令和6年2月和歌山県議会予算特別委員会会議記録(総括質疑1日目)


令和6年2月和歌山県議会予算特別委員会会議記録(総括質疑1日目)

 

1 日時   令和6年3月12日(火)午前9時58分~午後2時2分

2 場所   予算・決算特別委員会室

3 出席者  委員長   井出益弘

       副委員長  鈴木太雄

       委員    秋月史成、藤山将材、尾崎要二、玉木久登、玄素彰人、岩田弘彦、中村裕一、山下直也、山田正彦、

             尾﨑太郎、谷口和樹、藤本眞利子、長坂隆司、小川浩樹、中西徹、林隆一、奥村規子、川畑哲哉  

      欠席委員   なし

      委員外議員  森礼子、濱口太史、小西政宏

4 概要

   午前9時58分開会
    ●井出委員長
     ◎開会宣告 挨拶
     ◎報告事項 委員の欠席なし

     ◎傍聴協議 なし

     ◎撮影許可 4件

     ◎議事   議案17件

     ◎付託議案に対する質疑宣告

 

  Q 秋月委員
   1 南紀白浜空港滑走路延伸について
    ・滑走路延伸が見切り発車ではなく、地に足が付いた政策だと言える根拠はあるのか。
    ・何が何でも滑走路延伸をやり遂げるという、知事としての決意と覚悟がいかほどのものなのか。

 

  A 岸本知事
   一定規模の公共施設を新たに建設あるいは整備する場合は、まず、費用対効果を分析する。さらに、技術的な検証など

  を行って可能性を確認してからスタートさせる。
   熊野白浜リゾート空港の滑走路延伸についても、各種の調査が必要である。そのための調査費を今回提案していると理解してほしい。
   その上で、延伸の可能性があれば、その段階で地元市町村や関係者の人たちに、調査分析結果などを示しながら相談を始めるという

  段取りになる。そういう意味では、見切り発車ということはあり得ないと考えている。
   また、環境への影響については、法律に基づくアセスメントが必要であり、数年間の調査や評価が必要になる。必要な予算については、

  その都度、議会に諮って議論してもらうことになる。
   そして、熊野白浜リゾート空港の滑走路延伸については、空港運営会社、国際チャーター便の関係者から、インバウンドの誘客には

  必要であると伺っている。

   地元の経済界や自治体の関係者からも、滑走路延伸の可能性についての要望もたくさんもらっている。今後、地域の発展には、成長する

  東南アジアの活力や人口経済の中心である首都圏の経済力を取り込むことが不可欠であり、そのために熊野白浜リゾート空港の活用を

  図ることで直接的な経済効果を呼び込める。その方策としているので、地に足が付いた政策であると考えている。
   任期が4年とのことであるが、これまで任期を超える長期総合計画の立案をしているので、4年を超える政策について議論できない

  ということではないと考えている。
   知事査定の際に、「宣言」という言葉を使ったのは、強い思いが出たもので、表現としていかがなものかとの批判があれば甘んじて

  受けたい。調査分析の結果、延伸が否定された場合、その段階でこの事業は終了する。その場合、調査費用などは無駄ではないと思う。

  政策目的に一定の合理性があれば、可能性を追求するためのコストは必要である。
   一定の蓋然性のあるプロジェクトについては、成功に至らない場合でも、挑戦する立場を選びたい。その結果については、有権者の

  判断にお任せするしかないと考える。

  

  Q 秋月委員
   ・白浜町をはじめ隣接の自治体や、各種団体等から要望活動があったのか。
   ・要望書・陳情書等のようなものがあったのか。

 

  A 岸本知事
    陳情書という形でもらったものはない。
    「たくさん」の定義の問題はあるが、そういう声を住民からも、自治体の関係者からも聞いている。
   今回の調査の結果を示し、説明していく中で、陳情書に結びついていくのかは今後のことであると考えている。
   まずは、スタートしたいという趣旨で提案している。

 

  意見 秋月委員
   今議会でこの議案が承認されれば、滑走路延伸は次の段階に進むことになる。私も非常に期待している。地元自治体、住民、県議会と

  丁寧な対話をしながら進めてもらいたい。

 

  Q 秋月委員
   2 学校給食費の無償化について
    ・自助・共助ではなく県の公助として求めるべき政策効果は何か。
    ・市町村事業に県が敢えて補助する考え方について。
    ・今後、その施策効果をどのように客観的に見定め評価してPDCAを回していくのか。

 

    ●井出委員長
     ◎撮影許可 1件

 

  A 岸本知事
   県では、共働き、共育て、こどもまんなか社会を推進するために、前例にとらわれない大胆な施策を実行し、こどもを育む環境づくりを

  進めたいと考えている。
   学校給食費を無償とすることは、子育て世帯の経済的負担軽減に加え、学校等での給食費徴収に係る負担軽減につながる効果も期待

  できるとともに、和歌山県の少子化対策につながる攻めの施策ではないかと考えている。
   学校給食費無償化は、本来、ユニバーサルな子育て支援の政策であるので、一つの市町村の施策ではなく、住んでいる市町村ごとで

