請
    ●今西福祉保健部長説明
    ●佐藤委員長
     ◎議案に対する質疑及び一般質問宣告



  Q 林委員
   和歌山県内のコロナ予防接種健康被害における医療費及び医療手当の給付
   請求件数と、また併せて健康被害について県の対応があれば教えてほしい。
  A 宗野健康推進課長
   健康被害に係る救済については、予防接種を受けた方に健康被害が生じた場
  合に、その健康被害が予防接種を受けたこととの因果関係が認められた方を救
  済する制度で、厚生労働省の審査会において認定されれば、窓口である市町村
  から給付金が支給される。
   県内の予防接種健康被害の件数としては、予防接種が始まった令和3年から
  令和6年9月2日までの申請件数で77 件となっている。そのうち、認定が52
  件、否認が6件、審査中が19 件となっている。また、77 件のうち、請求内容
  に死亡の一時金を含む申請件数は16 件であり、このうち、死亡一時金が認定
  されたものが11 件、否認が3件、審査中が2件となっている。
   なお、死亡一時金を含める認定件数11 件は、予防接種が死亡の原因となっ
  た可能性が否定できないとの理由で認定されたものです。
   こうした健康被害に対する県の対応としては、接種後の症状や健康被害を訴
  える県民からの問合せがあった際には、健康被害救済制度の利用など丁寧に説
  明及び周知を行っているところである。
   秋以降、高齢者への定期接種が始まるが、さらに分かりやすい対応、周知を
  行っていく。
 

  要望 林委員
   申請件数が77 件ということで、実際に予防接種を打っている人の数に比べ
  て非常に少ない件数であると思う。
   そもそも、制度について知らない方が非常に多いと思うので、県民に対して、
  この制度について周知徹底してほしい。


  Q 林委員
   今回の議会で、中村議員より紀中、紀南の医療従事者が非常に少ないとの質
  問があった。和歌山県立医科大学の学校推薦枠について、県内枠を増やし、全
  国枠を減らす、なくすといった方法を取ることはできないのか。
  A 狹間県立医科大学事務局次長
   医学部に関しては、学校推薦で県内生を対象とする地域医療枠10 名と一般
  枠6名がある。それ以外に学校推薦で全国の高校生を対象とする県民医療枠8
  名がある。入試の競争率を見ると、令和6年度の実績では、県内生を対象とす
  る募集枠のほうが少し低いような状態になっている。質の担保の面から、入学

  後、授業についていけないというのは困るので、見直すことはかなり難しいと
  考えている。


  Q 林委員
   入試のときに、レベルが低い学生が入学すると、授業についていけない可能
  性が高いので見直しは難しいという意味でよいか。
  A 狹間県立医科大学事務局次長
   当然、入学後、教育の中で授業についていけるように学生には支援をしてい
  く。一般枠の入試選考に関しては、まず共通テストで、大学独自で900 点満点
  中630 点以上とボーダーを引いた上で選考し、さらに2次試験を行う。このよ
  うな選考により入学してきた学生に対して、一生懸命教育を行うが、どうして
  もついていけない学生も存在するため、そこを気にしないわけにはいかないと
  考えている。
 

  Q 林委員
   入学してから努力する人もしない人もいるとは思うが、共通テストだけで判
  断するのでなく、やはり和歌山県は医療従事者が少ないから、医学部に限らず
  薬学部、保健看護学部もそうかもしれないが、医療従事者を和歌山県にとどめ
  ておこうと思えば、和歌山県の人を採用していくというのが一番良いと思う。
   以前、議場で和歌山県の学生に関しては、和歌山県立医科大学を無償化した
  ほうがいいと発言をした。大阪は大阪公立大学、兵庫は兵庫県立大学を無償化
  している。自府県民を優先している状況を鑑みて、和歌山県民の学生を多く採
  用するべきではないか。そのことにより、御坊市が自分の地元であったら御坊
  市で就職する可能性が比較的高いが、他府県から来る学生には、医者になりた
  いからとりあえず和歌山県立医科大学でいいかと思って来ている人も結構い
  るのではないかと思う。その成績のいい学生が、医師になった後、必ず和歌山
  県内にいてくれるかどうかというのはまた別問題である。どちらが和歌山県内
  にいてくれる可能性が高いかと考えると、和歌山県民の学生をどんどん入れた
  ほうが高いだろうと思う。成績がいまいちとまでは言わないが、医学部を受け
  るからにはそれなりの成績だと思うので、今後、その辺りをもう少し検討して
  ほしいと思う。
 

