令和2年6月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(全文)
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令和2年6月 和歌山県議会定例会会議録 第5号
令和2年6月
和歌山県議会定例会会議録
第5号
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議事日程 第5号
令和2年6月19日(金曜日)
午前10時開議
第1 議案第91号から議案第100号まで及び議案第103号から議案第105号まで並びに諮問第1号(質疑)
第2 一般質問
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会議に付した事件
第1 議案第91号から議案第100号まで及び議案第103号から議案第105号まで並びに諮問第1号(質疑)
第2 一般質問
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出席議員(42人)
1番 鈴木德久
2番 山家敏宏
3番 中本浩精
4番 堀 龍雄
5番 藤山将材
6番 岸本 健
7番 井出益弘
8番 宇治田栄蔵
9番 北山慎一
10番 玄素彰人
11番 中西峰雄
12番 秋月史成
13番 森 礼子
14番 濱口太史
15番 尾崎要二
16番 冨安民浩
17番 川畑哲哉
18番 玉木久登
19番 鈴木太雄
20番 岩田弘彦
21番 吉井和視
22番 谷 洋一
23番 佐藤武治
24番 岩井弘次
25番 中 拓哉
26番 多田純一
27番 新島 雄
28番 山下直也
29番 中西 徹
30番 谷口和樹
31番 藤本眞利子
32番 浦口高典
33番 山田正彦
34番 坂本 登
35番 林 隆一
36番 楠本文郎
37番 高田由一
38番 杉山俊雄
39番 片桐章浩
40番 奥村規子
41番 尾﨑太郎
42番 長坂隆司
欠席議員(なし)
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説明のため出席した者
知事 仁坂吉伸
副知事 下 宏
知事室長 細川一也
危機管理監 森田康友
総務部長 田村一郎
企画部長 田嶋久嗣
環境生活部長 田中一寿
福祉保健部長 宮本浩之
商工観光労働部長 大山 茂
農林水産部長 角谷博史
県土整備部長 庄司 勝
会計管理者 城本 剛
教育長 宮﨑 泉
公安委員会委員 細江美則
警察本部長 檜垣重臣
人事委員会委員長 平田健正
代表監査委員 保田栄一
選挙管理委員会委員長 小濱孝夫
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職務のため出席した事務局職員
事務局長 中川敦之
次長 井邊正人
議事課長 山田修平
議事課副課長 岩井紀生
議事課議事班長 岸裏真延
議事課主査 松田太郎
議事課主査 伊賀顕正
議事課主事 浅田晃秀
総務課長 嶋岡真志
政策調査課長 神川充夫
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午前10時0分開議
〇議長(岸本 健君) これより本日の会議を開きます。
日程第1、議案第91号から議案第100号まで及び議案第103号から議案第105号まで並びに諮問第1号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、併せて日程第2、一般質問を行います。
10番玄素彰人君。
〔玄素彰人君、登壇〕(拍手)
〇玄素彰人君 皆様、おはようございます。議席10番の玄素でございます。
今般6月議会において一般質問させていただく機会を得ましたので、今回はポストコロナというあたりをイメージしながら質問をさしていただきたいと思います。時に厳しい指摘もさしていただくかも分かりませんけども、当局の皆様方には、県を思うがゆえということで御理解いただき、お付き合いいただければと思います。
それでは、中身に入らしていただきます。
まずは、今回の危難に当たり、知事はじめ当局におかれては、長期間にわたりコロナ対応をいただいていることに感謝を申し上げます。加えて、今回のコロナにおける危難は、医療従事者をはじめとするエッセンシャルワーカーの皆さん、お年寄り、子供も含め、何らかの不便を生じさしていると痛感しております。まさに県民全てがこの難局に立ち向かっているわけでありまして、そういう意味においては、ウイルスと闘われている県民全ての皆さんにも感謝申し上げるとともに、コロナ後の和歌山県が、これまで以上に強固にたくましくなるよう御協力をお願いし、各位の奮闘にエールを送るところでございます。
さて、そんな中、コロナ対策については、国の支援に続き、去る5月1日に県の独自支援策が打ち出されました。詳細内容をプレスよりも後に肉づけをしていくという方法には、議会軽視とのそしりを免れないと考える一方、県の事業者に対する支援金については、国の制度と比較すると従業員要件を加えるなどの工夫が見られ、また、事業継続に向けた支援メニューについては人的支援を打ち出されるなど、気遣いも感じられます。
また、国の2次補正予算も、先般、国において議決をされました。地方自治体にも1次補正に続き、追加の地方創生臨時交付金、緊急包括支援交付金などが県に配分されることになります。
今後、第2波、同時に今回のコロナダメージが顕在化してくるであろう秋から冬にかけては、さらなる支援の必要性、国の交付金要綱に当てはまらないものも、また、国からの交付金額を超える支援が必要なことも出てこようかと思います。
県の財政は決していいとは言えない状態にあるわけでありますが、今は非常時、予算の組替え、県債管理基金や財政調整基金の取崩し、かつて和歌山県が発行した県債である紀の国きらら債のようなものを発行するなど、工夫をすれば県単独の財政支出もできなくないと考えております。
冒頭申し上げたように、コロナと闘っているのは県民全員です。県政ポストには、今年度に入り、4月と5月だけで昨年度比約2.7倍の2104件もの意見が寄せられていると聞いております。私の元にも、医師と歯科医を比較した際の医療物資の偏りや不足、県の独自支援策の申請書類やプレスの方法についての御意見、経済活動維持のための陰性を確認するPCR検査の要望、将来に対する経営の不安、弱者支援など、様々な要望や御意見をいただいております。
当局におかれては、さきに述べた県政ポストをはじめ、多くの声を広く拾い上げていただき、きめ細かく県民に対してサポートされるよう申し上げ、1点目の質問に入りたいと思います。
それではまず、オンライン授業について質問いたします。
首相からの学校の休業要請が2月末に出てから5月末に解除されるまでの3か月、幼保・小・中・高校の子供を持つ親は大変であったと思います。私も小中2人の子供を持つ親、緊急事態と言い聞かせ、5月末までの3か月を過ごしました。休業に入ってからしばらくは、親子とも緊張感の中で生活習慣も崩れることなく過ごせましたが、しばらくすると、子供たちの起床時間が崩れ、ネットやゲームの時間が長くなり、夜寝るのが遅くなり、勉強時間も少なくなっていきました。これを親のかい性のなさと言ってしまえばそれまでなのですが、5月の連休明けから息子の学校でテレビ会議システムを活用したオンライン授業が始まった頃、子供たちの様子が改善したように思います。何が変わったか。
まず変わったのは、生活習慣。早く起きて身支度をするよう言い聞かせても、休校中は起床時間にばらつきがありましたが、オンライン授業が始まると、ふだん学校に行くかのように定着していきました。制服を着て授業前の8時50分にはホームルームが始まり、50分授業、途中15分の休憩を挟んで、どんどん進んでいきますので、遊ぶ時間はありません。宿題、課題も出されます。結果、相対的にゲームやテレビの時間、ネットの時間も減りましたし、授業をやっていない下の娘も、息子の授業中に自分の勉強に取り組むなど、いい方向に引っ張られるようになっていきました。
二つ目は新鮮さ。一般の授業では、黒板のほうを生徒が向いていますが、オンライン授業ではクラスメートの顔が見えます。先生は黒板に書いたり、ノートを黒板に見立てたりして授業を進めてくださるのですが、声の大きさ、生徒への見え方、また、生徒がちゃんと問題をやっているかを確認するために、生徒のノートをカメラに当てるよう指示するなど、様々な工夫をされていました。声などが小さいと、生徒から「聞こえにくいです」なんて声が飛んできて、先生が一方的に指導するというより、双方向でできている感じがしました。画像や音も特に違和感を覚えることはありません。体育の授業もオンラインでやっていました。私も参加したいという衝動に駆られました。
三つ目は、息子の理解度が分かること。そばで授業を見ていると、先生の言葉に対する反応、問題を解く姿、発音のタイミング、表情、ノートの取り方など、これまで私が経験してこなかったことが経験できました。もちろん各教科における先生の指導力や情熱を感じることもできます。毎日が濃い授業参観といった感じでした。
息子に、普通の授業とどっちがいいかを問うと、まあ、初めてのことなので新鮮だということもあるのでしょうけど、「集中でき、分かりやすいのでオンラインのほうがいい」というようなことでした。
今回の危難において、一部の県立高校、県立中学校、私立中・高においては、既にオンライン授業ができたと理解しております。また、市町村立の小中学校においても、和歌山市が受験を控えた中学3年に対してオンライン授業を、高野町や紀美野町、紀南の公立中学校でも、YouTubeを活用したと聞いておりますが、大方はこれからというのが実情。早くやったほうがいいというのが正直な感想です。
現在、義務教育の生徒にパソコンを持たせるという政府のGIGAスクール構想の前倒しが行われていて、タブレット端末の購入費については、1台につき4万5000円、高速インターネット環境の整備や専門サポーターの配置、モバイルルーターの貸出しにも国費の支援があると聞いております。著作権にしても、先月改正著作権法が早期施行され、教育教材が使いやすいようになり、国は学習支援教材の開発支援にも着手し始めました。
県の強い働きかけもあり、現在、県下においては、6月議会までにパソコン購入に対応してくれる市町村は7割と聞いておりますが、3割はまだの状態です。
コロナ第2波の可能性もあります。地震・津波で学校が使えない可能性もあります。コロナが終息しても、また違うウイルスと対峙する可能性も否定できません。オンライン授業ができれば、幼稚園や保育園への応用、教育の幅を広げることにもなります。新しいことをやる際、やらない理由は幾らでも並べられ、かつ楽ではありますが、その必要性はオンライン授業を経験してもらえれば分かると思いますし、これまで特定警戒に指定されていた13都道府県は優先的に7月の末を目途に、その他については今年度末までにICT環境を進めるよう、文科省が通知を出していると思います。
平時においても、授業の遅れを取り戻したり、慣れたりするためにも土曜日はオンライン授業にするというのもいいのかもしれません。不登校の児童生徒も、オンラインなら参加しているという話も聞きます。
また、言うまでもなく、国が進めているICT教育を活用した遠隔教育の推進にも寄与します。専門教科の先生が足りないのなら、学校の枠を超えてオンラインで専門教科の先生に指導してもらうということも可能ですし、オンライン授業をしているところとそうでないところの差、国際的な遅れも気になります。
現在、各教育委員会などが独自に作成した授業動画を活用している公立学校は、4月の文科省の調査の段階では10%、デジタル教材の活用などをしている公立学校は29%、双方向のオンライン指導、これが今回私が申し上げているオンライン授業のことでありますが、5%の実施率とありました。
9月入学の議論もなされておりますが、その議論とオンライン授業の議論は切り離すべきと思いますし、オンライン授業は子供たちのためにも早くやるべきと、今、痛感しているところです。県内の公立小中学校に対する双方向のオンライン授業に向けた方向性、現状、思いについて、教育長の答弁を求めたいと思います。
以降、質問については対面式の演壇で行います。どうぞよろしくお願いいたします。
〇議長(岸本 健君) ただいまの玄素彰人君の質問に対する答弁を求めます。
教育長宮﨑 泉君。
〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) オンライン授業の現状、方向性につきましてお答えをいたします。
双方向のオンライン授業につきましては、今後の教育活動を発展させる手法の一つになると考えます。
さらに、今回の新型コロナウイルス感染症に係る臨時休業期間においても、通常の学習に近い形で実施できることから、幾つかの市町村教育委員会で挑戦されました。オンライン授業を行うには、各家庭のインターネット環境の整備や、教員のICT活用能力の一層の向上が必要なことから、今後も家庭の協力を得ながら、オンライン授業の導入に進むよう、市町村教育委員会を支援してまいります。
〇議長(岸本 健君) 玄素彰人君。
〔玄素彰人君、登壇〕
〇玄素彰人君 教育長、答弁ありがとうございました。
国も支援をしてくださってるんで、やりやすいところはあるのかなというふうに思いますけども、答弁の中にもありましたけども、やらない理由ということを並べれば幾つもあるんだと。例えば、パソコン、みんなに行き渡るんかいなあというようなことでありますとか、ネット環境ないのに大丈夫かなというようなこともありますし、アカウントを取ってないのにどうするんだというようなこともあるんだと思います。
だけど、先進的な例で申し上げますと、広島県なんかはもう既に3月、4月の段階で、これ県が率先してやってるんですけども、30万人のアカウントを取って、これ無料で取ってるそうであります。それから、調査をしたら10%ぐらいの生徒のおうちでネット環境ができてないとかパソコンがないとかというようなことがあったそうなんで、8億8000万だと思いますけども、それぐらいの予算を組んでその対応をされたというふうに聞いております。
もちろん、家で遠隔教育をやるわけですから、何も学校にパソコン1人1台なかっても私用のパソコンを使えばできることなんで、そんなにハードルは高くないのかなあというふうに思っております。
質問の中でも申し上げましたし、また、昨日、一昨日ですか、中先生の話にもありましたけども、今までひきこもりだった子供が授業に参加するようになったであるとか、また、質問の中でも申し上げたように、コロナ第2波とか、また地震・津波などの危難が起きたときに、遠隔でやることの有用性というのもできてこようかと思いますんで、これはもうやる気次第だということで、教育長には何とぞ前へ進めていただくようお願いを申し上げて、この質問は終わりたいというふうに思います。
それでは、続きまして2点目でございますが、災害時における県庁職員、これ教員や警察官のOBの方も含むんですけども、OBの支援体制についてを質問いたします。
今回のコロナ騒動は、各分野において人材不足を生じさせています。保健師を含め、医療・介護関係者については周知のとおりでありますが、外国人労働者が入国できないということで農業従事者が足りないでありますとか、中先生からも指摘もありましたが、学校再開後や分散登校を実施する関係等で教員が足りないという話も聞いております。
今回のコロナ騒動は一種の災害と言えます。災害、緊急時においては、その内容に差こそあれ、人材の不足は必ず起こると考えます。
災害で記憶に新しいのは、東日本大震災です。罹災証明を発行するための建物を判定する税務職員、保健師、医療関係者、道路・水道・農地災害などに対応する技術職員、廃棄物処理、子育て、避難所の運営支援など、多くの人材を必要としましたが、事前にこういった想定はされていなかったので、対応が後手にならざるを得なかったと、当時、小規模自治体の長の立場にいながら感じたことを思い出します。また同時に、事前に災害を想定して準備しておくことの必要性を痛感したところです。
コロナの危難は、第2波の可能性は否定できないものの、現在は小康状態を保っております。ただ、こういった危難は、いつ来るかも分かりません。地震、津波も避けて通ることはできなさそうですし、気候変動からくる自然災害の被害も大きくなりつつあります。想像だにしないことが起こるかもしれません。
そんなとき、行政運営において即戦力になり得るのは、退職された経験豊富なOBであると感じております。都道府県単位でいえば、東日本大震災時には山形県では災害復旧に特化して県庁の技術職員OBが支援体制を構築したり、奈良県や徳島県では県庁退職者会に対し、OBの派遣についての協力を依頼、群馬県や栃木県、長野県、愛知県においては退職者団体に対し被災自治体の採用情報を提供したりしております。そのほかにも、秋田県、東京都、埼玉県、千葉県でもOBが活躍された経緯があります。
和歌山県退職者会の会員数は約3000人いらっしゃいます。市町村にも職員OBがいらっしゃいます。いざとなれば、すぐとはいかないにしても、他府県の職員OBからの支援も受けることができるかもしれませんが、上記事例のように、事が起こってから対応するのではなく、事が起こる前に体制整備をする必要があると考えます。
