令和元年9月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(全文)


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令和元年9月 和歌山県議会定例会会議録 第5号

議事日程 第5号

 令和元年9月20日(金曜日)

 午前10時開議

 第1 議案第134号から議案第165号まで(質疑)

 第2 一般質問

 第3 議案の付託

 

会議に付した事件

 第1 議案第134号から議案第165号まで(質疑)

 第2 一般質問

 第3 議案の付託

 第4 休会決定の件

 

出席議員(40人)

 1番 鈴木德久

 2番 山家敏宏

 3番 中本浩精

 4番 堀 龍雄

 5番 藤山将材

 6番 岸本 健

 7番 井出益弘

 8番 宇治田栄蔵

 9番 北山慎一

 10番 中西峰雄

 11番 秋月史成

 12番 森 礼子

 13番 濱口太史

 14番 尾崎要二

 16番 川畑哲哉

 17番 玉木久登

 18番 鈴木太雄

 19番 岩田弘彦

 21番 谷 洋一

 22番 佐藤武治

 23番 岩井弘次

 24番 中 拓哉

 25番 多田純一

 26番 新島 雄

 27番 山下直也

 28番 中西 徹

 29番 玄素彰人

 30番 谷口和樹

 31番 藤本眞利子

 32番 浦口高典

 33番 山田正彦

 34番 坂本 登

 35番 林 隆一

 36番 楠本文郎

 37番 高田由一

 38番 杉山俊雄

 39番 片桐章浩

 40番 奥村規子

 41番 尾﨑太郎

 42番 長坂隆司

欠席議員(2人)

 15番 冨安民浩

 20番 吉井和視

 

説明のため出席した者

 知事         仁坂吉伸

 副知事        下 宏

 知事室長       細川一也

 危機管理監      森田康友

 総務部長       田村一郎

 企画部長       田嶋久嗣

 環境生活部長     田中一寿

 福祉保健部長     宮本浩之

 商工観光労働部長   稲本英介

 農林水産部長     角谷博史

 県土整備部長     髙松 諭

 会計管理者      飯島孝志

 教育長        宮﨑 泉

 公安委員会委員長   溝端莊悟

 警察本部長      檜垣重臣

 人事委員会委員長   平田健正

 代表監査委員     保田栄一

 選挙管理委員会委員長 小濱孝夫

 

職務のため出席した事務局職員

 事務局長       中川敦之

 次長         中谷政紀

 議事課長       松山 博

 議事課副課長     山田修平

 議事課議事班長    岸裏真延

 議事課主任      保田良春

 議事課主事      大森圭悟

 総務課長       井邊正人

 政策調査課長     中平 博

 

  午前10時0分開議

○議長(岸本 健君) これより本日の会議を開きます。

 日程第1、議案第134号から議案第165号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。

 10番中西峰雄君

  〔中西峰雄君、登壇〕(拍手)

○中西峰雄君 おはようございます。議長のお許しをいただきましたので、一般質問最終日のトップバッターということで、お時間を拝借したいと思います。よろしくお願いいたします。

 私のまず最初の質問ですけれども、ことし、和歌山県水道ビジョンというものが県のほうから発表されました。これは、平成25年4月に厚労省のほうで出されました新水道ビジョンというものを受けて策定されたものでございますけども、おおむね厚労省の新水道ビジョンに基づいてつくられておるんですが、本県の水道の現状評価といいますか、概況の説明として大変わかりやすくて、よくできていると思います。皆さんにもぜひ御一読をお勧めしたいと思いますけれども、質問の前に、幾つかの現況を見ておきたいと思います。羅列になりますが、ちょっとお聞きください。

 本県の各水道事業の経営はおおむね良好です。黒字経営となっておりますけれども、しかし、実態を見てみますと、設備の更新をせずに、おくらせて黒字を保っているというのが実情であります。

 次に、これ、各市町村の水道の料金のばらつきが結構大きいんです。10立方メーター当たりですが500円から2500円までということで、かなりばらつきが大きいです。

 さらに、特徴としましては、水道事業の規模ですが、ほとんどが小規模ですね、小さいです。和歌山市だけが、辛うじて中規模の水道事業になっている。

 そして、もう一つ、施設利用率が低い。要するに浄水場とかのキャパシティーに対して、どんだけ使ってるかという利用率が低いです。

 それと、言うまでもないんですけども、地勢が山間で隔てられておりますので、広域化とか災害対策、あるいはダウンサイジングとかに不利ですね。

 それと、これは僕も改めて知ったんですけども、災害に対して極めて脆弱です。耐震化率も全国的な比較でいいますと低いですし。

 それと、南海トラフ地震の津波想定区域内に浄水場が9カ所ございます。浄水場が被害を受けますと、この復興には長期の時間がかかることになると思いますね。それだけじゃなくて水害ですね。河川等の氾濫による水害による被害の想定区域の中に浄水場が26カ所ございます。合わせて、浄水場の35カ所が被害想定区域内にある。

 また、配水池ですが、これのほぼ半分強が土砂災害警戒区域内にあるというようなことで、災害に対して極めて脆弱というのは本県の水道の実情かなというふうに思っております。

 それと、和歌山県の水道ビジョンの中に書かれておるんですけども、給水人口の減少から将来の水需要が大きく減少します。21年後、私も生きてるかどうかわかりませんが、21年後の2040年には現在よりも約2.5割減少します。さらに、40年後には半分近くまで減少するという予測になっております。ということは、先を見たら、やっぱり水道施設のダウンサイジングというのは不可欠だなというふうに思います。

 もう一つ言いますが、更新費用、これもビジョンの中に記載されておりますけども、現在、1年間に約115億円の更新をしてきてるわけですけども、これをすべきことをしていくと170億円の更新費が毎年要るということになって、莫大な費用が必要だということであります。

 それで、このように水道については課題が山積みと言えるわけですが、昨年12月に、水道が直面する課題に対しまして、水道基盤強化を図るために国のほうで水道法が改正されました。改正されまして、国、県、市町村、水道事業者の責務が明確化されております。

 言うまでもなく、和歌山県では、水道事業者は市町村です。隣の奈良県とか大阪府は県営水道、府営水道、かなり大きな役割を果たしておるんですが、和歌山県の場合は県営の水道はございません。その県が水道ビジョンをつくって、どんな役割を果たしていただけるか、聞いていきたいと思います。

 まず1番ですが、来月から施行されます改正水道法では水道施設台帳の整備が義務づけられましたが、その整備状況をお尋ねいたします。

○議長(岸本 健君) ただいまの中西峰雄君の質問に対する答弁を求めます。

 環境生活部長田中一寿君。

  〔田中一寿君、登壇〕

○環境生活部長(田中一寿君) 改正水道法では、水道施設を適切に管理するための水道施設台帳の作成とその管理が水道事業者に義務づけられ、本年10月1日の施行から3年を超えない範囲内で適用されることとされております。

 今後、具体的な台帳の内容については関係省令で定められることとされていますが、厚生労働省が示している資料によりますと、資産の状況を把握するため、施設ごとの設置年度、数量、構造、能力等の諸元を示した調書、施設の全体像を把握するための配置図及び施設ごとの設置場所と諸元を把握するための平面図を整備することとされています。

 本県においては、26の市町で公営企業会計が適用され、資産状況が把握できていますので、簡易水道も含め、改正法の適用期限までに台帳が整備できるよう、適切な助言等を行ってまいりたいと考えております。

○議長(岸本 健君) 中西峰雄君。

  〔中西峰雄君、登壇〕

○中西峰雄君 一応水道施設台帳はできてるけども、新しい基準に基づくものはこれからつくっていくということになるかなと思いますね。

 2番の質問に行きますけども、施設台帳を整備することでアセットマネジメントが可能になります。厚労省の新水道ビジョンでは、中長期の視点に立った計画的な資産管理、すなわちアセットマネジメントに基づく地域水道ビジョンや経営戦略の策定を水道事業者に求めております。

 本県も、中長期を見据え、災害に対する脆弱性を早期に克服し、将来の水需要の減少に対応するダウンサイジングも含めたアセットマネジメント、地域水道ビジョンや経営戦略の策定を急がなければなければなりません。

 ところが、その実行には莫大な費用が必要で、それが水道料金にはね返ることから、首長も議会も二の足を踏んで、できれば先送りをしたいという誘惑に駆られます。ほとんどの市町村が、更新時期を過ぎた施設を更新せずに先送りして経営の黒字を保ち、料金値上げをおくらせているというのは、そういうことかなというふうに思います。

 本来、これ、市町村の仕事ですんで、県が出しゃばることではなくて、市町村がすべきことですね。その市町村のすべきことなんですけども、県はそれらの策定について何ができるのか。あるいは、どんな役割を担われようとしているのか、お尋ねいたします。

○議長(岸本 健君) 環境生活部長。

  〔田中一寿君、登壇〕

○環境生活部長(田中一寿君) 将来にわたって水道事業の経営を安定的に継続していくためには、今後必要な施設更新に要する費用と投資可能額を比較し、災害対策のための施設更新の前倒しや健全施設の供用延長等により、施設更新に要する費用の平準化を図るなど、中長期の視点に立った適切なアセットマネジメントに基づく経営戦略の策定が求められています。

 県では、災害対策を含む施設更新のための着実な投資を促進するため、病院や避難所等の重要給水施設までの水道施設から耐震化等を進められるよう、重要度を勘案した水道施設の基盤強化の数値目標及び優先順位の設定を行うなど、市町村が令和2年度末までに経営戦略を策定あるいは改定できるよう支援してまいります。