  差がでないようすべきであり、全国一律の実施が望まれる。従って、本来、国がやるべき施策であると考えるが、国は、2023年度に

  給食の全国調査を実施したところである。
   県としては、スピード感をもって対処していくことが必要であると考え、国の臨時交付金を活用して、国に先駆けて実施することを

  決断した。
   なお、学校給食費無償化の効果としては、保護者の経済的負担軽減、あるいは加重になっている給食費の徴収事務の負担軽減がある

  が、PDCAサイクルの回し方として、短期的な効果、あるいは少子化対策としては長期的な視点も必要だと思うので、これからしっかり

  と注視していきたいと思う。

 

  意見 秋月委員
   私と知事とでは、政策的なところ、特に給食問題では、思想が違うと思っていたが、一般質問や知事の答弁を聞くと、一致することが

  多いと感じ、理解はしているつもりである。
   ただ、後年度負担を強いる可能性もあるので、議会ともう少し丁寧に対話を深めていって、和歌山県のこどものためになることを

  どんどんやっていける議論を深めてもらえればありがたい。

 

  Q 玄素委員
   1 前年度比50億円マイナス計上となった道路建設予算について
    ・道路建設予算減額の方針を誰が決めたのか。今後も減っていくのか。

  A 福本県土整備部長
   道路関係の2024年度の当初予算案は、前年度同等額を計上している。
   その中で、南海トラフ地震などの大規模災害への備えが急務であり、緊急輸送道路上の橋梁耐震化やのり面強化、老朽化対策に

  重点配分している。
   この予算案については、県土整備部内で予算配分方針の検討を行い、知事査定などの予算編成手続きを経て決めたものである。
   今後も防災・減災対策や老朽化対策を進めるとともに、幹線道路網等の整備についても効率的、効果的に進められるよう、

  国土強靱化に係る国の補正予算も活用しながら道路建設に係る予算の確保に努める。

 

  意見 玄素委員
   予算の減額に対しては敏感になる人が多く、そのことについて説明し過ぎることはない。大きな政策変更であるとか、大きな事件、

  新政策といったものに対しては丁寧な説明をお願いしたい。いずれにしても、道路建設予算の確保に努めてもらいたい。

 

  Q 玄素委員
   2 白浜空港の滑走路延伸について
    ・滑走路延伸のために仮に500億円必要とした場合、そのうちの県負担は200億円と想定される。定期航路が増えることや

    チャーター便がたくさん運航することで、その投資額以上の経済効果があるという目算を示してほしい。

 

  A 岸本知事
   新たに公共施設を整備する際は、費用対効果を事前に確認し、必要と認められた事業のみが実施されるという立て付けである。
   今般、スタートするかどうかの判断をするに先立ち、費用対効果も含め、調査分析を実施したいということで、提案している。
   地域の発展には、首都圏や東南アジアの経済力を取り込むことが不可欠であり、熊野白浜リゾート空港の活用のために何が

  できるのか、いろいろな角度から検討しなければいけないと考えている。
   なお、トータルの投資額については、これから調査分析するので、予断を持って言うことはできないが、費用対効果や事業の実現性が

  認められて、滑走路延伸が可能であるということになれば、それらのことを相談しながら進めていければと考えている。

 

  意見 玄素委員
   半島にある空港は、都市近郊の空港と比べ、取り巻く商圏人口も含め、どうしても優位性に欠けるところがあると思う。九州佐賀

  国際空港の場合、佐賀県は、副課長150人に併任辞令をかけ、毎年5か所位ずつ営業をしたり、1千円でレンタカーに乗れるサービスや、

  それに加えて、2700社ほど空港を応援してやろうといった企業群がある。旅行商品を作ったら、県が補助金を出すというようなことも

  やっている。そうしたソフトの面をある程度充実させた上で、滑走路を延長しようということであれば分かる。九州佐賀国際空港も滑走路

  の500m延伸を進めているが、事業費は120億円、福岡空港にも近く立地的によい。そうしたところと比較すると、やはり優位性に欠ける。

  そうであるならば、仮に500億円使うのであれば、その100分の1の5億円でいいので、毎年1億円ずつ5年間にわたりセールス環境を

  整えてからではないか。知事の意気込みは分かるが、この計画に対して、今のままでは賛同しかねるということを言っておく。

 

  Q 玄素委員
   3 能登半島地震に伴う和歌山県内の公営住宅の提供にかかる予算について
    ・今年度は、広域避難者向けに予備費を確保したが使用実績がないため、来年度の予算運用について見解を問う。

 

  A 福本県土整備部長
   2024年度の当初予算案については、備品調達にかかる経費は計上していないが、仮に申込みがあった場合には予備費を含め、状況に

  応じて必要な予算を確保するなど適切に対応したいと考えている。

 

  意見 玄素委員
   今回、予算を計上していないということだが、これこそ、1軒2軒来られる可能性があるのだから、その分を確保して議会に諮るべき

  だと思う。その上で、やはり広域避難は難しいので、あらかじめ、それぞれの市町村で避難所を確保することが必要であるということを

  言っておく。

 