公務員OBの方は、一般の方と比較して公共心が高く、40年近く携わってきた実務経験や実績もあるわけです。高齢とはいえ、まだまだ気力十分の方もいらっしゃると思います。
既に県においては、土木関係災害支援員派遣制度というものができておりますが、職種の範囲が特定され、派遣期間は1週間、しかも無報酬、登録者も41人というのが現状です。
事前復興計画の必要性は私も理解し、県も前向きに実施されていることは承知するところでありますが、防災の実効性を担保するために、行政事務、人材のリスクヘッジのためにも、危難が訪れる前に何らかの協力または支援体制を求めてはと考えますが、危機管理監の答弁を求めます。
〇議長(岸本 健君) 危機管理監森田康友君。
〔森田康友君、登壇〕
〇危機管理監(森田康友君) 議員お話しのとおり、大規模災害時には、対応すべき多種多様な行政事務が発生し、県や市町村で多数の人員が必要となると考えられます。
そのため県では、東日本大震災の直後から、災害発生時の様々な業務に迅速に対応できるよう、発災直後に参集し、災害対策本部の統制室設置や災害業務に対応する緊急防災要員を本庁及び全振興局ごとに任命するなど、体制の見直しを行い、拡充も行い、全庁的に対応することとしております。
市町村に対しましては、県では、あらかじめ災害時緊急機動支援隊として720名の職員を担当する市町村を決めて任命し、市町村からの要請を待つことなく派遣を行い、市町村の災害対策本部の支援や、避難所の状況などの情報収集を行うこととしています。
さらに、災害廃棄物処理支援要員や住家被害認定士リーダーを直ちに市町村に派遣するなど、市町村を支援する体制整備を行ってきたところでございます。
それでも、さらに人員が不足する場合には、関西広域連合からの支援や、総務省と地方3団体等が構築した被災市区町村応援職員確保システムにより、全国から応援職員の派遣を受けられることとなっております。
一方で、議員からお話のありました県や市町村の退職者については、発災時には、行政の中で職員と同様の業務を担うのではなく、地域住民による共助の取組も重要なことから、まずはそれぞれの地域において発災時の率先避難者となり、避難誘導を行っていただいたり、自主防災組織や自治会において、避難所の運営に携わるなどの共助の分野で御活躍をいただきたいと考えております。
しかしながら、行政機関の退職者の方々が、専門分野でその専門的知識や経験を生かして市町村等を支援したいと申出があった場合、迅速かつ効率的に活動できるよう、退職者の意向や市町村におけるニーズも踏まえまして、報酬等を含めた雇用関係のほか、担当していただく業務の内容についても検討してまいりたいと思います。
〇議長(岸本 健君) 玄素彰人君。
〔玄素彰人君、登壇〕
〇玄素彰人君 危機管理監、答弁ありがとうございました。ちょっとしっくりしない答弁だったように思います。
仕方ないのかなと思うのは、例えば危機管理局というこの局を越えて、市町村に対してOBの職員活動するのに連携していきましょうねとか、今回の退職者会に対して、この縦割りを越えていろいろお願いをしていく、もちろん教育に対しても警察に対しても、縦割りを越えてやっていくということには、なかなか抵抗があるのかなというふうに感じたりしますし、これは県庁の職員さんのせいではなくて、組織形態上、仕方ないところがあるのかなというふうに思うんです。
だけど、県政の今の中で県の課題として積み上がっているものというのは、まさに、だけどそういった縦割りを越えていくような政策課題というのが積まれているのかなと。逆に、そういったものを解消していけたならば、県民の県の政策に対する満足度も上がってくるんではないのかなというふうに思ったということを、まず申し上げておきたいと思います。
その上で、いつも私、防災のときに申し上げているんですけども、「防災に1ドルのコストを使えば7ドルの損失を免れることができる」、事前に準備して用意しておいたら、いざ危難が来ても、そのダメージは少なく済むし、かつ早く対応できるということはやっぱりあるのかなというふうに思っているんです。
ですから、もちろん今、県で、県の職員さんを派遣する制度というのはできてるんです。それは御立派でいいと思うんです。だけど、じゃ、ふだんの県庁の職員さんの仕事はどうなるんですかとか、そこまで果たして行けるんですか、紀南のほうの沿岸部まで行けるんですか、遅くなりませんか、本当に大丈夫ですかというようなことを考えていけば、これやっぱり二重にも三重にも、小さな町ですと、罹災証明発行するその判定員なんかも1人というような場合があるんだと思います。津波で流されたらその方がいらっしゃらなくなる。1人より2人、2人より3人あったほうが早くやっぱり震災の復興なんかもできるというふうに思うんですね。
ですから、少なくとも、よその自治体もやってるわけですから、退職者会に対して、それはなかなかすぐに、「いや、僕らはもう年やさかい」、「いや、そんなもん今さら」というような方もいらっしゃる、そういった方がほとんどかも分かりませんけども、少なくとも言うてきたらやるよというんではなくて、ベクトルをこっちから退職者会のほうに向けて、また市町村に向けて、教育、警察部局に向けて、その人材の確保に邁進をしていただけたらなあということをお願いして、私のこの質問は終わらしていただきたいと思います。
続きまして、3点目、県庁におけるテレワークの取組について伺います。
コロナ感染拡大に伴い、民間企業や中央省庁だけでなく、地方自治体においてもテレワークが求められていることは承知のことと思いますし、国から積極的に進めるよう通知も来てると思います。国の今年度の補正予算の中にも、企業だけでなく自治体のテレワーク導入について、相談業務体制構築のための予算措置がされ、パソコンの購入、システムやサーバーの構築に対しても特別交付税で措置する制度が設けられております。
兵庫県では、出勤7割減を目指して班編成の交代勤務やサテライトオフィスの活用、時差出勤やフレックス制度を導入、セキュリティー上の要件も少し緩和して運用しているようです。広島県や山梨県や静岡県、東京都、滋賀県などでは、上記取組に加え、庁内サーバーに接続する方法を検討したり、パソコンの台数を増やしたり、職員の休憩時間を分散したり、私用のパソコンを使用可能にしたりしております。鹿児島県霧島市では、土日出勤や夏季休暇を前倒しするなど、各自治体のテレワーク推進のための努力がなされているところです。
本県においても、4月の臨時議会において、県の補正予算として30台のモバイルパソコンの追加配備で計100台体制でテレワークを実施していくと説明を受けているところです。
テレワークの実施については、市町村の導入が4月半ばの調査では3%という中で、我が県では今回のコロナ騒動に先んじて、本年度の新政策として実施していく旨の報告を受けているところですが、現在の感染防止に対する県のテレワークの取組と実施のための工夫、どれくらいテレワークができているかの実施率、今後のテレワークの運用についての考え方を総務部長にお伺いします。
〇議長(岸本 健君) 総務部長田村一郎君。
〔田村一郎君、登壇〕
〇総務部長(田村一郎君) 県庁におけるテレワークの取組についてでございますが、まず、新型コロナウイルス感染予防に関わるテレワークの取組につきましては、4月に同感染症の感染拡大を防止するための在宅勤務の仕組みを整備し、妊娠・子育て中の職員や、持病等により感染した場合に重症化するリスクの高い職員、公共交通機関で通勤している職員などを優先して、県民サービス等に支障のない範囲で、在宅勤務を織り交ぜた勤務を実施しているところでございます。
次に、テレワーク実施に当たっての工夫といたしましては、自宅や出張先で使用可能なモバイルパソコンを現在60台配備しており、令和2年度当初予算で10台、4月補正予算でさらに30台を追加し、合計100台配備する予定でございます。また、モバイルパソコンに加え、職場で使用しているパソコンを、セキュリティー対策を講じた上で約1000人が自宅で使用できる体制を整備したところでございます。
続きまして、テレワークの実施状況につきましては、4月から6月上旬までの間において、知事部局では約410名で、職員数に対する実施率は12%となっております。なお、教育委員会では、約3700名が実施し、職員数に対する実施率は42%、県警察では、5月末時点で延べ約170名が実施したと承知しております。
テレワークは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に限らず、子育て・介護中の職員のワーク・ライフ・バランスや、多様で柔軟な働き方を実現するための重要な取組と考えており、県としては、引き続き在宅勤務やサテライトオフィス勤務などのテレワークを推進してまいります。
〇議長(岸本 健君) 玄素彰人君。
〔玄素彰人君、登壇〕
〇玄素彰人君 総務部長、答弁ありがとうございました。
これも今回のコロナ禍の中でやっていかなければならない、国も支援をしているということで進めていくべき事業なんだと思います。
ただ、ちょうど3月の後半あたり、コロナの患者数が増えてるときに、国のほうなのか、自治体もそうなんでしょうけども、行動自粛を7割、8割減らさないと30万人、40万人死者が出るんだとかというようなことで、民間も相当プレッシャーを感じて、私のような零細企業でも、これ自分とこが感染源になったら駄目だとか、田辺でも感染者が出たんで、これ大変や、何とか家でも仕事できるような体制を整えないと駄目だなというようなことで話合いもしたりもしました。
幸いのことながら、私のところの弊社の事業所というのは、自粛する店から対象が外れてたんで事なきを得たというところもあるんですけども、さっきの県の中のテレワーク率は12%ということで、410人の方がテレワークを、4月の頭から6月の上旬、大体70日ぐらいになるんだと思うんですけども、参加されたということであります。
一方で、それはテレワークをされた、参加、経験をされたという方の人数だというふうに理解しているんですけども、実際、じゃあ何人の方が4月の頭から6月の上旬までされたかというのをお聞きしたら、延べで聞いたら2100人だというような話をお伺いしました。2100人というのが、70日で対応、延べでされたということになると、1日当たりでいうと30人がテレワークをされたという計算になる。県庁職員は3700人ほどいらっしゃいますから、これ割り算すると、1日当たりのテレワーク率は0.008になるんだと思うんです。民間の努力に比べれば、民間にテレワークしろ、テレワークしろと言ってる割には、行政はというようなことも、ちょっとやっぱり言いたくなるのかなというふうに思います。
それとあと、1000台のパソコンで対応するんだというお話でありましたけども、聞くところによると、これネット接続はしたらあかんと。庁内のサーバーに接続して仕事をしたら駄目だと、インターネットを使ったら駄目なんだというような話でありました。セキュリティー上、仕方ないと思うところもあるんですけども、最近はチャットツールとかいいまして、別に庁内サーバーに接続しなくても、自分たちの仕事仲間でメールやインターネットができる、SIM経由か何かで、僕もあんまり、門外漢なんで分からないんですけども、別の方法があるというふうにも聞いておりますから、そういうような体制も整えていただいたらなと。
東京都はかなりテレワーク率を自治体としても上げてますけども、また次、危難が来るかも分からないので、別に今回は職員の方も感染されてないんで、別に今数字が低いからということを言うんじゃなくて、そういうときが来たときに対応できるような体制は取っといてくださいねということは申し上げておきたいと思うのと、もう一つ、テレワークって、これ本来は、コロナに対しての危難に対応するんではなくて、働き方改革の中の一環で、自宅で仕事をすることを選択肢の中に入れるようなことによって幅を広げる、同時にそのことが業務効率アップにつながるというような期待もあって導入されていると思うんです。
県のテレワーク要綱の2条の中には、これさっき答弁でもあったと思うんですけども、病気で看護しないと駄目だとか、介護のサポートをしないと駄目だとか、例えば小学校の6年生のお子さんのいる家庭ならテレワークはやっていいよというふうになってるんだと思うんです。
ただ、県庁に1時間、1時間半かけて通ってこられている職員さんもいらっしゃると思う。たまに水曜日ぐらいは時間抜いて家でやったほうがええかなと思う人もいらっしゃるかも分からないし、いや、私、みんなで集団でやるよりも、別々の自分のところで仕事やったほうがいいんだと思っている方がいらしたとしても、それはテレワークできないということを考えたら、もうちょっと門戸を広げてあげたらいいのかなと。
もちろん、休みたい、怠けたいということを目的にテレワークをしたいという方もいらっしゃると思うんで、全部、オフリミットで解除してしまうというのはどうかと思うんですけども、もうちょっと広げていただいたらということも併せて申し上げて、このテレワークに関する質問は終わりたいと思います。お願いします。
それでは、4点目でありますけども、5Gの推進についての質問に移ります。
今回のコロナ禍において、コロナ後の世界は大きく変わるというようなことを巷間言われるようになってきました。私なりに、コロナの後はどんなに社会が変わるんだろうか、そんなことを想像したりします。
コンビニの若い女性店員が現金のお釣りを私の手に乗せるのを明らかに嫌がっているのを見ると、やっぱり電子マネーだなあと思いますし、マイナンバーカードで特別定額給付金を申請するに当たっては、現在16%のマイナンバーカードの所有率を上げたら、国民にも役所にも、事務にとってもよくなるのにと思ったり、もっとテレワークやテレビ会議、AI化が進んだら、県庁の1200台近くある公用車も削減できるんだろうなあと考えたりします。
感染があった高齢者施設で従業員が辞めていなくなり、残った人たちで耐えているという話を聞けば、介護関係の賃金は今後上がるだろうなと思うと同時に、私のような政治家や一般の公務員など、経済的には直接価値を見いだしにくく、また、税金の禄を頂くような職業は減り、給料も下がってくるのではないかと想像したりもします。同時に、政治家を選ぶ有権者の目も厳しく、関心も高くなってくるようにも思います。
今回の自粛に懲りてリスクの少ない田舎に居を求める人も増えてくるかもしれませんし、オンライン教育やオンライン診療が進み、判こ社会もいずれなくなるのだと思います。
RPA、ワーケーションという言葉も市民権を得るのだと思いますし、危機対応とICTは切っても切り離せないということは、コロナの終息が早かった国、自治体の共通項として理解する必要があると考えます。
監視社会の傾向は強くなり、サプライチェーンの見直し、投資規制などで保護主義化が進み、米中の摩擦は増していくのだと思います。それによって日本は難しいかじ取りを迫られ、世界経済も不安定になるのかもしれません。
安い労働力を糧に効率化を究極まで求め、利潤追求を行ってきた民主主義の在り方も変わってくるのだと思います。働いてお金をためても幸せを感じられない、また、働いても生活が豊かにならない。ならば、お金以外の幸せを求める動きも出てくるでしょう。国、社会、コミュニティーが以前より息苦しく感じるような今の世の中では仕方のないことだと思います。
お金だけを求める企業が退場させられるように思うことは、ESG投資が活況なことからもうかがえます。広がる所得格差を埋めるために、ベーシックインカムが行われる可能性も否定できません。
そして、今回のコロナの事象を全体的に捉えるのであれば、ネット社会はさらに進んでいくということです。ネットがどこまで広がっていくかを想像するよりも、逆にネットが介在しないものがどれだけあるかを探すほうが簡単なのかもしれません。
今、るる申し上げたICTの事象は、現在の4Gと言われる通信環境においては問題なくできるのですが、既に和歌山県が実証実験を行っている遠隔医療やスマート農業、AIの活用、自動運転、スマート決済、仮想現実、スマートシティー、ローカル5G、スーパーシティーといった次元になってくると、4G──これは詳しく言うならLTEと言ったほうがいいということでありますけども、100倍最高伝送速度が速い5G、さらに、宇宙、海中、空中を制するとなると、2030年を目途に普及が見込まれ、4Gの1000倍の通信速度と言われる6G、すなわち、もう一段レベルの上がった通信網を整備する必要があります。
和歌山県がコロナの終息後、今後発展していくキーワードがあるとするならば、その一つが5G、6Gであると私は考えております。
現在、5G網については、和歌山市内において整備されていると聞いております。ただ、携帯電話のときもそうであったのですが、取り残されるのは、通信キャリアの採算が取りにくい山間部や人口減少地域である懸念は拭えません。
5Gの整備については、4Gの既存の設備に加え、4Gよりも通信距離が短いため、新たな設備を整備する必要があるとも聞いております。5Gについては国策でもあるので、補助金や有利な起債も支援メニューもあるわけでありますが、県が主体的にスピード感を持って通信網を県下にあまねく敷設しようとすると、県独自の財源を持ち出す必要も出てくると考えます。
そこで、折しも第3次和歌山県産業技術基本計画が策定された中ではありますが、5Gの整備について、現在の5G網の県下における進捗状況、県下全域を張り巡らすまでの時期の見通しと、整備の必要性についての県の認識について、企画部長に答弁を求めます。