○議長(岸本 健君) 中西峰雄君。

  〔中西峰雄君、登壇〕

○中西峰雄君 そこは頑張ってもらわんとしゃあないかなというふうに思いますが。

 次、3番に移らしていただきます。昨年改正された水道法に定める都道府県の責務についてお尋ねいたします。

 改正水道法で、都道府県は水道事業者間──本県におきましては市町村ですが──の広域的連携を推進するように努めなければならないという努力義務規定を定めました。国がこれを定めましたのは、水道事業は施設産業であり、事業に占める施設費の割合が大きい。つまり固定費が大きい。水需要が大きく減少する将来を見据えてコストを抑えるには、スケールメリットを生かすことが不可欠という判断があります。

 本県の水道事業は、和歌山市以外は全て小規模です。広域化すれば、スケールメリットを大きく生かせる可能性があります。そうではありますけれども、地勢的条件が広域化には不利ですし、各市町村のばらつきもあります。しかも、繰り返しますけれども、事業主体は市町村です。

 改正水道法では、県は、広域的連携等推進協議会の設置や水道基盤強化計画を策定することができると、県はできると書いとるんですけども、実のところは、これは市町村の同意があって初めてできる。市町村が協力してくれなければ、県もそれをつくることさえもできないというのが制度です。

 そういうときに、改正水道法に言うところの広域化についての主導的役割をどう果たされるのか、お尋ねいたします。

○議長(岸本 健君) 環境生活部長。

  〔田中一寿君、登壇〕

○環境生活部長(田中一寿君) 市町村の区域を越える水道事業の広域化は、経営の効率化や維持管理、施設投資の削減など、財政面や技術面で幅広い効果が期待できます。

 このため、6月に策定した和歌山県水道ビジョンにおいて、主な河川の流域圏や現在の生活圏を考慮しつつ五つの圏域を設定し、圏域ごとに地域の実情に応じた多様な形態の広域連携を段階的に進めるため、各市町村の首長を初め、担当部局の幹部を訪問して、本県水道の基盤強化に向けての取り組みにおける広域連携の必要性や重要性について理解を求めてきたところです。

 県では、今後も本県の水道が直面する課題を市町村と共有し、例えば、水道施設の更新において最もスケールメリットが得られる浄水場の統廃合などのシミュレーションの実施と、その効果の比較分析を行う水道広域化推進プランを策定するなど、リーダーシップを発揮して水道事業の広域化に向けて取り組んでまいります。

○議長(岸本 健君) 中西峰雄君。

  〔中西峰雄君、登壇〕

○中西峰雄君 答弁をお聞きしました。大変難しいかなと思います。市町村というのはそれぞれ独立してますんで、利害が一致する提案をつくっていくというのはなかなか難しいと思いますけども、法にも広域化への努力義務を課されてあるわけですから、頑張っていただきますようにお願いいたします。

 次の質問に移らしていただきます。次は、ため池についての質問になります。

 私どもの地域というのは随分とため池が多くて、私もこれまで地域のため池のことについていろいろと相談を受けたり、解決に当たったりしてきた経験がありますんで、尋ねさしていただきます。

 まず最初は、ため池改修加速化計画の進捗についてです。

 ため池改修加速化計画というのは、大きな池ですよね。受益面積が5ヘクタール以上で、かつ貯水量が1000立方メーター以上のため池233カ所を、平成25年から令和8年までの間に県営で整備を進めることとしております。

 進捗状況ですが、計画から5年を経過した昨年までに43カ所は改修済みでありますが、改修済み率は計画数の約2割にすぎません。残すところ8年で計画どおり整備ができるのか、いささか心配しております。

 近年、池の決壊による被害が多く発生していることを思いますと、できるだけ早い整備が望まれます。計画の達成の見込み及び計画達成をするんだという必達の覚悟についてお尋ねいたします。

○議長(岸本 健君) 農林水産部長角谷博史君。

  〔角谷博史君、登壇〕

○農林水産部長(角谷博史君) 県が行うため池改修については、全面改修61カ所、部分改修172カ所、合計233カ所を令和8年度末までに改修する予定にしてございます。

 改修に当たっては、老朽化が著しく全面改修が必要なため池を優先して実施してきてございまして、昨年度までに全面改修は19カ所が改修済みで、今年度22カ所に着手しており、合計41カ所で、着手率は67%となっております。部分改修については24カ所が改修済みで、今年度12カ所に着手しており、合計36カ所で、着手率は21%となっております。

 今後は、全面改修に比べて3分の1程度の事業費で実施できる部分改修が大部分となるため、現状の予算を維持できれば、予定どおり令和8年度末に完了できると考えております。

 このため、国への要望活動を引き続き行い、予算確保に努めてまいります。

○議長(岸本 健君) 中西峰雄君。

  〔中西峰雄君、登壇〕

○中西峰雄君 残りが、全面改修20カ所、部分改修は136カ所になるかと思います。

 部分改修も約3分の1ぐらいの工事費とおっしゃりましたが、これも、ちょっときちっと計算されたかどうかというのは心配ありますけれども、いずれにしましても、計画どおり事業が進捗するように、予算の確保に全力を挙げて取り組んでいただきますことをお願いいたします。

 次に移らしていただきます。2番ですが、所有者や管理者のデータベース化についてです。

 昨年選定されました防災重点ため池についてお尋ねします。

 防災重点ため池は、決壊した場合の浸水区域に家屋や公共施設があり、人的被害を与えるおそれのあるため池で、例えば池から100メートル未満の浸水区域内に家屋や公共施設がある場合など、一定の具体的、客観的な基準に基づいて決められます。和歌山県には2539カ所あります。

 それと同時に、農業用ため池の管理及び保全に関する法律というのが施行されました。それらの池につきましては、所有者または管理者は知事へ届け出て、知事はデータベース化して公表することになっております。

 事務は、どの程度進んでおりますでしょうか。

○議長(岸本 健君) 農林水産部長。

  〔角谷博史君、登壇〕

○農林水産部長(角谷博史君) 議員お話しのとおり、本年7月に施行された農業用ため池の管理及び保全に関する法律では、所有者または管理者が県に届け出を行い、県では、そのデータベースを作成、公表することとなっております。

 こうした業務を円滑に進めるため、県や市町村の広報紙を初め、自治会を通じて所有者や管理者はもとより広く住民の方々に周知を行い、8月から振興局及び市町村において届け出の受け付けを行っているところでございます。

 法施行後6カ月以内の本年12月末までに届け出を行うこととされており、データベースにつきましては、来年1月に公表する予定としております。

○議長(岸本 健君) 中西峰雄君。

  〔中西峰雄君、登壇〕

○中西峰雄君 データベース化はこれからやっていただくわけですけども、これらの池につきましては、原則として、所有者または管理者の届け出と、届け出るだけじゃなくて、これ、管理責任が課せられることになるんですね。従来も管理責任はあったわけですけども、それを改めて明確化したということになります。

 基本的には、所有者とか水利権者──多くは水利組合でございますけども──が管理を負うことになりますが、所有者が誰かということが判然としない池や、利水者がもう既にいない池、あるいは、水利組合があって利水者もいるけれども、当然田んぼをつくる人が減ってきて、どんどん減って、1人とか2人とかの少数で、しかも田んぼをつくる後継者もいないというようなことで、実際上、管理能力のない場合も少なくありません。そういう池というのは、総じて管理も行き届かずに放置されている。堤から水がしみ出してきたりとか、あるいは大きな木が生えたりと、そういう池も見受けられます。

 所有者がはっきりせずに管理のできていない池は、市町村長は知事の裁定で管理権を取得できることになっているわけですけども、市町村もできるだけ池の管理は引き受けたくないんですよね。そうなんで、わかってても、まだ決まってない、誰が管理するかわからない池について、自分のところでやりますということを知事に申し出ないことも考えられるんです。そういう場合には、結果、池は放置されるおそれがありますけども、そういう場合に県としてはどうされますかということ。

 また、実際上、管理する意思も能力もない場合はどうするか、お尋ねします。知事は、勧告をしたり、工事命令を出したり、代執行をしたりできるということに法的にはなっとるんですけども、実際、池の管理をする人の状態を見たときに、こういうことが実施、実行できるんかなあと。実行していいんかなあというところは感じます。そういう場合に、県は本当にこれやるんですかということをお尋ねします。

○議長(岸本 健君) 農林水産部長。

  〔角谷博史君、登壇〕

○農林水産部長(角谷博史君) 所有者不明のため池については、まずは市町村と連携しながら、農家だけでなく自治会など地域ぐるみで管理していただけるよう要請するとともに、農業用ため池として利用されていない場合には、廃止を市町村に指導してまいります。

 また、所有者または管理者が管理上必要な措置を講じていない場合には、県は、管理者の選任その他必要な措置を講ずべき旨、勧告することができ、さらに、特定農業用ため池については、防災工事の施行命令、代執行を行うことができると規定されてございます。

 ため池の決壊等により、県民の生命や財産に影響を及ぼすことが危惧される場合には、法律の規定に基づき、勧告、命令、代執行を行ってまいります。

○議長(岸本 健君) 中西峰雄君。

  〔中西峰雄君、登壇〕

○中西峰雄君 そういう命令なり工事命令なりを危ない場合は実施されるということなんですけども、実際、私見てて気の毒かなあという部分もありますんで、ケース・バイ・ケースでよくお考えいただきたいなあというふうに感じました。

