令和5年12月和歌山県議会文教委員会会議記録
令和5年12月和歌山県議会文教委員会会議記録
1 日時 令和5年12月14日(木)午前10時0分~午前11時59分
2 場所 第6委員会室
3 出席者 委員長 藤本眞利子
副委員長 藤山将材
委員 三栖拓也、山田正彦、坂本 登、中西 徹 、林 隆一
欠席委員 なし
委員外議員 なし
4 概要
午前10時0分開会
●藤本委員長
◎開会宣告 挨拶
◎報告事項 委員の欠席なし
◎傍聴協議 1件
◎撮影許可 3件
◎議事 議案4件、継続審査を要する所管事務調査7件
◎教育委員会審査宣告
◎議案等に対する説明要請
●宮﨑教育長説明
●藤本委員長
◎議案に対する質疑及び一般質問宣告
Q 中西委員
来年度の県立高等学校の入学選抜における一括募集について、いくつかの学校で複数の学科を一括して募集する、いわゆるくく
り募集を行うことが発表されていると思うが、その狙いを教えてほしい。
A 下村県立学校教育課長
来年度、複数の学科を一括して募集する学校は4校あり、笠田高校、粉河高校、海南高校海南校舎、箕島高校である。複数の学
科を一括して募集することによって、中学生は受検の時点だけではなく、高校入学後に学科ごとに体験授業や丁寧なガイダンスを
受けた上で、自分の所属する学科を決定することができる。このことによって、生徒と学科のミスマッチを避けて、生徒の興味・
関心や適性等に応じた学科選択ができると考えている。
意見 中西委員
私の地元では、海南校舎がくくり募集を行うということで、普通科と教養理学科が一括募集を行うと聞いている。海南高校と言
えば、以前スーパーサイエンスハイスクールの指定を受けた実績等もあると聞いており、私自身は、この一括募集についてはよい
と思っている。
というのは、皆さん普通科志向で、中学校のときに将来が決まっていない子が、高校へ行くときに、どちらか分からないから普
通科に行っておこうと思い、そちらに走ってしまうと思う。こうやって一括募集をして、教養理学科と普通科が一緒になるという
ことは、間口が広がるということなので、しっかり取り組んでもらいたいと思う。キャリア教育のためにも、しっかり取り組んで
ほしい。
Q 中西委員
大阪・関西万博への子供たちの支援について伺う。大阪府は地元開催ということで、高校生まで1回招待するということを決定
している。私も、この万博は子供たちにとって、将来記憶に残るレガシー的な効果もあるので重要と考えているが、大阪のように
積極的に、和歌山県も子供たちへの入場招待支援などを行うべきではないかと考えているが、県としての対応はどうなっているか
伺う。
A 藤戸総務課長
万博への支援策等については、現在、知事部局の万博推進課が中心になって検討を進めている。子供たちへの支援については、
現在、小・中学校に対するチケット代・バス代の支援について検討しているところと聞いている。
要望 中西委員
小・中学校ということは、高校生は含まないということで分かった。しっかり、これも取り組んでいってもらいたい。
Q 中西委員
先ほど教育長の説明にもあったが、職員採用について、一般職の採用については、和歌山県は大きく変化するように聞いている。
教職員の採用については何か変化等はあるか。
A 𠮷田教職員課長
最近の教員採用試験の志願者が少なくなってきている中、受験しやすい環境づくりを行うためにも、毎年採用試験の見直しをし
ている。
今年度に実施した採用試験では、一般教養試験と学習指導要領の内容や、教育に関する法規などを問う教職専門試験というのが
あるが、それらを統合して総合教養試験という形で、一つにして受験生の負担を減らしている。
それから、小学校と特別支援学校の実技試験については、小学校では水泳かオルガンのいずれか、特別支援学校では水泳を実施
していたが、受験生の負担軽減ということで今年度は廃止した。
また、一部の校種、教科で社会人枠の特別選考を実施している。これは、高等学校の情報・農業・工業、それから中学校の技術
で行っている。
また、複数の受験機会を設けるため、秋選考を実施し、13名の合格者を出している。さらに、大学3年生を対象とした特別選考
を実施する予定にしており、3月に実施する。校種は小学校で、推薦校として指定しているのは和歌山大学で、今回初めて実施する。
採用試験で今後、出生数が減少し、生徒数が減少、そして学級数が減るということで、今後、教員の採用数も減っていくことが
予想される。我々としては、詳細なデータで推計して、計画的な採用を行っていく。
Q 中西委員
聞こうと思ったことは全部答えていただけた。
教科外担任の話が今もあると思うが、増えているということも聞く。
これから生徒が減ってくる中で、採用していいのかどうかというジレンマみたいな感じがあるが、教科外担任は今現在、どんな
工夫をしているのか。
A 𠮷田教職員課長
免許外担任ということだが、中学校の技術、家庭という教科で相当数、免許外教科担任の許可や臨時免許状の発行はしている。
技術や家庭というのは、一人の生徒につき2.5単位となっており、1年生で週1回、2年生で週1回、3年生になると2週間に1
回となり2.5単位となっている。例えば小規模校で1学年1学級の学校であれば、教頭先生を入れて定数は7人となり、そうする
と教員が6人となるので、そこに2.5単位分の技術や家庭の教員1人配置することが非常に困難な状況である。
加えて一人の先生が2.5単位見るのではなく、1年生だけ、2年生だけ、3年生だけということになると、さらに一つの学校で
3人の免許教科外担任がでてくるということで、非常に多くなっている状況である。