〇議長(岸本 健君) 企画部長田嶋久嗣君。
〔田嶋久嗣君、登壇〕
〇企画部長(田嶋久嗣君) 現在の5G網の県下における進捗状況につきまして、NTTドコモなどの携帯キャリアに確認したところ、議員御指摘のとおり、NTTドコモがJR和歌山駅の改札及びホーム周辺でのサービス提供を開始しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響で全国的に5Gの展開が遅れている状況にあるとも聞いております。
県下全域を張り巡らす時期の見通しですが、国が各携帯キャリアに示した5Gの免許取得時の条件において、国の認定から2年以内に全都道府県において5G高度特定基地局と呼ばれる基幹の基地局の運用を開始すること、認定から5年以内に、全国を10キロメートル四方のメッシュで区切った4500のエリアのうち、50%以上で5G高度特定基地局を開設することを義務づけており、これに従い各携帯キャリアが整備を進めるものと承知しております。
県としましては、これまで5Gは地域や産業に必要なものと考え、県立医科大学等においてNTTドコモが実施する5Gを使った遠隔診療の実証実験に協力してきたところです。
引き続き関係部局と連携しながら、各携帯キャリアに対し5Gの整備を積極的に促してまいります。
〇議長(岸本 健君) 玄素彰人君。
〔玄素彰人君、登壇〕
〇玄素彰人君 企画部長、答弁ありがとうございました。
前に、これも国策でもあるし、進めていくべき事業なんだと思うんですけども、一つベンチマークがあるとすれば、やっぱり県が5Gに積極的か積極的でないかというのは、民間の事業者がやるべきもんだというふうな答弁の中でも話があったんですけども、どうしても通信ができないようなところが出てきたときに、県がお金を出せるか出せないかというところだというふうに思います。
私の町のことなんですけども、地元にゴルフ場があって、最近までADSLだったんです。やっぱり民家からちょっとゴルフ場って離れてますから、そこ通したらんと、民間の事業者の判断でそうなってしまって、去年までADSLだったんです。国道42号線で旅館業を営んでるようなところもあったんですけども、国道沿いなんですけども、そこだけ何かエアポケットのようになって、これもADSLでやってたんです。予約取るの大変やというような、ホームページの運用も大変やというようなことだったんですけども、あらゆる手を尽くしてその二つは解決をさせたんですけども、結局外からワーケーションだの、例えば移住だの企業誘致だのということで入ってこようと思っても、県のスタンスが「いや、それはもう民間のやることですよ」と言ってしまうような環境ですと、「何なよ」というようなことにやっぱりなってしまうと思うんですね。
ですから、これはもうもちろん自治体としての判断で、もちろん市町村にも参加はしてもらわないと駄目だと思うんですけども、そういったようなスタンスが外に分からないようにというか、ちゃんとうちとこはそういうようなことのないようにやりますよという覚悟というか、スタンスというのを示していただければいいのかなということを申し上げて、この5Gの質問は終わりたいと思います。
それでは、続いて最後の質問でありますけども、5点目の和歌山県版バイローカル運動の構築について質問さしていただきます。
昨月ですが、党活動の一環で、支援いただいている業界、団体に対して、コロナに関する影響調査並びにヒアリングを行いました。先行きに不安はあることは全ての団体において共通するところでしたが、深刻であるところは現状、業種が限定されているという印象も同時に受けました。
緊急事態宣言や休業要請も解除された中、やはり直接的に影響を受けているところが気になります。倒産しているところも、宿泊、観光、飲食などが中心になっているようです。
今のところは何もないと思っていても、ある業種が崩れ出すと周りの業種に波及してくるのが経済。今のうちに先を見越した対策が必要になります。特に影響の大きい宿泊、観光、飲食あたりに何かできないかをよく考えたりします。テークアウトやふるさと納税、仕事の外注などの貢献は既に多くの皆さんがされていると思いますが、十分でないことは明らか。業種に差こそあるとは思いますが、それでも飲食ではふだんの3割程度の売上げが現状だと思います。
そんな中、最近気になっているのが、世界各地の自治体や地域で取り組まれている経済キャンペーン「バイローカル」という言葉、県外のお客さんに来てほしいけど来てほしくない、でも生活するためにお金が欲しい、密は駄目、3密はもっと駄目という中で、簡単に言ってしまえば、和歌山県の皆さんに、県内で宿泊、施設利用、飲食をしてもらって急場をしのぎつつ、未来に向けて頑張るというもので、和歌山県の魅力の再発見にもつながりますし、文化として定着させれば、地域力の底上げを図るとも考えています。
2019年の国内旅行の消費額、これは岩井先生とか佐藤先生も昨日もおっしゃってたと思うんですけども、約22兆円、そのうち宿泊旅行は約17兆円、日帰り旅行は約5兆円となっています。インバウンドが約5兆円ですから、日本人が日帰り旅行をふだんより1回増やせば、急には戻らないインバウンドの穴は埋めることは可能ですし、宿泊旅行をふだんより1回増やせば、今まで以上の活況を生み出すことも可能です。しばらくは海外旅行に行く日本人の国内消費分約1兆円も取り込むことが可能です。あわせて、和歌山県のよさやワーケーション、ふるさと納税、田舎暮らしなどのPRが重なれば、コロナ発生患者が比較的多い都会からの人口定着の可能性を図れますし、周辺産業への波及も見込まれます。
和歌山で食事をし、和歌山で買物をし、和歌山で小旅行するなど、和歌山を和歌山県人で盛り上げ、コロナを吹き飛ばそうというキャンペーンを継続的に実施してはどうかということです。
感染者の検査体制や追跡体制、看護従事者への支援など、予算投入の足りない医療体制では、第2波が来る前にさらなる強化が必要なことは言うまでもありませんし、これは日々強化されていることと思います。
コロナの恐怖よりも、明日の生活への恐怖が勝っている方々がこれからも増えることが予想されます。県外からのお客さんを当面はウエルカムできない状況が続くのであれば、和歌山県が沈まないように、さらに上向かせるために、県内消費を活性化させるバイローカルの和歌山モデルの構築を、近々どこかのタイミングで仕掛けていく必要がある、そんなことを思っております。
既に市町村においては、国の交付金を活用した地元を元気にさせるような施策、また、県において観光振興アクションプログラム2020をつくり、実施されようとしているところですが、急激に売上げが減少している宿泊、観光、外食、イベント業などに対しての現状認識と今後の具体的な支援、協力体制について、私が申し上げるバイローカルという観点を踏まえて、商工観光労働部長の見解を求めます。
〇議長(岸本 健君) 商工観光労働部長大山 茂君。
〔大山 茂君、登壇〕
〇商工観光労働部長(大山 茂君) 新型コロナウイルス感染症拡大により、観光業や飲食業など、多くの県内事業者において売上げが激減するなど、本県経済に甚大な影響を及ぼしている中、各業界の方々の御意見を聞いた上で、県独自の包括的な支援策を実施しているところです。
一方、県内の多くの市町村において、それぞれの地域内で利用できるクーポン券を発行するなどの支援策を実施しています。このような支援策により、地域内の消費を活性化させるバイローカル運動が地域に根づくことは、地域経済の活性化の一助になるものであり、すばらしい取組であります。
そこで、事業者の方々がバイローカル運動に取り組むに当たり、必要となるシステム構築などに対しては、県支援策の県内事業者事業継続推進補助金をうまく活用いただきたいと思います。
また、本定例会に提案させていただいている県内全域を対象とした県民リフレッシュプラン販売促進事業において、市町村等と連携し、「蘇りの地、わかやま」県内周遊促進キャンペーンも実施することとしております。
このような取組により、地域の消費を喚起し、地域経済の活性化を図ってまいりたいと考えております。
〇議長(岸本 健君) 玄素彰人君。
〔玄素彰人君、登壇〕
〇玄素彰人君 部長、答弁ありがとうございました。
一生懸命よくやっていただいているということは重々分かっているんですけども、これは私の考えなんで聞いていただきたいんですけども、例えばコロナの患者が何人出た、それによって何名の方がお亡くなりになった、それが増えるか減るかということは、直接やっぱり行政の評価にも関わってくるんで、一生懸命やってくれるような政策なんだと思うんです。
ただ一方で、例えばコロナの影響でどれだけの企業が苦境に陥って、それによってどれだけの企業が倒産して、それによってどれだけの方が路頭に迷って失業率が上がって、結果自殺者が増えたというようなことに関しては、和歌山県というような立場に立つと、直接的な責任というのは問われない。国のせいだと言ってしまえば、まあそういうような理由にもできるということでいえば、コロナに対する対応とこういった御商売をされてる対応というのは、どうしてもちょっと濃淡が出てくるんじゃないかなというような、うがった見方を私はしてしまうんです。
そんな中で、今回この質問をさしていただいたその心というのは、質問の中にもあったと思うんですけども、とにかく、地元のもんはちょっと高いというようなことを思われてる方もいらっしゃいますけども、地元で購入していただければ地元が潤って、地元が潤っていけば地域が潤って、結果としてそのことは自分のところに跳ね返ってくるんだよというようなことが県内の皆さんに分かっていただいたら、これは今、右肩下がりでちょっと下がりつつある和歌山県という、この商業とかというのを止めることができる。ひいては、うまくいけばちょっと右肩上がりに転じることができるんかなあというふうに思っているというようなことで質問をさしていただきました。
折しも今回、定額給付金で92万人の──ざっくりですよ、92万人の方に10万円が配られて920億円、また、市町村と県にも臨時交付金が下りてきたので、優に1000億円を超えるお金が、言い方が妥当かどうか分かりませんけども、降ってきてるような状態です。これをチャンスというふうに捉えてはどうかなあというふうに思うんです。
そういうことを考えると、次にやっぱり考えないと駄目だというか、これは知事もしくは当局の皆さんにお願いをしたいことであるんですけども、今多分、店に行こうとするときに、どっかで食事をする、地域のためにと思っても、やっぱりコロナに気をつけないと駄目だなというのはもちろんあるんだと思うんですけども、その気持ちが強過ぎて、行ったら駄目なのかなという気持ちのほうが強いように思うんです。もちろん、これはコロナのこれからの変遷していく中で、またコロナの正体が分かってくる、ワクチンの開発状況なんかを見ながらタイミングを計らないと駄目だと思うんですけども、コロナに気をつけてくださいというプレスは、知事も含め、常に和歌山県から発せられてるんですけども、地域の経済も同時に大事なんですよ。地域のためにお金を消費してくださいねという、このPRというかプレスというのはやっぱりそろそろ上げていかないと、後々和歌山県の経済に大きな影響を与えるのかなというふうに思います。
コロナが過ぎ去った後に経済政策というのは、放っておいてもええようにいくんだというふうに思うんです。ただ、民間で仕事をさしてもらってると、今やっぱりしんどいところはしんどいんだと思います。傷口が広がっているんだと思います。傷口が広がるというよりか、コロナ終息後までもつかどうかという、苦しんでられるところもあろうかと思います。今がやっぱり行政の力量の見せどころかなあと。コロナの危険を感じながらも、和歌山の消費を活性化させるために、どれだけのことを今やれるかというのが、まさに私の前にいらっしゃる皆さんの双肩にかかっているんだろうなということを申し上げておきたいと思いますし、エールを送らしていただきたいというふうに思います。
と同時に、あと一個だけ言わせていただきたいんですけども、昨日、そしてその前というような中で一般質問を聞かしていただいても、これ観光に対して相当強力にやっていただいてる、政策を実施していただいているというのは理解できるしありがたいなと思うんです。
でも一方で、その観光業以外の、例えば中小零細、個人事業主に対して、じゃあ、それだけのことができているのかなというと、やっぱり濃淡がある。もちろん経営状況が厳しいということの判断でされているというのは理解するんですけども、そういったところに対してもやっぱり手を差し伸べていただきたいなあというふうに思うんです。
いろいろ話聞いておりますと、「いや、それは市町村のすることですよ」というようなことを言ったか言わなかったとかというような話も聞こえるんですが、観光の仕事も市町村やってるんです。もちろん県と市町村が中小零細、個人事業主の方に対して、これ同時にやっぱりやっていかないと「何で県だけやらないんよ」というようなことを言われることもあるんだと思います。
今日、官庁速報という通信を見ておりましたら、奈良県は市町村のプレミアム商品券の発行額に同額の上乗せをして経済対策をやるということが出ておりました。そういうような支援の在り方もあるのかなと思って見ていたんですけども、そういったところにも気を配っていただいて、きめ細かく対応していただけたらということを私から最後にお願いを申し上げたいというふうに思います。
以上で、私が予定をしておりました質問は全部終了したんですけども、今回、この五つの質問をさしていただいた根底という中には、やっぱり事前に用意して作戦練っておいといていただければ、危難が生じたときに対応がスムーズに、かつダメージも少なくなるということを申し上げたかったということを訴えさしていただきたいと思います。
あと最後に、役所という仕事のイメージ、さっきも申し上げたんですけども、縦割りを越えていかないと、縦割りの中で自分に与えられた仕事だけ、枠内の仕事だけ、来る仕事だけやってればええというような組織文化はあるんだという話さしてもうたんですけども、今回のコロナにやっぱり倍返ししたろかというぐらいの思いでいえば、その仕事の範囲をやっぱり越えていくぐらいの気概を持ってやっていただかないと、コロナには倍返しできたというようなことにならへんのかなというようなことを思っていることもお伝えをしたい。
それと最後に、これ知事に、長幼の序という言葉も感じながらも、またちょっと恐縮して申し上げるんですけども、6月議会の冒頭に、今回不祥事が出ているんだというお話がありました。公用車の事故なんかもちょっと増えてるんかなというふうに思いますし、職員の接遇を見てても、ちょっとやっぱり僕も意見したいなというところはあるんですけども、コロナの今回の対応については、これ僕も掛け値なしに、知事はよくやっていただいてる、100%頑張っていただいてるというふうに思っているんですけども、一方で、やっぱりそういった不祥事も増えてきている。
前にも申し上げたかも分からんですけども、ハインリッヒの法則というところには、1個の重大事故の後ろには29の小さな事故が内包しているんだというお話もさしてもうたこともあるんかと思いますけども、そういうことを感じれば、最近知事のメッセージもコロナばっかりで、たまに違ったものも見たいなと思うんですけども、そういう観点からすると、イメージ的には、和歌山県は広いですし政策課題も多いんで、もう一回高みに立っていただいて、全体を俯瞰していただいて、庁舎の中にも気を配っていただいて行政をやっていただけたらありがたいなと、最後にそのことを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。拙い質問にお付き合いをいただきました先輩・同僚議員の皆さん、当局の皆さん、御協力いただきまして感謝します。ありがとうございました。(拍手)
〇議長(岸本 健君) 以上で、玄素彰人君の質問が終了いたしました。
質疑及び一般質問を続行いたします。
35番林 隆一君。
〔林 隆一君、登壇〕(拍手)
〇林 隆一君 皆様、おはようございます。日本維新の会の林隆一でございます。
それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、一般質問をさしていただきます。
まず、新型コロナウイルス感染症に係る支援策についてお伺いいたします。
仁坂知事は、これまで記者会見等で、新型コロナウイルス対策として休業要請やその解除については、隣接している大阪府との人々の往来の関係から、基本的に大阪府と合わせたほうがよい旨のコメントをされておられました。
感染拡大の防止については、仁坂知事は和歌山モデルで株を上げられたことは大変結構なことだと私も思っておりますが、お隣の大阪府の吉村知事は、連日のようにテレビ出演され、大阪モデルを公表し、新型コロナウイルス感染症対策の先頭に立ち、逆に国が大阪府に追随すると見られるようなこともあり、一番株を上げられた人物であるんではないか、そういうふうに私は思っております。ちなみに、大阪の吉村知事は、我が党日本維新の会の副代表ということもあり、日本維新の会の政党支持率が急上昇しております。
