令和5年12月和歌山県議会経済警察委員会会議記録
令和5年12月和歌山県議会経済警察委員会会議記録
1 日時 令和5年12月14日(木)午前9時57分~午前10時55分
2 場所 第3委員会室
3 出席者 委員長 川畑哲哉
副委員長 岩井弘次
委員 井出益弘、尾崎要二、佐藤武治、山下直也、浦口高典
欠席委員 なし
委員外議員 なし
4 概要
午前9時57分開会
●川畑委員長
◎開会宣告 挨拶
◎報告事項 委員の欠席なし
◎傍聴協議 なし
◎撮影許可 3件
◎議事 議案5件、継続審査を要する所管事務調査8件
◎審査順序宣告 商工観光労働部・労働委員会、公安委員会の順に審査
◎商工観光労働部・労働委員会審査宣告
◎議案等に対する説明要請
●三龍商工観光労働部長及び芝労働委員会事務局長説明
●川畑委員長
◎議案に対する質疑及び一般質問宣告
要望 尾崎委員
説明の中で、来年、世界遺産登録から20周年ということで、いろいろ新たに考えていこうということは結構なことだ
が、かつらぎ町の三谷坂などが追加登録されたので、紀伊路についても要望する。
紀伊路は和歌山市から田辺市まで続く。既に跡形もないようなところ、変わり果てたところもあるだろうが、紀伊路
の中の藤白神社、藤白坂から始まるところは各王子がきちっと残り、その環境も、特に藤白坂などは当時のまま全く変
わらぬ景観となっている。
以前、史跡の指定を受けていなければ、世界遺産登録は難しいと聞いたが、既に何か所も史跡指定も受けている。ぜ
ひ一度20周年を迎える中で力を入れ、紀伊路、それもセット区間を設けて、追加登録を目指してほしい。
京都から熊野までの全ての区間が登録されることが一番だが、形状など見れば難しいところや、おかしいところがあ
ると思う。そんな中、紀伊路の中で特に藤白神社、それから藤白坂、塔下王子、橘本王子、所坂王子から山口王子、峠
を越えて有田の宮原、この辺までの区間は大変形状も残されているので、ぜひ、新たに登録を考えてもらいたい。
いつの機会になるか分からないが、取消しもあれば追加もある。一旦、登録されても、その形状が後にふさわしくな
いということになれば、世界遺産の登録を取り消すということもある。また、申請は漏れていたけれど、いいものは追
加で認めていくという流れもあるので、ぜひ、このことに関して力を入れて、再追加申請に努力をしてもらいたい。
史跡になったところもずいぶんあるが、史跡になっていないところも国に対して史跡の指定を得るべく努力をしてい
るので、一定の熟度になれば、一生懸命その動きをとってもらいたい。力強い協力をお願いする。
Q 尾崎委員
前回、ENEOSについて、10月1日から機能停止という状況の中、関連する下請、その下の孫請の雇用をどう考えて
いくか、大変な状況になると話をさせてもらった。先般から少し調べているようなので、それがどんな状況か説明して
ほしい。
また、無害化工事をするのに5年もかかる。5年が過ぎ、それからさあ考えようかなんて言っていたら、それは呑気
なことである。終わったら即、新たな課題というか、よい形の方向へ向かえるように最大限の努力をしてほしい。
SAFに取り組んでくれることはありがたいが、利用は一部の土地となっている。それ以外のところがまだ多く残って
いる。SAFをどんどん広げてもらってもいいし、またその関連するような事業を入れてもらってもありがたい。先ほど
からの説明を聞いていると、和歌山市へということも一部あったが、大体、橋本市のほうに企業が進出している。もう
ここ数年、これだけの海岸線を持っている和歌山県であるにも関わらず、海岸線に企業誘致というような話は、ほとん
ど耳にしない。大部分は、京奈和の道路沿いに集中しており、ありがたいことだが、あまりにも寂しいのではないかと
も思う。大変であると思うが、その努力をしてもらいたいということと、ENEOSに関して全力を尽くしてほしい。そこ
で、まず、このENEOSに関する下請、孫請が大体どんな状況か説明してほしい。
A 田端企業振興課長