  Q 玄素委員
   4 広域的な幹線林道の着手について
    ・今後の幹線林道の路線数や整備期間の予定について。

 

  A 山本農林水産部長
    今後の広域的な幹線林道の整備については、市町村から要望された林道を森林資源量や林道規格等により整理し、来年度に策定する

  和歌山県林道整備計画の中で位置づけ、計画的に進めていく。

 

  Q 玄素委員
   5 農業の県単独事業の減額について
    ・補正で対応するので心配ないと言ってくれるなら納得、安心するけれども、知事の所見を聞きたい。

 

  A 岸本知事
    玄素委員から話のあった2つの事業については、省力化や高品質生産等に取り組む農業者の設備投資を支援し、収益性の高い農業を

  実現するための大変重要な事業と認識をしている。
    一方で、政策というのは常に効果と費用を見直していかなければならないということで、今回見直しをした。
    今回は、災害に強い園芸用ハウスの整備、あるいは先端技術を活用したスマート機器の導入などに重点をおいて支援対象を精査し、

  絞った結果として、必要な経費を計上したところである。
   なお、当然のことではあるが、玄素委員指摘のとおり、仮にこの予算案が認められ、事業を執行する中で、特段の事情が生じた場合には、

  当然その時々の状況により判断し、議会に相談することは、当然のことと考えている。

 

  意見 玄素委員
   何か煙に巻かれたようなイメージであるけれども、そういった答弁があったということで、私の政務活動レポートには書きたいと思う。

 

  Q 玄素委員
   6 トイレトレーラー、防災コンテナの購入について
    ・トイレトレーラー、防災コンテナの将来的な購入予定台数は。
    ・平常時及び緊急時の設置場所や運用方法は。
    ・事業者によるデモンストレーション等を活用できるのではないか。

 

  A 福田危機管理監
   台数は、知事答弁のとおり、一例として市町村で1台だと30台ということになる。災害発生時の避難者数等を踏まえ、整備台数を今後

  検討していきたい。
   平常時及び緊急時の設置場所や運用方法についても、現場で考えることもあるかと思うが、これからしっかりと検討していく。
   事業者が整備し、貸し出すことも選択肢の一つであると思う。検討の中に加え、しっかりと検討していく。

 

  意見 玄素委員
   民間がやってくれるのであれば予算を落とせばよいだけだから、検討してもらいたい。トイレトレーラーについては、事業者が

  「今度、県予算に計上される。」と言って市町村を回っていると聞いたりもする。
   また、2月13日の知事記者会見において、「仮に10台購入しても足りないので、キャンピングカーについて民間の会社と話をしている。

  グリーンボンドやPFIを使って、平時は民間の会社が運営して関西国際空港のどこかに置いて、緊急事態になれば皆さんのところに配置

  できるようにするというようなことも今会社とやっています。」というような文章を見た。私はあまりピンとこなかったが、和歌山市内の

  議員で、「知事のお知り合いのあの会社かな。」というようなことを言う人もいる。そんな誤解を生じないためにも、一体的な防災対策の

  エンドを見据えた上で防災対策を行ってもらいたい。

 

  Q 玄素委員
   7 こども食堂の予算計上について
    ・こども食堂の補助金について、今年度の執行率が低いにもかかわらず新年度に3000万円が計上されている根拠について

    示してほしい。

 

  A 今西福祉保健部長
   こども食堂については、全てのこどもに居場所ができるよう、全小学校区への設置を目指している。現在、70か所あるこども食堂が、

  あと2年で約200か所となるように、2024年度は50か所、2025年度は80か所の新規開設を目標とし、補助金の予算額を積算したもので、

  現時点で、来年度の開設に向けた相談が27か所から寄せられているところである。
   1月のトップセミナーを機に市町村の理解も進んでいるところであり、来年度からは振興局に窓口を置き、市町村との連携を一層強化

  し、必要としている団体等に活用してもらえるよう、周知していく。

 

  意見 玄素委員
   27か所から相談があったということで、相談は結構であるが、相談はしても出来ないということもあると思う。こども食堂を取り上げた

  「きのくに21」も見たが、成功事例ばかりで、大変なところは取り上げていなかった。もう少し現実をきちんと見てもらったらいいのでは

  ということも感想として言っておく。
   200の小学校区すべてに作りたいという知事の思いはよく分かるし、相対的貧困率が15.4%まで上がっている中で、何とかしなければ

  ならないというのもその通りだと思う。
   ただし、実施する方の善意に乗って行う事業なので、事業をする方のサポートをしなければ、持続可能なものになりにくいと思っている。

  それが予算消化にもつながってきていると感じている。
   例えば、こども食堂の名前だが、貧困と見られるからということで気にしている人も、現実問題あると思う。全く違う地域のこども食堂に