そういう状況ですので、維新の会の県議の私に対する問合せ、要望等が非常に増えております。その中で多いのが、大阪府と和歌山の支援策について比較をした場合、和歌山県は相当見劣りがするとの御意見や御要望でございます。例えば、詳細は省略いたしますが、大阪府は、国の持続化給付金とは別に、府と市町村が2分の1ずつ負担し、中小企業は100万円、個人事業主には50万円が支給されております。和歌山県の事業継続支援金の場合、従業員数に応じて20万円から100万円が支給されることになっておりますが、中小零細企業が多い和歌山県では、20万円の支給が大半と思われます。
そこで質問いたします。
本県の事業継続支援金の支給状況として、現在把握している申請件数及び申請額、支払い済みの件数及び支払い額、また、支給金額が20万円の受理件数の全体に占める割合について、商工観光労働部長、お答えください。
〇議長(岸本 健君) ただいまの林隆一君の質問に対する答弁を求めます。
商工観光労働部長大山 茂君。
〔大山 茂君、登壇〕
〇商工観光労働部長(大山 茂君) 事業継続支援金の利用状況ですが、6月15日時点で5880件の申請を受理し、申請金額は12億1252万7000円でありまして、そのうち支出済みは、6月15日時点で2145件、4億4434万円となっています。
受理件数のうち、支援金額が20万円以下の占める割合は約92%でございます。
〇議長(岸本 健君) 林 隆一君。
〔林 隆一君、登壇〕
〇林 隆一君 御答弁をいただきましたので、次の質問をします。
申請受理件数のうち、20万円以下が約92%とのこと。何度も言いますが、大阪府は休業要請した中小企業に100万円、個人事業主に50万円、休業要請以外の事業主には、中小企業の場合、複数の事業所を有する場合100万円、1事業所の場合50万円、個人事業主の場合、同様に50万円、25万円がそれぞれ支給されております。
事業者からは、「和歌山で商売を継続するより、大阪に移り変わって商売をしたほうがよいのではないか」という声が私のところに多く上がっております。大阪府に追随をし、県の負担2分の1、市町村の負担2分の1にし、金額も同様の支援策を取るほうが、和歌山県離れを防ぐ有効な手段であると私は考えますが、本県支援策の考え方について、知事、お答えください。
〇議長(岸本 健君) 知事仁坂吉伸君。
〔仁坂吉伸君、登壇〕
〇知事(仁坂吉伸君) 新型コロナウイルス感染症の影響は、休業要請をした業種だけではなくて、全ての業種、多くの事業者に及んでいるところでございまして、その辺は皆さんが一番よく実感として分かっておられるところだと思います。
こうした中、県内事業者の声を聞いて、本県では、感染が終息した際には、全ての業種の方々が事業を継続し、県経済を牽引していただくことを念頭に置いて、「全業種、全ての人が対象」、「困っている人を助ける」、「事業継続に資する」を三つの原則として、県独自の包括的な支援策を実施しているわけでございます。
もっと、林議員のために言いますと、和歌山県ではこの原則に従って、休業要請業種のみならず、困ってる業種に、困っている程度に応じて、事業継続に有効なように限られた予算を配分してるわけでございまして、決して休業要請業種だけに限って、かつ、その規模の大小によって資金需要の多寡も差があるはずなのに、一律何万円と配布の額だけを競うようなことはしないのであります。
先ほど前の質問で、20万円以下の占める割合がどのぐらいであったか、これが92%だというふうに言われましたが、そのうち、林議員にお聞きしたいのでございますが、休業要請業種は何%含まれておるか。多分あんまり含まれてないわけでございまして、和歌山県は多くの業種の方に、困ってる程度にわたって資金を配分しております。その分だけ結構財政負担も大変なんでございますが、小さい和歌山県ですが、頑張ってやっとると、こういうことなのでございます。
また、市町村においても、それぞれが工夫を凝らして支援策を講じているところでございます。そのような中、県が独自に考えて発表した、そういう支援策に対して、後で「おまえも半分出せよな」というふうに求めることは、これは厳密に言えば地方自治の精神に反するというふうに私は思っております。
このことは、かつて、例えば橋下府政というのがありました。何か林さんがさっき言われた政党のお方でありますが、「国が出すから半分手伝えよなというのはおかしい」といって強烈に言われたことと、全く思想的には同じであります。
和歌山県は、他県はともかく、そのように県がやるんだから市町村が付き合え、市町村が付き合わなかったら県はやらない、そういうことはしないようにしようというふうに思ってるわけでございます。
大阪府の吉村知事は、大阪府でコロナの患者がいっぱいいて、まだ収束していないときに「いち早く経済の活力を取り戻すためには、ある程度コロナと共生していかなければならない」というふうに発言して、自粛要請の撤廃基準を発表したりして発言をしました。多くの府民は、それに対して批判を当時していましたけども、それに対してあえて発言をする、その勇気は、私は評価すべきだと思っております。
また、保健医療行政の点で、勇気はともかくとして、一方でじゃじゃ漏れだったらきっともっとはやるぞと心配するかもしれないので、そこのところの引締めをしたほうがいいよと言って、いろいろ我々の知見とか医学的な知識とか、論理的にいろいろ説明をしてアドバイスをさしてもらったりしましたが、ちゃんと聞いて、耳を傾けるという、そういう気持ちはある人だなあというふうに思います。
そういう方は、決して「出羽守」、すなわち「何々では」というようなことを安易に考えるような人ではなくて、地方自治の本旨ぐらいはお分かりになる人ではないかなあというふうに固く信じております。
〇議長(岸本 健君) 林 隆一君。
〔林 隆一君、登壇〕
〇林 隆一君 知事の御答弁をいただきましたので、再質問をさしていただきます。
知事の考え方は非常によく分かりました。しかしながら、本当に困ってる事業者には手厚く支援することが重要であると私は思っております。20万円では事業が継続するには少な過ぎて足らない上、市町村に負担を求めずという考え方が、私には少し理解できません。再考を求めますが、知事、いかがでしょうか。
〇議長(岸本 健君) 知事。
〔仁坂吉伸君、登壇〕
〇知事(仁坂吉伸君) 先ほど議員から「市町村に負担を求めずという考え方が理解できない」という発言がありましたけれども、私にはその考え方が理解できない。説明をしているのに聞こうとしない、これは某政党の親分衆とは随分違うというふうに思うわけであります。
県では、事業継続支援金だけではなくて、新たな取組を後押しする事業継続推進補助金や無利子・無担保の融資制度など、独自の包括的な支援策を実施しております。また、今議会にも、新たな家賃支援金とか、あるいは観光関連事業者が実施するコロナ感染防止に係る投資への支援など、本県にとって必要な支援策を提案しているところでございます。
それに市町村負担を全部求めるということはいたしませんので、市町村も交付金を従来頂いているわけですが、その交付金を使ってしまうということは、市町村はないわけです。したがって、市町村は自由にそれぞれの考えに基づいて住民対策ができるということになるわけであります。
県は、県の考え方で事業者を支援すればよいと私は思います。市町村は、それぞれの実情に応じて、県の施策を基に考えてもらってもよいし、つまり足してもらってもいいし、あるいは全く新しい支援策を考えてもいい、それが地方自治というもんではないか、そういうふうに思うわけでございます。
もちろん一緒にやったほうがいい場合もございまして、県がぱっと瞬間的に思いついて、それっといって決めたことを、ついてこいというのは、あまり好ましいことではないというふうに思っております。
〇議長(岸本 健君) 林 隆一君。
〔林 隆一君、登壇〕
〇林 隆一君 知事のお考えはよく分かりました。これ以上和歌山離れを起こさないように留意していただければということで、強く要望しておきます。
それでは、次の質問に移ります。
6月1日から学校が再開されました。学校現場においては、引き続き新型コロナウイルス感染症対策を講じる必要がありますが、これから夏を迎える中、児童生徒の学習の遅れを補うため、夏休みの短縮や登校日を設けて授業等を行うことになると聞いております。
この夏場において、児童生徒の健康を確保する上で、新型コロナウイルス感染症対策とともに、留意すべきは熱中症対策でございます。共に人命に関わる重要なことであると思っておりますので、県立学校における新型コロナウイルス感染症対策を想定した夏季の熱中症対策について、教育長、お答えください。
〇議長(岸本 健君) 教育長宮﨑 泉君。
〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) 県立学校における新型コロナウイルス感染症対策を想定した夏季の熱中症対策についてでございます。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う臨時休業による児童生徒の学習の遅れを補うため、夏季休業期間の短縮を行います。そのため、熱中症対策も重要になると考えます。
各学校では、新型コロナウイルス感染症を想定した新しい生活様式における対策として、空調設備の温度設定の小まめな調整と、換気の確保の両立を図っていくとともに、これまで以上に熱中症対策にも努めてまいります。
中身といたしましては、マスク着用時も小まめに水分補給を行うとともに、登下校時や体育の授業などで熱中症等の健康被害が危惧される場合には、児童生徒の間隔を十分に確保した上で、マスクの着用を求めないこととしております。
さらに、日頃の体温測定や健康観察は、新型コロナウイルス感染症だけでなく、熱中症を予防する上でも有効でありますので、引き続き、家庭及び学校における健康管理の徹底を進めてまいります。
児童生徒の感染症防止対策に加え、熱中症等による健康被害が生じないよう、例年以上に万全を期してまいります。
〇議長(岸本 健君) 林 隆一君。
〔林 隆一君、登壇〕
〇林 隆一君 御答弁いただきました。どうもありがとうございます。
今の教育長の御答弁で「万全を期す」という言葉がありましたので、頑張っていただきたいと、そういうふうに私は思っております。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症対策として重要なことは小まめな換気とマスクの着用、熱中症対策として重要なことはエアコンによる空調管理、ある意味相反することを同時に運用していくことは、学校現場においてなかなか御苦労が多いことであろうと私は思っております。保護者の方からの不安の声も私に届いておりますし、新型コロナウイルス感染症対策と熱中症対策を両立させることは現実問題として非常に難しいことであると、そういうふうに私は思っております。
このような問題を解決する手段として、オンライン学習は非常に有効な手段の一つだと私も思っております。
先日、本議会に追加提案されました補正予算において、県立高等学校の全生徒に対して1人1台の持ち帰り可能なタブレット端末を配備するための経費やICT支援員を配置する経費も計上されました。また、先ほど同期の玄素議員の御質問に対する教育長の御答弁もありましたように、公立小中学校でのオンライン学習の導入が進むよう支援していくとのことでございます。これらの環境整備を一日も早く実現させ、有効に活用していただくことを強く要望して、私は次の質問に移ります。
次に、幼児教育・保育無償化について質問をさしていただきます。
人口減少対策及び少子化対策は全国的にも喫緊の課題であります。全国の合計特殊出生率は、2015年以来、連続して減少傾向にあり、2019年においては1.36となっております。和歌山県の2019年の数値は1.46であり、10年連続して全国平均より高い状況とはいえ、総人口推移については、近畿府県の中でも人口減少が著しい状況にあり、子育て環境を充実することは、本県の政策の大きな柱の一つだと私は思っております。
現に、和歌山県では様々な取組を行っていることは承知しておりますが、その中でも、子育て家庭への経済的な支援が最も効果的であろうと私は思っております。現在、本県においては、国の支援制度に加えて、県単独の施策として第2子や第3子への経済的支援を拡充しているとのことですが、県の支援制度の概要とその対象人数、そして、仮に第2子への支援制度として所得要件を撤廃した場合、どの程度の予算が新たに必要となるのか、福祉保健部長にお伺いいたします。
〇議長(岸本 健君) 福祉保健部長宮本浩之君。
〔宮本浩之君、登壇〕
〇福祉保健部長(宮本浩之君) 幼児教育・保育の無償化については、国において、3歳から5歳までの全ての子供の保育料等を無償化するとともに、ゼロ歳から2歳までの住民税非課税世帯等の保育料等の無償化を実施しております。
また、県において、ゼロ歳から2歳のうち、国の無償化の対象となっていない第3子以降及び年収360万円未満相当の世帯の第2子の保育料等の無償化を実施しております。
昨年度は、保育所等に入所しているゼロ歳から2歳の人数は、県全体で約8800人、国の制度で無償化されている人数は約1400人、県の制度で無償化されている人数は1724人です。
このうち、第2子については、保育所等に入所している人数は約3300人、国の制度で無償化されている人数は約350人、県の制度で無償化されている人数は597人です。
なお、現在、県の制度で県及び市町村がそれぞれ2.7億円を負担しており、第2子の所得制限を撤廃した際には、現状の保育所入所割合を前提とすると県及び市町村のそれぞれで5.9億円が新たに必要となります。
〇議長(岸本 健君) 林 隆一君。
〔林 隆一君、登壇〕
〇林 隆一君 御答弁いただきましたので、次の質問をさしていただきます。
先ほども申し上げたとおり、本県の昨今の人口減少率は、ほかの近畿府県に比べて著しく高く、このままでは和歌山県がさらに衰退していくおそれが高いと私は思っております。
また、子育て家庭への経済的支援という意味では、国の制度において、私立高校等に通う生徒への支援が手厚くなるなど、国全体の方向性としては、できるだけ子育て家庭への経済的負担を減らそうという流れがあります。
しかしながら、このような経済的負担の軽減という観点からすれば、制度設計上、どうしても所得要件の設定が付きまとうことになりますが、その要件に適合させるために、世帯の収入を抑えるような状況が発生するなどの不合理も生じていると思われます。また、高収入の方は当然ながらその恩恵を受けることはできず、場合によっては税金を多く納めてる方々がある意味損するというような考え方を持つ方もいらっしゃるのではないかと私は思っております。
このような観点を踏まえ、子育て環境の充実については、所得の差によることなく等しく享受できるという考え方に立って、経済の活性化と人口減少の抑制の双方を実現するための特効薬として、第2子への支援に関する所得要件を撤廃すべきと私は思いますが、知事のお考えをお聞かせください。
〇議長(岸本 健君) 知事。
〔仁坂吉伸君、登壇〕
〇知事(仁坂吉伸君) 県では、財源の制約もある中、全ての子供の保育料を一律に無償化するというのはちょっと難しいので、少子化対策としてより効果が見込まれる第3子に重点的に対応するということをずっとやってきました。
これが効果が出たというふうに思いますので、これは第2子もやってみようということで、第2子も一定の所得制限の下で無償化をしているということであります。
議員御指摘のように、第2子の所得制限を撤廃せえということについては、無尽蔵に財政資金が和歌山県にあれば、一つの考え方ではあると思うけれども、現状では難しいわけでございます。
そこで、本当のニーズ、すなわち、これは何のためにやってるかというと、経済的な負担が大き過ぎて子供が持てないということを解消するためにやろうというわけですから、したがって、所得の低い人からやろうというふうに思ったところでございます。
財政がつらいという点では市町村も同じであります。
県は、地方自治の本旨に基、先ほど御説明いたしましたが、これは実は県と市町村で協力をしてやってるんですが、しかし、市町村の分を出せないというようなところもあるわけです。
そういうところも、市町村が出さないんなら県も出してやらないというようなことを言うんじゃなくて、県の分は県の分で出させてもらうけども、市町村がもしよかったら、これはいい制度だと思うので、一緒に協力してくれたら、その分だけ金額が倍になるわけですから、そんなふうにいたしましょうよということをやっているわけでございます。これは、すぐれて今の問題ではなくて、実は在宅保育のゼロ歳児未満の者についてこういう形を適用してるんでございますけれども、なかなか全市町村が追随できなかったというような例もあって、それぞれ財政事情を見ながら、できるだけのことをやろうというのが現状なんでございます。
少子化の原因としては、経済的な負担だけではなくて、未婚化とか晩婚化、あるいは子育てしやすい職場環境がまだまだ整っていないことなど、複合的な要因も影響しております。
出会いの場の創出による晩婚化の解消や仕事と子育ての両立支援なども含めた総合的な対策を進めているところでございまして、その中でこの政策も誘引効果が出たらいいのになあと思いながら、財政も気にしながら頑張ってやってるところでございます。
〇議長(岸本 健君) 林 隆一君。
〔林 隆一君、登壇〕
〇林 隆一君 御答弁いただきましてありがとうございます。