  A 狹間県立医科大学事務局次長
   当然定着を目指すのが和歌山県立医科大学の使命だと思っており、そのため
  に地域医療枠や県民医療枠を設定して、政策的に義務年限期間は県内にいてい
  ただき、定着を図ってきている。

  要望 林委員
   実際そのように対応していても紀中や紀南での医師が少ないという事実を
  鑑みると、今後、もう少し柔軟に検討してもらいたい。
  Q 秋月委員
   コロナ禍であったと思うが、医療機関のほうから特にせき止めなどの医薬品が
  不足して手に入らない、特に小児科だったらせき止めが入らないという状況を聞
  いており、その後1年ほどたつが、現状を教えてほしい。
  A 神﨑薬務課長
   コロナ禍の状況と比べると一応落ち着いている状態であるが、まだ完全に戻っ
  たということではないので、厚生労働省が製薬会社に対して増産を指示するなど
  の対応をしている。
  Q 秋月委員
   以前に比べると、医薬品は入りづらいところもあるが、かなり改善されたとい
  う理解でよいか。
  A 神﨑薬務課長
   その通りである。
  Q 秋月委員
   変異型のコロナ対応でレプリコンワクチンというものがあるらしいが、安全
  性を危惧するような話を聞いている。県としての見解を教えてほしい。
  A 宗野健康推進課長
   レプリコンワクチンについての安全性について、先週、国で開催された厚生
  科学審議会の予防接種・ワクチン分科会で、医薬品や医療機器の承認審査や安
  全対策についての業務を行う独立行政法人である医薬品医療機器総合機構の
  審査において、ファイザー社のワクチンと比較しても安全性に大きな差異はな
  いと認められたと報告されている。
   一部から安全性に疑念や不安が広がっている状況や、インターネット上では
  mRNA が接種後、体内で増殖し続けるという説もあるといった意見が分科会の

  部会でも出されたところである。
   こうした意見について、厚生労働省からは、他者へ伝播するというような事
  象が生じるとの科学的知見がないということが言われている。また、接種後の
  体内においてのmRNA の増殖は一時的なもので、時間が経過すれば消失すると
  も言われている。
   ただ、こうした安全性への疑念があることから、国のほうでも国民への周知
  を進める考えを示しているところである。
  それを受けて、県としては10 月から定期予防接種が始まるが、市町村と連
  携し、正しい情報の周知啓発に努め、定期接種を希望する方が安心して接種で
  きる環境を整えていく所存である。
  要望 秋月委員
   地元の方に話を聞いたが、非常に不安を感じているような状態であった。イ
  ンターネット上で、何が事実かは分からないが、不安の声等が広がっているた
  め、安心できるよう、しっかり周知してほしい。
  Q 秋月委員
   和歌山県福祉事業団で、職員の利用者に対する虐待が問題になり、非常に重い
  処分が事業団に下された。処分は致し方ないことだと思う。障害者施設や高齢者
  施設で虐待問題がよく取り沙汰されている。重い処分が下されると抑止力になる
  とは思うが、隠蔽の可能性も十分あると思う。私が一番心配している隠蔽防止に
  ついて、関係課長の見解を聞きたい。
  A 岩橋障害福祉課長
   秋月委員の言うとおり、隠すということはあってはならない。虐待防止法で通
  報義務が課せられている。今回の事案は、かなりの期間がたってから上司に報告
  された。例年、虐待防止に向けて、虐待防止の研修会を実施し、集団指導におい
  ても虐待防止について常に指導しているところだが、今回の虐待事案を踏まえて、
  そういった研修について、今後内容を充実させるとともに、通報義務を怠っては
  ならないことを徹底して指導し、再発防止に努めていきたい。
  A 山本介護サービス指導課長
   障害福祉課長から説明のあった内容に合わせて、運営指導等において介護施設
  等の状況等について聞き取りを行っている。
  また、虐待通報の一義的な相談窓口が市町村であることから、市町村に対して
  啓発等を行うとともに、地域住民が中心となった見守りネットワークを構築して
  いくよう継続して依頼を行っている。
  要望 秋月委員
   いずれにしても、障害者の方や高齢者の方というのはものを言えない状況があ
  ったりするので、しっかりと注視して、虐待がなくなるような取組をより一層進
  めてほしい。

