令和5年6月和歌山県議会防災・国土強靱化対策特別委員会会議記録
令和5年6月和歌山県議会防災・国土強靱化対策特別委員会会議記録
1 日時 令和5年6月22日(木) 午後2時20分~午後2時50分
2 場所 予算・決算特別委員会室
3 出席者 委員長 尾崎要二
副委員長 堀 龍雄
委員 坂本佳隆、井出益弘、玉木久登、鈴木太雄、冨安民浩、中村裕一、長坂隆司、中尾友紀、高田英亮
欠席委員 なし
委員外議員 なし
4 概要
午後2時20分開会
●尾崎委員長
◎開会宣告
◎報告事項 委員の欠席なし
◎傍聴協議 なし
◎撮影許可 3件
◎議事 防災・減災対策の現状と今後の取組に係る説明要請
●福田危機管理監説明
●尾崎委員長
◎説明に対する質疑等宣告
Q 玉木委員
6月2日の冠水により道路状況がズタズタで、和歌山市内から帰って来れなくなるなどの被害がある中で、
「どこが通行止めになっているか分かりにくい。」と多くの電話をもらった。県道については「防災わかやま」
で通行止めなどの道路情報が出ているが、国道や高速道路とはリンクしていない。県道の通行止めは分かるが、
国道の通行止めが載っていないため、行けると思って行ったら通行止めであったとかなり苦情を受けた。和歌山
県の道であるのだから国土交通省と連携を図り、一元化することはできないか。
A 藤戸防災企画課長
対応できるか持ち帰って検討する。
Q 玉木委員
今回の線状降水帯は、有田市で初めて経験するような大雨だった。本流となる有田川、これは越水や溢水
はなく通常どおりで、ダムも事前放流をしており、完璧であったと自分では思っている。ところが今回、雨
の降った量があまりにも多くて内水氾濫が起きた。
それはやはり、本流が多く水が出るため、樋門を閉めないとどうしても水が出てくると。そういった形で
ポンプアップするが、当然、今まで想定していない雨量が降ったため、内水氾濫を起こして、そこら辺が冠
水、または床上、床下浸水したということだと思う。
例えば、今現在の排水機能は、時間雨量もしくは日雨量としてどれくらいの雨量に対応しているのか分か
っているのか。また、今後起こるであろう線状降水帯に対して、内水氾濫を起こさないための、例えばポン
プ機能であるとか、別の排水機能を設けるとか、そのような計画を今後考えていこうとしているのか。
A 鈴置河川課長
毎秒当たり何トンの水を吐き出していくかという形でポンプの性能は決まっている。これが雨の量との
対応となると、雨の降る継続時間、降る場所といったところで流量が変わってくるため、一概に決まるも
のではない。
今後の対応としては、ポンプのみで排水対応するのは難しいところもある。また、吐き出した先の河川の
整備が進むことで、排水機能をより確実に発揮できるので、引き続き現在の河川整備を進めていきたい。
要望 玉木委員
住民は今回の6月の豪雨で駄目だとはっきり分かったので、次の対策を練らなくてはいけない。ある程度、
受ける面積、時間雨量や日雨量でどれくらいの水が出てくるのかというシミュレーションは当然行って
もらって、それでポンプ1基つければよいのかとかそういう話になってくる。県民は、その被災された所は、
二度と起こしたくない。ただ雨量がこれだけ多かったので仕方ないと判断する人もいるし、逆にこんなこと
にならないよう、2基、3基とポンプを増やしてほしいという話も現実的になってきている。だからある程
度、どれくらいの面積に対して、どれくらいの雨が降れば、これぐらいの水が出てきて、排水能力としては
これぐらいのポンプがいるというシミュレーションはできないものかとずっと思っていた。できるかできな
いかという答えは後日でいいが、それは一度考えてもらいたい。
Q 中尾委員
亀の川の越水ということで、紀三井寺団地は浸水被害がたくさんあったのだが、和歌山市側の状況、床上浸水、
床下浸水どの程度あったのか把握しているか。
●尾崎委員長
回答できないなら、きちんと精査し、中尾委員に報告されたい。
Q 中尾委員
紀三井寺団地は、南側に山を抱えており、その向い、反対側に亀の川が流れており、すり鉢状態になっており、
常に浸水が危惧されているという状況だが、そこの対策についてどう考えているのか。
●尾崎委員長
回答できないなら、きちんと整理し、報告されたい。
Q 鈴木委員
この間の大雨のときに、高速道路が通行止めになった。和歌山から、例えば海南方面であるとか、もちろん
田辺から和歌山方面であるとか。命の道という割にはすぐに止まる。一番期待をしている道路である。今、
どんどん国の方でも整備を進めてもらって、災害用の道路であるとか、命の道路であるとか、そういった掛け声
で、絶対必要なんだということで、努力を我々もしている。高速道路が何よりも一番基準の高い道路でもあるし、