高校の必履修科目となった情報についても、免許外教科担任や臨時免許状が多くなっている状況だが、今後も積極的な採用を行
うほか、免許法の認定講習というのがあり、大学から先生を招いて講習を行ってもらい、免許を取るというもので、3年から5年
くらいかかるが、情報免許については、昨年度から行っている。家庭、技術については、来年度から行う予定で調整している。
Q 中西委員
前回この委員会で私が確認したことをもう一度確認したい。一応、自然博物館は、耐震性は大丈夫でこれからも長いこともつと
いうことを教育長から聞いているけれども、それは変わりないか。
A 藤戸総務課長
建物についての耐震は確認している。
Q 中西委員
水槽の耐震性は、いろいろ私も調べて分からなかったが、ガラス製とアクリル製が水族館にはあるということである。アクリル
製の場合はガラス製より強度が15倍あるということで、災害があっても強度が強いためもつということを聞いているけれども、こ
の自然博物館はガラス製か、アクリル製か。
A 藤戸総務課長
アクリル製である。
Q 中西委員
ということは強度も強いということであると思う。
災害リスクがあそこはあるので、これから検討委員会で議論していくと思うけれども、教育委員会として災害リスクはどういう
ことを考えているのか。
A 藤戸総務課長
災害リスクはいろいろあるけれども、まず大きくは立地の問題で津波の被害の想定がある。
あとは地震に対する耐震建物設備構造というところもあるので、経年劣化した部分であるとか、物理的な問題についてはそうい
う点、あとは入館者を含めた形の災害リスクも併せて考える必要がある。
Q 中西委員
公共施設の建物は自然博物館以外でもやはり災害リスクはある。多額の費用がかかるので移転は断念せざるを得なくなったとい
うことだが、私が思うに、紀北地域に水族館が必ず一つは必要だと考えるが、教育委員会の考えはどうか。
A 藤戸総務課長
どの地域でどの施設がというような観点で、明確に答えはない。
県全体の中で必要な施設の在り方という部分を考慮した中で、設置あるいは移転についても考えるべきものと思う。
Q 中西委員
私自身紀北地域にやはり水族館は一つ必要だと考えているし、来客数が11万人ある。やはり災害リスクがあるが、建物自体は、
先ほど言っていたように、耐震性もあり丈夫で長いこともつというのは答えてもらった。
移転するのは多額の費用が要るから、移転を断念ということで、今の建物をしっかりとリニューアルするなり、耐震もあるとい
うのであれば、手を入れていって今の場所で置いておくことが必要であると思うがどうか。
A 藤戸総務課長
今後の在り方については、指摘の点も含めて、検討委員会等で幅広い意見を聞きながら、検討していきたいと考えている。
Q 中西委員
教育長に聞きたい。今、総務課長に答えてもらった意見と同様ということでよいか。
A 宮﨑教育長
知事も言ったとおり、来年度に向けて検討委員会もしくは有識者の審議会を立ち上げる予定なので、そこでしっかりと議論して
結論を出してもらえたらと思っている。
Q 林委員
中西委員の質問の続きだが、2年ほど前にも質問した件で、免許外教科担任と臨時免許状について、そうした教員が200人を超
えている。近畿でもダントツで高かったが、今回ある程度改善しているのか、方向性はどのようなものか人数も含めて聞きたい。
A 𠮷田教職員課長
家庭・技術については119校の中学校がある中、免許所有者が50人を切っている。先ほども申し上げた認定講習をすることによ
って、増やしていこうと思っているが、家庭と技術で、それぞれ50名と60名の免許を取りたい希望者があるので、来年から3年
かけて、それだけの人数ともう少し希望者を増やしていきたいと思っている。これを行うことによって、不足を解消できると考え
ている。
Q 林委員
家庭と技術は仕方がないかと思うが、それ以外に関してはどうか。
A 𠮷田教職員課長
基本的には教科にもよるが、目立って不足していない。あと1時間埋まらないなどで、臨時免許や免許教科外担任などで対応し
てもらうことは若干あると思う。
Q 林委員
2年ほど前には200人以上超えていた。そのあたりについては、改善しているということか。
A 𠮷田教職員課長
今、実際に改善できている教科については、高校の情報についてある程度改善している。この高校の情報についても認定講習を
実施しており、技術・家庭については今後解消していく予定である。
意見 林委員
改善に向け、引き続き頑張ってほしい。
Q 林委員
知事に一般質問で私学の無償化を質問した時、給食費の無償化や不登校対策に財源を割きたいという答弁があったが、現在、ス
クールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどが中心となり不登校対策していると思う。今後、どのような不登校対策を
行っていくのか、予算を割くのか教えてほしい。
A 川口教育支援課長
不登校対策の今後については、教育長の説明にもあったように9月に不登校のワーキングチームを立ち上げている。そこでも議
論されているが、まずは不登校の生徒が増えている状況で、何らかの機関とつながって、学びを保障していくことに注力していき
たい。
例えば、学校になかなか来られない児童生徒には、市町が設置している教育支援センターの充実や、また、学校外の教育機関で
あるフリースクールなどが県内でどういう実態であるのか、今後、確認していく予定である。
意見 林委員
不登校は増加傾向にあるので、ワーキングチームと連携して、対応してもらいたい。
Q 林委員