  行くという話を聞いたりもする。この補助金の使い勝手も、資機材購入はよいがランニングコストには充てられないなど、結構縛りがある。

  補助金の実績報告も量が多い、面倒だということも聞いたりする。こども食堂の名前も、知事は地域のコミュニティ強化ということで政策

  を持っていこうとしているし、実際そうだと思うが、そうであれば名前の変更も含め、和歌山版のこども食堂を、自分たちで考えて設計し

  直したらいいのではないかと思っている。もっとブラッシュアップしないと、一旦は知事の政策に賛同してできたが、結果として続かなく

  なるということを心配しており、その懸念を伝えておく。

 

  Q 玄素委員
   8 婚活関連イベント予算の廃止と今後について
    ・知事は婚活事業の今後についてどのように考えているのか。

 

  A 岸本知事
   答える前に一点誤解を解きたい。こども食堂という名称に関わらず、何食堂でも補助金が出るので、その点について誤解のないように

  お願いする。
   それでは、質問に答える。そもそも結婚する人が減っているので、日本では少子化が進んでいるというのが学者の分析である。
   結婚できない理由は色々であり、様々な調査によれば、所得が低い、非正規で働く、未来がない、そういった中で結婚する人がどんどん

  減ってきていると思うが、結婚するかしないかは最も大事な個人の判断領域に属するものだと思う。
   国が結婚しろという価値観を押し付けてはいけないと思う。こどもを産むか産まないかも同じで、産めよ増やせよということに国が関与

  するものではない。
   ただし、結婚すると非常にサービスが行き届いていたり、様々な県の行政サービスがあったり、あるいは、こどもを産んだら様々な子育て

  支援があるというようなことを行政が準備することは必要だと思う。価値観を押し付けてはいけないというのが前提としてある。
   その上で、政策としての費用対効果を検証したところ、費用ほど効果がこれまで出てなかったということがあり、さらに、民間の婚活

  サービスが非常に充実してきており、今発言のあったマッチングサービスで結婚する人がとても増えているので、わざわざ県でやるのが

  どうかと考えたわけである。
   いずれにしても、県としては、国の「こども未来戦略」の個々の施策に、足並みを揃えて取り組んでいくが、まずは、こども・子育て支援

  に注力をしたいと考える。

 

  意見 玄素委員
   本当に個人の判断に委ねられるというのはそのとおりだと思う。ただ、昨年の6月議会で人口減少の質問をした時に、結婚をしたいか

  どうかのアンケートを取った時に、だいたい9割近い男女が結婚したいという答えが返ってくるが、現実はそうはなっていない。
   先ほどの知事の答弁の中にあったが、所得の問題が大いに起因してくる。むしろ、今の社会構造を作った国や行政が、そういう状況を

  作ったということがあるからこそ、国は婚活マッチングサービスに対して3分の2の補助金を出していると思っている。やりたくないの

  ではなくて、やりたいけれどできないという現実があるということを、ポイントとして一つ押さえておいてほしい。
   その上で、私も首長をしていた時、民間のマッチングサービス等と提携したことがある。別に行政がやらなくても、和歌山県がそういう

  ところに対して、しっかりとポイントしてるとアピールが必要だろうし、人口減少問題は色々な要素でできていると思うので、そこを

  抜いてしまうのはどうかと思う。例えば、東京都と愛知県は今年からAIマッチングを始めるそうだ。沖縄県はマッチングシステムをやる

  そうだ。東京都は卵子凍結に対し要望があったので、昨年度の何倍もの予算を組むそうだ。山梨県は婚活のためのセミナー開催費を

  補助金で、岡山県は同窓会に補助金を出す。全て出会いのためにお金を出しているものである。和歌山県が1歩も2歩も引くような

  結果は、すなわち人口になって現れてくるので、忘れないようにしてほしい。

 

  Q 玄素委員
   9 給食費の無償化と財源確保について
    ・物価高騰に充てる交付金の使い方は適切か。また、ほかに使うべきところはなかったか。
    ・この事業を継続していくために、年間約13億円程度の安定的な財源が必要と思うが、どう賄っていくか。

    市町村事業に県があえて補助する考え方について。

 

  A 岸本知事
   物価高騰の影響を受ける事業者や生活者に対する支援について使うべき、物価高騰に充てる交付金ではないかということであるが、

  これは実際にLPガス支援や特別高圧電力支援など、その辺に目配せした予算にしていると考える。
   財源として、2024年度予算案については、臨時交付金を使っている。
   学校給食費無償化は、ユニバーサルなサービスのため、本来国がやるべきものであると考えているので、引き続き、全国知事会や

  関西広域連合を通じて、強く要請していきたい。少なくなくとも、2023年度に行われた調査の結果が出るので、それで国の判断が

  どうなるか、ということだと思う。
   そうでない場合、秋月委員に答えたとおりであるが、なかなか始まったものをやめるというわけにはいかないと考えるので、中身

  ついては10月まで各市町村とも相談しながら詰めた上で、財源についても、しっかりと各年度、単年度、単年度の予算編成の中で

  捻出するように努力をしていきたいと考えている。

 

  意見 玄素議員
   私もこれは国がやるべきだと思うし、将来的には国がやるようになると推測をしている。
   その時に気になるのは、大阪府は、高校無償化をやっている。仮にそこへ給食費無償化になれば、大阪府、奈良県は、高校の無償化