  Q 秋月委員
   ドクターヘリについて、関西広域連合のほうで夜間飛行も視野に入れて検討し
  ていくという話を聞いているが、そうした場合2パイロット制をしいていくこと
  は、後尾警戒や計器チェック等を考えると、非常に重要な一つだと思う。関西広
  域連合等を含め、ドクターヘリについて今後2パイロット制をしいていくことに
  ついての議論はあるのか。
  A 石田医務課長
   現在のところ、関西広域連合等において2パイロット制の検討はされていない。


  要望 秋月委員
   1パイロットの場合、もし万が一、パイロットが心臓発作などを起こしたらど
  うするのか。陸上自衛隊では2パイロット制が当たり前だったため、警察なども
  含め2パイロット制でないことを初めて知った時に驚いた。安全に患者を緊急輸
  送できるのか非常に心配になった。
   これから、防災ヘリにしてもドクターヘリにしても、夜間飛行が控えているの
  で、夜間飛行を考えていくという点では、2パイロット制をしいていくことも視
  野に入れる必要があると思うので、頭の片隅に置いておいてほしい。


  Q 尾﨑委員
   レプリコンワクチンについて、安全かどうかはともかく、治験は行われている
  のか。
  A 雑賀技監健康局長事務取扱
   治験については、場所ははっきりお答えできないが海外で行われたと確認して
  いる。治験の人数等については今お答えすることができないが、その治験の結果、
  このワクチンの承認につながったと聞いている。
  Q 尾﨑委員
   従来のワクチンの治験のスパンは、そんな短期間で行われていたものではない。
  従来の治験はこのような形で行われていて、今回のワクチンはこの程度の治験を
  行っているという事実をきちんと県民に知らしめて、そのうえで接種するかどう
  かは県民が判断する。だから、県庁の担当課がきちんと事実を把握して、伝える
  ことが重要であると考えるが、どうか。
  A 雑賀技監健康局長事務取扱
   コロナワクチンについては、緊急事態、パンデミックということで、特例承認
  されたところであるが、国でもリスクと利益をてんびんにかけて判断してくださ
  いというスタンスで、結果的には日本国民の多くがワクチンを接種したところで
  ある。レプリコンワクチンについて、事実を情報発信していきたい。
 

  Q 尾﨑委員
   このワクチンは、どのような治験をやりましたという情報発信をしてほしい。
  治験という手続きが定められていたということについて、私は、日本の医療行
  政が正しく機能していたと評価している。それだけ長い時間をかけてようやく承
  認されることになるが、これを無意味な規制のように言うのは、行政というもの
  を分かっていないと思う。緊急事態だからといって治験をしないと、大きなひず
  みが生じる可能性が高い。
   mRNA を用いたワクチンをつくっていくのも、非常に良いものをつくっていく可
  能性はあると思っているが、一方で、これまで確立してきた治験という方法は非
  常に意味があったということを、薬の行政にかかわった人は思っていたと考えて
  いる。
   レプリコンワクチンの接種が始まるのは、日本以外ではどこの国か。
  A 雑賀技監健康局長事務取扱
   現時点で確認できるのは日本のみである。
 