工業高校における蓄電池教育について質問する。来年度の本県の重点施策について、担当課から説明を受けた際、蓄電池のベー
ススキルを学べる教育プログラムを工業高校で実施しているということを聞いた。実際どのような取組を行うのか教えてほしい。
A 下村県立学校教育課長
工業教育については、その充実と発展に向けて、昨年度からワーキンググループを立ち上げて、有識者の方々も入っていただき
協議をしている。その中で、今話があった蓄電池産業などの成長産業における技能系の人材の育成について、工業高校は大きな役
割を果たさないといけないという議論もしている。
また、昨年度、国で「蓄電池産業戦略」が策定されたが、それを受けて蓄電池産業が集積している関西エリアで、近畿経済産業
局が事務局となり、「関西蓄電池人材育成等コンソーシアム」が設立されている。
そこの、人材育成等に向けた取組を検討する中に、当課の指導主事や近畿圏内の工業高校の教員も加わりながら、蓄電池教育の
テキストや動画の資料など、蓄電池に関する教育プログラムを開発している。今、そのプログラムがうまく機能するかどうか、一
部の工業高校でデモ授業を行っている。今後、デモ授業等での検証をしていきながら、来年度実施する県内の学校を検討していく
予定である。
Q 林委員
蓄電池という新しい分野での教育プログラム、非常に重要だと思う。専門的な知識を有する教員も必要だと考えるが、その点は
どうか。
A 下村県立学校教育課長
教員向けの研修会等を来年度実施していく予定にしている。また、蓄電池教育の実施をしていくに当たっては、産業界や研究機
関等から講師を派遣してもらったり、産業界や研究機関等が有する設備を利用した実習もやっていく予定である。
Q 林委員
蓄電池というのは、新しい分野ということで、例えば、私は和歌山工業高校建築科出身であるが、蓄電池の分野は、電気科が受
け持つとか、機械科が受け持つとか、またどの分野かというのが非常に分かりにくい。新しい学科などを検討したほうがいいので
はないか。和歌山工業高校に限らず、紀北工業高校とかいろいろ工業高校があるので、一度検討してはどうか。
産業の育成は大事で、即戦力になるのが工業高校出身の生徒であり、専門職ということで重要だと考えているが、新しく蓄電池
に携わる学科をつくる考えはないか。
A 下村県立学校教育課長
今、中学校の卒業生徒数は非常に減少してきている。そのような中、専門学科を新設する、拡充していくというのは非常に厳し
い状況にある。学科の設置等を行うときは、地域の盛り上がりやニーズが必要だと考えている。各高等学校の在り方については、
今後も、学校が地域や関係者の意見を聞きながら県教育委員会とも協議をして、魅力化・特色化に向けて取り組んでいきたい。
意見 林委員
技術者の育成と、和歌山の新しい産業という意味で、非常に大事なことだと思う。これからの工業高校の教育にとって意味のあ
ることだと思うので、しっかりやってほしい。
Q 林委員
知事の答弁で、普通科を減らしてでも工業高校の生徒、技術者を増やしていった方がこれからはいいだろうという旨の発言があ
った。普通科の人気はあるとは思うが、先ほど蓄電池の話もしたが、技術者を育成するには、産業が疲弊した和歌山にとっては非
常に大事だと思う。
知事の答弁にもあるように、少子化であるので普通科を減らしていかないといけないと思うが、工業高校は知事の答弁にもある
ように、非常に人気が高く、就職率が高いという状況下において、工業高校の生徒の比率を増やしていくというような方向でよい
と思うが、教育委員会としての考えを教えてほしい。
A 下村県立学校教育課長
募集定員の決定については、各地域の中学校の卒業生の人数、その地域における必要な学科のニーズ、地域の声などを総合して
検討をしている。毎年、そういった過去のデータ、地域の声等を聴きながらやっており、今後も継続していく。
意見 林委員
私は工業高校を出て、大学も出ている。最近、普通科は、出るメリットは比較的少ないのではないか。大学へ行きたいのであれ
ば、別に普通科でなくても、今の時代、工業科や商業科であったとしても行けるような時代に変わってきつつある。
また、PTAや保護者にもう少しアピールしてもらって、手に職があるのと、普通科とであればどちらがいいかといえば、今の時
代は変わってきつつある。
加えて、普通科を温存という声も多いが、それほどメリットがない時代になってきているのではないかと感じる。もう少し保護
者にアピールしてほしい。
Q 三栖委員
先日発表された和歌山県学校教育ICTグランドデザインについて、現在パブリックコメント実施中の計画の中から3点質問する。
1点目、9月定例会で一般質問した中で学校教育における1人1台端末が普及してきた中、使いたくてもWi-Fi速度が遅いとか
端末の挙動がもっさりしているなど、現場で使いこなすには機械が追いついていない状況がまだあるということで、その状況につ
いて確認した。
その状況を改善するにあたり原因を究明するためにアセスメントを行っていくと回答があったが、具体的にはいつから行うのか。
私が調査した範囲では主に西牟婁を中心とした紀南地域の例であったが、他の地域でどれくらいストレスなく使用されているのか。
A 榊教育DX推進室長
1人1台端末の通信環境の改善については、今年度当初から問題意識をもっており、機会を通じて市町村教育委員会にはまずア
セスメントを行うようお願いしている。具体的には県、全市町村が情報化の協議会を設置しており、その場を通じて、講師を呼ん
で研修を行ったりするなど機会を通じて市町村にお願いをしている。