  と給食費の無償化をやることになる。和歌山県は「財源が減らなくてよかった」「使わなくなってよかった」と手を挙げて喜んでくれ

  るのかわからないが、やはり、給食無償化の次の子育て世代の戦略を打っていかないと、周りと比較をされてしまうということを、

  私は懸念している。浮いた財源を補填のために使ってもいいとは思うが、財政に機動力を持たせる。今のやりくりを見ていると賢い

  やりくりというよりか、場当たり的でしかないのかなと思えてならない。
   もっと知事が動きやすいような環境を作るためにも、これを県費で、削減をするということは、知事が嫌われることになるわけだが、

  そこは果敢にやってほしい。

 

  Q 玄素委員
   10 地域振興部を設置するねらいについて
    ・地域振興部を設置するねらいについて、知事の見解は。

 

  A 岸本知事
   大きな規模の組織改正をお願いしているが、地域の振興局が大事だということを中心に理念的なことを言っているところであるが、

  今回の改正案はボトムアップになっており、実際に担当が委員会を作って議論し、その案を私が尊重するという作り方をしているこ

  とを、まず伝える。
   人口減少に伴って生じる地域課題解決に向けた効果的な取組を推進するためには、地域経済や社会に密接した観光政策、デジタル

  化政策と、地域づくり、移住交流の推進や、地域交通といった地域振興政策を一体的に推進することが必要であると考えた次第である。
   また、観光というのは地域の文化や歴史、伝統などの「物語」というのが非常に重要になってくる。さらに地域住民とのふれあいと

  いうツアーもあるわけであり、そういう意味で今後の観光振興は地域振興部との親和性が強いと考えた次第である。
   来年度の当初予算案では、地域の人や団体を支援する施策に加え、魅力ある観光地域づくりなど、地域の課題解決のための施策を

  盛り込み、新たに任命する地域振興部長の下で効果的に実施していきたい。

 

  意見 玄素委員
   スタートしたばかりなので評価するのは早いとは思うが、財源と情熱を入れて結果を出してこそ、それが正しかったと言えるので、

  仏作って魂入れずということのないようにしてほしい。部長を3つ増やすということは、求心力を高めるという一方で、単に増やす

  だけでは部長ポストを作るためだと言われかねないので、今後に期待したい。

 

  Q 玄素委員
   11 財政危機警報への対応について
    ・昨年度、実質的な公債費が今後10年において約211億円増えていく旨報告された。来年度予算の編成を終えて、財政収支

    見通しにおける収支不足はどのようになっているのか。
    ・今後、収支不足の改善に向けた具体的プランがあるのか。

 

  A 吉村総務部長
   昨年度作成した財政収支見通しと比較した場合、今回の見通しでは、2025年度まではやや改善しているものの、2026年度以降は、

  物価や金利、賃金の上昇を背景とした、人件費、公債費の増加等によって、さらに厳しい見通しとなっている。
   収支改善について、県の予算の編成は、県民に税等の負担をお願いして、その使い途を決めるため、その性格を踏まえ、歳入と歳出

  のバランスに目を配りながら、財政負担の平準化、事業の見直しや事業の適性化などに取り組む必要があると考えている。何とか

  安定的な財政運営ができるよう、不断の財源捻出に努めていく。

 

    ●井出委員長
     ◎休憩宣告
   午前11時35分休憩

 

   午後1時0分再開
    ●井出委員長
     ◎再開宣告

 

  Q 玉木委員
   1 わかやま医療版ワーケーションについて
    ・休暇中に和歌山県に来て働いてくれる医師はいるのか。
    ・どのような事業スキームになっているのか。

 

  A 今西福祉保健部長
   全国的な医師偏在により、首都圏では若手・中堅の医師が多く在籍している。 こうした医師の中には、家族との時間を持ちながら

  地域医療にも貢献したいというニーズがあり、週末等に地方の医療機関で宿日直等に従事している先進事例がある。 
   熊野白浜リゾート空港は首都圏からのアクセスも良く、利便性が高いことから、このような医師を一定数確保できると考えている。
   本事業は、県内病院の医師不足や常勤医師の負担軽減を図るため、民間派遣会社を通じて、休日勤務が可能な非常勤医師を県外から

  確保する取り組みである。
   また、県外医師と県内病院とのマッチングのみならず、宿泊先や交通手段、観光コースなどをパッケージで手配することにより、

  県外医師が利用しやすいものとしている。
   まずは、周産期医療や救急医療を対象に、紀南エリアで取り組み、実績を積み重ねることにより、常勤医師として県内定着に

  つながればと考えている。

 

  意見 玉木委員
   うまくいけばよいと率直に思う。
   先週土曜日に、有田地域で新しく開院する産院の記念イベントがあった。有田市立病院で勤務していた島根県出身の医師が1名

  で運営する。「有田に最後まで残って産科医を続けたい。」という挨拶を聞いて感動した。産科医が不足する中で、そういう医師

  がいることはうれしいことである。
   県立医科大学も産科医の育成に取り組んでいるが、「そういう先生の下で有田で産科医を」という希望を持っているので、

  よろしくお願いしたいと思う。
   多くの医師に和歌山県の現状に目を向けてもらえればと思う。

 

