令和6年6月和歌山県議会農林水産委員会会議記録


令和6年6月和歌山県議会農林水産委員会会議記録

 

1 日時   令和6年6月25日(火)午前9時59分~午前10時40分

2 場所   第4委員会室

3 出席者  委員長   北山慎一

       副委員長  坂本佳隆

       委員    冨安民浩、谷 洋一、谷口和樹、浦平美博、川畑哲哉

       欠席委員  なし

       委員外議員 なし

4 概要

   午前9時59分開会
    ●北山委員長
     ◎開会宣告 挨拶
     ◎報告事項 委員の欠席なし
     ◎傍聴協議  なし
     ◎撮影許可 3件
     ◎議  事 議案1件請願1件継続審査を要する所管事務調査8件
     ◎農林水産部審査宣告
     ◎議案等に対する説明要請
    ●立石農林水産部長説明
    ●北山委員長
     ◎議案に対する質疑及び一般質問宣告

 

  Q 川畑委員
   紀州材の魅力について、どのように発信しているのか。また、紀州材の利用拡大に向けた取組について教えてほしい。

  A 原林業振興課長
   紀州材の魅力については、紀伊半島の急峻な山肌に植林され、温暖多雨な恵まれた自然環境の中で育てられており、年輪が細かく

  詰まった目込みのよさによる強さや、木目の美しさ、色艶のよさなどが魅力となっている。特に、強さについては、県林業試験場で

  試験研究が行われ、国が示す一般的な木材の強度と比較して、ヒノキは約1.5倍、スギは約1.3倍の強さがあると証明されており、

  市場からも高く評価されている。
   2点目の紀州材の利用拡大については、公共建築物や住宅などでの木造木質化に取り組んでいる。公共建築物については、和歌山

  県木材利用方針や公共建築工事木材利用マニュアルに基づき、原則、木造木質化を推進している。また、県内住宅での木造木質化に

  対する支援に加え、2021年からは、県外住宅への支援も実施している。加えて、脱炭素社会の構築などの流れを踏まえ、民間非住宅

  建築物への支援も今年度から始めている。
   今後とも、強いという紀州材の特性を踏まえ、構造材としてしっかり利用されるよう、公共建築物での積極的な利用に併せ、民間

  建築物での利用拡大に取り組んでいく。

 

  Q 川畑委員
   学校給食におけるジビエの提供については、令和6年2月定例会で藤本議員が一般質問を行っており、私も共感するところがある。

  6万食をこれまで7年にわたり無償で提供していたが、7000食に減らされた。
   急激に減少させると、現場で大きな混乱等が起こることは想像に難くなく、担当課は現場の声をどこまで把握しているのか。

  A 豊吉畜産課長
   現場の声として、ジビエ処理業者や納入業者からは、何の相談もなく決定したことについての不満と不信を抱いているという意見

  を聞いている。また、学校の先生や生徒、学校栄養士や栄養教諭の意見については、出前授業等の機会に改めて聞く予定である。

  要望 川畑委員
   ジビエの振興は、鳥獣害対策の農作物被害を防止していく大きな政策であり、低脂質高タンパクの健康食を提供するということで

  大きな意義がある。しかしながら、高級食材になるので消費の振興についてはしっかりとPRをしていくことが大切であり、その中で

  給食で提供することは、子供の頃から味わい、食文化を身につけ、後々消費者として世に出てPRしていくという、大変意義の大きな

  政策だと考える。
   そのため、給食では従来のような規模でジビエを提供してほしいと考えており、それを念頭に学校の児童生徒に加え、保護者の

  方々の意見等も丁寧に聞き取り、今後の対策に反映させてほしい。また後日、進捗等を聞くので、引き続きの取組をお願いする。

 

  Q 川畑委員
   令和6年2月定例会において藤本議員の一般質問で、削減分のジビエに関する会議録を確認したところ、知事が「同じような量は

  学校給食で使ってもらえるよう、誠心誠意努力していく。また、これまで一生懸命ジビエを提供してきた皆さんと協力し、その方々

  が困らないようしっかり対応したい」と答弁していたが、現状どのような取組を行っているのか。

  A 豊吉畜産課長
   学校給食におけるジビエの減少分については、4月に市町村の教育委員会に対して、自治体独自にジビエを給食に盛り込むよう

  依頼した。また、8月には栄養教諭の会議に出席し、給食メニューに取り入れるような働きかけを予定としている。さらに、例年

  行っている一般向けのジビエフェスタについては、今年度も開催に向け準備中である。

  要望 川畑委員
   引き続き後日、進捗を聞かせてほしい。

 

  Q 川畑委員
   熊野牛について出荷量、価格及び消費動向の現状を聞かせてほしい。

  A 豊吉畜産課長
   熊野牛については、生産量は令和5年度で年間491頭。主に大阪南港市場で取引されており、同市場でのA4等級の枝肉1キロ

  グラム当たりの価格は2136円となっている。なお、熊野牛は大阪南港市場において、他県産と比べてやや割高の価格で取引されて

  いるとの情報はあるが、正確に分析したデータは存在していない。また、熊野牛の流通は、県内が中心となっている。

  意見 川畑委員
   消費について、私達もしっかり協力していくので、共に頑張りましょう。

 

  Q 谷口委員
   本年のうめ生産では、カメムシの大量発生により大きな被害が出ている。農家に聞けば、何十年も経験しなかったような被害

  らしいが、今年のような状況が万一来年以降に発生した場合の対策をどう考えているのか。

  A 仲鳥獣害対策課長
   カメムシについては、今年度は大変多く発生したと認識している。指摘のとおり、来年度以降も果樹へのカメムシの大量発生が

  懸念されることから、今年のカメムシの大量発生を今後の対策に生かせるよう、被害の状況や特徴を分析するよう果樹関係の

  試験場に指示しているところである。
   今後、これらの分析結果をもとに、より精度の高い病害虫発生予察情報の発信や、適期防除の推進により被害の軽減に取り組ん

  でいきたい。

 