 そういうふうに池はいろいろ課題があるんですけども、その次にお聞きするのが、防災重点、市町村がため池を改修する場合に、どういう支援策があるのかと。池が危ないというか老朽化してる場合に、地元としても水利組合としても直していかなあかんなあという気持ちはお持ちいただけると思うんやけども、そのときに、地元負担というか費用はどうなるんかというのは一番の関心事になりますんで、ため池を改修する場合に、特に防災重点ため池等の池ですね、どういう支援があるのか。あるいは、防災重点ため池ではないんやけれども、それ以外の小さな池を直していくときにもどのような支援があるのか、お尋ねいたします。

○議長(岸本 健君) 農林水産部長。

  〔角谷博史君、登壇〕

○農林水産部長(角谷博史君) 市町村がため池改修を行う場合、防災重点ため池であるかないかにかかわらず、受益者2戸以上で事業費200万円以上の場合は、国費と県費合わせて60%の補助を受けることができ、200万円以下の場合は県の30%補助を受けることができます。

 補助金以外の事業費については、ため池を利用している農家や自治会、市町村が負担することとなります。

○議長(岸本 健君) 中西峰雄君。

  〔中西峰雄君、登壇〕

○中西峰雄君 もうちょっと県費負担をふやしていただければありがたいなあと思いますが、よろしくお願いいたします。

 その次に移らしていただいて、項目の3番目ですけども、森林経営管理制度と森林環境譲与税についてお尋ねいたします。

 平成30年度に森林環境譲与税の創設が決まりまして、本年度から、いよいよ都道府県及び市町村にそのお金が交付されることになりました。全国では、本年度約200億円から始まりまして、徐々にふえていって、令和15年からは毎年約600億円が交付されます。和歌山県でも、令和元年度、ことしは4億8000万円、令和15年度からは毎年14億4000万円ほどが交付されることになります。

 森林の多い本県にとりまして大変ありがたい制度でありまして、これを活用して、生かして、和歌山県の林業の振興と山村の振興に生かしていかなければならないと思っております。

 県の取り組みについてお尋ねします。

 まず1番、所有者不明、境界未確定の山林についてお尋ねします。

 森林環境譲与税に関連して、本年4月から森林経営管理法が施行され、新たに森林経営管理制度が導入されました。これによって、森林所有者は森林を適切に管理経営しなければならないことになります。いわゆる森林所有者の責務が明確化されました。

 そこで、お尋ねいたしますが、九州の面積よりも広い所有者不明の土地が発生していると言われる中、森林所有者の明確化や境界確定が必要でありますけれども、県として何か取り組めることはないでしょうか。また、小山林地主の多い本県の場合、山の管理の状態を一筆一筆把握する事務は大変だと思うんですけども、どのようにして確認されますか。

 また、それら所有者不明森林等は、一定の手続を経て、市町村が経営や管理の委託を受けることができるとされておりますが、市町村が、職員もいない中で、手間暇をかけて積極的にその手続を踏むとも考えにくい。そういう山は後回しにしておくということは考えられるわけですけども、そういう場合に県としてどう考えられますか。どうされますか。

○議長(岸本 健君) 農林水産部長。

  〔角谷博史君、登壇〕

○農林水産部長(角谷博史君) 森林経営管理制度の適切な運用のためには、議員御指摘のとおり、森林所有者の明確化や境界の確定が必要と考えてございます。

 この手順として、市町村が保有している林地台帳をベースに最新情報と照合し、所有者の明確化や境界確定を進めることとしており、県では、航空レーザー測量のデータをもとに、樹種や樹高、本数等の詳細な解析を行い、その情報を施業履歴とあわせて市町村に提供し、支援することとしております。

 森林経営管理法においては、市町村が森林所有者を探索することとなっており、それでも不明な場合は、公告の手続や知事の裁定を仰ぎ、市町村が管理を行うことができるとなっております。

 こうした手続が進まない場合、市町村からの要望を踏まえ、県による事務の代替執行を行うとともに、林学職OBの活用を検討しており、こうしたサポートにより手続が実行されるよう働きかけてまいります。

○議長(岸本 健君) 中西峰雄君。

  〔中西峰雄君、登壇〕

○中西峰雄君 次に移らしていただきますが、次は、管理不行き届きの山についてであります。

 私、素人ですんで、わからないんですが、管理のできている山と、そうでない山というのは具体的にどうやって判断されるのか、お尋ねします。また、本県の場合に、手入れのできている森林の割合、あるいは、できていない森林の割合はいかほどか、教えていただきたいと思います。

 もう一つ、自主管理の意思を示したんですけども、実はいろんな事情があって管理をせずに放ってあるという事態も考えられるんですけども、そういう場合にどうされるのかもお尋ねします。

○議長(岸本 健君) 農林水産部長。

  〔角谷博史君、登壇〕

○農林水産部長(角谷博史君) 林野庁長官通知で、管理のできていない森林とは、施業を実施すべきにもかかわらず、長期間にわたって施業が実施されていないものとなっております。基準として、間伐であれば10年以上行われず、林内が過密化している森林が該当します。

 本県の人工林のうち、保育施業を必要とする60年生以下の森林は約13万8000ヘクタールあり、このうち半分に当たる約6万8000ヘクタールで管理が行われております。

 みずから管理を行うと回答があったにもかかわらず、その後、経営管理が実施されていない場合は、森林経営管理法に基づき、市町村が適切な森林管理を行うよう指導し、従わない場合は、市町村に管理委託することに同意するよう勧告できることとなっております。それでも従わない場合は、市町村は知事に裁定を申請することができ、裁定を経て、市町村が管理できることとなっております。

○議長(岸本 健君) 中西峰雄君。

  〔中西峰雄君、登壇〕

○中西峰雄君 では、次に移らしていただきますが、次は担い手についてであります。

 自主管理の意思がなくて、市町村管理を希望される場合には、経営に適する山というのは市町村が林業者に経営管理実施権を付与して、これに委ねます。この場合には、森林環境譲与税の財源は使われない。そうでない山は、森林環境譲与税の財源を使って市町村が管理することになります。

 今、最終的に15億円弱ほどの山の仕事がふえるわけで、今現状、林業従事者が少なくなっている中で、経営に適する山でさえも受け手がないということが考えられるんではないか。あるいは、経営に適さない山で、切り捨て間伐の受け手もないというおそれがあるのではないでしょうかということでお尋ねします。

○議長(岸本 健君) 農林水産部長。

  〔角谷博史君、登壇〕

○農林水産部長(角谷博史君) 経営に適する森林での受け手となる意欲と能力のある林業経営者をふやすためには、林業の収益性を高めていくことが重要であると考えております。

 このため、県では、林道等の路網整備を初め、高性能林業機械の導入等により低コスト林業を進めるとともに、首都圏での展示会への出展や見本市の開催に加え、公共建築物や木造住宅での紀州材利用に対する支援を行っているところでございます。

 経営に適さない森林については市町村が管理を行い、間伐等の作業を森林組合等へ依頼することとなると考えますが、そこでの従事者を確保するため、県では、都市部でのプロモーション活動やSNSを活用した情報発信等に取り組んでございます。

 また、農林大学校林業研修部において、植栽・保育から木材の生産・販売までをトータルにサポートできる人材を育成しております。

 こうした取り組みにより、意欲と能力のある林業経営者や森林組合等での林業従事者の確保に努めてまいります。

○議長(岸本 健君) 中西峰雄君。

  〔中西峰雄君、登壇〕

○中西峰雄君 いずれにしましても、和歌山県で林業に従事するということが魅力的な仕事になるように頑張っていただきたいと思っております。

 その次に、県の森林環境譲与税の活用及び県の役割についてお尋ねします。

 自主管理の意思のある山主は、みずから管理しますし、または森林組合や林業業者に委ねます。自主管理の意思のない山主は、市町村に管理を委ねます。それでは、県は、県にもこの譲与税が入ってくるわけですけども、これをどう活用して、どのような役割を担って、どのような点に重点を置いて取り組まれるか、お尋ねします。

○議長(岸本 健君) 農林水産部長。

  〔角谷博史君、登壇〕

○農林水産部長(角谷博史君) 県では、森林環境譲与税を活用し、担い手の育成・確保と市町村支援に取り組むこととしております。

 具体的には、担い手対策として、都市部での林業体感セミナーを開催するとともに、林業や移住などをキーワードにフェイスブック等のSNSを活用した情報発信に加え、市町村やわかやま林業労働力確保支援センターと連携し、仕事、住まい、暮らし等をワンストップでサポートする体制を整えております。

 また、農林大学校林業研修部において、3D計測機器等の最新機器を導入し、林業就業者の育成を行っております。

 市町村支援につきましては、境界確定等に使用する航空レーザー測量データの情報を提供するほか、担当職員を対象とした実務研修の実施や、市町村へ出向き、課題や相談に対するアドバイスを行うこととしております。

○議長(岸本 健君) 中西峰雄君。

  〔中西峰雄君、登壇〕

○中西峰雄君 それでは、この質問の最後に、森林環境譲与税と紀の国森づくり税の使途についてお尋ねしますが、この二つの関係はどうなりますでしょうか。

○議長(岸本 健君) 農林水産部長。

  〔角谷博史君、登壇〕

○農林水産部長(角谷博史君) 森林環境譲与税は、森林経営管理法に基づき、市町村が行う人工林の間伐や森林の有する公益的機能の普及啓発、また、公共施設での木材利用などに使われることとなっております。

 一方、紀の国森づくり税は、県民参加による森づくりを目的とする事業に活用することとしております。具体的には、団体等がみずから企画実施する公募事業を初め、県が取り組む施策として、小中学生を対象とした緑育活動や貴重な広葉樹林を公有林化する新紀州御留林に加え、今年度から、県が実施する防災上必要な集落周辺の森林整備や、国の制度の対象とならない間伐への助成を行うこととしております。

