令和5年6月和歌山県議会文教委員会会議記録
令和5年6月和歌山県議会文教委員会会議記録
1 日時 令和5年6月26日(月)午前10時0分~午前11時26分
2 場所 第6委員会室
3 出席者 委員長 藤本眞利子
副委員長 藤山将材
委員 三栖拓也、山田正彦、坂本 登、林 隆一、中西 徹
欠席委員 なし
委員外議員 なし
4 概要
午前10時0分開会
●藤本委員長
◎開会宣告 挨拶
◎報告事項 委員の欠席なし
◎傍聴協議 2件
◎撮影許可 3件
◎議事 議案2件、継続審査を要する所管事務調査7件
◎教育委員会審査宣告
◎議案等に対する説明要請
●宮﨑教育長説明
●藤本委員長
◎議案に対する質疑及び一般質問宣告
Q 林委員
熊野高校看護科は5年制で、3年間は一般の普通科と同じで、あと2年間は看護師試験の受験のため専門課程があ
る。
4年に上がるときに、全員ではないと思うが、人数の関係で寮を出て、ほかに住んでもらえないかと言われ、困惑し
ていると県民の方から聞いたがどうか。
A 藤戸総務課長
寮の現状については、現時点で把握できていないため、確認して報告する。
意見 林委員
確認をお願いする。困っているとのことなので、考慮してほしい。住むところを探すのが大変な場所かもしれないの
で、その辺を少し考慮してほしい。
Q 林委員
女子の硬式野球部の現状について聞く。
和歌山ハーモニーズという女子野球チームが全国優勝したということで、和歌山県においては、女子の野球チームが
強くて活躍している現状があるが、中学に入ると女子単体の野球部がなく、高校に入ると、野球をしたい子は男性チー
ムに入っているとの声も聞く。昨年、玉木議員が同様の質問を議会でされたと思うが、県外へ出て野球をしている子も
いるということで、和歌山にも女子硬式野球部をつくってはどうかという思いもある。まず現状について聞く。
A 田伏スポーツ課長
委員の話のとおり、和歌山ハーモニーズは、昨年、全国優勝している。
また、現在、高等学校において、女子の硬式野球部はない。
Q 林委員
女子の硬式野球部は、どうすれば創部することができるのか。
A 田伏スポーツ課長
女子の硬式野球部に限った話ではないが、生徒のほうから新しい部を創設したいという声が上がることが大事だと考
えている。その上で、その声を受けて、学校と生徒が取組を行うということで、同好会からという事例もあるが、そう
いった形で進めていくことになる。
意見 林委員
私は、将棋同好会から始めて、そこから将棋部を創部した経験もあるのだが、ただ誰かが声をかけてあげないといけ
ない。私の場合は、学校の先生に声をかけてもらい、同好会を設立し、将棋部に昇進した経緯があり、声かけすること
が非常に大事だと考えている。
和歌山市内のある高等学校に野球部があり、そのうち1名が選手として野球をしたい女子だと聞いている。スポーツと
いうのは、他のスポーツも同様だが男性と女性では体力差があり、一緒にするのは少ないと思っている。その女子生徒
に限らず、そういう方がいるかもしれない時点で声かけすることで、和歌山から他府県に移る子も減ると思うので、人
口確保という観点からも進めてほしい。
Q 林委員
県立高等学校の入学者選抜について、本年度の出願倍率はどうか。
A 下村県立学校教育課長
本年度の倍率は、0.89倍である。
Q 林委員
今、0.89倍との回答だったが、近年、県立高等学校の入学者選抜は、倍率が1倍を切って低倍率となっており、中学
生の大半が、ある程度の競争も経験することなく高校に入学しているという現状がある。
こうした競争する経験の不足というのは、将来の大学入試や就職試験などの場面において、生徒本人が困ることにつ
ながるのではないかと考える。
このようなことから、思い切った高校再編などにより、学校数やクラス数を減らすことが必要だと考えるが、どのよ
うに考えているか。
A 下村県立学校教育課長
本県では、「和歌山の子供は和歌山で育てる」という方針の下で、緩やかな募集定員を設定している。ある一定、行
きたい学校へ入学できるようになっていると思っている。
入学者選抜については、競争や失敗を経験することが目的ではなく、自己の適性や興味・関心に基づいた、学校や学
科選びになることが大切であると考えている。
高等学校の在り方については、令和4年3月に策定した「県立高等学校教育の充実と再編整備に係る原則と指針」に
基づいて、各学校の魅力化・特色化を、現在進めているところである。
意見 林委員
それは分からなくもないが、ただ、競争率が0.9を切っている現状においては、受験勉強をしなくても入れるというの
はいかがなものか、緩やかすぎるのではないか。