  Q 玉木委員
   2 産業を支える人づくりプロジェクトについて
    ・「産業を支える人づくりプロジェクト」について、どのような取り組みをしているのか。

 

  A 三龍商工観光労働部長
   「産業を支える人づくりプロジェクト」は、企業と連携した人材育成を通じ、高校生の県内就職に取り組む事業である。
   具体的には、就職を希望する高校3年生を対象とした「応募前企業ガイダンス」の開催や、各高校単位での企業説明会、企業見学、

  技術指導、企業経営者による講話などを実施している。
   また、県内就職のメリットや県内企業の魅力を伝えるための「高校生のための就職ガイド」を配布するとともに、県内企業の

  紹介動画や就職活動に必要な情報をポータルサイトに掲載するなどウェブを活用した就職支援を実施している。
   県としては、高校生に多くの県内企業を知る機会を提供し、県内就職を意識してもらうことが必要と考えており、引き続き

  「産業を支える人づくりプロジェクト」を推進することにより、県内産業を支える人材の確保に取り組んでいく。

 

  Q 玉木委員
   3 サーキュラーエコノミー型ビジネスモデル創出について
    ・廃食油回収について、どのようなスキームでの回収を考えているか。

 

  A 三龍商工観光労働部長
   県では、サーキュラーエコノミー、いわゆる循環型経済とも言うが、その実現に向けた取組の第一弾として、今は捨てられて

  しまっている家庭用廃食油を回収し、ENEOS和歌山製造所で事業計画が進んでいるSAFをはじめ、脱炭素に資する燃料等に

  再利用する仕組みの構築を目指すこととしている。
   具体的には、スーパーや公共施設等、市民にとって利便性の高い場所に設置した回収拠点に、家庭用廃食油を、専用の繰り返し

  使えるボトルに入れて持ち込んでもらう、という回収方法を検討している。
   来年度の実証は、和歌山市、海南市、有田市の3市にエリアを限定して実施する予定であるが、翌年度以降は、実証エリアを

  拡大し、将来的には民間事業者による自主事業化を目指す。
   委員指摘のとおり、本取組は、市民の協力なくして成り立たないものであるため、協力してもらいやすい回収の仕組みは

  どのようなものか、どのように周知広報することが効果的なのか等についても、実証事業の中で検証するとともに、市民への

  普及啓発に努めていく。
   今回、取組の第一弾は廃食油であるが、これがうまくいけば、今後、廃プラスチックやCO2など他の未利用資源にも横展開し、

  第二弾、第三弾の循環型経済のビジネスモデルが創出できるように検討を進め、和歌山が循環型経済の先進地域となるような

  仕組みを考えていく。

 

  意見 玉木委員
   今朝の毎日新聞に、有田市、ENEOS、サントリーホールディングスが循環経済実現に向けて包括連携協定締結という記事が載っていた。

  廃食油からSAFを作る、その過程で出てくるバイオナフサをペットボトルの原料とするとのことで、サーキュラーエコノミーということが

  現実化していると感じる。
   サーキュラーエコノミーの取組について自身のSNSで発信したところ、新聞配達を経営している人から提案があった。新聞配達は、

  1軒1軒家を回るので、油を出しておいてもらえたら、それを回収して1か所に集めて、そこに業者が取りにきてもらえるということに

  自分たちも参画できないかということであった。
   残念ながら有田市ではなかったが、そういった取組もこちらから働きかけたりすることが大事である。ありとあらゆる形で回収する

  システムと県民への周知をお願いする。

 

  Q 玉木委員
   4 農業担い手対策について
    ・親元就農者への新たな支援策の内容は。

 

  A 山本農林水産部長
   県では、これまで国などの支援策を活用し新規就農者の確保に取り組んできたところである。近年の新規就農者は150人前後で推移

  しており、そのうち親元就農は約4割を占めている。
   国は、親元就農について、経営リスクが少ないなどを理由に給付金の対象としていない。しかしながら、親から栽培技術や知識を

  含め経営を継承できるなど、就農後の定着や地域の様々な活動の担い手として大いに期待できると考えている。
   そこで、親元就農者の確保及び定着を促進するため、来年度から、年齢などの要件はあるが、県独自で親元就農者の経営開始時に

  50万円の資金交付を行う予定である。
   今後も、これらの支援策を積極的に活用し、新規就農者の確保に努めていく。

 

  意見 玉木委員
   親元就農への支援は本当に有効な策であるので、今回は50万円だが、これを拡充するようにお願いする。

 

  Q 玉木委員
   5 次代につなぐ漁村づくり支援について
    ・拡充された支援の内容について。

 

  A 山本農林水産部長
   県では、漁業の担い手を確保・育成するため、これまで「次代につなぐ漁村づくり支援事業」により、漁協が新規就業者を対象に実施する

  漁業研修などを支援してきた。
   具体的には、研修生への給付金や指導者への謝金、ライフジャケットの購入費等への補助を行ってる。
   一方で、漁業就業時には初期投資などの負担が大きいため、来年度から漁船・漁具の整備等への支援の拡充を考えている。
   今後も、担い手の確保・育成の取組を推進するとともに、本県水産業の活性化に取り組んでいく。

