令和6年6月和歌山県議会経済警察委員会会議記録
令和6年6月和歌山県議会経済警察委員会会議記録
1 日時 令和6年6月25日(火)午前10時0分~午前11時19分
2 場所 第3委員会室
3 出席者 委員長 玄素彰人
副委員長 中西 徹
委員 森 礼子、井出益弘、尾崎要二、山下直也、中尾友紀
欠席委員 なし
委員外議員 なし
4 概要
午前10時0分開会
●玄素委員長
◎開会宣告 挨拶
◎報告事項 委員の欠席なし
◎傍聴協議 なし
◎撮影許可 3件
◎議 事 議案6件、継続審査を要する所管事務調査9件
◎審査順序宣告 公安委員会、地域振興部、商工労働部・労働委員会の順に審査
◎公安委員会審査宣告
◎所管事務に対する説明要請
●野本警察本部長、今野警務部長、岡田生活安全部長、林刑事部長、津田交通部長、増田警備部長及び射場会計課長説明
●玄素委員長
◎所管事務に対する一般質問宣告
Q 中尾委員
先ほどの報告の中で、刑法犯の検挙率が、和歌山県は64.4パーセントと全国平均37.6パーセントを26.8パーセント上回っているという
ことであるが、この要因は何か。
A 髙水刑事企画課長
後に、報告する。
要望 玄素委員長
委員全員が興味のある事項であるため、後ほど全員に説明を願う。
Q 中尾委員
SNS型投資・ロマンス詐欺が増えているとニュースで見るが、これに対する有効な対策はあるか。
A 保田生活安全企画課長
県警としては、捜査と抑止の両輪で対策を進めている。抑止については、ネット上で完結するSNS型詐欺事案に対して、県民の抵抗力を
強化することに重点を置いた啓発活動を進めている。
幅広い年齢層の県民の皆様に危機感を醸成し、防犯意識を高めていただくため、タイムリーな手口の紹介と、県警が設置している
「ちょっと確認電話」の周知、ネットリテラシーの向上等に主眼を置いて、防犯メール、チラシ配布、ホームページ、メディア等による
広報活動に加え、警察での講演・講話など、あらゆる機会を捉え、5月末までに約330回、延べ約9100人に対して啓発を行っている。
また、「ちょっと確認電話」での阻止数は、5月末までに247件あった。特殊詐欺にまつわる情報提供などの警察相談も、348件と急増
している。
さらに、金融機関やコンビニエンスストアとの協働による水際での対策により、5月末までに64件を阻止している。
今後も県民の皆様の協力をいただきながら、粘り強く、しぶとく詐欺の被害を防止すべく対策を進めていくところである。
意見 中尾委員
啓発が一番大事だと思う。私自身も絶対だまされないと思っているが、いざとなったら、だまされる確率も高いと思う。やっぱり、周知
というか、こんな事例があったという部分で啓発を行っていただけたらと思うので、よろしくお願いする。
Q 中尾委員
サイバー犯罪の報告があったが、全国的な流れというか、それと県の現在のサイバー犯罪の状況を教えてもらいたい。
A 大野サイバー犯罪対策課長
サイバー犯罪の流れであるが、まず、サイバー犯罪に係る相談の受理件数を説明する。令和5年中は2168件、本年5月末現在で864件
の相談があった。令和5年は令和4年に次ぐ件数である。令和3年から4年にかけて内閣府で調査した結果によると、犯罪の中でも
サイバー犯罪に不安を感じるという国民が半数以上いるということで、サイバー空間の脅威が非常に高まっているところである。
それに伴い、インターネットバンキングに係る不正送金事犯が非常に増えており、全国的には令和5年に5578件と過去最多を記録して
いる。本県においても26件ということで、令和5年に過去最多を記録している。また、本年5月末現在、本県において、6件発生、
被害総額は301万円であり、前年に比べてマイナス2件、マイナス389万円となっている。フィッシング等の相談も大変増えているので
県民の皆さんにあらゆる機会を捉えて気をつけていただくよう啓発を実施している。
また、サイバーセキュリティ講習を実施しており、いわゆる教育機関、先生方、それから小中高生等に対するサイバーセキュリティ
カレッジ、これを令和5年に183か所、延べ1万5786人、それから本年5月末では46か所、延べ3233人に対して実施するとともに、
民間企業等については情報流出等があると被害が甚大になるので、令和5年中は373団体、延べ4365人、本年5月末では34団体、延べ