知事も財政危機警報を発表しており、費用対効果の観点から考えても、県立高等学校の再編整備をしっかりと進めて
いってほしい。
Q 中西委員
令和5年6月に公表された、令和5年度の「教育委員会事務の点検及び評価報告書」について、まず、1点聞く。平
成20年度からこの報告書が出されているわけだが、目的は一体どう捉えたらいいのか。
A 藤戸総務課長
事務点検評価の目的についてということで回答する。基本的には、教育の施策については、教育基本振興計画という
5か年計画をまず策定して、その計画を基に毎年度、取組・施策を実施している。その施策が有効に機能しているかど
うかという視点を含め、毎年度この事務の点検評価を行った上で、次の取組につなげていこうと行っているものであ
る。
Q 中西委員
いろいろ気になる点があったが、1点だけ聞きたい。全国学力・学習状況調査の小学校6年生、中学校3年生の評価
について、国語と理科の順位が、それだけを見てみると、46位と低迷している。昨年度を見ても、低迷している。全て
の教科で、一応20位以内という目標値を立てられているが、なかなか上がらないということについて、課題をどのよう
に捉えているのか。
A 大堀義務教育課長
中学校の国語、理科のことだが、国語は分析したところ、特に文章を読み解いたり、読み解いたことを用いて自分の
考えを書いたりすることに課題がある。
理科については、実験や観察結果から考察することに課題がある。
また、質問調査をしており、国語と理科についてはそれぞれの教科が好きと肯定的に回答した生徒の割合は年々高く
なっているが、全国に比べるとまだ下回っている。これも課題と考えている。
そこで、昨年度から新政策で、「学力向上プログラム」によって、教科担当教員が学力の課題改善に向けた授業づく
りを学ぶ「指導力向上研修」を実施している。
また、県学習到達度調査で従来1回実施していたものを2回に増やして、これまで以上に生徒の学力の定着状況をき
め細かく把握して、生徒個々のつまずきに応じて教材を提供している。このようなことで、学力向上に取り組んでいる
ところである。
Q 中西委員
今の説明は、「きのくに学力向上総合戦略」のことと理解してよいか。
A 大堀義務教育課長
そのとおりである。
Q 中西委員
先日の大雨の気象警報発令時の学校対応について、周りの保護者からも連絡があったので、聞きたい。
気象発令時の登下校の判断を早くしてほしいことと、柔軟に対応ができないのかということの相談を受けたが、これ
はなかなか難しいと私も判断している。今回の豪雨で、私立学校では次の日は警報が出るから、前日から休校にしてい
た学校があり、調べてはいないが、他府県の公立小学校では休校にしたところもあったと聞いている。仮に警報が予測
できた場合、難しいと思うが、前日に休校にすることは公立学校で可能なのか。
A 川口教育支援課長
事前に休校にすることは可能である。実際、今回の大雨のときも、和歌山盲学校、ろう学校は警報が出ていない時点
で、前日から休校を決めている。
Q 中西委員
これはどこが判断するのか。校長先生か、県教育委員会、市町村の教育委員会なのか。
A 川口教育支援課長
校長になる。
Q 中西委員
判断によっては、休校する、しないのばらつきにつながることにならないか。
A 川口教育支援課長
校長判断なので、ばらつきが出てくると思うが、県では気象庁の「キキクル」というホームページや、公共交通機関
がどのくらいでストップするかという情報を各学校等に事前に周知し、できる限りばらつきがないように対応してい
る。
Q 中西委員
下校時も警報が出る前に校長先生が事前に危ないから下校させることも可能なのか。
A 川口教育支援課長
可能である。
Q 中西委員
この学校が早く帰って、この学校が遅く帰ってというばらつきが生じてはいけないと思うが、県教育委員会としてシ
ミュレーションはされているのか。
A 川口教育支援課長
防災リーダー研修会を毎年開催しており、学校の管理職、教員に集まってもらい、臨機応変な対応をできるような研
修をしている。今回も、今帰ると危ないという状況の中で、例えば支援学校であればスクールバスが出せない状況で、
保護者に迎えをしてもらわなくてはならないことから時間調整が必要になる。そのため、あえて給食の時間を早めて、
子供たちをとどめおき、迎えの時間まで時間調整を行ったという事例もある。臨機応変な対応ができるように、今後
も研修等を充実させていきたいと思う。
意見 中西委員
私のほうでも、給食の話を保護者から聞いている。その中で保護者から、柔軟に対応してほしいのと、やはり危険な
ときは下校させないという対応を統一してほしいということがある。基本、集団下校で帰るが、そこの判断はなかなか