  Q 尾﨑委員
   外国での治験のデータがあるにも関わらず、諸外国では接種せずに日本だけ接
  種するというのは不思議である。治験した上で、良いものであったのなら、外国
  でも接種すればいいのに、事実として外国は打たないということを県民の人が分
  かっていないといけない。なぜなら、自分で打つか打たないかの判断をしないと
  いけないからである。
   外国では打っていく予定はあるのか。今は手続き上の問題で打たないというこ
  とになっているのか、それとも当面打つ予定はないのか。

    ●佐藤委員長
     もし、正確な情報が入っていなければ、正確な情報を入れて後ほど説明
    してもらってもよいか。


  A 雑賀技監健康局長事務取扱
   事実を確認してから後ほど説明する。
 

  Q 浦口副委員長
   6月の福祉環境委員会で、健康長寿の新たな位置づけとして、骨粗しょう症に
  ついての取組を実施していくとのことだったが、その目的と取組内容について教
  えてほしい。
  A 宗野健康推進課長
   骨量は20 代がピークで、男女共に50 代を過ぎる頃から減少していく。特に、
  女性は、閉経後、急激に減少するため、将来の骨粗しょう症のリスクも高く、70
  代女性の半数が骨粗しょう症ともいわれている。
  また、骨量が少なくなると骨折のリスクも高まり、一度骨折すると、骨折が連
  鎖するという健康課題もあり、日常生活の継続的な運動のためにも、骨量を維持
  することは非常に大事である。
   この骨量を保つための対策として、日頃からの運動、食事及び日光浴としての
  散歩など、健康的な生活がポイントになるが、これらは、これまで健康増進のた
  めに啓発している生活習慣の改善につながる。
   また、骨粗しょう症対策の取組によって、将来の骨折や関節疾患の減少を図る
  ことで、介護予防や健康寿命の延伸にもつながると考え、県では、今年度から新
  たに取組を始めているところであり、40 か所で骨密度の測定会を実施予定である。
   先日、御坊市が企画した健康づくりイベントに県として初参加し、骨密度測定
  を実施した。仕事帰りの方も参加しやすいよう、午後3時半から午後7時半まで
  実施したところ、189 名の参加があり、地元紙にも取り上げられたところである。
   また、県民の友の10 月号において、健康づくりの特集記事を掲載しており、若
  い頃から適切な食事運動で骨量を高めておくことや、骨粗しょう症検診の受診の
  重要性について、周知しているところである。
   県としては、今年度及び来年度において、集中的にこういった取組を実施し、
  市町村と連携して、県民の健康づくり、生活習慣改善を図り、ほかの取組の推進
  と併せて、健康寿命の延伸につなげていきたいと考えている。
 

  Q 浦口副委員長
   本会議でも話したが、要介護認定を基に算定した都道府県別の健康寿命につい
  て、和歌山県の平均寿命と健康寿命は上がっているが、それ以上に他府県が上が
  り、全国ランキングで下位に低迷している中、要支援1から要介護1を除くと、
  和歌山県の数字はそれほど悪くないという意見があった。
   そのとおりと思うが、65 歳以上の高齢化率は和歌山市が30%余りに対し印南
  町は約37%と高い中で、要介護認定率は和歌山市が23.9%に対し印南町は14.3%
  と低くなっている。
   また、有田市と橋本市を比べると、65 歳以上の要介護認定率は有田市18.3%、
  橋本市18.8%で大体一緒だが、認定者に占める要支援1から要介護1までの割合
  を見ると、有田市39.0%、橋本市63.4%となり、20 ポイント以上差がある。
   要支援1から要介護1までをフレイルとすると、この間に和歌山県が進めてき
  たシニアエクササイズや和歌山市で行っている体操事業などを取り入れることで、
  要介護認定率が改善する可能性が十分あると思う。
   これは県が全部実施しろというわけではなく、各市町村に情報をきちんと提供
  し、特に要支援1から要介護1までの割合が高い橋本市などに、要介護認定率を
  改善するためのノウハウを教えるべきだと思うが、具体的な考えはあるか。
  A 遠藤長寿社会課長
   橋本市において、認定者に占める要支援1から要介護1までの割合が高いこと
  については、割合が高いから介護予防が不十分なのか、介護予防をしっかり行っ
  ているから重度化していないのか、よく見ていく必要があると思う。
  その上で、県内県外問わず好事例と呼ばれる取組はあるので、県が行う市町村
  向けの研修の中で引き続きしっかり発信していきたいと思う。
   ただ、市町村の状況も様々で、特に町村部では職員の体制が弱いところもある
  ため、好事例の共有だけではうまく広がっていかないのではないかということも
  感じている。
   そうしたことを踏まえ、今年度から県では、外部のアドバイザーを活用しつつ、
  いくつかの市町村で、県、アドバイザー、市町村、関係者という形で市町村への
  伴走支援を始めたので、そういったところで好事例が広がればと考えている。