506人に対して実施している。今後もサイバー空間の脅威が高くなることが見込まれるので、広報啓発や犯罪検挙にも力を入れて、
官民連携して各種対策に取り組んでいきたい。
Q 中尾委員
サイバー攻撃は目に見えないので、なかなか不安に感じている方が多いと思う。本県ではサイバー防犯ボランティア活動をやっている
ということであるが、その概要を教えてほしい。
A 大野サイバー犯罪対策課長
サイバー防犯ボランティアについては、平成28年頃から県内の大学生、専門学校生等にお願いしており、本年5月末現在で2団体と
30人の方に委嘱をしている。この方々には、いわゆるインターネットのサイバーパトロール、違法有害な情報のパトロール・通報を
お願いしている。また、若い世代であるので、中学生等の自分より若い世代に向けたサイバーセキュリティ教室等に協力していただく
とともに、街頭における啓発活動にも協力していただくなど、県警と一体となっていろいろな活動をしている。
Q 中尾委員
本部長もサイバー犯罪のプロフェッショナルと聞いている。
何か所見があればお願いする。
A 野本警察本部長
全国のサイバー犯罪の情勢が県内に波及するのにほとんどタイムラグがないという特徴がある。
そのため、全国、特に警察庁などで取りまとめている様々な情勢や諸対策といったものを的確につかみ、県内に適用していくことが
重要だと思っている。
私自身、警察庁からこちらに着任したばかりであるので、良い機会と捉えて県内の対策にも力を入れていきたいと考えている。
意見 中尾委員
県民の皆さんにわかりやすい言葉で伝えていただくよう、よろしくお願いする。
Q 山下委員
先の2月定例会の委員会において、自転車に関する交通事故について質問した。
その時にも答弁してもらったが、また今回、交通部長の説明の中に、自転車に関連する事故が増加し、そのほとんどに自転車側
にも法令違反が認められるという説明があった。そして、良好な自転車の交通秩序の実現のため、安全教育や指導取締りを推進して
いくという説明があった。
この間、新聞を見ていたら、「自転車の違反許さん」という大きな記事があった。
ここにも、県警は自転車による交通違反の取締りを強化する、県警は施行前に交通ルールの理解を広げたいと書かれていた。
そこで改めて聞くが、自転車利用者による交通違反の取締りを強化した背景を教えてほしい。
A 谷端交通指導課長
自転車は、幼児から高齢者まで幅広い層が利用する身近な交通手段であり、国や県においても、その活用を推進している。
一方、本県における交通事故の発生状況を見ると、自転車の関連する事故が増加しており、そのうち自転車側にも何らかの法令違反
が認められるケースがほとんどで、自転車運転中の死亡事故も発生している。
このような自転車事故をめぐる情勢の悪化に歯止めをかけるべく、本年5月24日に改正道路交通法が公布され、自転車による酒気
帯び運転の禁止や、一定の違反行為を交通反則通告制度の対象とするなど、自転車の交通事故防止のための規定が整備された。
県警察としては、改正法の施行を目前に控え、県民の遵法意識の向上を図り、良好な自転車交通秩序を実現するため、従前の
交通安全教育や広報啓発等に加え、交通指導取締りの強化に取り組んでいるところである。
Q 山下委員
自転車利用者に対する指導取締り方針についてはどうか。
A 谷端交通指導課長
自転車利用者に対する交通指導取締りについては、指導警告により自転車利用者の交通ルールの遵守や交通マナーの向上を
図ることを基本方針としている。
しかし、指導警告に従わないなど悪質・危険な違反者に対しては、積極的に検挙措置を講じている。
Q 山下委員
自転車に関連する交通事故の背景に、自転車側に責任のある事故が多くなってきているということがあるが、自転車の交通ルール
周知に向けた今後の取組について教えてほしい。
A 谷端交通指導課長
現在、自転車利用者の交通ルールの遵守及び交通事故防止のため、並進や二人乗りなどの違反者に対し、和歌山県独自の取組として
「自転車等指導警告票」の交付による街頭指導を行っている。
また、警察本部安全教育班や各警察署により、小学校、中学校、高等学校等の各種学校のほか、企業や高齢者に対しても交通安全
教育を行っているところである。