 今後も、森林環境譲与税と紀の国森づくり税を活用し、本県の豊かな森林が維持されるよう、しっかりと取り組んでまいります。

○議長(岸本 健君) 中西峰雄君。

  〔中西峰雄君、登壇〕

○中西峰雄君 よろしくお願いします。

 それでは、次の項目4、バイクの3ない運動についてに移らしていただきます。

 バイクの3ない運動とは、高校生にバイクの免許を取らない、買わない、乗らないようにしようという社会運動であります。多発する交通事故や暴走族の問題から、1970年ごろから始まりました。1982年に、全国高等学校PTA連合会が運動の推進を宣言し、全国の教育委員会が賛同して展開されてきました。

 これに対しまして、1990年ごろから、バイクによる交通事故の減少や暴走族の減少などから見直しの機運が出てまいりまして、2012年には、今から大分前になりますが、全国高等学校PTA連合会が宣言文を提出せずに、全P連としましては、運動としては事実上、解消したと、終わりました。今は、各単PTAの自主性に委ねられております。全国の都道府県教育委員会でも推奨しているのは半分以下となっております。

 半数以上の都道府県が3ない運動を推奨しなくなったとはいえ、愛知県や広島県のように厳しい規制を続けている県もありますし、ほとんどの学校は、バイクの免許取得や通学については何らかの制限を、規制を残しております。

 しかし、中には、距離に関係なくバイク通学が可能で、全校生徒497人のうち190人、実に40%弱がバイク通学している学校、茨城県の玉造工業高校というようなところも出ておりますし、また、皆さんも御存じかと思うんですけども、アニメで「君の名は。」というアニメがありまして、新海誠監督の原作アニメで、「秒速5センチメートル」というのがあります。これ、私、原作しか読んでないんですけども、これは、この舞台の一つに鹿児島県立種子島高校というのがありまして、ここは、ほとんどの生徒がホンダのカブで、男子生徒も女性生徒もホンダのカブで多数登校してるというようなところもございます。

 規制を緩めている学校というのは、大体公共交通の便が悪いところが多いわけですけども、規制を緩めているというのは利便性を考慮したということもあるんですけども、基本的な考え方を変えていってるということです。何かといいますと、高校3年間だけバイクから遠ざけても、いずれ近い将来に子供たちは交通社会に入っていかないかんというんですから、乗らない、乗せないではなくて、事故を起こさないための交通規則やマナー、運転技術を向上させる交通安全教育を重視することに軸足を移していっているということです。

 実際、交通事故の件数を見てますと、任意保険の保険料を見たらわかるんですけれども、車に乗り出す20代前半が断トツに事故数が多いんですね。そういうこともあります。

 和歌山県は全県1学区制でありまして、地域、学校にもよりますけども、遠距離通学者も少なくありません。また、地形的に山間で隔てられているところも多く、公共交通機関も充実しているとは言いがたい実情からいたしますと、原則バイクの禁止はいかがかと考えております。

 その理由は、次のとおりです。

 免許の取得について、法は16歳で運転免許を取れるとしているものを、原則禁止の許可制とすることは、そもそも権利の過剰な抑制ではないかということ。権利の制限は合理的かつ必要最小限の制限にとどめるべきであるという法原則からいたしますと、免許取得自体を原則禁止にする、許可制にするということは、合理的で必要最小限とは言えない。

 また、免許の取得とバイクに乗ることを一体として禁止しておりますけども、私の子供もそうですよね、車の免許を持ってても乗らない人はいっぱいいる。だから、車の免許を取るということと乗るということは、同一視するのはおかしい。分けて考えるべきでしょうということをね。

 もう一つ。通学行為は学校生活の一環でありますから、これについて学校運営上、適切な制限を設けることにはそれなりの合理的な理由があると思います。ところが、そうでない学校外の活動に対してもバイクを禁止するというのは、私は合理的な理由があるとは思えません。学校運営上、必要な規制であるとは思いません。

 高校生ともなりますと、行動範囲も広がりますし、現行の指導要領では、友達のところに行ったり、買い物や塾などの習い事で移動する利便性を奪って、送り迎えをする家庭の負担となっております。

 さらには、通学などに必要な電車、バスの交通費も、低所得世帯にとりましては結構負担が重いです。バイクを使えれば軽減できますね。

 ちょっと飛ばしてるんですけども、また時間の関係で飛ばしますけども、また、免許の取得と通学を認める基準が現状では明確とは言いがたく、具体的、客観的な基準に改めるべきではないか。例えば、通学距離、通学時間。または、現行の運用は厳し過ぎるのではないか。さらに言いますと、乗らさないということは、高校生の自主性とか自律性の育成、自己責任の意識の醸成を妨げているというふうに思います。

 バイクは大変利点の多い、楽しい乗り物なんですけども、反面、車と比べて、事故時には人身事故になりやすくて、命にかかわる重大事故につながりやすいということもあります。

 バイクに乗ることは危険を伴いますけれども、実は、私もバイクに乗るんです、今も。高校、16歳のときからずっとバイクに乗ってて、今も年間で言いますと2000キロから3000キロ、バイクで走ってます。そういう私からすると、バイクは決して、ちゃんと乗れば危ないものではないというふうに思ってます。

 それで、ちょっと気になったんで、きのう、ちょこちょこっと調べてみまして、平成30年度のバイクの事故数、自転車の事故数をちょっと調べてみました。自転車の事故数は8000件以上、死亡者数も450人以上あります。バイクは5000何件かでしたね。バイクのほう、4500件から5000件ぐらい。バイクの事故数が、当然保有台数も違いますからですけども事故数も少ないし、死亡者数が若干多いですね。そういうことがありますんで、バイクが危ないんであれば、自転車も危ないよねということになります。

 時間の関係があるんで、以上のことから、私はこのことについて見直すべきだというふうに思いますが、教育長、教育委員会の見解をお尋ねいたします。

○議長(岸本 健君) 教育長宮﨑 泉君。

  〔宮﨑 泉君、登壇〕

○教育長(宮﨑 泉君) バイクの3ない運動については、和歌山県高等学校PTA連合会が長くこの運動に取り組んでまいりました。各学校では、PTA役員が、入学生と保護者に趣旨を説明し、賛同を得て実施しています。

 県教育委員会といたしましては、子供の大切な命を守りたいとの保護者やPTAの切実な願いに寄り添い、この運動を推奨してまいりました。

 議員御指摘のようなバイクの運転免許取得の届け出制度や学校生活外のバイク乗車自由化に取り組んでいる県があることは承知しております。しかしながら、本県では、現在も保護者、生徒及びPTAが理解し、協力してこの運動に取り組んでいることを尊重してまいりたいと考えております。

 免許取得に関しましては、遠距離通学や公共交通機関の利便性に応じて各高校の対応がなされており、このような生徒に対しては特別な指導や、警察と協力しながら交通マナーや運転技能の講習なども行われています。

○議長(岸本 健君) 中西峰雄君。

  〔中西峰雄君、登壇〕

○中西峰雄君 いずれにしても納得できませんですね。

 PTAに寄り添うというのと、指導要領の中で原則禁止するというのは全く違いますから。しかも、公的機関である学校は原則禁止にするというのとPTAとはまた違う話なんで、そこはよく御自覚いただきたいなというふうに思います。

 時間がないんで、いろいろもっとほかにも聞きたかったんですが、もう省かせていただいて、もう一つ、警察本部長にお尋ねいたします。

 中学生や高校生に対する交通安全教育はどうなっておられますでしょうか。

○議長(岸本 健君) 警察本部長檜垣重臣君。

  〔檜垣重臣君、登壇〕

○警察本部長(檜垣重臣君) 平成30年中の中学生、高校生を対象としました交通安全教室につきましては、中学校で63校8692人、高等学校で28校6134人に対して実施しております。このうち、高校生に対するバイクの交通安全教室は、4校66人に対して実施しております。

○議長(岸本 健君) 中西峰雄君。

  〔中西峰雄君、登壇〕

○中西峰雄君 ありがとうございました。

 いずれにしましても、このバイクの件については見直しの御検討をお願いしたいと思っております。よろしくお願いします。

 ありがとうございました。(拍手)

○議長(岸本 健君) 以上で、中西峰雄君の質問が終了いたしました。

 質疑及び一般質問を続行いたします。

 32番浦口高典君

  〔浦口高典君、登壇〕(拍手)

○浦口高典君 皆さん、おはようございます。

 議長のお許しを得ましたので、通告に従い質問させていただきますが、その前に、この4月に御当選された方、まことにおめでとうございます。新人の方には初めてなんですが、私、9月議会の私の恒例であります、紀州よさこい祭りの報告をさしていただきます。これです。(資料を示す)

 ことしも7月の27日、イオンモール和歌山、7月の28日、和歌山マリーナシティ、8月3日、4日、ぶらくり丁、けやき大通り等で「おどるんや~第16回紀州よさこい祭り~」が盛大に開催され、参加チーム85、踊り子約3600人、出店数が37店、ボランティア約240人で、観客動員数が4日間で延べ25万1000人と盛会裏に終えることができました。

 ことしの合い言葉、この1ページ目に書いてるんですが、ことしの合い言葉は、「紀州よさに和歌山一番の笑顔を見に行こう!」ということでありました。

 この祭りは、今から19年前に内田嘉高君、上森成人君という2人の若者が、踊りを通じて和歌山を元気にしたいという熱い思いを、それまで私とNPO活動を通じて親しくなっていたもんですから、私はそれを聞いて、その思いを何とかサポートしよう、そういった思いで、私の日本拳法の道場から、チームづくりから始めました。「和歌山MOVE」というチームからスタートでありますが、その後、多くの賛同者をつくりながら、今の形ができ上がりました。