また予算面では、国でアセスメントの補助事業等もあるので、アセスメントを行っていない市町村に対し周知をしている。
意見 三栖委員
是非進めてほしい。市町村はどのような手だてがあるか分からない。そもそもITの知識、知見が少ない状況の中でどうしたらい
いか分からないというところがほとんどであると思う。そのような国の補助事業があれば県から周知願いたい。
Q 三栖委員
関連して2点目。グランドデザインの中を見ると、将来的にこういう姿に進めていきたいというロードマップが策定されている
と思う。国でもGIGAスクール構想で令和初年度から進められているが、その中で同じようにロードマップが策定されており、こ
れと照らし合わせると県のロードマップは国の速度感にはまだ追いついていないのではと思う。それはそれでどうこう言うつもり
はないが、和歌山県のロードマップの先に、どういう姿を求めて今IT化を進めているのか。国と決定的に違うのが、将来像のとこ
ろでIT関連の教育のデータを集約して活用していくという点が、ITに置き換える最大のメリットと思う。県のグランドデザインで
はまだデータ活用までは踏み込めていないと思うが、県は将来的にどういう方向性であるべき姿をもっていこうとしているのか。
A 榊教育DX推進室長
児童生徒の学習データや生活のデータなどその利活用の重要性については認識している。そういうことを見据えた上でグランド
デザインを9年度までの計画案としている。
計画案にもあるが、どこでも安全安心なICT環境の構築と児童生徒のICTに係る資質能力の向上、教職員の指導力向上のまず基盤
固めを行い、併せて将来的なデータ利活用の推進に向けた取組・研究を行っていきたい。
意見 三栖委員
こういうITまわりの話はどんどん新しくなるし、中長期的にロードマップを5年計画としても、どこかで軌道修正が必要になる。
データ利活用となると先の姿が描けていないとその基盤の部分でこうしておけばよかった、基盤そのものを作り直さなければなら
なかったなどよくある話である。基盤を作りこんでいく前にどういう姿を目指していくかということを検討してほしい。
Q 三栖委員
ITの知識がないと、まずICTグランドデザインの資料ですら読みこなすのが難しい。
現場の教職員や市町村の教育委員会でまともにこれを読める人はそうそういないと思うが、ICT支援員は、全国平均に比べ和歌
山県は少ない。そういうスキルのある有識者を増やしていかないとやりたいことが伝わらないと思う。人材の確保、育成について
聞きたい。
A 榊教育DX推進室長
ICT支援員、専門家を確保し、教職員の中でもICTに通じた者のレベルアップを図っていく。県としてはICT支援員の配置してい
ない市町村にできるだけ配置するよう機会を通じてお願いしている。計画案でもICT支援員配置の市町村を100%として目標値を
定めている。
意見 三栖委員
ぜひお願いする。林委員の話にもあったが専門的な人材の育成、外から持ってくるのみならず、中からも育成していくことを視
野に入れて対応願いたい。
Q 山田委員
例えば先ほども教育長から説明があったように、小中学校の不登校、依然として全国的にも圧倒的に毎年増えている。それから、
引きこもりも全国で146万と増えるばかり。和歌山県でも有能なスタッフに恵まれて、いろんな対応をしているにもかかわらず増
えている。この現状を、ずっと見過ごしてしまうのかという中で、私の懇意にしてくれている、元先生の方が、小中学校の子供た
ちを救うために、手をこまねいているだけではなくて、夜間中学をつくって、彼らの教養的な部分を補うべきだという運動をして
いると聞いている。このまま見過ごしていいものかということである。これについて後で答えてほしい。
また、小学校中学校の不登校の子供たちの将来のために、どういうふうにするかという一歩前へ突っ込んだアクションを、ぜひ
やってほしいと思うのだが、その辺の覚悟というか、手だてというか、どうされているか。
A 川口教育支援課長
不登校が増えていることについては、私どもも大変重く受けとめて、今まで以上に真剣に取り組んでいかないといけないという
覚悟である。
具体的に言うと、従来からやっていることは、校内でスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、そういった専門的
な職員とチームを組んで、未然防止に取り組んでいくということが一つである。
加えて、次年度以降になると思うが、1人1台端末が生徒に配られているので、子供の感情変化や、体調変化、そういったとこ
ろもつぶさにキャッチしながら、不登校の未然防止にも取り組んでいけたらと思っている。
また、昨年度から始めている取組であるが、管理職の先生に対し、不登校の対策に特化した研修もしており、オンラインの形で
研修しているので、ほとんどの小中学校と県立学校の管理職の先生が受講している。
先ほどの答弁とも重複するが、やはり不登校支援として学びの保障をきちんとしていかないといけないので、例えば教育支援セ
ンター、そして従来からやっているが、訪問支援員という形でタブレットを持って子供の自宅に訪問して、学習を保障するという
こと。加えて、今後の話になるが、県内のフリースクール等の外部機関の実態がどうなっているかということも、把握をしていけ
ればと思っている。
Q 山田委員
冒頭に教職員の不祥事の話があった。毎年この話を聞くが、私も文教委員会でお世話になって、ずっと前から質問なり注文をつ
けているが、教職員の試験を受けようという人は、教養部門では一般常識的にはレベルが高いと思う。