難しいとは思う。県教育委員会としてもきっちりまとめて、市教育委員会とか30市町村の教育委員会にシミュレーショ
ンというか、研修会をして、きっちり取組を進めてほしい。
Q 山田委員
公立と私立は、県として関わりが違うのか。この前、林委員からも本会議場で質問があったが、私立のことについて
は企画部の文化学術課が答弁する。
内容的にはいろいろディスカッションがあったが、何かのディスカッションをする場合に、教育委員会はタッチしな
いのか。タッチすべきなのか、しないほうがいいのか、どっちなのか。
A 宮﨑教育長
場合によるので、その質問は大変難しい。
例えば、この間の授業料の話で言うと、大阪府が私学を招集して説明をしたと話を伺っている。その場合は、文化学
術課からも行って、話を聞いていたと思う。
お金の問題のことがメインだったと思うので、その関係では、県教育委員会の方ではあまりタッチはしないことにな
る。私学に関しては、私学助成金というものを、文化学術課で持っている。運営関係は、どちらかというと、私学のほ
うが教育委員会にはタッチしないでほしいと思っているというような状況もある。
Q 山田委員
根本的に私の頭の中で考えていることと違う。私学であろうが公立であろうが和歌山県の子供たちには、将来の夢を
託すために勉強してもらっているのだから、私学だから公立だからという区別というか、差別というか、すべきではな
いと思う。それをお金に絡めて、そういうことをするというのは、私の頭の中でおおよそ想像がつかない。ところが
今、教育長が言うようにお金がどうとかこうとか、保護者の人も皆さん方も、支出は少ないに越したことはない。けれ
ども、やっぱり将来の日本や地域を背負ってもらう子供たちが、一生懸命勉強してくれて才能を伸ばし、情操豊かな子
供になってもらうということについて、銭金の問題ではないと思う。
ということは、私学であっても、和歌山県の教育委員会としては、無関心でいるべきではないと思う。
和歌山に私学が10校ほどあると思う。私立の学校の方に話を聞けば、ある日唐突に、大阪からこういうことで一度話
を聞けというようなことで、文化学術課を通じて、話を聞きに来いということで行ったと。そうしたら、大阪府ではこ
ういうことをするのだと、和歌山もそれに同調したらどうだというような話があった。細かいことは別としてそういう
ことだったと。私の感覚としては、和歌山県のことに、大阪の方々が土足で家に踏み込むような感覚というのはいかが
なものかと考える。それを教育委員会として傍観していていいのかという思いがある。それを、現実にどう思っている
か、これはあくまでも私学のことだから文化学術課に任せて、そんなことは知らないということで済ませられる問題で
はないと思う。私学はそれぞれいろんな苦労をしている。新聞にも載っていたが、大学校なども今、定数割れのような
ことで、経営的にも大変だと聞く。恐らく和歌山の私学もそうだろうと思う。大阪は大阪で、便利がよく、まあまあ町
に近いようなところにある学校が90数校あるという話だから、交通の便もいいし、環境的にもいい。ただ、和歌山は不
便なところでもあるけれども、私学の先生方はいろんなことで父兄にも御負担をかけながら、苦労して、学校として特
色ある生徒が希望するような生き生きとした授業をしたいということで、一生懸命頑張っているのに、バケツで水をか
けるような話であり、土足で上がりこんで来るようなことを、教育委員会としては見過ごしていいのかということを言
いたい。それについて回答してほしい。
A 宮﨑教育長
和歌山の子供たちをという意味では、私たちは一緒だと思っている。そこは理解してほしい。ただ、私学は私学なり
の自分のところの信念や校風というものを持って、こういうことをやりたいと思って、私学はやり出している。
今、新しく学校をつくるという方々がいるが、まさにその思いを私学で実現しようと思っている。公立学校は、堅い
決まりがあって、やっぱりカリキュラムの問題が一番ネックになってくると思うが、そういうカリキュラムで、それぞ
れの特徴を持たせながら、今は一生懸命頑張っている。
私学は、今、子供たちが減っており、非常に大変だというのは本当にそのとおりだと思っている。公立のように子供
が減っているからクラスを減らさないかということを私学にも持ちかけたりもするが、私学は、なかなかそうはいかな
いのもよく分かっている。
今回大阪から、大阪の子が和歌山の私学へ通うのに、大阪の学校と同じような待遇でやりたいということを説明に来
たというふうに聞いている。
だから、大阪の子供が、和歌山の私立学校に行くなら、その分のお金を幾ら以上だったらみるというふうな話になっ