人口減少が著しい我が県の現状を鑑みれば、行財政改革等を行い、市町村とともに約6億円を新たに拠出する覚悟が必要であると思いますし、その効果により人口減少の流れが抑制されるなら、税収も跳ね上がり、県の発展にもつながると私は思っております。そのことをまた再考していただくよう強く要望し、この質問は終わりたいと思います。
次に、相次ぐ職員の不祥事を踏まえた懲戒処分の厳罰化について、質問をさせていただきます。
昨今、県庁職員の不祥事が報道されることがしばしばあり、調べてみますと、過去5年間において、県職員の懲戒処分案件は、各年度においておおむね3件か4件あり、一向に減らない状況にあります。また、最近においては、今年5月に、県庁の女子トイレに小型カメラを設置して盗撮した職員が逮捕された事件や、ホームセンターにおいて管理職が商品を万引きした件など、立て続けに不祥事が続いており、県民からの信頼が大きく揺らいでると思っております。
知事は、本議会の冒頭に「このようなことを二度と起こさないよう、綱紀の粛正を徹底してまいります」という発言をされましたが、これらの相次ぐ職員の不祥事を踏まえて、綱紀の粛正を図るためにどのような取組を行うのか、知事の御所見をお伺いいたします。
〇議長(岸本 健君) 知事。
〔仁坂吉伸君、登壇〕
〇知事(仁坂吉伸君) 職員による不祥事が続いていることについては、誠に遺憾でございます。
不祥事発覚後、管理監督者に対して、常日頃から所属の職員に目を配り、必要に応じ適切な指導を行うよう指示をしたところでございます。
会議、研修、文書による周知等、あらゆる機会を通じて、職員に対し、服務規律の遵守を継続して求め、公務員としての高い倫理観を常に意識づけることにより、不祥事の再発防止に努めてまいりたいと思います。
〇議長(岸本 健君) 林 隆一君。
〔林 隆一君、登壇〕
〇林 隆一君 知事は、その取組について御答弁されましたが、これまで発生した不祥事や犯罪の防止については、そもそも研修等で指導する、啓発するような類いのものではないと思います。人の物を取っては駄目ですよとか、痴漢しては駄目ですよとか、飲酒運転しては駄目ですよ、こういうのは研修の必要はない。もう、小学生か中学生でも、分かるような内容のことだと、そういうふうに私は思っております。
私は、処分自体が甘いのではないかと、そういうふうに考えております。現在の懲戒処分の基準を見直し、さらなる処分の厳罰化を図らなければ、職員の不祥事を防げないのではないか、そういうふうに私は思っております。懲戒処分の厳罰化についての知事の御所見をお伺いいたします。
〇議長(岸本 健君) 知事。
〔仁坂吉伸君、登壇〕
〇知事(仁坂吉伸君) 不祥事の発生防止、それから綱紀粛正につきましては、モラルの向上、それから目的意識の醸成、職場の雰囲気など、様々な方策が大事だと思いますが、引締めの道具あるいは制度、こういうものももちろん必要でございます。これについては、懲戒の規則が該当するかというふうに思います。
本県では、平成19年4月以降、その前に官製談合事件を起こしたわけでございますんで、清潔で透明性のある県政を実現するために、地方公共団体において初めての監察査察制度を導入しまして、今、厳格に運用しておりまして、不祥事が起こらないように見張っとるとか、あるいは起こったときはきちんと処理、処罰をするというようなことで、厳正に運用しているわけでございます。
また、懲戒処分というものが当然あるわけですが、これは、ある意味では罪刑法定主義ですから、懲戒処分の標準的な処分例を定めた懲戒処分の基準に基づき、不祥事事案を十分に調査、確認してもらって、諸般の事情を総合的に考慮した上で、適正、妥当な判断をしているわけでございます。
何でも厳罰というのは、ちょっとある意味では文明的でないというようなところもありますけれども、しかし、今、私が申し上げました懲戒処分の基準、これは県庁が定めておりますが、これもちょっと甘かったかなというような例も実は過去においてありました。
一例を挙げますと、背任行為などの県に対する信用毀損に対する懲戒処分、これは懲戒免職の規定がなかったということでございまして、これは一番いかんことじゃないかということなんで、これを改正して、現在、背任や信用失墜行為でも懲戒免職にすることもできるというふうにしたわけでございます。
林議員の御趣旨に沿って考えてみますと、林議員もよく考えて指摘されているはずでございましょうから、どこがもっと厳しくする点か、ぜひ言っていただきたいというふうに思うわけであります。直ちに真摯に検討したいと思います。
〇議長(岸本 健君) 林 隆一君。
〔林 隆一君、登壇〕
〇林 隆一君 知事からすばらしい御答弁をいただきましたので、再質問に代えて要望させていただきます。
処分を厳しくするほうが、犯罪に対する抑止効果があると思われます。知事には、懲戒処分の厳罰化についてより再考していただくことを強く要望し、私の一般質問はこれで終了いたします。御清聴いただきありがとうございました。(拍手)
〇議長(岸本 健君) 以上で、林隆一君の質問が終了いたしました。
これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
この際、暫時休憩いたします。
午前11時33分休憩
────────────────────
午後1時0分再開
〇副議長(濱口太史君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
質疑及び一般質問を続行いたします。
38番杉山俊雄君。
〔杉山俊雄君、登壇〕(拍手)
〇杉山俊雄君 こんにちは。
やっと1年がたって、若葉マークが外れました。外れたときが一番危ないというふうに言われていますので、安全運転で行きたいというふうに思っています。
議長のお許しをいただいたので、早速、通告に従って一般質問を行っていきたいと思います。
初めに、学校再開に当たってで、一つは、学習の遅れや心身のケア等々について質問をします。
多くの学校が、6月1日から再開されました。喜びと不安の再開だったと思います。
3か月間に及ぶ長期の休校は、子供たちに計り知れない影響を与えています。何よりも、長期にわたって授業がなかったことは、子供の学習に相当の遅れをもたらしました。子供を取り巻く環境の違いによって、学力の格差を広げたという点でも深刻です。
また、子供たちはかつてない不安とストレスを抱えています。国立成育医療研究センターのコロナ×こどもアンケートでは、困り事という設問に対して、「友達に会えない」、「学校に行けない」、「外で遊べない」、「勉強が心配」の順で回答をしています。その他各種のアンケート結果では、「いらいらする」、「夜、眠れなくなった」、「何もやる気がしない」、「死にたい」などの悲痛な声が記されています。こうした子供たちの不安や悩みを受け止める教育が求められます。
学習の遅れと格差に対しては、子供一人一人に丁寧に教えることが欠かせません。学習の遅れた子供への個別の手だても必要です。不安やストレスと向き合いながら心身のケアを進めていくには手間と時間がかかります。必要です。特別な困難を抱えた子供には、より立ち入った心理的あるいは福祉的な支援が求められます。これらのことは、学びを進めていく上で欠くことはできません。
しかし、現場では、遅れを取り戻そうと、土曜授業、夏休みや学校行事の大幅削減、7時間授業が計画され、授業の詰め込みが行われようとしています。
文科省は、「学校教育が協働的な学び合いの中で行われる特質を持つことに鑑み、学校行事等も含めた学校教育ならではの学びを大事にしながら教育活動を進めていくことが大切」と、学びの保障の方向性を示しています。
学びを保障するためには、子供を直接知っている学校現場の創意工夫を保障することこそが必要です。教科書全てを駆け足で消化するやり方では子供は伸びないと、多くの教員が指摘しているところです。
県教育委員会は、休校中や再開後の子供の状況を把握していると思いますが、学習の遅れや心身のケア等に応える体制づくりについてどう取組を進めているか、教育長にお伺いします。
〇副議長(濱口太史君) ただいまの杉山俊雄君の質問に対する答弁を求めます。
教育長宮﨑 泉君。
〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) 学校再開に当たっての子供の学習の遅れや心身のケアに応える体制についての御質問でございます。
臨時休業期間中は、各学校において、担任等から家庭への電話連絡や家庭訪問等により児童生徒一人一人の学習や心身の状況把握に努めてまいりました。
授業再開後は、担任や養護教諭等を中心に、児童生徒一人一人に対して、きめ細やかな健康観察の相談等を行い、安心して学校生活を送れるよう努めています。また、家庭学習の内容が身についているかを把握し、定着が不十分な児童生徒に対して補充学習等を行うことが有効であります。さらに、授業時間を確保することが必要でもあります。決して駆け足で消化するやり方ではなく、夏季休業期間を短縮し、学びの保障に努めています。
そのために、本議会で、教員、学習指導員、スクール・サポート・スタッフやスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等の追加配置をお願いしているところでございます。
今後、各学校において児童生徒が安全・安心に登校し、前向きに学習に取り組めるよう、市町村教育委員会と協力して支援してまいります。
〇副議長(濱口太史君) 杉山俊雄君。
〔杉山俊雄君、登壇〕
〇杉山俊雄君 答弁ありがとうございます。
担任は、大変、大変です。朝からの健康チェック、心のケア、宿題の点検、補充学習等々しなければなりません。
2次補正で、県全体で教員の加配39人、学習指導員600人、スクール・サポート・スタッフ──SSS200人の配置がありますが、これでは不十分です。感染予防や教職員の過重な負担を軽減するために、さらなる増員を国に求めていただきたいと思います。
また、子供への学習の影響はこの後も続いていくというふうに思います。多くの教職員やスタッフ等で学校を支えていく体制を持続させ、1年きりにしないよう、国に求めていただくよう重ねて強く要望をしておきます。
続いて、二つ目は、県の学力テストに関わって中止を求めたいというふうに思います。
全国学力テストは中止になりましたが、県学力テストについては10月実施を延期する方向で検討していると聞いています。学校現場に余裕がない中で実施されれば、対策のために多くの時間が費やされ、子供たちに新たなストレスをもたらし、子供の成長をゆがめ、学力格差をさらに広げることもあり得るというふうに思います。
学校は行事を縮小し、子供が楽しみにしている運動会などを中止するところもあります。土曜授業や7時間授業等で必死に授業時数確保に努めているのに、県教委は現場の状況を顧みず、県としての行事──学力テストを無理やり押しつけるのは理不尽ではないでしょうか。きっぱり中止すべきだと思いますが、教育長の考えをお聞かせください。
〇副議長(濱口太史君) 教育長。
〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) 県の学力テストについてでございますが、本年度の学習到達度調査については、県内の小中学校等で臨時休業中に取り組んだ家庭学習や、再開後の授業における子供たちの一人一人の学習内容について、定着状況を把握するとともに、個々の課題に合わせた指導を行い、学習内容を確実に身につけさせるために行います。
約3か月の臨時休業を経て、各学校において学習指導の検証が必要な本年度こそ、この調査が特に有意義であると考えています。
〇副議長(濱口太史君) 杉山俊雄君。
〔杉山俊雄君、登壇〕
〇杉山俊雄君 今年度こそ必要というのは私にはよく分かりませんが、答弁の中で、休校中で教師から直接教わっていない家庭学習の定着状況をも把握すると、こういうふうなことを言っていますが、子供を支えられる大人が周りにどれだけいるかの違いによって学力格差が生じます。この学力格差、学習の遅れを取り戻すには、県の学力テストではなく、子供を直接知っている学校現場に任せるべきだというふうに思っています。
学力テストを実施すれば、定着していない部分を補おうと、かなりの時間が費やされます。学校は行事削減等で授業時数確保に努力しているのに、学力テストを行うということについては納得がいきません。学校の授業時数確保の努力を無にしていいのか。再度中止を求めたいというふうに要望をしておいて、次の質問に移ります。
三つ目は、高校入試の出題範囲を早期に示し、周知することについてです。
中学3年生の教科書は「年度内に終わるように」と言われていて、5月25日から授業を行っています。入試に備えてのことと思われますが、詰め込み、新幹線授業になりかねません。ついていけない、分からない子供を多く生み出しかねません。ついていけないのであれば塾にとの親の声も聞かれます。学習の進度差が入試に響くのではないかと、子供も保護者も不安に思っています。
文科省は、入試における配慮事項について、志願者が安心して受験に臨めるように、出題範囲や内容、出題方法について志願者が不利にならないよう適切な工夫を講じるなどの通知を出しています。例えとして、出題については、適切な範囲や内容となるように設定することや問題を選択できる出題方法にするなどを示しています。さらに、入学者選抜の内容をしっかりと入学志願者に伝えることにより、不安払拭に努めることを求めています。
文科省が言うように、各学校の学習状況が異なることを踏まえ、公平公正な入試の在り方を検討し、早期に学校、保護者に周知することが求められるのではないでしょうか。教育長にお伺いします。
〇副議長(濱口太史君) 教育長。
〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) 高校入試の出題範囲を早期にということでございますが、今回のような事態において最も優先すべきことは、子供の将来にわたっての学力の基盤を保障することでございます。県立高等学校入学者選抜の出題範囲を縮小すると、その単元の勉強がおろそかになってしまいます。学びの本質とは何かを慎重に考える必要があります。
このような観点から、現中学3年生には、夏季休業期間の短縮により授業時間を確保し、生徒に過度な負担をかけることなく、中学3年間で学習すべき内容を卒業までにきちんと学べるよう計画をしております。
さらに、教員の増員分や学習指導員などを中学3年生の指導に充てることにより、きめ細やかな対応をしてまいります。
今後、各市町村教育委員会を通じて、学習の進捗度合いや各中学校の学習状況等をヒアリングなどを実施して把握し、よりよい方向を講じてまいります。
〇副議長(濱口太史君) 杉山俊雄君。
〔杉山俊雄君、登壇〕
〇杉山俊雄君 最終的には周知をするということですが、今日、テレビで、テレビというかネットで見ていると、大阪府は出題範囲について、中学3年生の後半に学ぶ約2割の単元を削減するとして今日は公表しています。
何よりも子供たちが、あるいは親が心配しているのは、本当に大丈夫だろうか。最後までやることを求めると、どうしても出題範囲というのは周知をするのが遅くなると。文科省も、出題については範囲や内容をしっかりと入学志願者に伝えることにより不安払拭に努めることを求めていると、こういうふうに文科省も言うていますので、奈良県、滋賀県、大阪のように早く、どこどこまで、具体的にこのことは省きますというようなところまで大阪はしていたというふうに思いますので、よろしく要望をしておきます。
続いて、四つ目の消毒や清掃などの新たな負担の軽減についてを質問します。
学校は、6月からの分散登校で、事前の健康チェック、午前中に3時間、午後3時間の目いっぱいの授業時間を抱え、その上、給食前の消毒、午後の授業終了後、清掃、消毒作業をこなしてきました。特別教室は生徒が入れ替わるので、その都度、10分間の休み時間に消毒を終えなければなりません。教職員は、神経をすり減らしながらの授業と消毒の連続で、動き続けなければなりません。疲労感いっぱいで、免疫力も低下します。
このように、学校は感染対策として毎日の消毒、清掃、健康チェックなどをこなし、今まで以上に多くの業務が生じています。もともと異常な長時間労働を強いられている教員にそれらの負担を課せば、教育活動へ力を注ぐことができなくなります。
国は、第2次補正予算で、感染症対策の徹底と学習保障の人的体制の強化として、SSSを未配置の小中学校に2万5200人追加加配するとしています。県は現在の配置校と小規模校を除いて全校に配置する予定としていますが、感染症対策としては全ての学校に配置すべきだというふうに思います。高校には配置されていません。
また、2次補正で、校長の判断で自由に活用できる財政支援があります。地域の感染状況や学校規模に応じて、小・中・高・支援学校に1校当たり100万円から300万円が措置されます。管理職に「今、必要なものは何か」と聞くと、「人、金、権限だ」と口をそろえて言います。これでは不十分だというふうに思いますし、それでもその100万や300万を活用して、ぜひ学校の清掃や消毒に必要な人員の確保等をしていただきたいと思いますが、教育長、答弁よろしくお願いします。
〇副議長(濱口太史君) 教育長。
〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) 消毒や清掃などの新たな負担の軽減ということでございますが、消毒や清掃などの業務については、授業を行うため、また児童生徒が安全・安心に登校するための準備行為であります。御負担をおかけすることもありますが、さらに新たな人員の増ということは考えておりません。