ところが、職員が1次試験を通って、2次試験、3次試験の時にメンタル面の面接試験になるが、その時にどなたが面接官にな
っているのか。例えば民間の人事部長など、プロの面接官で面接しているのか。
先ほど申し上げた教養的には立派な先生になる資格を持っている人はたくさんいると思うが、最終的に決めるのは、2次試験、
3次試験の面接をしたときに、その人間性を総合して判断するのではないかと思う。その重責を担う面接官は、今誰がどうしてい
るのか、現状を教えてほしい。
A 𠮷田教職員課長
通常の夏に行っている採用試験では、各課の副課長以下、人事主事、指導主事等々で面接を行っている。秋選考においては、各
課長や局長が入って面接を行っている。
外部の民間企業の人事担当については、数年前までは入ってもらっていたが、昨年度からは県教育委員会の中だけで行っている。
Q 山田委員
不登校対応についても、よく分かったが、教育長は夜間中学について、何か情報を聞いていないか。
A 宮﨑教育長
夜間中学については、和歌山市が動き出していて、つくる方向である。不登校対策として、夜間中学がどういう作用をできるの
かは分からないが、例えば不登校に特化した夜間中学をつくっていくことは可能だと思っているし、そういった夜間中学になるよ
うな仕掛けも和歌山市に働きかけていきたい。また、各市町村にもいろいろな働きかけを行っている。また、県も県立夜間中学と
いうことを見据えながら進めているが、それが不登校対策に直接つながるかというと、中学校を卒業できなかった方がいて、そう
いう方が中学校を卒業したいということが夜間中学の第一義である。ただ、不登校の子供たちに対しての対応もできると思ってい
るので、そういった大きな幅で見ながら対策を考えたいし、夜間中学の設立も頑張っていきたいと思っている。
要望 山田委員
面接官のことだが、4、5年前まではお世話になっていたという話だが、成果が出なかったからやめたのかと思うが、私はやは
り、庁内の幹部連中でやっているということになると、どうしても視野が狭くなるのではないかと思う。
総合的な人間性や心の広さ、深さを含めて判断できるのは、やはりその道でもまれている社会人の方、あるいはいろいろなジャ
ンルがあると思うが、その人に選抜してもらうべきではないかと、全部ということではないが、そういう方にも入ってもらうべき
かと思うので、今後検討してほしい。
Q 藤山副委員長
本会議で、全議員と面談する際は録音するように命じたと教育長が言った。
そのことについて、前もって議会に対して打診するようにすればより丁寧だったと思う。命じたのはいつだったか教えてほしい。
A 宮﨑教育長
年度初めだった。
Q 藤山副委員長
年度初めということであるが、8か月間、教育委員会の方と面談するに当たって、録音の了解はなかった。教育長の業務命令
に従っている方で、了解を取っていないということは問題になるわけである。もしくは業務命令に従う気のない方はICレコーダ
ー自体持っていないわけなので、いずれかとなってくる。事前に通告したが、今年度8か月間、県議会議員と面談した職員の方
で、どういう対応したのか1人ずつ伺う。
A 藤戸総務課長
私の対応としては、何名かの議員と対面する際はレコーダーを使ったときもあるし、使わないときもあった。協議する内容や状
況に応じて必要な場合に録音を、と理解していたのでそういう対応をした。
ただ、私が直接対応したときに、あらかじめ了解の申出はしていない。
A 𠮷田教職員課長
その時々の状況ということで、私は面談したときに録音は一切していない。
A 榊教育DX推進室長
私もレコーダーについては、使ったことはない。
A 田伏スポーツ課長
私の場合、必要に応じてという指示だったため、必要なかったので録音していない。
A 垣本文化遺産課長
何名かの議員と面談したが、大半が答弁の打ち合わせや問い合わせへの回答だった。その件に関しては特に録音の必要性は感じ
なかったので、私は録音しなかった。
A 下村県立学校教育課長
私も必要な場合には正確を期すため録音するようにと指示を受けていたので、内容について考えて、取ったことはない。
A 津村特別支援教育室長
私も何名かの議員と面談をしたが、特に取る必要がなかったので取っていない。
A 川口教育支援課長
私も数度先生方と会ったが、配付物を届けたりそういう形の面談だったので特に録音していない。
A 鍋田学校教育局長
ボイスレコーダーは、学校現場から教育委員会へ来るときに必要だということで買った。なぜ買うかというと、文部科学省等に
行ったときに県の代表として行っているので、一言一句聞き逃さないという意味で、録音が習慣になった。
持って行って録音をするのは、自分が取ったメモで事足りることもあるが、やはりどうだったかを繰り返し聞くために持ってい
く。議員でも知事室でも教育長室でも聞き逃せない内容のときもそうである。一般的に自分が後から確認するためのものとして常
に活用してきた。
A 中嶋教育総務局長
基本的には複数名で議員と会っているので、私自身が持って行って録音することはない。
Q 藤山副委員長
自然博物館のことで、答弁について少し掘り下げて伺いたいと思うが、一昨日、12月12日の私の質問での和歌山県立自然博物
館施設整備基本計画に関して、今後、成果物を公表する予定はあるのかとの質問に対し、教育長は今後、今のような状況の中で、
基本計画を公表することは今のところ考えていないと答弁だったが、このことについて伺う。まず、今のような状況とは具体的に
どのような状況を言っているのか。
A 宮﨑教育長