  Q 谷口委員
   基幹産業がダメージを受けている非常事態だと感じており、現状の当局の体制だけでは、対応は難しいと思う。カメムシ発生の

  原因究明を含めて、研究体制の強化をどう考えているのか。

  A 上山研究推進課長
   カメムシに関しては、過去に全国的な調査・研究が実施された結果、大量発生の原因として、増殖源が主にスギやヒノキの球果

  であることや、前年にその球果の量が多いと越冬するカメムシの数が増え、被害が多くなることが明らかとなっている。
   対応策としては、誘殺灯や飛来を防ぐ黄色灯など、様々な研究が実施されてきたが、専門家に確認したところ、カメムシの大量

  発生時に対する有効な技術として、薬剤による防除以外は現時点でも開発されていないとのことであった。結論として、カメムシの

  越冬量や発生量をもとに、適期に薬剤防除を行うことが最も効果的な対応策と認識している。
   しかしながら、同じ農地でも被害の発生に偏りが見られることから、果樹関係の試験場が連携を密にして、被害が発生しやすい

  条件を調査し、薬剤散布における注意点など、より的確な情報を提供することにより、被害の軽減に取り組んでいく。

  要望 谷口委員
   カメムシの生態について、夏場のスギ、ヒノキの球果という話があったが、ここ何十年かでスギ、ヒノキの荒廃森林が増えている

  と感じている。それが、カメムシの大量発生に関連しているとするなら、森林整備が防除の目的に入ってくると思う。そういう所も

  含めて、緊急に研究を頑張ってほしい。

 

    ●北山委員長
     ◎議案に対する質疑及び一般質問終了宣告
     ◎議案に対する採決宣告
     ◎議案第98号については全会一致で原案可決
     ◎請願に対する審査宣言
     ◎請願に対する質疑宣告

 

  Q 浦平委員
   この委員会では、何度もこの問題を検討している。諸先輩方からも提案があって、前回、和歌山海区漁業調整委員会の小委員会を

  開いた上で、という話だったと認識している。そこで3点聞かせてほしい。まず1点目は、進捗状況。例えば、何回会議をしたのか。

  また、その内容。ここで述べられる分で、進捗状況を教えてほしい。

  A 奥山資源管理課長
   和歌山海区漁業調整委員会において、和共第1号共同漁業権漁場区域と小型機船底びき網漁業操業区域が重複している漁場に係る

  漁業調整について協議を依頼したところ、この問題に関する小委員会が2月15日に設置され、現在まで3回開催された。
   4月18日の第1回小委員会では、過去からの操業問題の経緯についての説明を行った。5月23日の第2回小委員会では、加太

  漁協及び有田箕島漁協の代表者の方からの聞き取りを行った。6月17日の第3回小委員会では、この問題に関する解決策の検討を

  行い、次回の小委員会において、小委員会としての報告書をまとめる予定となっている。

 

  Q 浦平委員
   了解した。いろいろ大変なこともあったかと思うが、これからもお願いする。次に、この問題を解決するにあたって、和歌山県

  としての姿勢を改めて聞きたい。

  A 奥山資源管理課長
   過去の経緯を振り返ってみると、県、両漁協の対応に問題はあったが、県としては、漁協の実情を踏まえた対応をより積極的に

  すべきだったと考えている。今後は、小委員会で意見がまとまれば、和歌山海区漁業調整委員会へ結果報告がなされ、和歌山海区

  漁業調整委員会で審議した後、県に対して回答がある。県としては、回答に基づき各漁協間の調整について積極的に関与していく。

 

  Q 浦平委員
   冒頭の質問の2つ目、5月23日の小委員会に各漁協組合長が来たという話だったが、その小委員会における漁協の代表者の発言

  内容で、答えられる範囲で教えてほしい。

  A 奥山資源管理課長
   第2回小委員会では、加太漁協組合長から、重複区域における操業実態、長年にわたるたこつぼなどの漁具被害の実態等について

  発言があった。また、有田箕島漁協組合長からは、加太、箕島の両漁協で結んでいた操業協定について、平成26年に異議申出を

  行った経緯等について発言があった。

  意見 浦平委員
   私が最初に言った内容について理解を賜りつつ、引き続き大変かと思うがよろしくお願いする。

  意見 谷委員
   今、資源管理課長から加太と箕島のことについて経過報告があった。昭和26年からいろいろあった問題で、浦平委員が紹介議員

  になり、この場に出てきたものである。この委員会よりも、和歌山海区漁業調整委員会のほうがよいという意見があり、2月から

  今まで3回、小委員会を開催している。7月には、ひょっとすれば結論が出るのではないかというところまできている。浦平委員

  が一生懸命頑張ってくれたおかげだと思う。七十数年がたって、こんなにうまくいっているということは、当局も一生懸命やって

  くれていることだと思う。次回の報告に我々は期待するので、このことについては、委員長においてよろしく取り計らってほしい。

 

    ●北山委員長
     ◎請願に対する質疑終了宣告
     ◎請願に対する採決宣告
     ◎議請第2号については全会一致で継続審査と決定
     ◎農林水産部審査終了宣告
     ◎継続審査を要する所管事務調査宣告 異議なし
     ◎県内外調査協議 委員長一任
     ◎閉会宣告
   午前10時40分閉会

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