 いつも申し上げているように、この祭りは、県や市の協力は得ておりますが、1円の補助金ももらっていない、純粋に民間主導の、まさに和歌山を自分たちの力で元気にする祭りであります。これは、今後さらに人口減少と超高齢化が進む和歌山県にとって歩む道の大いなるヒントがあると思っておりますので、皆さんの参考までに毎年御紹介をさしていただいてる次第であります。

 それでは、1番目の質問に入らせていただきます。

 皆さんも既にごらんになった方もいらっしゃると思いますが、日本総合研究所会長で多摩大学学長でいらっしゃる寺島実郎氏監修の「全47都道府県幸福度ランキング2018年版」という、非常に分厚い本ですが、細かく分析をされております。

 4年ほど前に、2014年度版の同書を、質問ではなく、この場で私、御紹介をさせていただきました。そのとき、和歌山県の幸福度は総合41位で、正直、私自身驚いたのですが、それから特に気にしていたわけではなく、たまたま先日、書店で同書を見つけ、この本を見つけ、イの一番に和歌山県を探してみると、今度は何と42位にランクダウンしておりました。

 その内容については、きょうは資料をつけさせていただいてると思うんですが、もちろん、幸福度というのは個人個人によって感じ方は違いますし、このランキングでは、1位、福井県、2位、東京都、3位の長野県より和歌山県のほうがもっといいという思いもありますが、70項目の政府やその他関係団体が発表したデータをもとに精査したものだけに、決して個人的感覚で否定するのではなく、県当局や県議会の皆さんにも客観的に見ていただきたいと存じます。

 ここで特に目立つのは、この右側を見ていただければわかりますが、健康部門と生活部門で、健康部門の医療・福祉で、生活習慣病受療者数43位、高齢者ボランティア活動比率40位。運動・体力部門で、平均歩数45位、健康診査受診率46位。生活部門で、個人(家族)のひとり暮らし高齢者率41位。地域の汚水処理人口普及率46位、道路整備率45位、一般廃棄物リサイクル率47位などであります。

 左側を見ていただければ書いておりますが、注目ポイントでは、2012年度版と比較すると、教育分野(40位から22位)が上昇している。学力(42位から22位)の伸びに加え、社会教育費(37位から22位)、社会教育学級・講座数(26位から11位)がふえ、あらゆるライフステージにおける教育環境が整いつつあると、宮﨑教育長が見たら泣いて喜びそうな文章が書いてありますけれども、仁坂知事、この本の前書きには寺島氏と仁坂知事と対談したとも書いておりますが、この結果を見て、どのように思い、今後どのようにそのことに対応していくのか、お答えください。

○議長(岸本 健君) ただいまの浦口高典君の質問に対する答弁を求めます。

 知事仁坂吉伸君。

  〔仁坂吉伸君、登壇〕

○知事(仁坂吉伸君) 47都道府県幸福度ランキングは、一般財団法人日本総合研究所が独自に選んだ70の指標を用いて、健康、文化、仕事、生活、教育等の分野について分析を行い、ランキングをつけたものであります。

 幸福とは、議員御指摘のように主観的なものであり、一概に推しはかれるものではないと思いますが、このようなランキングをつけるためには、編者が幸福度をはかることができると考える指標を選択する必要があります。しかし、この指標のとり方を見ると、それが本当に幸福なのか不幸なのか、よくわからないようなものも含まれております。

 例えば、点がいいところなんですけども、和歌山県はホームヘルパー数が多いので、よいほうに分類されておりますけども、これ何と2位なんだそうでございますが、逆に、要介護者が多いということをあらわしてることでございまして、そういう県が幸福だということには、やや議論があろうかと思います。

 また、製造業労働生産性のランキングが高いのは、重厚長大型産業が主力ということが要因と考えられますので、これは幸福度と余り関係ないような気もいたします。

 一方、ひとり暮らし高齢者数が高いのは事実でありますけれども、元気に暮らしておられる方もたくさんいらっしゃるわけでありまして、直ちにそれを不幸と決めつけるのはいかがなものかと思います。

 また、エネルギー消費量が高いのでランキングが低いとされておりますけれども、それは電気代を払っても快適に暮らしていくことが可能だということでありまして、それをもって不幸とは言えないんじゃないかなあというふうに思います。

 何せ本件は、尊敬する寺島実郎さんが会長をしている財団がつくったものなので、言いにくいことなんでございますが、このように疑問符がつくものもありまして、あんまり人の権威をうのみにして、幸福度が低い、けしからんといった議論をするのもどうかというふうに思うんでございますが、一つ一つ見ると、議員御指摘の項目も含め、なるほどと思うものもいっぱいございまして、和歌山県の問題点をあらわしているところもございます。そういうものを一つ一つよくしていく努力をしてまいりたいと考えております。

○議長(岸本 健君) 浦口高典君。

  〔浦口高典君、登壇〕

○浦口高典君 知事、どうも御答弁ありがとうございました。大変的確なお答えだったと思います。

 ただ、私、感じるのは、これは特にいろんな分析の仕方はあると思うんですが、そこの生活の部門の汚水処理人口普及率だとか道路整備率というのは、これを改善しようと思えばかなり費用もかかることだと思うんです。その逆に、私、ここだけフォーカスするわけじゃないんですが、健康の生活習慣病受療者数だとか平均歩数だとか、また高齢者のボランティア活動比率だとか健康診査受診率アップなど、これ、意識改革ができれば、それほどお金かからなくても非常にいい方向へ向かわしめることができると思うんです。

 今、知事もお話しされたように、私もヘルパーの数が非常に多いということは、逆に言うと、それだけ介護にかかる人をつくってると言うたらちょっと語弊ありますけども、多くしてることも事実でありましょう。

 その辺を、先ほども言いましたように、一概に批判するだけじゃなしに、一概に他人事として批評するだけではなしに、やっぱり我々もこういった数字を十分頭の中に入れながら今後の議員活動を進めていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 続けて、やらしていただきます。

 最近、何人かの方々から、このようなことを言われたことがあります。それは、そのことをずばり言いますと、「高典さん、あんた当選──私は平成15年なんですが──する前からよう言うてた和歌山の人口減少、ほんまにそうなってきたな」と。

 それに、6月定例会の玄素議員の人口減少問題を聞いて、改めて私自身、はっとするものがありました。それは、16年前の初当選の平成15年12月定例会の初質問で、イの一番に取り上げたのが、このやはり人口減少問題であるからであります。

 そのときに、実はベースとなったのは、平成12年の国勢調査が、人口、そのときでまだ107万人ぐらいあったんですね。にもかかわらず、私は、その後、当選してから後、いろいろ調べてきますと、2万人どころじゃない。一番多いときで109万人弱ですから、2万人弱ぐらいしか減ってなかったんですが、そのときからいろいろと私自身も大分長い間、浪人してましたんで、あちこち歩きながら、どうもまちの様相が変わってきたなということで、議員になっていろいろ調べましたら、当時、国立社会保障・人口問題研究所の人口推計をもとに「人口激減!どうする和歌山」、これ、私の最初の県政報告で、こういうふうな形で書かしていただいたんですが(資料を示す)、当時の木村知事にこのことを聞きました。そしたら、そのとき木村知事は、「非常に慄然とするものを感じました」、「今の和歌山県の置かれている状況は、これは県民がどうとか県政がどうとかということよりも、非常に日本の国の構造的なものを一身に受けている」とまで言われたことを今も記憶しております。

 それが、わずか20年足らずで、107万あった人口が、現在では92万人余りまで急降下してまいりました。これを人口激減と言わずして何と言うのでしょうか。

 また、最初の、私に対して「人口が本当に減ってきたな」と言う支持者の方が次に何と聞かれるかといいますと、同じようなことをみんな聞かれるんですね。「それはそうと高典さん、これから先、どうなるんよ」というようなことを私に必ず聞かれます。そのとき、私は、はっきりと言うんですが、「もう心配する必要はないよ。これから先、ここ20年ぐらい和歌山県はまだ23万から24万人ぐらい減少するというデータもあるから、とにかく減るという前提で考えたほうがいいんじゃないですか」と。2040年には68万人から69万人になるという日本創成会議の数字も前にもあらわしたとおりでありますけども、そういったことを力強く言うと、一般の方は「えっ、まだまだこれから減るんか」というような、あいた口が塞がらないような状態で、いつもそれが印象的でありますが。

 それはともかくとして、以前から別の市町のものを示したことがありますが、ここで、この資料を見ていただきたいと存じますが、和歌山市、田辺市、湯浅町、それから印南町の4市町の平成27年度の国勢調査による年齢別人口構造であります。いわゆる人口ピラミッドでありますが、特にこの地域の人口減少が激しいというのではなく、これは私、非常に個人的な事情で大変恐縮なんですが、この市町に私自身が、今は和歌山市でありますけども、そこの市町に私自身、住んでいたことがあり、生活実感と愛着があるものですから、例としてこの人口ピラミッドを出させていただきました。

 特にこの中で、細かく見たらいろいろ議論できるんですが、この中で注目していただきたいのが、人口が比較的多いとされる団塊の世代の孫世代である女性の人口、ここいうと、この緑の部分の上から3番目ですね、一番下のところはまだ生まれてすぐですが、その上ですね。大体、18~19ぐらいの女性の人口が既に団塊の世代の半分もしくは半分以下なんですね。これを見て、将来、人口はかなり減るであろうということは簡単に御想像いただけると存じます。