この間からの話の中で、今回断念をするということになった。そういった断念をすることになった状況という意味である。
Q 藤山副委員長
公表については今のところ考えていないということも言っていたが、どのような状況がそろえば公表するのか。
A 宮﨑教育長
この計画が復活するということはあり得ないと思っているが、もし復活するならば、公表することになることは考えられる。
Q 藤山副委員長
よく分からないが、今進めている和歌山県立考古民俗博物館(仮称)の整備に関してはホームページで、基本構想・基本計画・
基本設計概要と、そういった施設整備に関する一連の資料を公表しているが、同じ税金を使った成果物でも、公表するものとし
ないものの違いについてはどう説明するのか。
A 宮﨑教育長
公表しなければいけないものであるかどうかであるが、確かに公表するのが望ましいと私は思う。議員は見ていると思うが、
公表されてないということで見られてない方もたくさんいるとは思う。ただ、今回新聞関係の方々にも、要求されれば渡した経
緯はある。本会議でも言ったが、海南市の意向というのも踏まえながらということで、断念に至ってしまった今の状況の中で、
今それを公表するというのはよくないのではないか、不必要なのではないかと思ったのと、なぜ当初出さなかったのかと思われ
るかもしれないが、それも含めて海南市の意向があって、それを踏まえないといけない。そういう意味で、公表が遅れてしまっ
たということがあった。遅れた状況の中で、今さら公表しても無意味であったので、公表せずに置いておくつもりであった。
Q 藤山副委員長
無意味ではないと思う。何度も言っているが税金で作った成果物であるので県民は見る権利があると思う。県民に公開請求し
ろということか。
A 宮﨑教育長
公開請求されれば出さないといけないとは思っているが、今、公開請求がないのであれば出さない方向で今のところ変わって
いない。
要望 藤山副委員長
マスコミにまで出しているのだから、公表した方がよいと思う。私は極めて出来の悪い成果物だと思っているが、ぜひ善処し
てほしい。
Q 藤山副委員長
今後の自然博物館についてであるが、今後、検討委員会を立ち上げてということを、9月の記者会見、また文教委員会でも言
っていたが、3か月たったが、どういう決め方をしていくのかを教えてほしい。
A 宮﨑教育長
先日知事とも話をして、有識者の審議会のような形式にしないといけないということと、誰もが納得いくような委員を探さな
いといけないという話をしたところである。まだ具体的な名前は挙がっていないが、何人かを慎重に決めていきたいと考えている。
要望 藤山副委員長
本会議で2月定例会にその審議会設立のための予算計上をするという知事の話であったが、予算計上する以上は勝手な人選を
されても困るし、透明性の高い人選を強く望む。
Q 藤山副委員長
今の教育委員会の口ぶりだと、自然博物館をなくそうとしているのではないかというような県民の声もすごく聞くので、その
人選をする上で私はあなた方が自分たちの都合のよい考えを持った人たちを選ぶのではないかという疑念を持っている。人選の
プロセスについては、十分に議会とも情報共有しながら進めていってほしいと思うがどうか。
A 宮﨑教育長
もちろん文教委員の方だけでなく、いろんな方々、議員の方々に相談しながら、何の疑念もなくやっていきたいと思っており、
相談しながら決めていきたいと考えている。
Q 藤山副委員長
ところで和歌山県長期総合計画というのは、皆にとってどういったものなのか。
A 宮﨑教育長
和歌山県長期総合計画は、守るべき指針として目の前にあるものだと認識をしている。
Q 藤山副委員長
答弁でも、「自然博物館の必要性や在り方も含めて、幅広い視点から有識者の方々にご意見を賜る」ということであったが、
そもそも必要性があると結論づけたので、長期総合計画に自然博物館のリニューアルが書かれたわけである。すごい矛盾だと思
っている。かつて議員提案で、基本計画議決条例というのをつくった。これは何かというと、今まで知事が替わるたびに、長期
総合計画的なものをつくってきたが、そういう長期総合計画のような大事なものは、やはり議会もそれに責任を持とうというこ
とで、条例を議員提案でつくったわけである。その条例を基に初めて議決されたのが、間違っていたら申し訳ないが、今の基本
計画であったと記憶している。審議会を立ち上げて、在り方、必要性含めて議論してもらうと言っているが、議会で議決した長
期総合計画の内容を、外部の人で検討会をするとなると、議会と審議会どちらの方が優先順位が高いのか。
A 宮﨑教育長
もちろん、議会の決定の方が優先されるものだと認識している。ただ長期総合計画自体は、見直していくべきものでもあり、
見直していく必要があるとなれば、そういう形になるかもしれない。ただ、必要性がなくなったとは認識していないので、必要
性も含めてと知事は回答しているが、私個人的には、そのようには認識していない。
Q 藤山副委員長
必要性があるから長計にうたったと。そのあとどういうものにしていくかというのは、審議会とか有識者の方に意見をもらっ
たらよいと思うが、今の時点でその必要性も含めて審議会に諮るのはおかしいと思う。
今後、県の財政状況や災害リスクも見極めた上で検討するというこの答弁についてであるが、財政状況というのであれば、年
間の来館者数約1万3000人の紀伊風土記の丘に51億円を投じることは妥当なのか。10万人を超える自然博物館の来館者数と比
較して、この51億円が妥当であることについて説明を求める。
A 宮﨑教育長
同じ博物館であるが、まるっきり存在の意味が違うと思っているので、そこで比較をされるのはちょっと違うと思っている。