ている。ただ、和歌山県も同じようにしろとは言ってないと思う。私のところはこういう形でやるので、大阪から通っ
ている子供については、こういう扱いでお願いしたいということを言っていると思う。だから、関係ないとは思ってな
いが、決してそういう誤解はしないでほしい。子供たちのためであるというのは、みんなそれぞれ思っていると考えて
いる。
Q 山田委員
我々が、和歌山の子供たちが1人でも健やかに、県や国を引っ張っていってくれる子供に育ってほしいという思いは、
これはもうどこでも一緒だと思う。私学は私学で一生懸命特色のある学校をつくろうと思って、生徒の少ない中でも苦
労してやっている。そのお金を補助してくれることについては、これ以上のありがたいことはないにしても、学校の特
色が消えるように思う。
誰でも行ける、誰でもフリーパスで行けるということになるような気がするので、現状だけのことを評価して云々と
いうことより、教育委員会としてはもっとロングスパンで見てこうあるべきだとか、それこそ大阪は大阪で好きにした
らいい、和歌山は和歌山だというぐらいの、プライドとパワーを持って取り組んでほしいと思う。
教育委員会は、目先のことだけしか考えていないのではないかと私は思っている。だから、もう少し先のことを読ん
で、例えば私学の学校の先生や校長先生を呼ぶということについても、あれは文化学術課がすることなのでほっといた
らいいと思っているのではないか。こういうことをするということについて、何か相談があったのか。
A 宮﨑教育長
相談は特になかった。
実際、この制度が大阪で決まり、今回は記者発表をして、そういう扱いにするということは、私たちもアンテナを高
くして、どういうふうになるのかをすごく分析した。やはり大阪のほうが安いのだから、大阪の学校へ行けるように、
大阪に住所を移したら、先ほど説明した和歌山の私立学校に行こうと思っても、和歌山だったら補助してもらえない
が、大阪からなら補助してくれるということで、林委員が言うような質問の内容になると思う。
ただ、そういう分析はするけれども、県教育委員会としては、知事の答弁の中にもあったと思うが、和歌山県として
は追随しないと回答していたので、和歌山県としては、しっかりと魅力ある学校をつくるために、お互いに切磋琢磨し
ながら頑張っていかないといけないと感じた。
意見 山田委員
知事も、画一的に子供たちを成長させるわけではなく、もっと例えば情操的にも、心豊かな子供を育てないといけな
い。5教科に限らず、手に職を持ったような子供もぜひ育ってほしいし、文化芸術に対しても感動を持つような子供が
育ってほしいということを常々言っている。だから、和歌山は知事を先頭に教育長なり、関係者が一生懸命将来のこと
を思って考えてくれたらいいので、私はよそから言いに来ないでほしいという思いである。だからその思いに、無関心
でいてほしくないということを強く言いたい。
Q 中西委員
県立自然博物館の移転リニューアルについて、その後、何か進捗はあるか。
A 藤戸総務課長
自然博物館の移転については、現在引き続いて課題の整理検討を行っているところである。新たに説明することは現
時点ではない。
Q 三栖委員
少子高齢化と叫ばれて久しいと思うが、和歌山県の子供たちが県外に進学していき、戻ってきてくれない。私自身、
県外に出て行った経験をした上で戻ってくるという選択をした身だが、一番ネックに感じたのが、和歌山に戻ってきて
も、都会と同等もしくは類似したような教育の選択肢や、教育を受けさせてやれないのではないかという不安が非常に
大きかったと記憶している。
和歌山県は子供も減っており、先ほど定員割れの話もあり、これから教育の選択肢を増やしていくのは難しいことか
と思うが、様々なテクノロジーを使い、やり方を工夫すれば、子供たちにとって、新しい選択肢を提示する取組ができ
ると思う。県としては、どのように考えて、どのような取組をしているのか。
A 宮﨑教育長
高等学校から外部の大学へ出るという子が非常に多いということで、大学が県内でたくさんできているという最近の
動きもある。一概に言えないが、看護科でも、リハビリの学校でも、和歌山県の子が90何%という高い状況になってい
るということから、大学へ行きたいがその数が限られているという形になっている。
高等学校を再整備し、今、「原則と指針」も出しているが、帰ってきたいと思ったときに、魅力あるものにしていか
なければいけないということを感じている。
先日、産業教育振興会を開催した。その会の中では進学校も含めて進学・進路担当の先生方と企業の人たちが、いろ
いろな話をする機会を設けた。すごくよかったと企業の方には言ってもらえたが、進学校の進路指導の先生はそういう