〇副議長(濱口太史君) 杉山俊雄君。
〔杉山俊雄君、登壇〕
〇杉山俊雄君 何か冷たい答弁のように聞こえますが、現場の切実な願いに応えたというふうには思いません。消毒、清掃に必要な物品の財政支援はしますが、あとは教職員でしっかり掃除をしてくださいと言っているようにしか聞こえません。
現場は、先ほども言いましたが、健康チェック、心のケア、細心の注意をしながらの授業、その上、消毒、清掃で疲労こんぱいです。何もかも教職員に押しつけていいのでしょうか。
一升瓶に2升の酒は入りません。好きな言葉でありますが、何もかも人間はできません。
田辺市は、SSSを会計年度職員として11人、1日4時間、3740円で採用をしています。
国は、学校の清掃や消毒に必要な人員増や委託については使えないと言っていますが、ぜひ現場の声を国に届けて、何とかしていただきたいというふうに思いますし、また、地方創生臨時交付金の上乗せで人員確保ができるよう財政当局に求めていただき、教職員の負担を軽減していただくよう重ねて、教育長、よろしくお願いをしておきます。
教育問題で最後に、通常授業に戻していい根拠ということについて質問します。
学校で万全の感染対策を行うことは言うまでもありません。しかしながら、その学校で、厚労省が示している感染防止の三つの基本、身体的距離の確保、マスクの着用、手洗いのうち、身体的距離の確保ができないという重大な問題に直面をしています。
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は、新しい生活様式として、人との間隔はできるだけ2メートル空けることを基本にしています。しかし、38人・35人学級では、2メートル空けることはおろか、1メートル空けることも不可能で、身体的距離の確保と大きく矛盾をしています。
再開後の学校では20人程度の授業とするため、学級を二つに分けるなどの分散登校に取り組んできましたが、この措置は多くの学校で6月15日から通常授業に戻っています。20人程度の授業を続けるには、現在の教員数や教室の数ではあまりにも不足しているために、元に戻したのではないでしょうかというふうに私は思いますが、再開後の通常授業に、教職員も子供も保護者も不安の声を上げています。
身体的距離の確保を新しい生活様式の重要な一つとして社会全体で取り組んでいるときに、学校を例外にすることは矛盾です。子供たちが学校で最も長い時間を過ごす教室を感染拡大防止対策の観点から、しっかり保障していくべきではないでしょうか。35人・38人学級に戻してよい根拠はどこにありますか。教育長、お答えください。
〇副議長(濱口太史君) 教育長。
〔宮﨑 泉君、登壇〕
〇教育長(宮﨑 泉君) 通常授業に戻してよい根拠ということでございますが、新型コロナウイルス感染症については長期的な対応が求められているところですが、持続的に児童生徒等の教育を受ける権利を保障していくためには、一日も早く通常の授業の再開が待たれていたところでございます。
文科省が作成した衛生管理マニュアルでは、和歌山県のような最も感染レベルの低い地域では、施設等の制約から1メートルの距離を確保できない場合でも、三つの密を避けるよう努めることで授業の実施が可能と示されております。
したがって、十分な感染症対策を取った上で、通常の授業への移行が可能と判断をしております。
〇副議長(濱口太史君) 杉山俊雄君。
〔杉山俊雄君、登壇〕
〇杉山俊雄君 和歌山県はレベル1というような答弁はありましたかね。(「新たに回答はありません」と呼ぶ者あり)はい。和歌山県はレベル1ということについては、県民に周知をされていないというふうに思います。私、ネットを検索したときに、レベルのところは消去された部分もあったので、これは本当なのかというふうに県教委に聞くと、レベル1、2、3は文科省がこういうふうにやっているというふうに言っています。
知事はメッセージで、「密接は駄目。政府より厳しい。3密はもっと駄目。3密でなければいいでしょう、窓を開けているからいいでしょうは全く間違いだと思う」と述べています。子供たちが学校で最も長い時間を過ごす教室を身体的距離の確保のために、密接駄目、3密はもっと駄目を合い言葉に、安心・安全をしっかり保障することが求められます。
日本教育学会は、再開後の学校の大変さを支える体制として、2次補正だけでは不十分で、小規模学習集団編制や複数担任制、学習補充や個別指導で学習を保障し、ストレスや悩みに応える学校づくりを進めるために10万人の教員増を提案しています。
10月10日の衆議院予算委員会で日本共産党の志位委員長は、2015年2月の少人数学級について鋭意努力するとした取組を加速すべきではないかと安倍首相に質問しました。これに応えて安倍首相は、検討していきたいと答えています。
和歌山県独自でできる話ではありませんが、大規模な加配等を今年度限りとはせず、コロナ後を見据えて教職員を増員して少人数学級を加速すべきだと国に求めていただきたいというふうに切に要望をして、次のコロナ拡大とIRカジノについて質問をします。
IRカジノについては一つ、コロナの影響でカジノが一変したということについて伺いたいというふうに思います。
黒川前検事長は、賭けマージャンを認めて辞職しました。雑誌「時評」のインタビューで、黒川氏は休日の過ごし方を聞かれ、「海外に行った際には個人的な観点でIRを視察する」、「職業上の関心も兼ねて」と述べています。2017年前後はカジノ解禁の議論が進んでいた時期で、刑法は賭博を禁じているが、公益性などにより違法性が阻却される、賭博、カジノを合法化する解釈変更を法務省が認めたのも黒川事務次官時代であります。官邸肝煎りのカジノ合法化に汗をかいたのがギャンブル好きの黒川氏であった疑いが持たれています。黒川氏がカジノ合法化に関わった経緯は、今後、明らかになるのではないでしょうか。
前置きはこれぐらいにして、本題に入りたいというふうに思います。
新型コロナウイルス感染拡大で、世界のカジノ業界は一変しました。世界中のカジノが閉鎖に陥っています。アメリカの約1000軒のカジノ施設が全て営業停止になっています。年収約8兆円の巨大市場が突然消滅しました。
5月12日、世界最大のカジノ、ラスベガス・サンズが日本進出から撤退をしました。フランスのバリエール社も和歌山の公募に応募しませんでした。
マカオのカジノは、2月5日から2週間閉鎖。今は再開していますが、国際観光客の入国制限で客足が戻らず、2月の収益は9割減、3月は8割減、4月は97%減。コロナ感染が終息し、カジノを再開しても、正常化は厳しい状況にあります。
それは、一つは再開の条件です。ラスベガス・カジノ監督機関は、再開の条件として、社会的距離のため、スロットマシンの客同士の距離を空け、テーブルごとの制限を求めています。再開でフル操業しても、高収益は望めません。
二つ目は、空路での客の移動です。どこまで回復するか、予想がつきません。3密状態のカジノに客が戻ってくるのかも含め、高収益性はさま変わりします。この状況は1~2年ほど続くと思われます。
三つ目は、パンデミックは繰り返されるということであります。ワクチンが開発されたとしても、繰り返される危険があります。大きな成長性は失われたと言えるのではないでしょうか。
四つ目は、世界のカジノはオンラインカジノへとかじを切っています。ランド地上型カジノは、大規模施設で、窓もない閉鎖空間に客を詰め込み、24時間365日賭け続けさせます。カジノをエンジンとして、国際会議場や展示場などのカジノ以外の巨大施設を造るというのが従来のIRです。カジノの高収益性を使って客を大量に集め、その客をカジノに誘導し、巨額の収益を上げるというIRビジネスモデルは終えんを迎えているのではないでしょうか。
そこで伺います。
コロナ禍の下で一変したIRカジノの状況にいて、また、国のIR基本方針は今年1月の決定が遅れ、感染症対策の事項を盛り込むことも検討されているようですが、現時点で県の実施方針について、さらに、カジノ事業者は、今、共通してコロナを乗り切るために経営体力を消耗し、過剰債務を抱え込み、その返済に目先の利益を求めている下で、県に応募してきた二つの事業者が和歌山のIRを経営できる能力があるのかについて、企画部長、お答えください。
〇副議長(濱口太史君) 企画部長田嶋久嗣君。
〔田嶋久嗣君、登壇〕
〇企画部長(田嶋久嗣君) 今年に入り、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、ラスベガス、シンガポール、マカオといった世界の主要地域でIR施設が閉鎖されたことで、業界全体が大きなダメージを受けているのは事実です。
今後の影響は中長期的に注視する必要がありますが、国が目指すIRのビジネスモデルが新型コロナウイルス感染症終息後に成り立たないのであれば、全てのIR事業者が採算性を考え、日本から撤退するに違いありません。しかしながら、多くのIR事業者は引き続き日本への投資意欲を示していると考えております。
次に、IR整備法では、国の基本方針に即して都道府県等が実施方針を作成することになっています。
一方、昨年9月に公表された基本方針案では、基本方針確定前に都道府県等が実施方針の作成等の手続を進めていくことも想定されており、その場合は、国の基本方針確定後、必要に応じて実施方針等の内容の修正を行うことになっております。
本県では、本年2月、国の基本方針案に即して実施方針案を作成したところですが、御質問のあった感染症対策も含め、国の基本方針が修正されれば、必要に応じて実施方針案の内容を修正してまいります。
最後に、それぞれの事業者の経営能力については、事業者から提出される提案審査書類に基づき、IR事業を長期的に継続し、確実に実施する能力を有する事業者であるかを審査していくことになります。
また、その前提として、事業者は自らの調査で採算性について見極めた上で応募してきたものと考えております。
〇副議長(濱口太史君) 杉山俊雄君。
〔杉山俊雄君、登壇〕
〇杉山俊雄君 答弁ありがとうございます。
コロナ禍の下で業界全体が大きなダメージを受けているという答弁でした。朝日新聞の社説は、「カジノ誘致の構想が根底から揺らぐ事態であり、一旦決めたことだからと突き進む愚は避けるべき」と主張しています。これが大方の見方ではないでしょうか。
国の基本指針も感染症対策を含んだものにするということです。相当な変更がビジネスシステムそのものを大きく変えるのではないかと思われます。今応募してきた2事業者について、これから審査するということですが、大変危惧をします。
さきに挙げた朝日新聞の社説に、「誘致を目指す自治体はよく考えてほしい。暗雲漂う事業に地域の活性化を託すのは、まさに賭けに等しい」とあります。今、立ち止まるべきだというふうに私は思いますが、次の質問に移ります。
二つ目は、マイナスの社会的、経済的効果の試算についてであります。
日本共産党の清水忠史衆議院議員は、地方創生特別委員会で、韓国では、カジノ社会がもたらした利益が年間2兆円なのに対し、賭博中毒患者が生まれることによる社会的、経済的費用が年間7兆円を超えるという試算を紹介し、「誘致自治体は経済効果を詳細に試算していますが、マイナスの社会的、経済的効果についても試算し、地元議会や住民に示すべきだ」と求めました。これに対し、観光庁の審議官は、「区域整備計画では、カジノの有害な影響についても対策やそれに要する費用も審査する」と答えています。
県は、今の時点で、マイナスの社会的、経済的効果の試算をどれぐらいと踏んでいますか。企画部長、よろしくお願いします。
〇副議長(濱口太史君) 企画部長。
〔田嶋久嗣君、登壇〕
〇企画部長(田嶋久嗣君) カジノ施設を起因とするギャンブル依存症患者の発生リスクについては、国による重層的で多段階的な規制及び県と事業者が共同で行う対策により未然に防ぐことができると考えております。したがいまして、ギャンブル依存症患者の増加により発生する社会的、経済的損失について、損失額の試算は行っておりません。
ただし、国が求めるカジノ施設の設置及び運営に伴う有害な影響の排除を適切に行うために必要な措置については、その費用の見込みも含めて区域整備計画に盛り込む予定としております。
〇副議長(濱口太史君) 杉山俊雄君。
〔杉山俊雄君、登壇〕
〇杉山俊雄君 答弁は、マイナスの効果、社会的効果については試算をしていない。だけど、今の時点で、効果はこれだけありますよということは大々的に述べるのに、そうじゃないマイナスについては今は試算はできない、後で区域整備計画でやりますというのはどうも納得がいかないというふうに思いますが、ギャンブル依存症の増加により発生する社会的、経済的損失額の試算は行っていない。
しかし、後で議論しますが、ギャンブル依存症は必ず出ます。その社会的なマイナスとともに、カジノの売上げは利用者の負け金です。和歌山県の試算で言えば1400億円です。これは、経済効果に含まれるのではなく、地域経済にとってマイナスの効果となります。そのことは言っておきたいというふうに思います。
それで次に、三つ目は、特定資金貸付業務についてであります。
日本のカジノには特定資金貸付けという、お金貸します制度が組み込まれています。預託金に応じて借入金、借入額が変わります。額が法律で決まっていません。これはカジノ管理委員会が決めることになっています。
一定額を預ければ、カジノ業者から大金が借りられることになります。シンガポールの場合、800万円以上の額をカジノ側に預けている客に限って、カジノからお金を借りることができるようになっています。日本だと想定し難い額ですが、カジノ業者からの借金をそのまま背負い込む危険があります。
さらに重大なのは、特定資金貸付けの上限が不明確だということです。カジノ業者が行う特定資金貸付けは、貸金業法が適用されません。上限なくお金を貸し付けることが可能です。
貸金業法では、返済能力を考慮して、利用者の借入金額を年収の3分の1に制限しています。しかし、カジノ業者は、貸金業者ではありません。規制の対象外です。大変危険な制度です。消費者金融で頭金を借り、カジノ特定資金貸付けを使って軍資金を膨らませて勝負となると、一瞬にして全財産を失うことになりかねません。
カジノは、お客が負けられるようにお金を貸し出します。カジノ業者の恐ろしさは、この特定資金貸付業務にあります。このことについて、企画部長、お答えください。
〇副議長(濱口太史君) 企画部長。
〔田嶋久嗣君、登壇〕
〇企画部長(田嶋久嗣君) IR整備法の規定では、特定資金貸付業務の貸付対象者は、国内に住居を有しない外国人、またはカジノ管理委員会規則で定める金額以上の金銭をカジノ事業者の管理する口座に預け入れしている日本人等に限定されております。金額は現在定められていませんが、議員の御質問にありましたように、海外の例を見ても、相当の資力を有する方が対象になると考えています。
また、貸付けに当たっては、対象者の収入または収益その他の資力、信用、借入れの状況、返済計画その他の返済能力に関する事項を調査し、その結果に基づいて限度額を対象者ごとに定めるなど、厳格な与信調査により適切な金額を貸し付けるものと認識しております。
したがって、議員御指摘の消費者金融で頭金を借り、特定資金貸付けを使って軍資金を膨らませて勝負ということは起こらないと考えております。
なお、特定資金貸付制度の詳細については、今後制定されるカジノ管理委員会規則において制定される予定です。
〇副議長(濱口太史君) 杉山俊雄君。
〔杉山俊雄君、登壇〕
〇杉山俊雄君 答弁ありがとうございます。
今、企画部長は、厳格な調査により適切な金額を貸し付けるものとの認識と希望的観測を述べているだけです。断定ではありません。
特定資金貸付けは、お金貸しますという制度です。消費者金融のアイフル、プロミスなどで800万円借りられるのも魅力です。
カジノ管理委員会の事務局にカジノ業者のプロが入ることができます。カジノのプロが、規則をつくるお手伝いをします。カジノ事業者の有利な規則になることが予想されるのではないでしょうか。
カジノ実施法では、返済を求める場合、威圧しての取立ては禁止規定になっています。法律でわざわざ規定しなければならないこと自体、カジノ貸付制度が市民生活と相入れないものである証拠ではないでしょうか。禁止規定に違反していなければ、威圧して取り立ててもよいことになります。大変恐ろしいカジノ実施法であるということを申し添えておきます。
続いて、四つ目のカジノはギャンブル依存症で成立するということについて述べたいというふうに思います。
知事は、国の対策と県の対策によって、「ギャンブル依存症の対策は万全」と言ってきました。オーストラリアのビクトリア州でカジノ事業者がつくるビクトリア州責任あるギャンブリング財団が約1万4000人のギャンブラーを対象に聞き取り調査をしたレポート、17年11月のレポートがあります。これについて、カジノの是非を決める横浜市民の会の運営委員で弁護士の大川氏は、ギャンブル依存症に関わるカジノの罪深さを示す一つの統計を示しています。
依存度を重度、中程度、軽度で見ると、重度の依存症の人はどれだけいるかというと1.1%で、中程度の依存症の人は4%で、軽度は12.7%、問題なしは82.2%です。ところが、賭け金を売上率から見ると、大きな金額を賭けるバカラなどでは、重度の人は売上げの58.7%あります。中程度の人は19.1%を賭けています。比較的額が小さいスロットマシンでは、重度の人は35.8%、中程度の人が23.6%を賭けています。