確かに両方とも必要であるし、自然博物館は非常に人気があるということは認識をしているが、それと紀伊風土記の丘とを、単
純に人数だけで比較はできないと思っている。
Q 藤山副委員長
それはよく分かっている。紀伊風土記の丘をやり玉に上げるつもりは一切ないので、それは理解してほしい。ただ、自然博物
館については審議会などの話を急に言い出したが、同じ県有施設として紀伊風土記の丘でそういった検討会などは何も考えない
のか。
A 宮﨑教育長
博物館にはそれぞれ協議会というのがあり、博物館協議会の中で慎重に審議を重ねた上での、今の実施計画なり基本計画とい
うのを行っているわけであり、審議をしていないわけではない。
Q 藤山副委員長
申し訳ない、聞き方を間違えた。自然博物館における審議会的なものは何かつくらなかったのかということを聞きたかった。
A 宮﨑教育長
自然博物館の審議会はある。その中で議論はもちろんされた上で、今回また新たな審議会で、もう少し大きな視点で審議会を
立ち上げて議論してもらう。
Q 藤山副委員長
災害リスクについてであるが、自然博物館のすぐ横に子ども・女性・障害者相談センターがある。関電の海南発電所のところ
も、今、県の方で企業誘致に頑張っているが、災害リスクを見極めた上でということを理由にするのであれば、部局横断的にこ
れらの施設とか企業誘致の土地についても考えていると思う。もし災害リスクを理由にというと、子ども・女性・障害者相談セ
ンターも移設させていかないといけないようなことになってくるが、その点については横断的に協議したのか。
A 宮﨑教育長
知事が答弁をした中の話であり、子ども・女性・障害者相談センターに関して私が言えるものではないが、そういった議論は、
例えば今の自然博物館の場所は本当に津波は大丈夫なのかというような議論をしたことはある。ただ、それで、災害リスクを考
えながら、というのはそういった心配もあるということだけの話だと思っているので、それがゆえに、子ども・女性・障害者相
談センターと同様にやらないといけないとか、子ども・女性・障害者相談センターとともにどこか行かないといけないとかそう
いう議論には至っていないと思っている。
Q 藤山副委員長
海南市と県がいろいろ話し合いをする中で出た、自然科学博物館のアイディアについては、自然科学博物館と自然博物館でコ
ンセプトが変わるから、そもそも基本計画からやり直さないといけない話ではないか。
A 宮﨑教育長
科学博物館という案を見せた経緯は確かにあり、その案に関してこのような形でどうかという投げかけはしたが、もちろんそ
ういった形になるならば、もう一度計画を練り直さないといけないものだと思っている。
Q 藤山副委員長
もともと水槽展示がないなら、来てもらわなくて結構だというスタンスの海南市へ、自然科学博物館はどうかという持ちかけ
をしたと思う。我々は7枚か8枚かの紙のデッサンを見せてもらった。あれを見て海南市に決断せよと思う方がどうかしている
と思う。
当時のデッサンはどれくらいお金がかかったのか教えてほしいと言ったら、教えられないと言われた。この間、一般質問をす
る中で聞くと言ったら、課長の友人が書いてくれたと言われた。そんなもので海南市を説得に行って、誰が分かりましたとなる
と思っているのか。あまりにも馬鹿にしていないか。
A 宮﨑教育長
馬鹿にしているつもりは全くないし、私たちが一生懸命こんな案はどうか、あんな案はどうかという形で見せるつもりでいた。
当初、私の認識が間違っていたのかもしれないが、海南市が水族館を上に持っていくという非常に難しい仕事に関して、例え
ば水族館がある・ないに関してこだわっているという認識が、私自身はあまりなかった。
ただ、いろんな話を聞く中で、やはり水族館は持っていかないといけないという話の中で、私の記憶だが、排水の方は大丈夫
だと海南市から言ってもらったと認識をしている。排水が大丈夫ならば、水を持っていくだけなら、金銭的な部分でかなり違う
と思っていたが、排水は海水になるので、当然のことだが、田んぼにも流れていく。そういったことになると、生態系も変わっ
てしまうので、排水はやめてほしいと言われてしまったので、水族館は難しいということになって、いろんな案を提案した。
そういう面があったから、認識が甘かったのかもしれないが、海南市はそこまで水族館が必須だったということを認識はして
なかったというのが、私が実際思っている話である。
Q 藤山副委員長
当時は前の宮下教育長の頃だから、宮﨑教育長はその経緯は知らないと思う。海南市の最初からの思いは直接聞いていないか
もしれない。
排水のことを言っているが、今、完全循環型の内水型の水族館も随分前から技術として確立されているし、あと知っている限
りだと、20数年前に、岡山理科大学の当時の山本准教授が、好適環境水というような、魚も病気になりにくく、排水も問題ない
というような水も発明していた。
基本計画を見てみると、一向に排水を出す前提のことしか研究していない。そういう他の新しい技術を使った場合にどうなる
のだという記載を私は見つけられなかった。
だから恥ずかしくて、あんなに出来の悪い成果物をオープンにできないのだと私は認識している。
今後の自然博物館の話もそうだが、私はやはり海南市民でもあるし、今の県の求めに応じて無償提供を要求された約3億円の
土地、県が言って造成させた土地は、もう行かないからとほっかぶりするのかという質問をしたけれども、今日、教育委員の方
々には、私の議事録を事前に見てもらっている。