席につくことはほとんどなかった。今回、そういうことをしたのは、和歌山に帰ってきた子供を受け入れる企業がたく
さんあるということを知ってもらいたいと思ったからで、そういう進路指導をしていくのが理想である。
例えば高等学校で、農業をやりたいというふうな子供たちは少ないが、農業が和歌山にとっては生命線、非常に大事
な産業だということで、農業をしっかりと継いでいってほしいという気持ちがある。和歌山県の農業5年間一貫教育プ
ロジェクトやいろいろなことを今回始めた。農業の先生にもしっかりと勉強していただきたいということで、和歌山県
の研究所との交流会を始めている。そういうことで、農業のレベルをしっかりと上げて、魅力ある農業教育をしていき
たい。
工業に関しても、ワーキングチームをつくり、和歌山工業高等専門学校の先生方や和歌山大学の先生にも入ってもら
い、今の工業で何が必要なのかをしっかりとワーキングの中で工業高校の先生方にみんな集まってもらい議論をしてい
るところである。
宇宙のこともしかりではあるが、新しく魅力のある学校をつくっていき、その中でレベルが上がっていけばいいと思
う。その取組により、小中学校でも、和歌山の学校に行きたいと思ってもらえるような子供たちを育てていけると思
う。
まだまだ道半ばではあるが、しっかりと魅力のある高校をつくっていけたら、それが中学校や小学校にも波及してい
くと考えている。
意見 三栖委員
まさにそういった、新しい仕掛けが重要だと思う。今、教育移住という言葉も新聞紙面に登場している。田舎ならで
はの、田舎でしか味わえない体験や環境は確かにあると思うので、その中において、教育の質自体も都会で暮らしてい
る子供たちと遜色ないようなレベルで提供することができたら、こんなに強いものはないと思う。ぜひ、そういう面も
含めて、どんどん取り組んでもらいたいと思う。
Q 藤山副委員長
自然博物館の件について、今も質問が出たが、私自身も2月定例会において、自然博物館の移転リニューアルについ
ては、丁寧さに欠ける、プロセスがおかしい、約束を守れという立場で登壇した。
その中で、まず、以前は環境生活部の自然環境室というところが担当していたものが、今年から、県の教育委員会に
移管されたが、教育委員会として、この件について本気で取り組む気があるのか、そして、2月定例会の答弁の中で、1
00%十全な手続であったかどうかも含めて、しっかり検討すると知事の答弁であったが、まずはこの手続に関する検討
の結果を聞きたい。
A 藤戸総務課長
まず、手続の件については、海南市とは基本計画策定の作業の段階においても情報共有をした。ただ、やり取りの中
で、報告・意思疎通が図れていなかったという事実があり、そちらについては反省をしている今後についても、海南市
とは丁寧に話をし、情報共有を図りながら進めていかなければならないものと認識している。
Q 藤山副委員長
問題があったということであれば、海南市への対応はその後どうしたのか。
A 藤戸総務課長
意思疎通の問題については、報告できていなかった事案は、後ほど報告して、きちんと確認をしあえている状況であ
る。
Q 藤山副委員長
手続も含めて、発表の仕方だが、私も本会議場でも発言したが、もしコンセプトを変えるようなことであれば、たま
たま知事室に来た陳情団に、いきなり発表するようなやり方というのは、どう考えてもおかしい。その点についても問
題ないと思っているのか。
A 藤戸総務課長
その点について、おかしいと私からは言えない。
Q 藤山副委員長
なぜか。やり方や手続を含めて、検討すると本会議場で答弁したではないか。その結果を今聞いている。言えないと
はどういうことか。
A 藤戸総務課長
全体の工程について、進むようにというところで海南市と話をしているが、知事のその場での説明について、どうで
あったかということを、私から回答はできない。
Q 藤山副委員長
その点については、検討していないという理解でよいか。
A 藤戸総務課長
その点については、検討をしたが、間違えていたとか、そういうことではないと思っている。
Q 藤山副委員長
間違えていないと答弁したのか。それでよいのか。
A 藤戸総務課長
事前に海南市ともよく話し合いをしてというところは、本意であったと私は思う。ただ、その点についてやり方がよ
かったか、よくなかったかという点については、繰り返しになるが、私の方からは言えない。
Q 藤山副委員長
教育長はどうか。
A 宮﨑教育長
陳情に来られた方に対して知事が答えたという話については、実際、私どもがその陳情の中で知事がどういったこと
を答えるかということは、もともと聞いていないので、総務課長は答えられないというふうに言った。その後、知事と