そしてまた、80キロ走行で駄目なら、極端な話、30キロでもいいので、血流と同じなので、そこはどうにか通さ
せてもらいたいが、検討してもらえないか。
A 市川道路政策課長
高速道路の今回の通行規制については、事前通行規制という制度を導入しており、過去に遡ると、昭和43年に
岐阜県の飛騨川でバスが流されたという教訓を受けて、昭和44年に国土交通省が事前通行規制制度というのを導
入したと聞いている。基準については、降り始めから雨量が一定の数値に達したり、短時間で急激な降雨があった
場合ということで、雨量基準等を決めており、例えば、湯浅御坊道路の有田から御坊インターチェンジは、連続
雨量が290ミリとか、あと組み合わせ雨量で連続220ミリと50ミリとかいったような雨量に達するときに、事前
通行規制をかけるというふうになっていて、やはり人命の安全第一ということで通行規制をかけているということ
で聞いており、理解してもらいたいとのことである。
要望 鈴木委員
基準があってという話はおおむね理解する。我々としてはそこをどうにかできないかということである。
道路が都会みたいに何本もあれば、聞き入れざるを得ない。我々は道路が限られている中で、こういったことが
起こる。道路が少ない県、高速道路の周りに道路がない地域に限って、特例で10キロでも20キロでもいいので、
通行できるよう県からも要望していると思うが、毎日のように電話をするなど熱意を伝えてほしい。
我々も努力していく。
●尾崎委員長
適用基準を設けているので難しいでは納得できないということを、過去、本会議で何度も指摘している。安全性
や強度からみると、一番強いのが高速道路である。それが危険ならば、脆弱な県道や町道は全て、止めるべきである。
スピード制限をかけてでも、やはり最後まで高速道路というのは頑張るというくらいの思いで臨んでもらいたい。
県が国に要望するときには弱腰であるように感じており、当局の姿勢にも少し問題があるという点は、指摘をして
おきたい。
それと、お手元に、「災害救助法とは」の資料を配付している。
この委員会に所属する各委員には、県議会としての良識を示すという意味においても十分読んで理解してもらえ
ればと思う。
実は私も今回、質問にあたっていろいろ調べた。
災害救助法の適用基準には、浸水した場合は、床上の3世帯で全壊の1世帯としてカウントするというような
ルールがある。この床上に準じて、物事を考えていくと、人口30万人のところだと450世帯の床上浸水があれば、
適用する。
そして、今回紀美野町。人口が1万人はないけど、1万人として計算してみると、120世帯なければ認めない。
人口から見たら30万と1万、30分の1なのに、片や450で片や120というと4対1。こんな比率の計算の仕方は
おかしい。30対1ならば、450なら15でちょうど30分の1の数字である。だからこれは不公平。それと、なぜ
このような不公平な状態が今まであったのか、あまり問題にならなかったのかというと、毎度、毎度災害が来る
わけではない。だから関心が薄い。私もそうだが。たまたま海南市が認められて、同じ貴志川水系で紀美野町が、
同じようにやられているのになぜうちは採択してくれないのかというようなことがあって、数字等を調べたら、
出てきたのが今の数字である。
だから、人口が少ない町ほど、ひどい目にあっても採択してもらえない、災害救助法に入れてもらえないという
のが、数字で明らかになっている。今までもそういう地方の声は、多分、多少はあったと思うが、それすらしてい
ない。その基準が不公平な基準ならば、説明しても納得してもらえない。今度、国への意見書に関しても、憤りを
込めて、その点もきちんと入れるように協議もしてもらっているようなので、委員各位には協力をお願いしたい。
それと最後に、ポンプの問題、河川の容量の問題、いろいろな問題点が今回出てきている。私も20年かけて地元
にポンプ設置して、新品のポンプを今回動かしたが、後ろから押してくる水のほうが多くて、役に立たず、ポンプ場
の扉を開いて、そのまま流さざるを得なかった。大変な水であったのは確かだが、本当に操作がよかったのか、
能力が足りなかったのか、コンサルから教えてもらった数字を正しいと信じたうちの落ち度なのか、どうかは分から
ないけれども、一回思い切って検証してもらいたい。高速道路を早く止めるのが、正しいかどうかも併せて、今回
のこの機会にやらなければならない。高速道路が早い時間に止めることを何回も本会議で言って、「重要な指摘だ
と思いまして、早速国のほうへ」と答えたら、もうそれで終わっている。本気でいろいろと検証してもらいたい。
検証するのは県の責任と思うので、よろしく頼みたい。
●尾崎委員長
◎説明に対する質疑等終了宣告
◎県内外調査協議 委員長一任
◎閉会宣告
午後2時50分閉会