つまり言いたいのは、ギャンブル人口の5%にすぎない重度、中程度の依存者が、カジノの売上げの7割を貢いでいるということです。カジノは、ギャンブル依存症に寄生してしか成立しないということです。ギャンブル依存症は、カジノ事業者の副産物ではなく、主産物であります。
知事は、外国人専用から、高水準の依存症対策があるから大丈夫と言って、県民、日本人も入れるカジノに方針転換をしました。また、IRカードで上限を設定するので万全と言います。
しかし、マサチューセッツ州では上限を設定していますが、担当者は声をかけるだけで、止めることはできません。上限になったらすぐ追加チャージできます。
知事は、「政府も世界水準の依存症対策をしている。理論的に依存症は発生しない」と断言します。こう断言すると、カジノは私の理屈で言えば成立しません。大変な矛盾です。このことについて、知事のお考えをお聞かせください。
〇副議長(濱口太史君) 知事仁坂吉伸君。
〔仁坂吉伸君、登壇〕
〇知事(仁坂吉伸君) 答弁を申し上げる前に、まず、今までの議論の中で都市伝説が発生するような話がありますので、ちょっと注意を申し上げておきますが、経済効果、これは産業連関分析でやるんです。したがって、特定のセクターのところではマイナスになることもあるし、全体としては差引きしてこうなる、ああなる、で、これが経済効果なんで、マイナスの効果を無視してプラスばっかり言ってると、これ、間違いでございますので、第一でございます。
それから、その次はですね、黒川さんが刑法の賭博禁止を解釈で阻却したと言われましたが、これは完璧に都市伝説であります。幾ら黒川さんでもですね、刑法の規定を解釈で180度ひっくり返すということはできません。これは、IR整備法ができまして、それで国会で議決されたので、IRということをやる限りにおいては賭博禁止法にかからないぞということが決まったからIR整備法ができて、それで和歌山県もそれに従ってやっとると、こういうことでございますので、都市伝説の流布のために努力されないようにぜひお願いしたいというふうに思います。
議員は、御質問の中で、5%の依存症患者がカジノ売上げの7割を稼いでおり、カジノは依存症に寄生してしか成立しないと主張され、その根拠として、オーストラリアのビクトリア州責任あるギャンブリング財団が調査したレポートを示されたわけであります。
この調査レポート、もちろんこんなんあるぞというふうに言われたので見てみたということなんですが、ビクトリア州のゲーミング売上げの全てが州の住民により構成されているという前提で推計が行われておりますが、これは、かなりというか全く間違いであります。ビクトリア州のIRを見ると、海外や地域外から訪問する多くの観光客により収益を上げております。特にカジノ施設においては、海外から訪問する、いわゆるVIP売上げの割合が高いのが事実でありまして、調査レポートを根拠として、カジノは依存症に寄生してしか成立しないと主張するのは、これは明らかに間違いであります。
IRも事業でありまして、ビジネスなんですね。多額の投資を回収するためには、依存症でどうにもならぬ住民をたくさんつくってしまっては、これは継続事業ができないわけであります。この辺はビジネスと、投資をして回収しなきゃいけないビジネスと、すぐドロンしてよい泥棒との違いでございます。泥棒の論理しか想像できないというのは、いささか情けないということでございます。ビジネスは泥棒と違いまして、投資をして、これを回収するために、お客様第一でせないかん。お客さんが破綻してしまうようなことをいっぱいつくったら、お客さんなくなってしまうわけですから、それは回収はできないということになってしまうわけですから、普通はそういうことはいたしません。
ただ、もちろん業者にだけこれを任せてしまうというようなことはいささか危険でございますので、したがって、ちゃんと行政が規制をしないといかん、これが正しいやり方ではないかというふうに思います。
これまでも説明さしていただいたとおり、本県は、ギャンブル依存症の問題について大変重視しており、そのリスクを徹底して排除するため、国による重層的で多段階的な規制に加えまして、IRカードの導入や依存症対策専門員の設置などの対策を講じようとしているところでございます。
中でも、IRカードについては、1日のプレイ金額の上限を決めるものでございまして、カジノ行為へののめり込みとか破産リスクとか、そういうものに対しては非常に有効だというふうに考えています。
こうした規制や対策を理解した上で、なお事業者の応募があったわけでございますんで、そういうことを考えても、カジノ事業の収益は依存症の方によって成り立ってるという理屈は、これは全く間違いということになろうかと思います。
なお、念のため申し上げておきますと、オーストラリアのメルボルンでございますけども、青少年は入れないよというふうな規制はあるんですけど、和歌山県のような、こういううるさい規制はありません。そういうことで、多少は依存症の方がいるのかもしれないんですけど、それでも、あのうるさいオーストラリアで、そのメルボルンで、これが社会問題になってるのは韓国の1か所だけありますけども、ああいう社会問題になってるというのは私は聞いたことはありません。
〇副議長(濱口太史君) 杉山俊雄君。
〔杉山俊雄君、登壇〕
〇杉山俊雄君 いろいろ御指摘をありがとうございます。
ギャンブル依存症をつくるとかつくらないとかというふうなことで、非常に少ないと言いますが、私が同じような報告で見たら、ギャンブル依存症はいろんな規制をしても防ぐことができないという報告がありました。それは、どこだったっけ、さっきオーストラリアのビクトリア州でありますが、入場制限や利用制限や住民に対する貸付けの禁止等、その他いろんな規制をしていても、その報告では、ギャンブル依存症推定有病率というふうに書いてあります。これは重度の依存症者であると思いますが、それが0.8%、中程度は2.8%。それから同じように、イギリスでも同じように規制があっても0.6%の重度者が出ると。それから、アメリカのマサチューセッツ州でも1.7%の重症患者が、依存症が出るというふうに書いてあります。これは、多くの人たちの聞き取りでこういうふうな調査結果を出している、そういうことも事実でありますので、そういう依存症を出さないんじゃなくて、少なくても重度、中程度は数%は出るというのは、いろんな規制をしててもそういうふうになるということでありますし、その多く、カジノの売上げの、非常に少ない数%の人たちが、多くを投資しているというか貢いでいるというのも私は事実だというふうに思っています。
ということを言って、時間がないので、次の最後の質問に行きます。
カジノではなく観光資源の活用をということで、県は、IRができると観光業が元気になると言います。シンガポールがモデルと繰り返し言います。シンガポールは、IRができてから、外国人客が増えました。しかし、IRがない日本のほうがもっと増えています。
世界経済フォーラムが各国の国際観光の競争力ランキングを発表しています。シンガポールはIRができた当時はナンバーワン、今は6番目です。IRができたことでシンガポールの国際競争力が落ちました。日本は、今、ナンバーワンです。評価のポイントは、自然、文化、食など、その国にしかない観光資源です。シンガポールは都市国家で、観光資源がありません。IRカジノを造って何とかしようとしましたが、評価が下がりました。
また、IR基本構想にある巨大な国際会議場や展示施設の問題です。東京都は、IR国際会議場や展示場施設を造るとどれぐらいの需要があるかという調査をPWCに委託しました。5000名を超すような大規模な会議はほとんど需要がないとの報告です。
国際会議の規模別の統計では、小規模な会議が増えています。大規模な国際会議・展示場施設を造っても需要がありません。
日本には、国際観光で3000数万人が来るだけの魅力があります。県は、すごい観光資源があるとアピールをしています。自信を持って地道に進めていくべきではないでしょうか。
世界のカジノは、ランドカジノからオンラインカジノへとかじを切っています。5年先には和歌山のカジノは無用の長物になっているかもしれません。再考していただきたいと考えますが、知事のお考えをお聞かせください。
〇副議長(濱口太史君) 知事。
この際、申し上げます。
所定の時間まで残り僅かです。答弁は簡潔にお願いいたします。
〔仁坂吉伸君、登壇〕
〇知事(仁坂吉伸君) それでは、答弁を簡潔にするのは大変難しいんでございますが。
第一、観光振興のために一生懸命やってまいりました。それでも人口がどんどん減るわけでございます。これは、やっぱり起死回生のやっぱり新しい投資をして、それで一段と人口が増えるような材料をつくっていかないといけない。もしこれができない、それはおかしいと言うんだったら、今までやったことのほかに何を一体やれと杉山さんはおっしゃるのかということを言うてもらいたい。それが言えない限り、将来の世代に対して、ギャンブルみたいな嫌なことは手を出さないで置いときましょうよといって逃げてしまうというのは、将来世代と、この愛すべき和歌山県に対して無責任じゃないかというふうに思うわけであります。
短く申し上げました。
〇副議長(濱口太史君) 杉山俊雄君。
〔杉山俊雄君、登壇〕
〇杉山俊雄君 何をやれというふうに言われれば、玄素さんが言ったように、観光資源があるわけですから、今でも県内の観光客をいろいろなところ呼んで地元に金をやると、つぎ込むと、そういうことによって地域を活性化する。外にお金を放り出すんではない、そういうことだというふうに思います。
時間がないので、これで終わります。(拍手)
〇副議長(濱口太史君) 以上で、杉山俊雄君の質問が終了いたしました。
質疑及び一般質問を続行いたします。
1番鈴木德久君。
〔鈴木德久君、登壇〕(拍手)
〇鈴木德久君 皆さん、こんにちは。
もうしばらくのお付き合い、よろしくお願いいたします。
早速ですが、議長からお許しをいただきましたので、今回は、全国に先駆けた施策の取組といった観点から、主に3点質問させていただきます。
まずもって、今回の新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、感染され治療中の皆様方に心からお見舞いを申し上げます。
また、医療現場で懸命に患者の命を支えている医療従事者の皆様方、行政関係者や国民生活を支えるために努力いただいている全ての皆様に心より感謝を申し上げます。
そして、和歌山県の新型コロナウイルス対策について、かのワシントン・ポストでは、政府の対応をまたず、知事の強力なリーダーシップの下で迅速な検査と感染ルートの追跡を徹底した結果、封じ込めに成功したとたたえられています。
また、それは和歌山モデルと呼ばれ、一つの自治体が中央政府の方針をまたず、独自の検査基準を採用して果敢な封じ込めに動いた結果、この世界的なパンデミックとの闘いに勝利したとされ、迅速な判断と行動によって新型コロナウイルスの流行を抑制、感染の連鎖を断つことができるという教訓であります。新型コロナウイルスの感染拡大が世界各国の政府や医療体制に重くのしかかる中、和歌山モデルはこの闘いの核となる防御策を明示していると報じられていました。
県民の1人として大変誇りに思うとともに、感謝を申し上げたいと思います。
それでは、一つ目の質問として、新宮川水系におけるダムの運用による洪水対策及び濁水軽減対策について、2点ほどお伺いします。
私が現在住んでいるのは、田辺市本宮町小津荷というところです。15歳から9年間、学校と就職でこの地を離れた以外は、50年余り暮らしてきたことになります。
この小津荷という集落は、新宮市の河口から32キロのところにあり、現在は新宮市と田辺市との境の全戸数25戸、32名の小さな集落です。そして、古くから熊野川の上流と下流を往来して荷物の運搬で活躍した団平船の船師の里でもあります。私の父も若かりし頃、祖父とともに、その仕事に従事しておりました。その仕事も、私が生まれた昭和34年に、ダムの完成や国道168号線の全線開通とともに、その役目を終えたそうです。
この小津荷地区の団平船の数は、大正10年に28杯、昭和10年18杯、最終の昭和34年で8杯との記録が残っています。
そういったこともあり、私には熊野川に特に強い思い入れがあります。
平成11年の南紀熊野体験博では、当時、本宮町内の各地区の特徴を生かしたイベントの募集があり、我が地区からはこの団平船の復活をさせて、川下りの体験ツアーといったことを提案しましたところ採用されまして、私もイベントの中で何度か新宮までの川下りを楽しましていただきました。
その船は、その後、NHK朝の連続テレビ小説「ほんまもん」の主人公・木葉の団平船での就職と嫁入りのシーンに使われたり、その後、平成17年から始まった熊野川川下りの船として10年ほど活躍をして、その役目を終えました。
さて、本題の1点目に入ります。
これまでも諸先輩方が幾度となく新宮川水系の洪水あるいは濁水対策について質問されてきましたが、新しい動きとして、この4月に、事前放流ガイドラインが国土交通省水管理・国土保全局から発表されました。
このガイドラインは、水害の激甚化等を踏まえ、既存ダムの洪水調節機能の強化に向けた基本方針に基づき、既存ダムの有効貯水容量を洪水調節に最大限活用できるよう、国土交通省所管ダム及び河川法第26条の許可を受けて設置された利水ダムを対象に、事前放流を実施するに当たっての基本事項を取りまとめたものとされています。
和歌山県では、既に全国に先駆けて、紀伊半島大水害後の平成24年5月29日には、関西電力株式会社と緊急時におけるダム利水容量の有効活用に関する協定書を交わしており、その後の実績によるデータの蓄積もできていると思います。
また、我々が電源開発から受けている説明では、新宮川水系の池原、風屋ダムにおいて、平成9年から自主的に目安水位を設け、空き容量を確保することにより洪水を軽減するための措置を講じてきたとのことです。
さらに、平成23年の紀伊半島大水害以降の平成24年からは、新たに暫定目安水位を設けることにより、大水害以降最大の洪水と言われる平成30年の台風20号では、風屋、池原の二つのダムの合計で最大流入時放流量を毎秒6300立方メートル低減させることができ、河口付近では1.8メートルの水位低下効果があったとされています。
これらの実績や、本県で既に実施している四つのダムにおける事前放流の取組と効果について、また、今回の治水協定の概要と今後の期待について、県土整備部長にお伺いします。
〇副議長(濱口太史君) ただいまの鈴木德久君の質問に対する答弁を求めます。
県土整備部長庄司 勝君。
〔庄司 勝君、登壇〕
〇県土整備部長(庄司 勝君) 本県におきましては、平成23年9月の紀伊半島大水害を契機として、全国に先駆けて、洪水対策の一つとして、事前にダムの水位を低下させ空き容量を確保する事前放流を積極的に実施してきました。
具体的には、県内の二川ダム、椿山ダム、七川ダム、殿山ダムの四つのダムにおいて、平成24年5月に、利水事業者である関西電力株式会社と事前放流に関する協定を締結しました。
本協定に基づき、これまで計50回の事前放流を行い、下流地域における浸水被害の軽減を図るなど、住民の安全・安心の確保に努めています。
また、新宮川水系においては、議員御指摘のとおり、これまで電源開発株式会社が風屋ダムと池原ダムにおいて自主的な運用を行っており、平成30年台風第20号の際には、熊野川の成川地点において約1.8メートルの水位低下効果があったと推定されるなど、大きな効果が得られたものと認識しております。
一方、国においても、昨年の台風第19号等による被害を踏まえ、昨年12月12日に、利水容量を活用した既存ダムの洪水調節機能の強化を図っていく方針が出されました。
この方針を受け、新宮川水系におきましても、5月29日に、河川管理者、ダム管理者及び関係利水者間で事前放流に関する治水協定を締結し、今出水期から運用を開始しています。
今回の協定締結により、事前放流によるさらなる容量確保の可能性が数値化されるとともに、関係者間の連絡体制が構築されることとなりました。
県といたしましては、緊急時における情報共有が強化され、事前放流の効果が高まっていくものと認識してございます。
〇副議長(濱口太史君) 鈴木德久君。
〔鈴木德久君、登壇〕
〇鈴木德久君 次に、2点目です。
ダム建設が計画された昭和30年当時、地元では、昭和28年の紀州大水害の直後ということもあって、ダムの洪水調節能力に期待して賛成に回ったとの話がありますが、当時の技術では事前放流のための放流ゲートを下部に設けることが難しかった側面もあり、もともとは発電用の利水ダムということで、洪水軽減への寄与が限定的であったこと、底抜きができないため泥が堆積し、濁水の長期化につながるといったこともあって、最近ではダムへの不満が募っています。
建設中止か計画どおり建設かと10年ぐらい前に大きな議論が巻き起こった群馬県の八ッ場ダムがこの3月31日に完成し、本格運用が開始されたとの報道がありました。八ッ場ダムも新宮川水系と時を同じくして昭和27年に計画発表がされたそうですが、いろいろな問題があって、やっと完成に至ったということです。
10年前の存続論議が収まると、人々の関心は薄れてしまいましたが、昨年の台風19号では、ちょうどダムに貯水が可能な時期であったおかげで利根川の氾濫が防げたのではと、ネット上で話題になりました。