もいろいろ話をした中で、やっぱり若干トーンが変わっているような感じはした。そういう中で、知事は市長とまた話
をしておくというような回答をもらった。そのぐらいのことは、私は知っているが、それ以上のことは分からない。
Q 藤山副委員長
今の海南市の状態は、県がああいう形で、ゼロベースで見直すというようなことを唐突に言ったものだから、官民連
携とか言っているが、民間事業者との公募もストップせざるを得ない状況である。だから、当初の開園の予定時期に影
響を与えかねないというふうに聞いている。その点について、県教育委員会として、県として、迷惑をかけているとい
う認識はあるのか。
A 宮﨑教育長
もちろん海南市には迷惑をかけているという認識はある。
Q 藤山副委員長
第三期和歌山県教育振興基本計画には、紀伊風土記の丘とともに、自然博物館の移転リニューアルを進めると明記さ
れていた。しかし、今年2月の定例会中に目にした第四期和歌山県教育振興基本計画案から、自然博物館だけが抜け落
ちていた。指摘したところ加筆はしてくれたが、非常に恣意的なものを感じた。これについてはどうか。
A 藤戸総務課長
和歌山県教育振興基本計画の記載については、課題の整理を行っているというところも踏まえて途中の段階で記載を
しなかったということを聞いているが、委員の指摘を踏まえて、現状の課題整理を行っているということについて記載
を、四期のほうにもしているところである。
Q 藤山副委員長
そこで和歌山県では4つ博物館を持っているが、それぞれの入場者数、また収益について、大まかで結構なので教え
てほしい。
A 藤戸総務課長
細かい数字は手元にないが、入場者数については、自然博物館は毎年10万人程度の入館者が来場している。その他の
博物館施設については、それよりも下回る3万、4万人程度という数字で、入館料収入についても、自然博物館が一番
多い状況だと把握はしている。
Q 藤山副委員長
自然博物館とその他の3つの博物館、もう3つの博物館を合わせても、自然博物館よりも入場者数が少ない。そこ
で、2月定例会の答弁の中で、自然博物館について、運営費や建設費は、県が全額負担する。運営資金繰りが成り立た
ないぐらいに大きな金額になるとするならば再考が必要であるという答弁をもらった。
その答弁の中で計画自体の見直しにも含みを持たせたという印象を受けている。そこで、財政が危機的状況と言いな
がら、紀伊風土記の丘はしっかり51億円もかけて建設するという、こちらの関係者にとって神経を逆なでされるような
発表が先月されたわけだが、果たして紀伊風土記の丘には、運営資金繰りが成り立つ見込みはあるのか、その点も含め
て検討はされたのか教えてほしい。
A 藤戸総務課長
紀伊風土記の丘の個別の計画とか資金繰りについて、詳細は把握していないが、もちろん自然博物館の移転リニュー
アルを検討する段階には、県全体の財政を含めて、検討していくことになるので、そういう文化施設、博物館施設も含
めた形で運営がどうなるかというところを検討していかなければならないものと認識している。
Q 藤山副委員長
たった1万5000人の入場者の紀伊風土記の丘に、51億円という予算が投入されるわけだから、その改修については、
理解をするが、新館の建設などにここまでお金かけてやることについては、疑問に思っている。自然博物館については
当初100億円程度の規模を想定されていたものが、今までは最大でも20億円という話まで聞こえている。この紀伊風土
記の丘の51億円と比較した場合、この差は一体何か。
A 藤戸総務課長
自然博物館の建設費については、経費も含めて現在精査検討しているところである。基本構想などのときにいろいろ
な数字は出ているけれども、最終的にどの事業費で進めていけるようになるかというところは、現時点でも検討してい
るところなので、金額について今の時点でコメントは控える。
Q 藤山副委員長
普通に考えたら、入場者数で圧倒的に少ない施設にあれだけかける一方で、10万人を超えるような入場者数の自然博
物館に対しては、最低でも同程度・同規模、それ以上の事業費をかけるっていうのが自然な流れだというふうに思う。
海南市への防災公園の移転を契機に、県立自然博物館の水槽展示を廃止しようと判断されたというのはいつどこで誰
が決めたのか。
A 藤戸総務課長
博物館の移転についてはその水族館機能の移転も含めてまだ現在検討しているところなので、廃止をするという決定
にまでは至っていない。まだ現在検討しているところである。
Q 藤山副委員長
海南市の話を聞くと、担当者レベルではもう水槽展示をやめたいというふうに聞いているが、その辺についてはどう
か。
A 藤戸総務課長