前回、尾崎委員からの意見を踏まえて、ENEOS和歌山製造所の協力会社に和協会という会があり、その和協会会員の
全ての企業に聞き取り調査を行った。その結果、全体として、製油所機能が停止した後も直ちに大きな事業量の減少と
いうことは生じておらず、孫請企業を含め、経営が行き詰まるような企業は生じてないということが明らかになった。
一方で、やはり雇用については、オペレーションを担う企業等は、事業量減少を見越して、整理解雇を実際行っている。
また、自主的に退職された方も各社とも出ているという状況も明らかになった。ただ、整理解雇を行った企業も、就職
のあっせんなどをされ、再就職については円滑に進み、自主的に退職された方もハローワークを通じて、円滑に転職さ
れたと聞いている。県としても、いろいろ情報提供を行ったところ、ひとまずは混乱なく推移しているのではないかと
いうふうに認識している。ただ、委員が指摘されたように、無害化工事等もいずれ終了することから、SAF等の新規事
業についても協力会社の仕事、業務量等はまだこれからの話であり、そこはしっかり県としても危機感を持って、引き
続き情報収集していく。また、検討会の中間取りまとめというところでも示したとおり、企業誘致については、全ての
用地をSAF等の事業で使うわけではないことから、企業誘致の用地についても設定している。そこについては、県もし
っかり協力して企業誘致につなげていくように努力していく。
要望 尾崎委員
それぞれ整理をしなければならないところ、新たな職を探さなければならないところ、特に下請、もっとひどいのは
孫請になってくるであろうが、そういうところまで、心を致して、県の動きが悪かったというようなことのないよう、
県として、ぜひ頑張ってほしい。併せて、後の企業誘致に関しても、全力で取り組んでほしい。特にコスモ石油が撤退
した中で、石油城下町、下津町がどんなひどい状況になったのかということを私は見てきた立場であるので、やはり今
回のこのENEOSに関しても、そのようなことが起こらないよう、ぜひ県としても、フルにやり切ったなというぐらい頑
張ってほしい。
Q 浦口委員
企業誘致について、感覚的に企業誘致ということで1件1件呼んでくるのではなく、石油産業や鉄鋼産業などの、い
わゆる産業誘致という大きな目標を立てて働きかけをすべきだと考えるが、その辺について聞かせてほしい。
A 貴志企業政策局長
産業の集積については、尾崎委員指摘のとおり、今は京奈和沿いに誘致をしている。今後は、串本町でロケット関連
の企業集積があると思うし、御坊市のバイオマス、有田市ではSAF、それにかかって合成燃料、水素というように広が
っていけばという準備もしていく。紀の川市では、パナソニックのリチウムイオン電池関係の広がりもあると思う。
和歌山市では、つい最近データセンターとして、Googleがコスモパーク加太の37ヘクタールに進出する。誘致交渉
がやっと実った。その後Google中心の取組もしていく。
また、知事が本会議でも答弁したように、GX投資を呼び込むために、土地の整備であったり、民間企業との調整で
あったり、インフラの整備であったりということの中で、一気に産業集積をするのは難しいが、そういう準備も含めて、
産業の集積に向けて、組織挙げて取り組んでいきたい。
Q 浦口委員
非常に努力しているのは分かるが、人口減少が今までの20年間より今後の20年間のほうがもっと早い。それと同時
に、肌感覚であるが、和歌山の景気はまだまだよくないと感じる。
先日、委員方も圧倒されていたが、熊本県菊陽町にあるTSMCの巨大な半導体産業、もちろん土地や水などの条件が
異なることも十分理解しているが、やはりそういうものを戦略的に、ポイントを絞って誘致すべきじゃないかと思う。
そして、その規模などを目標にすべきである。例えばロケット産業であれば具体的にどれだけの産業や雇用を生み出す
かという目標が出てこない。
それだけに、和歌山県民から言うと、わくわく感、期待感が熊本と比べて少ない。