片や新宮川水系では、昭和30年代にダムは完成し、60年近い電力供給に周辺住民は協力をしてきたわけですので、もうそろそろ地域のためのダムの在り方を考えていただいてもいいのではないかとの思いがあります。
以前の関連する一般質問におけるやり取りの中であった電源開発側と周辺住民の思いがどうもかみ合っていないという点と、一般的には利水ダムとして造ったものを治水のために使うのであれば、建設費の一部を負担しなければならないといった点が問題であると私なりに考えています。
現在、電源開発では、新宮川水系熊野川の濁水長期化を軽減する対策として、また二津野ダム湖内の堆砂進行を防ぐための抜本的な対策として、二津野ダムのバイパストンネルを設置する計画を進めています。
私の意見としましては、もう少しこの計画について、周辺住民の思いとかみ合わせるべきだと思います。
具体的には、バイパストンネルののみ口をもっと深いところに設置するなどして、事前放流にも活用できるようにする。そして、そうすることによって、抜本的な濁水対策としながらダムの長寿命化が図れるとすれば、電源開発側と周辺住民との思いがかみ合っていくのではないでしょうか。
また、先ほどの費用負担の問題、受益者負担の原則を後から参加した事業者に適用することをバックアロケーションと呼ぶそうですが、電源開発側のダムの長寿命化を主目的とすれば、発生しないものと考えます。
以上のような現状を踏まえた上で、熊野川におけるこれまでの取組と、バイパストンネルによる濁水や洪水への軽減効果について、県土整備部長にお伺いします。
〇副議長(濱口太史君) 県土整備部長。
〔庄司 勝君、登壇〕
〇県土整備部長(庄司 勝君) 熊野川の濁水軽減対策についてお答えします。
熊野川では、平成23年9月の紀伊半島大水害を受けて、国土交通省、三重県、奈良県、和歌山県と沿川自治体及びダム管理者である電源開発株式会社、関西電力株式会社から成る熊野川の総合的な治水対策協議会を設置し、濁水対策を含む総合的な治水対策の推進を図っています。
具体的には、発生源対策としまして、崩壊地ののり面対策や河道への土砂流出防止対策、河道内の堆積土砂の撤去について、令和3年度末を目指し、各機関において事業を推進しています。
また、ダム貯水池での対策としまして、電源開発株式会社が、風屋ダムにおいて、より濁りの少ない水を選択して取水するための設備の改造及び濁水防止フェンスの設置、二津野ダムにおいても濁水防止フェンスの設置を行ったところです。
さらに、これらのダムでは、濁水の早期排出など、洪水後の濁水の長期化軽減に取り組んでいます。
これらの対策が完了した場合、紀伊半島大水害以前の状態まで濁度が軽減されると推計されるなど効果が高いことから、県といたしましては、引き続き、これらの対策を早期に完成させるとともに、対策効果のモニタリングを関係機関と連携して進めてまいります。
一方、議員御指摘の二津野ダムにおける排砂バイパスにつきましては、現在、電源開発株式会社が貯水池への土砂堆積の抑制や、洪水後の濁水を早期に下流に排出するために検討しているものです。
県といたしましては、排砂バイパスについて、これらの効果のみならず、治水上の効果についても期待できる構造にならないか、電源開発株式会社に対し働きかけてまいります。
〇副議長(濱口太史君) 鈴木德久君。
〔鈴木德久君、登壇〕
〇鈴木德久君 東洋経済新報社から「水力発電が日本を救う」という本が出版されており、改めて水資源の重要性を提唱しています。
現在、日本の水力発電による電力は9%程度とのことですが、今の河川法の目的、治水、利水、環境保全に水力エネルギーの最大活用を加えることによって発電量が3倍にもなる可能性があるとされております。
また、本年6月10日から商業運転を開始した上富田町の木質バイオマス発電所の発電出力が約6800キロワットとされておりますが、新宮川水系の五つの水力発電所合計では59万5000キロワットと、100倍近い発電量と言えます。しかも、原料は水ですから、いかに大きな自然エネルギーであるかが分かります。
さらに、平成23年の東日本大震災での福島原子力発電所の事故以降、水力発電が見直され、また、新型コロナウイルス感染症によってマスクだけでもこんだけ大騒ぎしてたのに、これが食糧やエネルギーまで影響が出たらと考えると、自前のエネルギーがいかに重要であるか再認識いたしました。
今回の一般質問を通じて、ダムの運用に関して県の存在が大変重要であると認識したところです。
そこで、今後のダムの運用や利活用について総合的に検討できるよう部局横断的な体制づくりをお願いして、一つ目の質問を終わります。
次に、大きく二つ目の質問としまして、障害者及び難病患者の雇用について、2点ほどお伺いします。
平成30年に発覚した障害者雇用水増し問題は、省庁及び地方自治体等の公的機関において障害者手帳の交付に至らないなど、障害者に該当しない方を障害者として雇用し、障害者の雇用率が水増しされていたということでした。
それを受けて、障害者手帳の確認など雇用率の適正な見直し後、今年の2月に、厚生労働省は国の35行政機関全てが昨年12月末までに法定雇用率を満たしたと発表しました。
一方、和歌山県庁の状況については、平成29年度から計画的に採用者数を増やし、採用対象を身体障害者、知的障害者に加え、精神障害者にも拡大した結果、障害者の雇用率は平成29年度の1.91%から令和元年12月時点では2.09%となっており、依然として法定雇用率2.5%を下回っていますが、県は今年4月に和歌山県障害者活躍推進計画を作成し、令和4年の法定雇用率達成に向け、計画的な障害者雇用に努めていくと聞いております。
また、厚生労働省が令和元年12月25日に公表した障害者雇用状況報告の集計結果によりますと、全国的には法定雇用率を達成できていない企業が半数以上という状況です。
障害者雇用促進法は、障害者手帳の所有者を実雇用率の算定対象としていますが、20歳以上65歳未満で見ると、人口に占める手帳所有者の割合は2.5%とされています。この中には入院中の方もおられ、就職希望者の絶対数が不足しているのではとの声もあります。
一方、一般社団法人日本難病・疾病団体協議会では、昨年4月に、内閣府、厚生労働省に対して要請行動を行い、障害者手帳を保持していない難病や慢性疾患患者を法定雇用率の算定枠に加えてくださいと要望を行いました。それに対し、「重要な問題だと認識しており、時期は明示できないが、今後対象範囲などの検討を行っていく」との回答を得ています。
そこで、まず1点目は、難病患者の就労に関する相談件数や就労支援に向けた県の取組について、福祉保健部長にお伺いします。
〇副議長(濱口太史君) 福祉保健部長宮本浩之君。
〔宮本浩之君、登壇〕
〇福祉保健部長(宮本浩之君) 県では、難病・子ども保健相談支援センターにおいて、常時、難病患者の方の相談業務を行っており、令和元年度の相談件数は、個別相談等も含め延べ879件で、そのうち就労に関するものが261件と最も多くなっています。
就労相談の主な内容としては、職場の難病に対する誤解や先入観による不採用への心配や、退職を勧奨されるのではないかという不安、また、外見からは症状が分からないため、通院や休憩の必要性について理解されないなどの相談が多くなっています。
次に、就労支援に向けた県の取組についてですが、難病・子ども保健相談支援センターにおける常時の一般相談業務に加え、難病患者の方の個々の症状特性を踏まえたきめ細やかな支援を行う難病患者就職サポーターを活用して、本人の意向や必要性に応じ、採用面接時に同行することや、就職後においても職場に対し勤務上の配慮を求めるなど、継続的なサポートを行っています。
加えて、より多くの相談者に対応するため、県内各保健所においても、ハローワークや年金事務所と合同で就労や障害年金の受給、療養に関し一元的に対応する相談会を開催するとともに、就労意欲を持ってもらえるよう、患者、家族に対し就労支援制度を紹介する講演会を開催しております。
さらに、現在、和歌山労働局、ハローワーク和歌山、職業の適性を判断したり必要な訓練等を行う和歌山障害者職業センターなどで構成する連絡会議において、有効な就労支援事例を共有するなど、就労の悩みを抱える難病患者の方に適切な支援ができるよう取り組んでいるところです。
県としましては、今後、各種相談会等のさらなる周知に努めるとともに、より一層の連携強化を図り、難病患者の方の就職や就労継続のための支援に取り組んでまいります。
〇副議長(濱口太史君) 鈴木德久君。
〔鈴木德久君、登壇〕
〇鈴木德久君 ありがとうございました。
障害のある人の就業意欲が高まっている中で、障害のある人が能力や適性を十分に生かし、障害の特性などに応じて活躍できる社会の実現が求められています。そのための雇用対策としては、障害者雇用促進法において、民間企業に対して、雇用する労働者の2.2%に相当する障害者を雇用することが義務づけられております。
そこで、2点目としまして、県内の民間企業での障害者雇用の達成状況と難病患者を含めた障害者の就労支援に対する取組状況について、商工観光労働部長にお伺いします。
〇副議長(濱口太史君) 商工観光労働部長大山 茂君。
〔大山 茂君、登壇〕
〇商工観光労働部長(大山 茂君) 本県の令和元年6月1日現在の民間企業における障害者の実雇用率は、法定雇用率を超える2.46%で、全国より0.35ポイント上回っており、また、法定雇用率達成企業の割合についても62.1%と、全国より14.1ポイント上回っています。
このように、本県の障害者雇用に係る数値は、従前全国より高い水準で推移しており、これは県内企業の皆様が熱心に障害者雇用に取り組んでいただいている成果であると考えています。
今後も、より多くの障害者の方に就労していただくため、県では、県内7か所の障害者就業・生活支援センターにおいて、就業面や生活面を支援するとともに、雇用前の職場実習や職場体験を支援する障害者ジョブサポーターの養成や派遣を行い、難病患者を含めた障害者の就労の安定を図っているところです。
また、障害者の雇用機会を創出するため、働く上で必要となるパソコンスキルや、企業での就職前の職場実習などの職業訓練を実施し、就労に必要な技能習得を支援しています。
その上で、さらなる雇用拡大を図るため、県内企業に対し雇用の場の確保を要請するとともに、障害者を積極的に雇用する事業所や模範的職業人として勤務する障害者を表彰するなど、広く企業や県民の皆様に向け、障害者雇用についての理解促進に取り組んでいます。
さらに、様々な機会を通じ、時間単位の休暇や短時間勤務制度、自宅で働くことのできるテレワークの導入など、病気や障害の特性に応じた配慮や職場環境整備を企業に対し働きかけています。
県としましては、今後とも、このような取組を充実させ、より多くの就労希望者が安心して働けるよう、取組を進めてまいります。
〇副議長(濱口太史君) 鈴木德久君。
〔鈴木德久君、登壇〕
〇鈴木德久君 今回の新型コロナウイルス感染症の影響で、今後ますますテレワークによる在宅勤務が広がることと思われますが、その分、障害者、難病患者の方々にも可能性が広がることを期待します。
ぜひ、県のほうでも、まず県庁内の仕事の中で適応できる職種はないか、それを専門に研究する体制を整えていただき、雇用機会の増大を目指していただきたいと要望しまして、二つ目の質問を終わります。
次に、三つ目の質問として、介護保険について2点お伺いします。
私の家でも、父親が92歳。先日、転倒により背骨の圧迫骨折が原因で寝たきり状態となり、我が家もいよいよ介護時代に突入かというところです。
この間、社会福祉協議会等のお世話になり、ポータブルトイレや電動ベッド等早急に対応していただき、介護保険制度のありがたみを実感しております。
その際に感じたことですが、1点目としまして、介護を経験して改めて介護現場の職員さんの大変さを実感いたしました。
そこで、現在の状況を聞いてみますと、介護事業所は人材の確保が難しく、制度開始当初よりも高齢化も進み、職員一人一人の業務負担も増えているため、介護職員の業務の負担軽減や業務効率化を図ることが課題となっているとのことでした。
片や、昨今のロボットやICT技術の革新は目覚ましく、農業の分野でも様々な機器が開発され、スマート農業の推進が提唱されています。介護の現場においてもロボットやICT技術活用による職場環境の整備や職員の負担軽減が図られるべきだと考えます。
県においても、介護ロボットやICTの導入支援を行っているかと思いますが、介護ロボット等の導入支援実績と今後の取組について、福祉保健部長にお伺いします。
〇副議長(濱口太史君) 福祉保健部長。
〔宮本浩之君、登壇〕
〇福祉保健部長(宮本浩之君) 県では、介護職員の離職防止を図るため、業務負担の軽減や業務効率化につながる介護ロボットの導入や、ICT化する介護事業所への補助制度を昨年度に創設したところです。
昨年度は、75の介護事業所から申請があり、センサー等により遠隔で要介護者の状態が確認できる見守り支援機器や、ベッドの一部が車椅子となり、要介護者の車椅子への移乗が不要となる移乗介助機器などの介護ロボット276機器の導入と5件のICT化を支援したところです。
今年度は、介護ロボットの導入やICT化をさらに促進するため、補助対象の拡大や補助対象額を引き上げるなど制度の充実を図り、介護現場の業務効率化や職員の負担軽減により一層取り組んでまいります。
〇副議長(濱口太史君) 鈴木德久君。
〔鈴木德久君、登壇〕
〇鈴木德久君 ありがとうございます。
次に、2点目ですが、私の父親が介護保険の認定を受けたときの経験なのですが、介護保険の認定の相談をしたところ、結果が出るのは早くて1か月後とのことでした。遡って適用となるため、利用者さんに不利益はないですよとのことでした。
昨年9月の一般質問でも少し触れましたが、20年前の介護保険制度スタート時、私は町の担当者であり、近隣の3町村による広域での認定審査会で、テレビ会議システムを導入して、ペーパーレスで5年間対応してきました。
先日も新型コロナ対策で知事と各市町村長がオンライン会議をしておりましたし、今回のことで全国的にテレワークが進み、世の中が変わっていく実感があります。
介護保険認定審査会は、制度が始まって20年たちましたが、いまだに訪問調査の資料をコピーして委員さんに配り、審査会を開催して認定結果が出る方法は変わっておりません。
ちなみに、田辺市でも昨年度実績で、開催回数131回、認定者数5229人、コピー枚数は4万7061枚、年間予算は3500万円程度となっています。初期に比べ認定希望者は増え続け、大変な事務量となっていると聞いております。
ここ数年来、国や県からの権限移譲により、市町村の事務量は増大の一途です。認定調査及び認定審査会について、市町村の事務量の軽減を図っていただきたいと思いますが、県の考え方について、福祉保健部長にお伺いします。
〇副議長(濱口太史君) 福祉保健部長。
〔宮本浩之君、登壇〕
〇福祉保健部長(宮本浩之君) 介護認定審査は、市町村職員等が高齢者宅を訪問し、心身の状況を調査し判定した結果を医療、介護、福祉の専門家から成る介護認定審査会において、認定調査の内容や主治医意見書を基に、申請者個々の介護の必要度を最終的に判定するという手続となっております。
当該認定調査は全74項目にわたり、身体機能や認知機能などを詳細かつ丁寧に高齢者本人や御家族から聞き取り、動作確認するという、制度の要となる負担の大きい業務となっています。
また、議員御指摘のとおり、高齢者数の増加に伴って介護認定審査に係る事務量が多くなり、市町村の事務負担も増加しています。
こうした状況を踏まえ、県では、市町村の事務負担軽減について、制度を所管する国に対し、近畿府県民生主管部長会議を通じ要望してきたところです。
その結果、制度改正により、介護状態が安定している方であれば、最大12か月とされていた更新認定の有効期間が、平成27年度には最大24か月に、さらに平成30年度には最大36か月まで延長可能となり、一定の事務負担軽減が図られたところです。
今後、市町村とも意見交換を行いながら、認定審査会のオンライン会議化をはじめ、さらなる取組について研究してまいります。
〇副議長(濱口太史君) 鈴木德久君。
〔鈴木德久君、登壇〕
〇鈴木德久君 御答弁ありがとうございました。
私の思いとしましては、制度発足以来20年のデータの蓄積と、今回の新型コロナウイルス感染症対策によるテレワークの拡大やAIあるいは5Gの時代の到来が言われている今こそ、法律上の問題はあろうかと思いますが、AIによる介護認定システムの和歌山モデルをつくっていただきたいと思います。
現場で調査員さんがモバイル等でデータを打ち込めば、2~3時間後には認定審査が返ってくる、そういったシステムができれば、市町村における事務量は飛躍的に軽減されますので、ぜひとも実現に向けて何らかのアクションを起こしていただけますようお願い申し上げまして、今回の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇副議長(濱口太史君) 以上で、鈴木德久君の質問が終了いたしました。
これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
次会は6月22日定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後2時40分散会