県警察としては、引き続き、自転車の交通ルール周知に向けた安全教育、広報啓発等に取り組むとともに、悪質危険な違反行為に
対する交通指導取締りを強化していく。
要望 山下委員
悪質で危険な違反行為は、徹底的に取り締まってもらいたいが、子供、小学校、中学校、高校、企業、高齢者等に対する安全教育
や広報啓発等を徹底することが重要と考える。
県民みんなが等しく理解できるよう、自転車の交通ルール周知に取り組んでもらうことを要望する。
Q 中西副委員長
電動キックボードの運転について聞くが、先日、酒気帯び運転容疑で県内初摘発の記事を見た。最近よく電動キックボードを利用
している方を見かけるが、結構スピードを出して危ないと思うときがある。
酒気帯び運転以外に警察として検挙実績等はあるのか。
A 谷端交通指導課長
特定小型原動機付自転車の検挙の件であるが、昨年7月1日の改正道路交通法の施行以降、報道にあった酒気帯び運転以外には、
通行区分違反、いわゆる歩道通行で、昨年と本年で1件ずつの計2件を反則告知している。
Q 中西副委員長
山下委員からの質問でも自転車は危ないというルールづくりの話があったが、電動キックボードの安全対策やルール啓発の取組
は、今後どのように行っていくのか。
A 谷端交通指導課長
いわゆる電動キックボードの利用者への安全対策については、改正道路交通法により、特定小型原動機付自転車の販売やシェア
リングサービスを行う事業者が、販売や貸し渡しの際に安全教育を行うことが努力義務とされている。
県警察としては、これら事業者を早期に把握し、購入者等への安全教育が実効的なものとなるよう助言、指導を行っている。
また、関係機関・団体と連携し、街頭における広報啓発活動や高校生等に対する安全教育等様々な機会を捉え、守るべきルール
等の周知を行っている。
さらに、飲酒運転はもとより、通行区分違反、信号無視をはじめ、危険性が高く重大な交通事故に直結する違反の根絶に向け、
指導取締りを強化している。
今後ともいわゆる電動キックボードの普及状況を注視しながら交通安全対策に万全を尽くしていく。
●玄素委員長
◎所管事務に対する一般質問終了宣告
◎公安委員会審査終了宣告
◎休憩宣告
午前10時40分休憩
午前10時43分再開
●玄素委員長
◎再開宣告
◎地域振興部審査宣告
◎所管事務に対する説明要請
●赤坂地域振興部長説明
●玄素委員長
◎所管事務に対する一般質問宣告
Q 森委員
eスポーツの支援とはどのような支援を行うのか教えてほしい。
A 宮本デジタル社会推進課長
eスポーツの推進ということで、今年度新たな事業として始める。
内容としては、県立の高等学校にeスポーツをするためのパソコンを配備した。また、eスポーツはオンラインでゲームを
するので、オンライン環境を整えた。
ただ、学校のクラブ活動の先生もeスポーツのゲームについて詳しくない方もいらっしゃるので、今年度はコーチング、
そういった方の指導も受けながらやっていきたいと思っている。
その上で、成果を試す場として、どこかで、大会、地域への波及も含めたイベントを予定している。
要望 森委員
5年くらい前に県立高校でクラブを設立したいという相談を受けたときには、認知されていなかったが、ニーズが増えてくる
と、対応してもらえるようになり、いいことだと思っている。
音響などがすごく大切と聞いているので、要望があれば対応してもらいたい。
Q 森委員
観光客はコロナ禍前と比べ、9割を超えるほどの水準まで回復している旨の説明があった。
しかし、コロナ禍以降、和歌山-関西国際空港間のリムジンバスの本数が減便され、現在は1日4本しかない。また、最終便
の関西国際空港発が17時7分で、とても不便であるという声がたくさん届いている。
他の関西圏の路線を調べてみると、奈良県(JR奈良駅行き)が1日5本、最終便が20時32分であり、神戸は40本、京都は35本、
大阪の場合、大阪駅前行きは68本、あとは上本町駅や、海遊館やユニバーサルスタジオなど観光地に直結しているような路線
もある。
和歌山-関西国際空港便は、すごく不便だという声もあり、観光客も戻っているなら今一度増やしてほしいということと、
高野山に行く便は運休が続いているということなので、これから万博のお客様に和歌山へお越しいただいたり、聖地リゾート!