  要望 浦口副委員長
   前から言うとおり、事業の予算を計上して終わりではない。過去に長野県の保
  健補導員等制度を参考に和歌山県でも健康推進員制度を取り入れたように、最近
  では滋賀県が健康寿命を延ばしているといった情報もあるので、そういったもの
  を積極的に取り入れた上で和歌山県でも実践してほしい。
 

    ●佐藤委員長
     ◎議案に対する質疑及び一般質問終了宣告
     ◎議案に対する採決宣告
     ◎議案第120 号、議案第126 号から議案第128 号まで及び議案第135 号か
      ら議案第137 号までについては、全会一致で原案可決
     ◎福祉保健部審査終了宣告
     ◎休憩宣告
   午前11 時3分休憩
 

   午前11 時7分再開
    ●佐藤委員長
     ◎再開宣告
     ◎環境生活部審査宣告
     ◎議案等に対する説明要請
    ●山本環境生活部長説明
    ●佐藤委員長
     ◎議案に対する質疑及び一般質問宣告
 

  Q 林委員
   まず一般質問で知事に対してツキノワグマの目撃情報が4月以降81件あり、
  先月は、熊野古道(三重県)で1人襲われたということを質問した。知事は、問
  題個体であれば保護から管理へ処分のほうに見直すと発言されたが、そもそも、
  この81件の目撃情報があることが問題だと思っている。問題個体かどうかも、あ
  やふやで、問題行動であれば管理というが、この81件は問題がないから保護対象
  となっているが、そもそも日本全国では、ツキノワグマに襲われた件数が210人
  で、3日に2日ぐらいは誰かが襲われているような換算となる。4人もお亡くな
  りになっていることを鑑みても、早急に対応しなければならない。26年前に180
  頭いたということは、2~3年に1、2頭の子供を産むことができて、雌の繁殖
  期は2歳から20歳までと仮定すれば、26年前に180頭であれば何十倍になってい
  る可能性もある。
   今から、森の中に入り、クマの調査を行うより、統計で見て何頭ぐらいに増
  えているかということを考えて、早急に管理の対象にする方がいいと思うのだ
  が、いかがか。
  A 松尾自然環境課長
   紀伊半島のツキノワグマ生息数は、平成10年に180頭ということなっている。
  データが古いということで、令和6年に環境省、三重県、奈良県、和歌山県が連
  携して個体数調査を実施している。個体数が一定基準を超えていれば、知事が答
  弁したとおり、第二種鳥獣管理計画をつくって、適正に個体数管理を実施してい
  きたいと考えている。
 

  Q 林委員
   実際に森の中に入って、クマが同一個体であるのかを識別できるのか。そも
  そも、誰が調査するかというのもあり、調査の精度に疑問を持っている。ビデオ
  で調査するといっても、このクマが一緒かどうか見分けがおそらくつかない。26
  年前に、180頭ぐらいの数だったら、それを基にして、先ほど言ったとおり、2
  歳から20歳にかけて、2~3年ごとに産むということだったら大体9頭で、あと
  半分が雌だったら4~5頭ぐらい。それが2~3歳になったらまた子供ができる
  というふうに考えて計算すれば、大体の数字が出てくると思う。一々山に入って
  調査するのなら、人身被害がないように処理していくほうがいいと思う。
  A 松尾自然環境課長
   クマの調査は、現在和歌山県内で50か所カメラを設置し、調査をしている。
  クマの個体識別は、ツキノワグマについては胸に模様がそれぞれあり、模様を判
  別しながら、同一個体かどうか調査をするような方法をとっている。奈良県につ
  いては100台カメラを設置すると聞いており、それで統計的にクマの頭数が算出
  できると聞いている。
 