自然博物館の移転で中心になるのは海水生物の水槽展示の移転を現状規模でやった場合には、これは一般質問でも答
弁した内容だが、経費がかかるという事実はあるので、その点どういうやり方でできるか、あるいは水槽展示をやらな
い場合の可能性も含めて検討している中で、海南市とも協議をしている状況である。
Q 藤山副委員長
この2月定例会の答弁では、自然博物館は建設費用や、取水排水に多額の費用を要することが分かったという発言だ
ったが、水槽展示に一定の費用がかかることは、第三期教育振興基本計画の作成、策定段階の時点から分かっていた話
だと思う。費用がかかることを理由にゼロベースで見直す。紀伊風土記の丘のリニューアルは51億円だが移転後の自然
博物館は20億円ということであれば、水槽展示をなくそうとしているしか考えられない。もしそうだとすれば、県民に
とっても非常に大きな影響を与える方針転換である。その検討はどういう場で、どういう協議体で、いつ誰がそのよう
な検討を行い、このような形で出てくるのか教えてほしい。
A 藤戸総務課長
最終的な検討結果については、今後の検討状況を踏まえて一定の方向性というのを教育委員会としても知事と相談し
た上で、どういうコンセプトでどういう展示をしていくかというところは、当然専門家の意見を聞くというプロセスも
必要になってくるかと思う。その辺とあわせて、今後検討していきたい。時期については、今この場で言うのは難しい
が、できるだけ早くにと考えている。
Q 藤山副委員長
検討中ということだが、3月末までに報告書の提出はあったはずだが、そこではどのような方向性で、建設費も含め
て、どれぐらいなるということになっているか。
A 藤戸総務課長
3月末の報告書には、移転に係る課題整理を行った上で、経費を比較した場合に、移転する場合、移転しない場合
で、どういう比較になるかということは、掲載している。その中では具体的な金額は算出していないが、我々が今検討
する段階では、その金額が、財政危機警報を発している中でも、どういう工法でどれぐらいまで抑えられるかという視
点も含めて検討しているところである。
Q 藤山副委員長
海南市は、もしかするとこの防災公園への移転が原因で、自然博物館の目玉である水槽展示が、なくなるのではない
かということを心配している。これを言い換えれば、海南市が移転するよう要望したから水槽展示がなくなったという
話にもなりかねない。
県が移転を検討しているということで、候補地を用意し、用地の取得、造成まで行って、挙げ句の果てに水槽展示を
なくした犯人のように扱われてしまうのであれば、海南市にとってはもう迷惑千万の話である。海南市は、もし防災公
園へ移転することが原因で、水槽展示がなくなるようなことがあるのであれば、現地で建て替え、無理せずに移転をせ
ずとも水槽展示を残す方向で、検討してほしいという意向を持っている。当然、過去からの経緯を考えると、海南市に
とっては非常に不本意な話だと思うが、移転に伴い、水槽展示がなくなるのであれば、現地建て替えのほうがよいとい
う市の意向に反して、移転を強行するのか。現地建て替えにしろ、移転するにしろ、水槽展示を維持するのか。年間10
万人の来館者、中には親子三代にわたるリピーターもいると聞いているが、このような県民のことを考えたときに、一
体どちらを選択するのか、県の考えを教えてほしい。
A 藤戸総務課長
海南市の意向は当然これまでの経緯も踏まえて、承知しているので、今後の方向性について水槽展示をどうするのか
というところは、よく丁寧に話をしながら進めていくべきだと認識している。
Q 藤山副委員長
現地の建て替えであれば、県民にとっても数少ない水槽展示が移転するよりも低コストで、存続させることができ、
隣接する温山荘プールの跡地も活用しながら再開発することも可能である。どう考えても現地建て替えで存続させるほ
うがよいのではないのか。もし、教育委員会がどうしても防災公園に移転するというのであれば、海南市に対して、積
極的にたたき台を示すべきではないのか。そういった話すらないと聞くが、教育委員会の心意気を伺いたい。
A 藤戸総務課長
今までの意見を踏まえて、海南市とは丁寧に話を進めていく必要がこれまで以上にあると思っている。十分に話合い
をした上で進めていきたい。
要望 藤山副委員長
海南市から防災公園の要望書が上がってきて、防災公園へ自然博物館が来てくださいというような認識でいると思う
が、県からは、防災公園に行くというのは、言いづらいので、呼び水として要望書を出してほしいという話があった。
海南市が最初から防災公園へ来てほしいと言ったわけではない。県が持ちかけて、それなら市は用地を用意すると言っ