和歌山としての企画がたくさんある中で、観光地へ直結するような新しい便を入れてもらう、高野山に行く前にJR和歌山駅へ
ジョイントしてから行ってもらうなど、新しい道路もできているので何か対策を講じてもらいたいと思うが、現状はどうか。
A 大畑総合交通政策課長
和歌山-関西国際空港間のリムジンバスについては、新型コロナウイルスの影響で関西国際空港の利用者が激減したことに
より、令和2年以降、段階的に本数が減少している。新型コロナウイルスの感染流行は収束しつつあるが、今はバスの運転手
不足が問題になっており、かなり厳しい状況であると聞いている。
しかし、関西国際空港のリムジンバスは、県民や、和歌山を訪れる観光客にとって必要な移動手段であり、現在はリムジン
バスの利用者も少し回復傾向にあるため、引き続きバス事業者に対し、利用者の利便性向上の観点から働きかけていきたい。
要望 森委員
便数を増やしてほしいということと、リムジンバスの運行事業者が関西国際空港側と和歌山バスになっているので、和歌山
バスに協力いただき、運転手不足といわれると仕方ないように思えるが、ほかに対応策がないか考えてもらいたい。
A 林観光振興課長
観光地の直結路線については、これまで、県が中心となって、バス会社へ新規ルート開発を要望し、関西国際空港-高野山線
をはじめ京都駅-高野山線の開設が実現した。
このうち、関西国際空港から高野山行きのリムジンバスについては、関西空港交通株式会社が平成28年から高野山までの直行便
として県や高野町も一緒に応援しながら、令和4年まで運行していたが、先ほどの和歌山-関西国際空港線と同様、近年の運転手
不足や関西空港の乗場での荷物搬入係員不足も重なって、当該路線は現在、やむを得ず運休となっている状況である。
こういった、バス事業者の様々な事情はあるが、インバウンド需要も今後益々見込まれる中、県としては、引き続き事業者の状況
をヒアリングしながら、誘客の大切な手段として、運行再開を働きかけていきたいと考えている。
Q 山下委員
二地域居住について教えてほしい。
A 杉本地域振興課長
二地域居住や関係人口とは、定住とまではいかないが地域に複数回行き来しながら地域と関わる方のことである。二地域居住は、
より中長期に住んでいただくような暮らし方をしている方のことである。
二地域居住をPRするため、昨年県内で二地域居住をしている方の調査を行った。数十人にインタビューを行い、面白い方も
いらっしゃった。例えば、海外で仕事をしながら串本や古座川で地域の活動をされていたり、東京と那智勝浦町を行き来し、
那智勝浦町でヨガスクールをされていたり、いろいろな方がいらっしゃった。そういった方々に、より和歌山に来ていただくため
に県内の情報を発信している。
Q 山下委員
両地域でカウントするのか。
A 杉本地域振興課長
今は住民票ベースである。そのため、二地域居住をつかめる指標がなくカウントは難しい。よって、つてを頼ったり新聞を見な
がら発掘していく形になる。国の検討会の中では有識者の方から登録制度をつくったらどうかという意見も出された。そういった
ことも今後議論されていくと考えている。
Q 山下委員
大体分かった。国の推移を見守りながら和歌山県もこういったやり方を進めていくということか。
A 杉本地域振興課長
登録制度についてはそのような形と思っているが、登録制度がなくても和歌山に来ていただいて、地域に関わっていただきたい
という思いは強くあるので、和歌山県独自で情報発信や環境整備を進めていきたいと考えている。
●玄素委員長
◎所管事務に対する一般質問終了宣告
◎地域振興部審査終了宣告
◎休憩宣告
午前10時58分休憩
午前11時0分再開
●玄素委員長
◎再開宣告
◎商工労働部・労働委員会審査宣告
◎議案等に対する説明要請
●大川商工労働部長、田尻償還指導室長及び岡畑労働委員会事務局長説明
●玄素委員長
◎議案等に対する質疑及び一般質問宣告 質疑なし
◎議案等に対する質疑及び一般質問終了宣告
◎議案に対する採決宣告
◎議案第98号、議案第99号、議案第105号、議案第108号、議案第110号及び議案第111号については、全会一致で原案可決
◎商工労働部・労働委員会審査終了宣告
◎意見書案に係る協議宣告 質疑なし
◎意見書案に対する採決宣告 全会一致で可決
◎継続審査を要する所管事務調査宣告 異議なし
◎県内外調査について、正副委員長に一任
◎閉会宣告
午前11時19分閉会