 そこで、企画部長にお聞きをいたします。

 恐らくここにいらっしゃる皆さんもふだん何げなく気がついていることだと思うんですが、毎年6月から7月にかけて公表される路線価の下落の問題であります。

 路線価とは、主な道路に面した住宅地や商業地などの1平方メートル当たりの土地評価額で、相続税や贈与税の算定基準となるものです。

 ことしも7月の2日に、ちょっとこれはコピーしてませんが、ここにありますが(資料を示す)、7月の2日に「読売新聞」和歌山版によると、「路線価下落幅拡大(前年度比)マイナス1.3%」と書かれており、下落は27年連続ということであります。もちろん和歌山県であります。

 近畿2府4県で、京都府はプラス3.1%、大阪府はプラス1.9%、兵庫県はプラス・マイナス・ゼロ%、滋賀県と奈良県はそれぞれ0.2から0.3%マイナスですが、和歌山県はマイナス1.3%と最も下げ幅が大きいということであります。

 県でも毎年地価の調査を行っていると聞いておりますが、地価の状況と、先ほどからるる説明をしております人口減少との関係があるのかどうか、企画部長、お答えください。

○議長(岸本 健君) 企画部長田嶋久嗣君。

  〔田嶋久嗣君、登壇〕

○企画部長(田嶋久嗣君) 県が毎年行っている地価調査、本年分は本日公表させていただいたところですけども、バブル崩壊後、地価の下落が続いており、近年では、近畿で下落率が一番大きくなっていますが、下落率は年々縮小しつつあり、一部の地点では上昇に転じています。

 地価は、その土地に対する需要と供給の相互関係により形成されます。一般的には、人口が減少すると居住、生産、物流などの経済活動が低下し、それに伴い必要とされる土地需要が減少するため、地価の下落につながると考えられます。ただし、人口が減少する中でも、観光などの余暇活動の活発化や、技術革新による新産業の創造などは土地需要の増加につながります。

 一例を挙げますと、京都府や大阪府などではインバウンドの影響で経済活動が活発化し、地価が上昇しており、人口以外の要因が地価に作用していると考えられるケースがあります。

○議長(岸本 健君) 浦口高典君。

  〔浦口高典君、登壇〕

○浦口高典君 企画部長、どうもありがとうございました。

 人口も一般的な要因の一つとされるという私も認識なんですが、その中で、ちょっとこれは皆さんに御紹介しませんでしたが、「近畿2府4県では、外国人観光客の増加などを受け」ということ、1文、載ってるんです。私も後で気がついたわけじゃなしに、やっぱり人口減少とちょっと関係あるのかなと最初、思ってたもんですから。

 ここで私、ふと、ちょっとこれ、企画部と所管が違うと思うんですが、和歌山県も私はかなりインバウンド来てると思ってたんです。非常に和歌山も最近、外国の方も見えるし、和歌山市は少なくとも高野山だとか白浜のほうへ行けば物すごい人だと思っていまして、でも、なぜこれだけ下落幅が拡大するんだと、いろいろ別のところを調べてみたんですね。そしたら、今もちょっとお話ありましたが、大阪府と京都府だけで近畿全体の──皆さん、ちょっと想像してください。近畿全体のどれだけ、何割の方が泊まってるかというと、ほとんど9割なんですって。意外と少ないのは、兵庫県も5.2%らしいんです。和歌山県は、私、たくさん来てると思って、きょうも朝、あるマスコミの方と話してたら、「何十%ぐらい来てると思うか」というて聞いたら、「やっぱり20~30%は和歌山へ来てるんじゃないですか」と、近畿圏の中でね。そしたら、調べてみると2.4%しか、いわゆる泊まり客の外国人は来てないということです。奈良県はたくさん来てますけども、あそこもよく言われるように、泊まるところがないということで1.8%、滋賀県がさらに少なくて1.7%ということでありました。

 正直、私も本当に最低10%から15%ぐらい、和歌山へ来てるなと思ってたんですが、この程度でありますから、ぜひとも、所管は違いますが、商工観光労働部長、頑張ってください。それだけお伝えします。

 それでは、次に移らしていただきます。

 先月の29日に堺市議会で開催された関西広域連合議会の前に、事務局から送られてきた資料を見て、私自身、驚いたんですが、関西圏から首都圏へ人口が流出しているということであります。今も言いましたように、大阪とか京都はたくさん人が集まってきてるようですけども、その大阪とか京都からも、関西圏として見ると、首都圏に人が移り住んでるということです。

 ただし、これは、我が和歌山県についてでありますが、ことし2月定例会でもお示ししたとおり、1985年から2015年までの30年間だけを見ると、近畿2府4県で実質人口が減少してるのは我が和歌山県だけなんです。しかも、減少率が11.4%。人数でいうと12万3627人と大変大きな数字であります。

 もちろん他府県でも、今この減少傾向というのはだんだん大きくなっていることも否定はできませんが、和歌山県は、近畿圏では人口減少のトップランナーであるということは間違いありません。

 しかも、和歌山県では、さきに示した人口ピラミッドのとおり、確実に今後2025年ごろから、団塊の世代が75歳以上になってくると、前にもこの場で言いましたように、大体男性の方から先に亡くなり出すんですね。大幅に人口が減少してくるということは、想像するにかたくありません。

 和歌山県は、人口減少と超高齢化はまさに先進県であり、しかも、要介護認定率は全国で5年連続ほぼトップであるということは、そのこともこの場で何度も訴えてまいりました。

 つまり、今後、これまで以上に本格的に人口が減少し、高齢化率もさらに大きくなる和歌山県において、その高齢者が体が弱くて、介護のお世話になる割合が全国一高いとなれば、幾ら道路や橋をつくっても、私はそのことは否定しませんけれども、和歌山県の活力を保つことはできないのは火を見るより明らかであります。だからこそ、健康長寿日本一の実現は、今後さらに県としても大きな大きな目標になるということは間違いありません。

 新人の方に申しておきますが、この「健康長寿日本一わかやま」というのは、私、ずうっとこれ言い続けてるんですが、決して私の専売特許でも何でもありません。2017年、これは2017年につくった県の長期総合計画なんです(資料を示す)。ここの110ページに、これ、見事に書いてるんですね。「『健康長寿日本一わかやま』を実現します」とまで明言しておるんです、これ。

 ですので、もっとそのことを皆さんも、私も今これからいろいろ、和歌山市が大変な状況である、和歌山市がこのことについても随分おくれてるということがだんだんだんだん見えてきたもんですから、一生懸命和歌山市についてはやりますけど、ほかの地域については、ぜひ皆さんも御協力いただいて、どうぞ健康長寿日本一でなかったらいかんねやということを訴えていただきたいと思いますが。

 そこで、それを実現する一つの方法として、平成26年4月から本年3月31日までの5年間で、健康推進員を2500人養成するということでした。ちなみに、この健康推進員制度のモデルになった長野県の保健補導員制度は、長野県の人口約200万人に対して1万人が活動しているということでありました。つまり和歌山県で2500人を養成しても、長野県の人口の半分ほどであり、本来5000人ほどでなければ長野県と同じ規模にならないわけでありますけれども、そのこともここで何度も訴えてまいりました。

 福祉保健部長、健康推進員はお約束をしたこの5年間で、現在、何人養成し、どのような活動をしているのか、御答弁をよろしくお願いいたします。

○議長(岸本 健君) 福祉保健部長宮本浩之君。

  〔宮本浩之君、登壇〕

○福祉保健部長(宮本浩之君) 健康推進員は、県が養成し、市町村長から委嘱を受けて活動する健康ボランティアであり、養成人数につきましては本年8月末現在で1838人となっており、目標の2500人に届いていない状況です。

 一方、市町村には、健康ボランティアとして健康推進員のほかに、望ましい食生活の普及を目的とした食生活改善推進員が約1000人、妊婦や乳幼児の健康づくりを目的とした母子保健推進員が約1000人活動しています。

 このため、県では、それぞれの分野で健康ボランティアとして培ってきたノウハウを、健康づくりを幅広く推進する健康推進員としての活動に生かしてもらえるよう、今後、母子保健推進員や食生活改善推進員等に対して積極的に働きかけていきたいと考えています。

 さらに、引き続き「県民の友」や県のホームページなどで活動を県民に広く周知し、2500人を目標に健康推進員の養成を行ってまいります。

 次に、健康推進員は、各市町村において、特定健診やがん検診の受診勧奨、生活習慣病予防に関する啓発、健康教室や健康イベントへの参加などを行い、住民に身近な立場で市町村の健康づくりを支援する役割を担っています。しかし、健康推進員の活動状況には、市町村によって大きな差がある実情にあります。

 このため、健康推進員をより積極的に活用してもらえるよう、市町村に対し説明会を行い、年間の活動計画の作成や健康推進員同士のつながりを深める交流会の実施を提案したところです。

 また、さらに、健康推進員の知識を高めるための研修や先進事例の紹介を定期的に行うなど、フォローアップに努めるとともに、今後、より効果的な活用方策を検討しながら活動の活発化を図ってまいります。

○議長(岸本 健君) 浦口高典君。

  〔浦口高典君、登壇〕

○浦口高典君 部長、どうもありがとうございました。

 1838人、2500人に対して。ですから、5年間で達成率73.5%。

 そこで、食生活改善推進員約1000人、母子保健推進員約1000人ということで、こういうのというのは今さら言うても、これは後出しじゃんけんというんじゃないですか。そう言い出すと、シニアエクササイズの実践者が6000人ぐらいいるんですよ。例えば、地域総合型スポーツクラブの会員が何千何百人いますよ。じゃ、この人らも入ってもらおうということになりますから、私が聞いてるのは、5年間で達成しなかったですよねということなんですね。