委員の皆さんと熊本を視察した後、街中に出て21時過ぎであったが、物すごい人がいた。もちろん熊本市とは人口規
模がちがうが、景気の差が、そういったことも出ていると思う。今すぐにできないと思うが、ぜひ目標として、産業集
積という言葉ではなく、産業誘致という形で、目標持ってほしいと思うが、いかがか。
A 貴志企業政策局長
現在、和歌山県に親和性のある企業を呼び込むということで、産業技術政策課を中心に、「わかやま成長産業開拓ビ
ジョン」を策定しようとしている。その作業中であり、ロケットや電池、そのような産業中心に委員の方が議論してい
るところである。それらを踏まえて、しっかりと誘致につなげていきたい。
そして、2030年までの国の目指すGXの取組と併せて、TSMCのような企業に来てもらえるよう、なかなか難しいこ
とであるが、努力をしていく。
要望 浦口委員
ぜひ頑張ってほしい。
今年シーリングで15%カットされる。行政は戦々恐々だと思うが、果たして県民の皆さんがどのように感じるかとい
うと、「カットして大丈夫か」、「我々が県に対して、いろいろ要望していることはできるのか」というような意見を聞く。
それだけに視点を変えて、産業を誘致することによって、具体的に、何人の規模で雇用を生み出す、雇用規模を確保
するとか、年間売上をどれだけ上げるというマニフェストをぜひ、つくってほしい。そうでないと、具体的でなく、県
民も期待が持てないと思う。よろしくお願いする。
要望 山下委員
もう十分承知していると思うが、熊本の半導体でも、熊本県は随分前から台湾と交流している。企業誘致だけの目的
で交流するのではなく、いろんな交流をしながら誘致する、そんな戦略を持つべきである。商工観光労働部だけでなく、
県庁で連携して横のつながりを持ち、深く諸外国と交流していくべきである。よろしくお願いする。
Q 佐藤委員
高校生の就職支援について、10月末現在の就職内定率が79.2%ということだが、昨年同時期の数値と昨年度の最終の
数値はどうなっているか。
A 岡本労働政策課長
昨年の同時期10月末時点では、内定率が79.3%、昨年度よりも0.1ポイント下回っている。最終的には99.7%となっ
ている。
Q 佐藤委員
今年度も最終的には、同じくらいの率が見込めるのか。
A 岡本労働政策課長
見込んでいる。就職希望者に対しては、例年、未内定が10人を切るくらいの人数になっている。10人弱いるので、全
ての方が就職できるように取り組んでいく。
Q 佐藤委員
労働相談69件とあるが、一番多い相談は何か。
A 前嶋労働委員会事務局次長
一番多いのは「パワーハラスメント、嫌がらせ」の相談である。
ほか退職、賃金、有給休暇に関するものが多く、これらが例年上位を占めている。
Q 佐藤委員
パワーハラスメントの相談が多いということだが、対応や解決はできているのか。
A 前嶋労働委員会事務局次長
相談は片方からのみの相談になるため、パワーハラスメントに関しては、両方の話を聞いてみないと分からないところ
がある。
パワーハラスメントに関しては現在、企業が相談窓口を設けないといけないことになっているので、まずはそこに相談
するよう話をする。また、その相談窓口が機能していないような場合は、労働委員会には指導権限がないので、指導権限
のある労働局に相談するように案内している。
Q 佐藤委員
観光について聞きたい。今、コロナが5類になって、和歌山県内でもインバウンドを含めて多くの観光客が入っている
ような動きが見られる。県は主要観光地7か所の夏の入込を発表し、中にはコロナ禍前より多いところもあるような数字
も出ているが、県全体で今期、令和5年度の県下の動きを教えてほしい。
A 林観光振興課長
委員指摘の夏の主要観光地7か所の観光客入込の状況については、先月11月に発表した。インバウンドの回復もあって
総数でコロナ前の水準も上回り、宿泊客数についても9割以上まで戻ってきている状況である。
令和5年全体の数字は把握できていないが、秋以降の状況を白浜や勝浦の旅館組合に聞くと、いずれも順調に推移し、