て、用意した挙げ句、あんな発表のされ方だったので、十分に丁寧に協議していくという回答が何度もあったが、今ま
で以上に丁寧に海南市と協議を重ねてほしい。
Q 藤本委員長
教育長の説明の中に、いじめや不登校、子供たちが安全かつ安心な学校生活をということで、不登校の問題や、取組
を書かれた報告があったが、一昨年、16歳の女子が亡くなったという案件があった。
その子は、中学校3年の頃には、学校にほとんど登校していなかったという実態があり、その当時の学校の対応等に
ついて、教育委員会は把握していたか説明してほしい。
A 川口教育支援課長
16歳ということで、中学校を卒業し、高校には進学していないと聞いており、詳しい状況は把握していない。
Q 藤本委員長
それはおかしいのではないか。中学校3年のときの話を把握していないのか。
A 川口教育支援課長
中学生のときの状況は把握している。
Q 藤本委員長
そのときにどのような対応をしたのか。
A 川口教育支援課長
中学校2年生頃までは学校に来ていたが、それ以降、不登校の状況が続き、学校の担任が家庭訪問をしたが、なかな
か本人、保護者に会えなかった。
また、その途中に転居したこともあり、家庭訪問を定期的に続けたが、本人に会えなかった状況もあったと聞いてい
る。
Q 藤本委員長
この問題については検証委員会が報告書を出している。
報告書の中では、子供の家庭での様子を、周りの人も少しは把握していたとある。学校は、ほぼ本人に会えていなか
ったという状況も報告されているが、この子の命を救うところはなかったのかと思う。
中学校の対応はそれでよかったのか、その点について教育委員会は、中学校への指導を行ったのか。
A 川口教育支援課長
昨年の3月、今年の3月に学校が家庭訪問し、本人の安否確認ができない状況であれば、安否確認を行うという通知
文を、県立学校、市町村教育委員会に対して周知している。
Q 藤本委員長
教育委員会は、検証委員会の報告書には目を通しているか。
A 川口教育支援課長
見ている。
Q 藤本委員長
教育長の説明の中では、チーム学校としての機能強化を図っていくとか、不登校対応のマニュアルを活用した校内研
修を一層充実し、全ての教職員が子供のサインを早期に発見し、迅速かつ組織的に対応できるよう努めてまいります、
とある。
今回、その件に関して、全くできていないと感じている。教育長、現場の先生方は、この問題を認識しているのか。
A 宮﨑教育長
委員長の言うとおりである。
この事件が起こったときに、先生に対し、生徒を目視するようにし、生徒を見たことがないという状況をつくらない
よう通知している。
当時の中学校の担任は、メールでのやり取りをしていたと聞いている。にもかかわらず、やはりそれができていなか
ったということで、学校にも注意を促している。
そこはきっちりしているが、それぞれの教員、もちろん一人でも欠けてはいけないが、やはり守れなかった教員がい
たのは事実である。
Q 藤本委員長
学校現場の先生も無責任過ぎると感じる。一人の子供の命を亡くしているが、誰が責任を取るのか。
教育委員会は、メールだけで済ませていた担任に対して、何か処分を行っているのか。こんな無責任な先生がいたら
困るのではないか。
A 川口教育支援課長
担任が処分されたかは、現在分かりかねる。
Q 藤本委員長
それは教育委員会の所管ではないのか。
今回、どのような処分がされたかは分からないが、一人一人に責任を感じていただかないといけないと思う。
今後、このようなことを二度と起こしてはならないし、起こらないように、しっかりと取り組んでほしい。
個人個人の責任にするのはなじまないのか。
A 宮﨑教育長
結果論になるが、その教員自身も、サボっていたわけではなく、一生懸命会いに行ったりしてくれていたが、その詰
めが実は甘かったのだろうと思う。
担任を懲戒処分していないが、担任一人に責めることはできないと思っている。
学校自体の責任であり、学校が、チーム学校として取り組まなかったがゆえに、事件を止められなかったと思う。そ
ういったことを反省しながら、チーム学校という形で、こんな事件が二度と発生しないように、各教育委員会に対して
も言っている。
要望 藤本委員長
教育委員会だけに責めを負わせるとは考えていない。この件にはいろいろな関係機関が関わっているが、各機関が連
携をしながら、こういった事件が二度と起きないような、そういった取組を進めてほしい。
●藤本委員長
◎議案に対する質疑及び一般質問終了宣告
◎議案に対する採決宣告
◎議案第78号及び議案第95号は、全会一致で原案可決
◎教育委員会審査終了宣告
◎継続審査を要する所管事務調査宣告 異議なし
◎閉会宣告
午前11時26分閉会