 これ、結局、部長みたいな優秀な方にこういうことを言うのは大変失礼なんですが、幕末の米沢藩の藩主であります上杉鷹山ですか。私、この言葉好きなんですが、「なせば成る、なさねば成らぬ何事も、成らぬは人のなさぬなりけり」と。結局、やってないんですよ。そういうことなんです。数字で言うと、はっきりわかるんです。後、また知事にも言いますけども。

 それと、実はこれは非常にわかりやすいのは、私自身も健康推進員の1人ですから、やってることというのはよくわかるんですが、大事なのは人数もそうです。さっきも言ったように、人数、フル2500人集めても、結局、長野県に比べると規模でいうと5000人なかったらいかんのです、和歌山県はね。その健康推進は人数だけではなく、活動内容というのは非常に大事なんですが、私自身もちょっと参加させてもらって、ついこの間もフォローアップの研修会も参加したんですが、非常に来てる方は意欲的な方が多いんですが、まだそこまでの、いわゆる和歌山県民の健康で長生きするように寿命を日本一長くしようというところまでは来てないことも事実でありますんで、その辺も含めて一度お考えをいただきたいと思いますし、これは来年の2月以降も同じことを聞きますから、何人になりましたかということを聞きますので、ぜひ、ここで終わったと思わないでくださいよ。これからまだ続くんですよ。はい。よろしくお願いいたします。

 以上でございます。

 それでは、次に移らしていただきます。

 さて、次に、「健康長寿日本一わかやま」を目指す上で、欠くことのできない県民の皆さんの日常生活における運動であります。

 和歌山県では、健康づくり運動ポイント事業として平成29年10月からスタートさせましたが、これは東京都の健康長寿医療センターの青柳先生の「1日8000歩、速歩き20分」運動が健康につながるというエビデンスをもとに導入されたものであります。いち早くこの方法を導入し、実績を上げている横浜市を私は2回訪ね、この場で御紹介をさせていただきました。

 しかし、本来なら、歩数計を住民の皆さんに持っていただいて計測しなければいけないものを、和歌山県ではスマホのアプリを使って始めました。これを導入したとき、当時の健康推進課長には、「私も初めはスマホを使って約6カ月やった経験から言うと、必ず失敗するよ」と伝えたんですね。とにかくこれで進めたいということでしたんで、それ以上のことは私、言いませんでした。

 実施して2年がたちました。そして、平成30年9月定例会の一般質問で、仁坂知事に、実績を上げている横浜市では、18歳以上が約300万人いて、既に30万人にこの歩数計を渡しているということを紹介し、「和歌山県では、18歳以上の成人が84万人いるが、一体何人の方にこの運動ポイント事業に参加してもらうのか」と質問したところ、仁坂知事は、機嫌よく「8万人に参加してもらいます」とここで明言されました。

 これ、私、実は自分の県政報告なんです。(資料を示す)ここに、仁坂知事、「健康長寿日本一わかやま」にするために8万人登録するとここへ書いて、これ全部、何千人にも配りました。それからまた、今、いろんな方に言うてるんですよ、「仁坂知事がこう言うてる。私は仁坂知事を信じてます」と言うてるんです。

 その後、ちなみに横浜市では、年間、これは参考までに聞いていただいて、やり方も違うから違うんですが、予算、年間3億円以上、このことにかけてるそうなんですけども、和歌山県では初年度こそアプリをとるのに2800万ほど使ったらしいんですが、次年度から、何と300万程度らしいんです。横浜市とは、今も言いましたように人口規模も違います。それから、やり方も違いますから同じことにはなりませんけれども、予算のことは私、うるさく言いませんけれども、この運動ポイント事業の今、仁坂知事が明言された8万人について、福祉保健部長、どのようになっているか、明言をお願いいたします。

 以上です。

○議長(岸本 健君) 福祉保健部長。

  〔宮本浩之君、登壇〕

○福祉保健部長(宮本浩之君) 健康づくり運動ポイント事業の進捗についてですが、登録者数は9月2日現在、6603人となっています。これまで、登録者をふやすため、「県民の友」などの広報媒体やイベントでの啓発、健康推進員による勧誘、企業のイメージアップにつながるようポイント事業への参加を県が認定するわかやま健康推進事業所の要件に設定し、事業所に働きかけているほか、協賛企業とのタイアップによるキャンペーンの実施などに取り組んできたところです。

 しかしながら、目標にはまだまだ遠い状況であることから、登録への意欲を促すため、より強力なインセンティブの検討が必要ではないかと考えております。

 例えば、毎日のウオーキングでたまったポイントや市町村のウオーキングイベントへの参加などによって獲得するポイントと引きかえに、日常生活で活用できるような特典が受けられる仕組みづくりなどを検討しているところです。

 目標を達成できる時期については明確にお答えすることは難しいですが、今後、市町村や民間事業者などとともに、さらなる機運の醸成を図りながら、目標の登録者数を達成できるよう、誠心誠意取り組んでまいります。

○議長(岸本 健君) 浦口高典君。

  〔浦口高典君、登壇〕

○浦口高典君 部長、どうもありがとうございました。

 いろいろ秘策があるということを聞いてるんですが、このインセンティブについてもいろいろ問題というか、私自身いろんなところで見聞きすると、例えば、アプリでもいいんですけども、私、前にも御紹介しましたこの身体活動計というのを持って、(現物を示す)こういうのを持ってやってるんですけども、これやり出して、これ何万歩以上歩いたら何くれるとか言い出すと、例えば、自分ところの犬にこれをつけて走らすらしいんですよ。いや、ほんまに。本当に。いや、そんな人もあるんですと言うんですよ。いや、本当なんです。笑うてますけど、笑い事じゃない。本当そうなんです。だから、ちょっとそこは気つけてくださいというようなことも、横浜の方、言われました。

 そういったこともあるということを頭に入れて、ぜひ秘策を表に出していただいて、駄作にならないようにやってくださいね。

 数字を挙げましたんで、先ほども言いました、健康推進員が2500人で1838人だったもんですから達成率73.5%と言いましたが、この運動ポイント事業については、知事が明言した8万人に対して6603人ということで、目標の8.2%。これ、どういうことかというと、8.2%というと、私は、きのういろいろ、ちょっと時間あったんで考えたんですね。例えば、登山に例えますと、エベレスト、私、それは映像でしか見たことありませんけど、エベレストへ登るのに今どこまで来てるかと。8.2%から8.5%というのは、ちょうど議長の出身のところにある龍門山、龍門山が756メーターらしいです。エベレストが8848メーターですから、8.5%ぐらいのところがちょうど龍門山の高さらしいんですが、それは冗談──冗談でもないですが、それぐらいのとこしかまだ来てないということなんです。せめて富士山、私、ここで言ってもらいたかったのは、富士山3776メーターですか、それで42%ぐらいクリアしたということなんで、そこまで行ってもらいたかったんですが、まだ10%も来てないということをまず御認識ください。

 それともう一つは、いろいろ秘策あるということも私も聞いてるし、私、それ以上聞きませんけども、担当のほうに聞きませんけれども、要は、数字を出すことは難しいというのは言葉で言うのは簡単なんですけど、この場では何とかスルーするかもしれませんけど、そう言ってると、最後の質問になりますけれども、これ、2027年の4月までに和歌山県を日本一にするとみんな言うてるわけですよ。知事初め、長計に書いてるわけです。私もそのつもりで一生懸命いろんなとこで見聞きし、いろんなことを提案して、当局もそれを受け入れて、いろいろ施策はしていただいてるわけですから、ちょっとその辺はわかりせん、難しいだったら、ちょっと私は再質問したいんですけど、ここではしません。また2月に聞きますから、そのつもりでやっといてください。

 これは、私、一つこれも非常に生意気なことを言うようですけど、論語に「過ちては改むるにはばかることなかれ」、もっと難しいこと言うと、「過ちてはすなわち改むるにはばかることなかれ」、つまり人間というのは誰も過ちを犯すんです。行政、100%じゃないんですよね。だから、もしこの方法でいかんと思ったら、やっぱり違う方法に、多少損してでも、そっち側へ行くぐらいの気持ちがないと、私、これから後まだ7年半、このことをずっと言い続けなあきませんので、議員である限りは。ぜひそこは気つけてくださいね。

 次に移らしていただきます。最後の質問であります。

 8月の21日に、ウオーキング事業を和歌山県より、これは横浜でもありません、近畿圏の奈良県庁の健康推進課の担当課の方並びに、奈良は健康ステーションという奈良県内、大きな駅6カ所に付設したビルの一角で、県民の運動と健康について常時指導している現場の方にお話を聞く機会がありました。私のほうからもちろん出向いたわけなんですが。そのとき、健康推進課の担当者から渡されたのが皆さんのお手元にある、このグラフであります。(資料を示す)

 それを見ながら、このとき、この担当者の方が私に言うたことは非常に今でも印象に残ってるんですね。「奈良県の──ここを見ていただければわかるように──男性の健康寿命は全国で3位なんですが、女性は全国で33位と振るいません。現在もいろいろと分析しているのですが、その結果がはっきりわかりません。その点、和歌山県さんは非常にわかりやすいです」。つまり、和歌山県は男性41位、女性47位ですから、おのずとその原因と対処法はわかるでしょうということなんですね。

 それ言われて、向こうもそれ以上言いませんでしたけど、反論する言葉がなかったですね、私は。全くそのとおりでございますというふうに言いました。

 この資料というのは、参考までに言わせていただきますと、健康寿命とは、単純にこれは男女それぞれの平均寿命から要介護2以上の介護期間を引いたもんですね。もちろん、やり方によって、前にも出したとき、和歌山県、もうちょっと上だったというのは、あれは全部、要支援だとか介護1も入ってるんですが、これは要介護2以上の方です。