  要望 林委員
   胸の模様を確認できればいいが、はっているクマの胸の模様までどうやって
  見るのか疑問である。本当にカメラが50台で適正なのかという疑問もある。180
  頭を基に推計値で算出したほうがよっぽど速いだろうと思う。人身被害が発生す
  ればもう遅い。問題個体が人にかみついたら処分は当然である。でもかみつかれ
  てからでは遅いので、よく考えて、調査を行ってもらいたい。なるべく早急に、
  保護から管理の方に移行してほしい。三重県知事は、管理のほうにと要望してい
  るので、その辺りも併せて和歌山県も奈良県もやってもらいたい。


  Q 秋月委員
   小林製薬の健康食品「紅麹」事案について、県内の健康被害状況、相談窓口へ
  の相談件数及び相談内容について教えてほしい。
  A 岡本生活衛生課長
   本県においては、今年の3月28日から、紅麹を含む健康食品に関する相談窓
  口を県内8保健所と和歌山市保健所の計9か所に設置しており、相談件数も県ホ
  ームページに都度、公表しているところである。
   9月20日現在において、35件の相談が寄せられ、そのうち18名の健康被害を
  確認している。内容としては、入院などの重症者はおらず、主な症状としては倦
  怠感やむくみ、食欲不振といったものとなっている。相談のあった方々について
  は、現在、快方に向かっていることを確認している。
 

  Q 秋月委員
   最近、和歌山県にもかなりの数のインバウンドの来訪がある。宿泊施設につ
  いて、特に若いインバウンドの方々は民泊をよく利用されるケースが多いと考え
  る。そこで、県内の民泊に関するトラブルなどの報告があれば聞かせてほしい。
  A 岡本生活衛生課長
   住宅宿泊事業、いわゆる民泊の県内届出住宅数は今年8月末で326件となって
  いる。関西近県においてもかなりの届出数となっており、順調に増加している状
  況である。そのような中で、外国人による近隣住民からのクレーム等がないのか
  という質問に関しては、民泊の実施・制度設計に当たり、和歌山県としては、近
  隣の生活環境との調和を図る観点から、事前に届出住宅の向こう三軒両隣、そし
  て裏の住宅から、民泊開設について反対がないことを確認するなど、独自ルール
  を運用している。これらの効果もあり、現在において特段のクレームは聞き及ん
  でいない。
 

  Q 秋月委員
   公衆浴場や旅館業等の共同浴場における男女の取扱及びLGBTQへの対応につい
  て、岸本知事もその方面の施策を推し進めているかと思うので、教えてほしい。
  A 岡本生活衛生課長
   LGBT理解増進法が国会で理念法として成立し、本県も当然のことながら共生社
  会の実現の向け取組を進めているところである。公衆浴場については、混浴禁
  止、男女の区別を設けよという公衆浴場法の規定もあり、LGBT理解増進法との兼
  ね合いをどうするのかということになる。国の通知等によると、浴場業や旅館業
  の営業については、例えば身体が男性、心が女性の方々については、衆目の風
  紀・衛生の観点から、身体的特徴をもって男女の区別を設けることが「分けるこ
  とが合理的な区分」であるとされており、本県でもこの考えを運用しているとこ
  ろである。
  意見 秋月委員
   一時、新聞紙上や報道、地域でも不安視する声があった。今のところ地元で
  何かあったというようなことは聞いていないが、これからも注視していくことが
  必要と考える。
 