年末年始の予約も順調に入っていると聞いており、好調な状況と見られるのではないかと考えている。
Q 佐藤委員
メタバース関係の誘客に関し、ANAと行うことについて、その内容を教えてほしい。
A 林観光振興課長
メタバースの取組について、ANA NEOという企業がメタバースをつくって、国内外に展開していくわけだが、和歌山県
については、まず熊野古道を中心にメタバース上に入ると、例えば滝尻王子をスタートして、最終的に本宮大社や那智の滝
などを巡るロールプレイングのような仕組みになっている。その行き先では、実際のホテル予約など現実の誘客につなげる
ような仕組みになっており、現在展開をしているところである。
●川畑委員長
◎議案に対する質疑及び一般質問終了宣告
◎議案に対する採決宣告
◎議案第126号、議案第127号、議案第129号及び議案第130号については、全会一致で原案可決
◎商工観光労働部・労働委員会審査終了宣告
◎休憩宣告
午前10時35分休憩
午前10時38分再開
●川畑委員長
◎再開宣告
◎公安委員会審査宣告
◎議案等に対する説明要請
●山﨑警察本部長、今野警務部長及び射場会計課長説明
●川畑委員長
◎議案に対する質疑及び一般質問宣告
Q 川畑委員長
先日、国会で大麻取締法の改正が可決・成立したが、本年11月末時点、県警で大麻事犯での検挙が100人ということで
あり、全国的にも増加傾向にあると思われる。
法改正により新産業創出の扉が開かれたということで大変期待しているところであるが、その一方で大麻の乱用者が増
えないようにしっかりと対策を講じる必要があると思われる。
法改正に対し、県警での取締りの方策はどうか。
A 保田組織犯罪対策課長
今回の大麻取締法等の改正の概要は、大麻草から製造された医薬品の施用等を可能とするための規定の整備、大麻等の
施用罪の適用等に係る規定の整備、大麻草の栽培に関する規制の見直しに係る規定の整備である。
県警としては、制定された法律の規定に基づき、厳正な法執行を行っていくことが重要と認識している。引き続き、大
麻情勢の沈静化に向け、大麻事犯の徹底検挙を推し進めていく。
意見 川畑委員長
大麻の乱用者が増えることで、新産業創出の扉が閉じるようなことになれば、何のための改正だか分からなくなってし
まう。引き続き、頑張ってほしい。
Q 浦口委員
前回、逮捕術の訓練について質問したが、それに関連しての質問である。
今年から逮捕術の県下大会が再開され、皆さん、頑張っていた。特別訓練生の全国大会、管区大会は今年、どうであっ
たのか。
A 喜多教養課長
管区大会については既に終了したが、全国大会については来年の2月9日に実施予定である。
Q 浦口委員
管区大会の成績は、どうであったか。
A 喜多教養課長
芳しくなかった。
Q 浦口委員
過去、管区大会で優勝していたこともあったかと思うので聞いた。
特別訓練生は大変厳しい訓練をしている。ぜひ、優勝すること、上位入賞を目的とし、その目的を達成すれば、大々的
に世間に和歌山県警は頑張っていると宣伝をしてほしい。
例えば、管区大会や全国大会でよい成績を挙げれば、広報するのか。
A 喜多教養課長
広報については、これまで積極的に実施していない。しかし、全国大会については当然、全国の記者が来るため、発表
される。
先日行われた本県での柔剣道大会は報道発表し、全国大会についても警察庁から全国へ発信されている。
要望 浦口委員
訓練をやっている方の励みになるので、ぜひ、積極的に広報してほしい。
柔剣道と違い、逮捕術は初体験の方が多く、鍛え方によって上位に進出できると思う。広報すれば、特別訓練生、警察
官の励みになるので、よろしくお願いする。
●川畑委員長
◎議案に対する質疑及び一般質問終了宣告
◎議案に対する採決宣告
◎議案第126号及び議案第146号については、全会一致で原案可決
◎公安委員会審査終了宣告
◎継続審査を要する所管事務調査宣告 異議なし
◎閉会宣告
午前10時55分閉会