レイマンコントロールに基づいて、和歌山県の教育行政について、尽力をいただいている教育委員の皆さんに、県が自治体に
対して、3億円はもう知りません、勝手にして、と助言だけで済ますような暴挙について、皆さんのご意見を簡単で結構なので
伺いたい。
A 大谷教育委員会委員
現在の県立博物館についての私の認識を述べたいと思う。議員の方々に伺ったように、やはり県民にとっても、県の子供たち
にとっても、年間11万の来場があるということで、大変親しみのある施設だと思っている。また、文化財的に思うのは、世界的
にも貴重なニホンオオカミの剥製があったり、先ほど教育長からも話があったが、ワカヤマソウリュウという化石の件も自然博
物館が担っている大きな実績の1つであると私も考えている。
ただ、1982年の開館であるので、40年経過ということで、改修が必要になると思うが、今後はいろいろな意味で多様性のあ
る施設になってほしいと私も思っている。
意見 藤山議員
必要性というより、3億円を知らんふりすることについて答えてもらえれば結構である。
A 奥山教育委員会委員
私も詳しい経緯というのは全然知らなかった。ただ老朽化した建物を新しく建て直すということは、厳しい財政の中でも、必
要ではないかと思って話を初めから聞いていた。経済的な面は専門の方にお願いするとして、私の気持ちとしては、子供たちが
自然科学に関心を持って、興味がわいて、知的好奇心を高めるような施設であってほしいし、そういう活動も現在もしているけ
れども、さらにパワーアップしてほしい。せっかくだから、立派な施設になることを願っている。
A 原田教育委員会委員
個人的には、この自然博物館に以前ちょっとお邪魔したことがあり、非常に有意義で、楽しい施設だったような記憶がある。
今後子供たちにも、きっと親しみやすく使える施設だと思うので、いろいろな事情があるが、個人的にはぜひともリニューアル
して、アップデートしてほしいとは思っている。ただ、コストもかかるものであり、3億円という話もあるが、ぜひとも、市町
村、県、現場の施設、三位一体となって、いいタイミングを見計らってやっていってほしい。
A 柳川教育委員会委員
私は県立医大で長く勤めていた経緯もあり、皆さんの議論とか意見を聞いていると、医大の移転問題とすごく重なるところが
ある。そういう意味でいうと、現地でさらにリニューアルするのがいいのか、あるいは移転するのがいいのかというところも、
実は医大の場合も、何度か議論を重ねながら、本当に最後の最後まで県の意向と違った形で最終的には移転したという経緯があ
る。そういったことを考え合わせると、やはり、今一度、本当にどういう形の、県民の、あるいは今ある方々のニーズをもう一
回しっかりと確認をした上で、慎重に考える必要があると思う。特に、海南市自身は水族館についての思いというのは強く持っ
ているので、そこに対する再度の検討や、有識者の本当の意味での予算的なことなど、そういったことを総合的にもう一回見直
した上で、やはりその3億円が妥当かどうかも含めて、ただ私たちは補償ということについては意見を言う立場にはないと思う
ので、今、他の教育委員が言っていたように、自然博物館の重要性をもう一度鑑みた上で、検討会でいろいろな意見をさらに求
めてみたいと思っている。
A 山中教育委員会委員
自然博物館というのは年間11万人を超える入館者があり、子供たちを対象とした体験教室や野外観察会の開催、工夫した展示
の仕方など、限られた少ない予算の中で、様々な取組を行っており、広く県民に親しまれる施設であって、なくてはならない施
設だと思っている。今後、施設整備については、検討委員会、審議会を立ち上げるということであるので、財政面をはじめ、様
々な問題というのがあると思うが、県民にとってよりよい施設、魅力ある施設になるように議論を進めていってほしい。
Q 藤山副委員長
自然博物館関連で最後に一つだけ確認したい。教育長の冒頭の説明の中で、ワカヤマソウリュウのことに触れていた。本当に
ロマンのある話でいいと思う。知事の記者会見で9月、10月に新種が見つかったと言っていたが、何匹も新種が出たのか。
A 藤戸総務課長
昨日発表した件については、平成18年に発見し、引き続き調査研究していたものについて発表したものなので、いくつもあっ
たという話ではなく、一連のものだと認識している。
Q 藤山副委員長
9月、10月の記者会見で知事が言っていたものと、昨日記者発表した海生爬虫類は同じものか。同じ個体でいいのか。昨日の
記者会見の前に知事が言ったのか。
A 藤戸総務課長
知事の9月、10月の発言の詳細を、私は認識がきちんとできてない状態だが、昨日発表したものについては、従来から調査研
究していたものが、今回論文で公開されることになったという意味で、新たに発見・確認できた事項も含めて発表した。
要望 藤山副委員長
また詳細が分かったら教えてほしい。
Q 林委員
教育長に質問したい。秘密録音を違法と考えるか答えてほしい。
A 宮﨑教育長
相手の許可がない録音ということで、秘密録音だという認識をしている。秘密録音に関しては、違法ではないと認識している。
意見 林委員
刑法何条に違反するとか、そういうものではないので、教育長が言ったように、臨機応変に対応してほしい。個人的には問題
ないと思っている。
●藤本委員長
◎議案に対する質疑及び一般質問終了宣告
◎議案に対する採決宣告
◎議案第126号、議案第144号、議案第145号及び議案第161号は、全会一致で原案可決
◎教育委員会審査終了宣告
◎継続審査を要する所管事務調査宣告 異議なし
◎閉会宣告
午前11時59分閉会