  Q 秋月委員
   インバウンドの方が白浜方面やスーパー銭湯などに来ている状況をよく見か
  ける。公衆浴場や旅館業、宿泊施設等の衛生管理上の入浴マナーについて、外国
  人の方は公衆浴場に手慣れていないことから、特にアジアの方々が利用するに当
  たってトラブルが起こっているのではないかと考えるが、そのような場合の対応
  について聞かせてほしい。
  A 岡本生活衛生課長
   コロナが5類に移り、人流の活性化も含めインバウンドの増加が伴ってきてい
  る。外国の方々とは文化の違いがあり、入浴マナーが周知されていないという実
  情もあるが、事業者の様々な工夫により対応が行われており、現在、特段の苦情
  は寄せられていない。
  県内有数の観光地である白浜の観光施設においては、施設の利用方法につい
  て、ホームページを多言語化して周知したり、施設内においても案内板を多言語
  で表記したりするなど、このような事業者の努力により、現在、特段の苦情は寄
  せられていない。
   また、そのほか、観光庁による外国人観光客向けのマナー啓発動画や、全国組
  織である日本温泉協会による入浴マナーのポスターが作成されており、事業者の
  一助となっているものと考える。
 

  Q 秋月委員
   最近、外国人も日本人も、若い子を中心に、入れ墨を入れている人が増えて
  いる。一方、公衆浴場へ行くと「入れ墨の方は御遠慮ください」と書かれている
  のを見かけることがある。私としては、反社会勢力の方に対し「入らないでくだ
  さい」と言っているものと、昔は理解をしていたが、今はファッションで入れ墨
  を入れている若い子やインバウンドの方も多いので、そのような現状について、
  公衆浴場はどのような対応をするものと考えているか。
  A 岡本生活衛生課長
   先ほどからの、日本へのインバウンドの増加に伴い、平成28年、コロナ前のイ
  ンバウンドが伸び盛りになっていたときに、観光庁と厚生労働省から「入れ墨
  (タトゥー)がある外国人旅行者の入浴に関する対応について」の通知があり、
  その中に、「宗教、文化、ファッション等の様々な理由で入れ墨をしている場合
  があること」、「入れ墨があることで衛生上の支障が生じるものではないこと」
  というようなことに留意するよう示されている。このようなことから、県として
  も、営業者と利用者の相互の尊厳を大事にしながら、摩擦をできるだけ避けられ
  るように、保健所を通じて、この通知の周知を行っている。
   なお、公衆浴場法においては、タトゥー、入れ墨のある方に対して入浴を制
  限する規定はない。
 

  Q 秋月委員
   条例を改正されるということで、サウナ施設について伺う。サウナの利用者
  を守るためには、正確な温度計や時計の管理が必要になると思うがどう考える
  か。
  A 岡本生活衛生課長
   サウナ施設については県条例において、「浴室内に温度計を備えること」と
  し、入浴者の安全を配慮するのに必要な施設整備として規定しているところ。一
  方、時計については、特段、規定はしておらず、事業者の入浴者に対するサービ
  スの一環として対応しているものと認識している。ただし、安全に関して時計を
  設置していないことにより、入浴者の状況に変化があった場合などに対応するた
  め、今議会で上程している改正により、「飲料水設備の配置」、「安全を確認で
  きる窓の設置」、「非常用ブザーの設置」を合わせて規定し、安全配慮に関する
  規定を担保している状況である。
   また、温度計が正常に作動しているかについては、保健所職員が施設許可に伴
  う立入検査の際に設置の確認とともに実施しているところであるが、本来、温度
  計は世に流通していく中で、正常な温度を指し示すことに関する検定を受けてお
  り、一定期間、メーカー側が正確な温度を示すことを保証しているものと考え
  る。
  要望 秋月委員
   私は時計を非常に重視しながらサウナに入っていた。長く入りすぎて倒れて
  しまう人もいる。時計を見ながら何分入ろうと決めて入る場合も、時計があれば
  上手くいく。時計の設置は大事なことだと考えているため、御検討いただきた
  い。


  Q 秋月委員
   和歌山県庁で、脱炭素社会をめざして、公用車にEV、PHV、FCVの導入を進め
  ているが、その稼働率を教えていただきたい。
  A 竹中脱炭素政策課長
   電動車は、4月1日時点で139台であり、全公用車1060台のうち13.5%となっ
  ている。
   そのうちEVについては、昨年度9台導入し、うち軽自動車8台、普通自動車
  1台となっており、これらの全体の稼働率の平均は約6割となっている。
 