 

  意見 玉木委員
   こういう制度は非常に重要である。今後も拡充をお願いする。

 

  Q 玉木委員
   6 空き家対策の促進について
    ・令和6年度の空き家対策予算にワンストップ相談窓口の設置や未利用建築物の除却・跡地活用などが挙げられているが、

    その内容について。

 

  A 福本県土整備部長
   市町村が空き家対策に効率的かつ効果的に取り組めるよう、各種支援に係る経費を2024年度の当初予算案に計上している。
   まず、2024年度から設置予定のワンストップ相談窓口については、多様な相談に一元的に対応することで、相談から対策への

  移行率を高めることなどを目的とし、各種専門家が必要に応じて現地調査や対策に係る提案書の作成を無料で行うものである。
   次に、未利用建築物の除却・跡地活用補助については、観光振興やまちづくりの観点から支障となっている保安上危険な

  大規模廃墟などを除却し、跡地の有効活用に取り組む市町村を支援するもので、これまでに廃旅館等の除却に活用されている。
   この他、県が主体となり設立した全市町村や関係団体等からなる空家等対策推進協議会を引き続き運営し、所有者等を指導

  するための基準類や啓発リーフレットの作成並びに相談会等を実施することとしている。
   これらの取組により、市町村を積極的に支援していく。

 

  Q 小川委員
   1 地域振興策について
   (1)振興局地域づくり支援課題解決促進事業について
     ・各振興局からの発案事業等について、どのようなプロセスを経て決定したのか。また、その概要は。

 

  A 赤坂地域振興監
   今後の地域社会においては、人口減少や高齢化がさらに深刻化し、人手不足やインフラの老朽化など、様々な課題や資源制約が

  顕在化することが予想されている。
   このような中、持続可能な形で住民生活を支えていくためには、振興局がより細やかに地域の実情を把握し、地域課題に向き合い、

  主体的かつ迅速に地域振興策に取り組むことが重要となる。
   このため、市町村や地域住民と密接に関わる中で把握した課題の解決に必要な事業を、振興局自らが立案し、本庁地域政策課が

  とりまとめた上で、当該事業の有効性などについて関係部局と協議を行い、予算計上したところである。
   こうした過程を経て、2024年度の当初予算案では、地域づくりに取り組む人材や団体を育成する事業や、地域資源を活用した

  広域観光事業、さらには、各振興局への地域おこし協力隊の配置などを行うこととしている。

 

  意見 小川委員
   今回の組織再編については、体制の変化のみならず振興局職員の意識改革が必要である。予算要求を本庁に向かってできる権限を

  振興局に与える以上、地域活性化の主体者として能動的に仕事を行う相当な意識が必要である。県当局としても地域振興に大きく

  役立っていくものであると考える。ハードルは高いが期待しているため、よろしくお願いする。 

 

  Q 小川委員
  (2)地域おこし協力隊について
    ・振興局に新たに導入される地域おこし協力隊の役割について問う。

 

  A 赤坂地域振興監
   地域が抱える多様で複雑な課題に、振興局が対応するためには、必要な予算の確保に加え、人的体制の強化が必要であると

  認識している。
   そのため、外部の多様な視点で地域を捉え、機動的に地域課題に向き合う人材として、各振興局に、それぞれの課題に対応

  した地域おこし協力隊を1名ずつ配置し、地域を支援する振興局の機能を強化したいと考えているところである。
   こうした取組を通じて、より一層、個性豊かで活力ある地域づくりを推進していく。

 

  意見 小川委員
   地域おこし協力隊として採用されながらも、地域とうまくマッチングできなかった人を多く見てきた。
   単に外部の多様な視点を取り入れて地域の役に立ってもらうという発想ではなく、採用された協力隊が定着できるよう、

  各振興局において、人選や受け入れる地域の状況も丁寧に見ながらこの施策を作り上げてもらいたい。

 

  Q 小川委員
   2 南海トラフ地震対策について
   (1)住宅耐震化について
     ・沿岸部に近い旧市街地ほど耐震化が進まない状況にあると分析するが、どのように考えるか。
     ・耐震化の進まない沿岸部旧市街地地域への促進に向けての取組、対策について。

 

  A 福本県土整備部長
   委員分析のとおり、沿岸部に近い旧市街地は、古い住宅を所有する高齢者が多く、津波による被害も想定されるため、耐震化が

  進みづらい状況にあると認識している。
   加えて、こういった地域では道路が狭いことも多く、家屋等の倒壊による道路閉塞が、避難や救助活動の支障となることが懸念される。
   こうしたことから、耐震改修に加え、耐震ベッド、耐震シェルターの設置や家具固定、並びにブロック塀の撤去等に対する幅広い

  支援制度を準備し、戸別訪問などにより普及啓発に取り組んできている。
   今般の能登半島地震を受け、これまでの取組に加え、さらなる制度の普及に向けた周知・啓発方法などについて、市町村や関係団体と