  Q 秋月委員
   他の車に比べて稼働率は高いか低いか。
  A 竹中脱炭素政策課長
   当課ではハイブリッド車とEV車を所管しており、母数を営業日、分子を使用
  日とするとハイブリッド車では8割、EV車では7.5割であり、誤差の範囲と考え
  る。
  Q 秋月委員
   私も電気自動車を購入したが、半年で売ってしまった。どれくらいの距離が
  乗れるのか、ルートセールスのような巡回業務であれば距離も分かるが、いろい
  ろな行き先に行く場合は帰ってこられるか職員も不安になるだろう。
  和歌山県は脱炭素先進県を目指しているが、知事車を燃料電池車からハイブ
  リッド車に変えた。水素自動車の方がハイブリッドよりも脱炭素を目指せると思
  うので、整合性が取れていないのではないか。
   和歌山県のホームページに、「CO₂の出さない、環境負荷の少ない電動車の普
  及に取り組んでいる」と掲載しているが、具体的にどのような取組をしているの
  か。
  A 竹中脱炭素政策課長
   基本的には啓発に取り組んでいる。また、充電器設備の設置にも取り組んで
  いる。


  Q 秋月委員
   私の感覚ではちょっと弱く感じる。この取組で成果が上がるのか。私が聞い
  たところでは、和歌山県内の充電設備数は、ガソリンスタンドよりずっと多い。
  私の会社にも普通充電器を2機付けているが、こういったものを県は把握してい
  ないだろうが、これらを合わせると県内の充電施設数はかなり増えているはずで
  ある。しかし、これでは弱いと感じる。
  逆に、普及を図るために、自宅に充電施設を付けるのに今は10万円かからな
  い程度であるので、それへの補助とか、企業に対して電動自動車を購入する支援
  をすればいいと思うが、そういった考えはないか。
  A 竹中脱炭素政策課長
   補助金等があれば促進できると思われる。しかし財源が限られている中でな
  かなか実現は難しい。国内を調べてみると東京都や神奈川県にいろいろな補助金
  メニューがあるが、財政状況や規模が違うため、和歌山県で同じようにはいかな
  い。ただし、国の動きも出てくると思うので、それらを注視して勉強していきた
  いと考えている。
   また、啓発事業は大事だと考えているが、県のホームページは内容が充実し
  ていない。どれくらい取り組むとどれくらい減るという「見える化」が必要だと
  思っている。
   例えば、ガソリン代160円/L、電気代26円/kWhと仮定して、燃費15kmのガソリ
  ン車で年間1万km走ったとすると、ガソリン代は電気代より年間7万円も多い。
  環境負荷で見ると、電気の排出係数にもよるが、CO₂排出量についてはガソリン
  車で1.5トン、電気自動車では0.4トンと、3.75倍も違ってくる。取り組んだ結果
  これだけ減らせるということを皆さんに知っていただくことを進めていきたいと
  考えている。
  要望 秋月委員
   最近、車は高い。軽自動車でも250万円から300万円する。特に、環境負荷の
  ない車が主流となってきており、買うのが大変である。東京都や神奈川県と違
  い、財政的に苦しいというが、それなら知事は脱炭素先進県を目指すと言わない
  ほうがいい。ほかに、無駄と思われる不思議な予算、不思議な政策がある。脱炭
  素は世界的な目標であり、末代まで残る地球環境を守っていかないといけないの
  だから、別の無駄を削って、脱炭素を後押しすることが大事だと考えている。
 

    ●佐藤委員長
     ◎議案に対する質疑及び一般質問終了宣告
     ◎議案に対する採決宣告
     ◎議案第125 号については、全会一致で原案可決
     ◎環境生活部審査終了宣告
     ◎継続審査を要する所管事務調査宣告 異議なし
     ◎県内外調査について、令和6年10 月2日から10 月4日までの日程で実
      施することを報告
     ◎閉会宣告
   午前11 時42 分閉会
 

 

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