  検討を開始したところであり、その議論の場において委員の問題意識を共有し、地域の実情に応じたきめ細かな対策も検討していきたい

  と考えている。

 

  Q 小川委員
  (2)津波困難地域の解消について
    ・南海トラフ巨大地震と、東海・東南海・南海3連動地震における、津波避難困難地域解消に向けた、現状と取組について。

 

  A 福田危機管理監
   県では、2014年に、津波による犠牲者をゼロとするため、「津波から『逃げ切る!』支援対策プログラム」を作成し、

  「東海・東南海・南海3連動地震」及び「南海トラフ巨大地震」の津波浸水想定を基に、地震発生から津波到達までに安全な場所への

  避難が困難な地域を「津波避難困難地域」とし、2024年度の解消を目指して、対策を進めている。
   まず、3連動地震に係る津波避難困難地域については、22地区のうち16地区が解消し、残り6地区においても、護岸の嵩上げ工事

  や津波避難タワーの設置、避難路の整備などの解消策に既に着手しており、2024年度の解消を目指し取り組んでいるところである。
   次に、巨大地震に係る津波避難困難地域については、61地区のうち、11地区が解消しており、残り50地区の中には、

  津波避難タワーの設置等により解消できる地域もある。
   しかしながら、津波が高く到達時間が短い地域では、逃げる時間を確保することができず、解消が困難であることから、高台移転

  などの地域改造も含め関係市町と対策の検討を改めて行う必要があると考えている。

 

  Q 小川委員
  (3)市町における津波避難計画の策定について
    ・地域ごとの津波避難計画について、現状と今後の取組は。

 

  A 福田危機管理監
   津波避難計画には、津波からの避難方法など基本的な取組を定める「市町村における津波避難計画」及び、住民が避難先

  などを話し合い、具体的な避難行動を定める「地域ごとの津波避難計画」がある。
   総務省消防庁が定めた「市町村における津波避難計画策定指針」及び「地域ごとの津波避難計画策定マニュアル」に、

  地方公共団体、地域住民、防災関係機関等が一体となって津波避難計画の策定に取り組むことが示されている。
   これら消防庁の指針等に基づき、2015年に「和歌山県津波避難計画策定指針」を作成した。
   本計画の策定対象となる19市町のうち、「市町における津波避難計画」は全19市町で策定済み、「地域ごとの津波避難計画」

  は、対象となっている全地域で策定済みが8市町、一部地域で策定済みが6市町となっている。
   「地域ごとの津波避難計画」を策定するにあたり、県の指針において住民によるワークショップ開催を求めており、開催経費を

  「わかやま防災力パワーアップ補助金」によって財政支援するとともに、県職員をアドバイザーとして派遣している。
   今後も、津波災害が発生した時に住民等が安全に避難できることを目指し、対象となる全ての市町が「地域ごとの津波避難計画」

  を作成するよう、引き続き支援していく。

 

  Q 小川委員
  (4)福祉避難所について
    ・福祉避難所の設置状況と、県としての今後の取組は。

 

  A 今西福祉保健部長
   福祉避難所の設置状況については、2024年1月現在、県内30市町村で295か所が指定されている。
   福祉避難所の設置にあたっては、国及び県が策定した「福祉避難所設置ガイドライン」に基づき、市町村が、関係団体と調整し、

  物資機材の確保、支援人材の確保、移動手段の確保などを行うこととなっている。
   県としては、毎年、市町村に対し福祉避難所の設置・運営状況を調査し、災害時に円滑な開設が行えるよう状況把握を行うとともに、

  事業所等に対し、福祉避難所として協力してもらえるよう働きかけていく。

 

  意見 小川委員
   市町村も要配慮者全員を受け入れることができる福祉避難所の設置については、相当苦労しているようである。県としても市町村と

  協力しながら、福祉避難所の設置についてよろしくお願いする。 

 

  Q 小川委員
  (5)児童・生徒への啓発について
    ・小中学校を通じての児童・生徒に対する啓発の現状と今後の取組は。

 

  A 宮﨑教育長
   近い将来、南海トラフ巨大地震の津波が危惧されている本県では、児童生徒の命を守るための防災教育は極めて重要である。
   小・中学校では、地震や津波の避難行動に重点をおいた「防災教育指導の手引き」や「津波防災啓発リーフレット」を授業等で活用し、

  地域の特色にあった防災教育を進めている。
   また、教職員に対しては、被災経験者を講師とした研修会を実施するなど、災害時に児童生徒を守るため、素早く適切に対応できる

  教職員の育成に努めている。
   委員指摘のように、東日本大震災の記憶の風化や防災の取組についての形骸化も懸念されるが、元旦の能登半島地震により、改めて

  災害の恐ろしさを目の当たりにしたところである。
   こうしたことを踏まえ、今後も、防災教育のみならず、あらゆる教育の機会を通じて、命を守る土台となる生命尊重の精神や、自らの

  安全を確保するための行動力を育む教育の充実を図っていく。

 

    ●井出委員長
     ◎散会宣告
   午後2時2分散会
 

 

 

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