 私は、実は、この問題──この問題だけじゃないんですが──8年以上、この問題を追っかけているだけに、驚きより、さらに確信したことがございます。それは、和歌山県、最近ようやく和歌山県民は体が弱いというのは皆さん、御認識いただいたと思うんですが、隣県である奈良県でも、和歌山県はこのように、同じように見られてるということなんで、たまたま私が行ったんで、こういう資料を出してきたかもしれませんけども、非常にわかりやすいです。

 また、8月29日に関西広域連合議会において初質問に立ったとき、2025年大阪・関西万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」であり、サブテーマの一つは「多様で心身ともに健康な生き方」ということだったので、私はここで──これは和歌山じゃないですよ──健康長寿世界一関西を宣言し、そのパビリオンを万博会場につくりましょうというふうに言ったんです。そのときに、この先進的な奈良県の取り組みや、実は前にもお話ししましたけども、滋賀県も非常に健康ということについて、健康で長生きするということについて一生懸命取り組んでられて、前にも御紹介しましたけれども、平均寿命だけ見ても、平成27年、男性全国1位、女性全国4位──これ、滋賀県なんですね──のことを紹介しましたら、ちょうど、今、副知事いらっしゃるあたりに滋賀県の三日月知事がいらっしゃったんです。三日月知事が、私の顔を見て満面の笑顔だったんですね。よく言うてくれたというふうに。それが私の、カチンと来たわけじゃ、何か言い返さないかんと思ったもんですから、これアドリブなんですが、三日月知事に、「知事、今、笑われてますけども──三日月知事ですよ、滋賀県の──あのね、今、和歌山県は全国的に見てもびりに近いですが、7年半後には滋賀県を抜いて日本一になりますよ」と言うたら、会場の執行部の方、皆さん、大笑いとは言いません、かなり笑われました。ちょうど今、公安委員長のいらっしゃるところでちょうど副知事がいらっしゃって、副知事だけ泰然自若として、そのとおりというふうな顔をされてました。非常に印象的でした。それだけの覚悟があるということですね。

 そういうことでありますが、それだけに、私はこれは何も一議員として言ったわけじゃないんです。仁坂知事の気持ちを代弁しただけなんです、私はね。仁坂知事は、私、先ほど言いましたように、年2回、足かけ今回で15回目ですけども、健康長寿日本一にかける仁坂知事の決意、哲学、信念というものを何回も聞かしていただいて、全く揺るぎないもんだと私は信じて疑いませんけれども、それを実現するためには、先ほども申しました予算措置だとか目標人数の達成だとか、さらにその内容の充実をさせていくことが非常に大事であるということ、当たり前のことですが、それを積み上げていかないと、2027年、「健康長寿日本一わかやま」の達成、実現ということは難しいと思いますし、私は、そのための責任者になる方は必要だと思うんですが、仁坂知事の御所見をお聞かせください。

○議長(岸本 健君) 知事。

  〔仁坂吉伸君、登壇〕

○知事(仁坂吉伸君) 議会ごとに浦口議員に本件を指摘されまして、寿命と心身の健康がすり減っとるなあという思いでございまして、これは健康長寿にマイナスやなあというふうに思っております。

 こんなにいつも言われるんだったら、長計をつくるときに、もうちょっと現実を見据えて控え目に書いといたらよかったんだがなあとも思うんでございますが、目標を高く掲げて宣言をして、日本一という宣言をして努力したいという職員の心意気を了としてしまいました。しかし、現実はなかなか改善されずに悩んでおるわけでございます。

 また、実は、せっかく考えてつくりましたポイント制度が、そのとき実施体制がちょっと不十分であるということを私も指摘して、若干叱責をしていたということもありまして、職員にハッパをかけるということもあって、頑張るんだという決意で8万人などという数字を言ってしまいましたので、またまた困ったなあというふうに思ってる次第でございます。

 もちろん、手をこまねいてぼうっとしてるわけではなくて──主観的にはですね──いろいろと手を打ってまいりました。浦口議員の御提案はどんどん取り入れましたし、浦口議員の発想の上を行く方策もいろいろ考えて、それで取り組んでまいりましたが、まだ、あんまりはかばかしいことはないなあ。

 健康が大事、県民が健康であるということは、本県にとっても本当に大事なことで、豊かな人生を送るために個々人にとっても非常に大事なことであります。

 このため、特に子供のときから老年期に至るまで、また、健康なときから健康づくりの意識を高めてもらうための健康教育が大切だと考えておりまして、そして、県民みずから主体的に、やや楽しんで健康づくりに取り組んでもらえるような仕組みづくりを重要と考えてやってまいりました。

 具体的には、健康問題の解決に向けて、例えば、がん検診の奨励とか、医療の充実とか、栄養バランスの改善など、従来の施策に加えまして、楽しく運動習慣を身につけてもらうために、御指摘のあった健康づくり運動ポイント事業、それから検診受診率向上や、草の根的に健康づくりを推進する健康推進員制度の創設、それから、がん検診の向上のための全県民への周知、働く世代の健康づくりを推進するためのわかやま健康推進事業所認定制度、さらには県民の健康意識の高揚を図る健康と食のフェスタの開催などに取り組んできたところでございます。

 また、医療・保健、こういう制度の充実も大事だと考えておりますので、救急医療やがん医療の充実など、命を守る施策にも積極的に取り組んでまいりました。

 しかし、まだそんなにはかばかしい成果が出ていないのをどうしたもんかと、さらに悩んでるわけでございます。

 ただ、御存じのように、あるいは御指摘のありましたように、健康長寿県である長野県においても約半世紀をかけて健康長寿日本一を実現したわけでございます。やはり一気に実現することは難しいなあと思いつつ、頑張らないかんということだと思います。

 その上で、責任者ということでございますけれども、健康長寿の実現のためには、複数の部署にまたがる仕事があります。そういう取り組みを推進する必要がありますので、このため、健康推進にかかわる組織横断的な会議・組織を既につくっているところでございます。

 しかしながら、こんなん寄せ集めでは何とかなるというもんでもございませんので、健康長寿の実現というミッションを明確に持っている一番の責任者、これは福祉保健部であり、福祉保健部長が司令塔となって本業として取り組んでいるところでございます。その上で、これら全体の総責任者が誰かと言われれば、知事たる私でございます。

 特別のミッションを持った別の責任者を決めよというような趣旨ではないかというふうに思うんですが、この体系のほかに別に責任者を決めたりしたら、本業としての責任と意欲が薄れるような気もいたします。他部局にかかわるのでアンタッチャブルという文化は、日本全体、世界全体にほかの組織では一般的でございますし、県庁でも、まだそういう面が残っているような気もいたしますが、縦割り的な言動はしてはいけないという文化がだんだん定着してきておりますので、よもや福祉保健部長の関与を認めないというやからはいないというふうに思います。いたら、私が改めさしたいと思っております。

 道は険しいんでございますが、健康長寿日本一の実現に向け、市町村や民間の事業者も参加していただきながらオール和歌山で取り組み、そのための一層の工夫も考えながら、一歩一歩着実に取り組んでまいる所存でございます。

○議長(岸本 健君) 浦口高典君。

  〔浦口高典君、登壇〕

○浦口高典君 知事、大変誠意あふれるお答え、ありがとうございました。余り健康長寿について考え過ぎて、ストレスたまってノイローゼにならんように気つけてください。

 ただ、本当に、今、知事が言っていただいたとおりです。私自身がいろんな政策提案して、いろんな今のことを取り組んでいただいてることは非常に評価してるんですが、問題は中身の問題なんですね。

 それと同時に、実はこれ、皆さん御記憶ないかもしれない。私は、ずっと思ってるんですが、平成26年の9月議会に、私、健康長寿を初めて取り上げたときに最初言ったのは何かというと、健康長寿和歌山推進協議会、県庁の中にそれをつくるべきだということを言ったんです。そのときに知事がトップに立つべきだと言ったら、そのときに、寄ってたかって、いや、もう、うち福祉保健部長がトップに立ちますんで、何とかそれだけ許してくださいという感じだったんです。そしたら、福祉保健部長が一生懸命やってくれるんだったら私はいいよという話だったんですが、知らんうちに健康推進課長までおりてきましてね。そら課長がほかのこれ、当時、10課の部署に分かれてました。10課に分かれてました。これを課長がいろいろ命令したりとか指示出すことはできません。やっぱり基本的には、福祉保健部長なり知事が最終的に采配を振るっていただかないとこれは前へ進まないと思いますんで、ぜひそのこと、ようやくこれ6年、7年たって御理解いただいたようで大変うれしゅうございます。よろしくお願いします。

 最後になります。

 知事が最終的に責任を持っていただくということでありますから、実は、先ほども言いましたように、平成20年4月に最初の長計で、65ページに書いてますけども、「『健康長寿日本一わかやま』をめざします」と書いてました。

 そのときに、私が途中から「健康長寿日本一わかやま」、全然何もやってないやないかということで、途中の平成26年からうるさく言い出したもんですから、次の長計をつくるときに、「健康長寿日本一わかやま」を消そうというような話が巷間、私のほうへ伝わってきました。これはけしからんということで、私、行革の委員会のとき、文句ばんばん言いました。そしたら、まして、そう言ったことについて、非常に過剰に反応とは言いませんが、「健康長寿日本一わかやま」を実現するとまで言ってくださってるんです。これが今から2年半前なんですね。結局、トータルでいうと11年半、この健康長寿日本一というのをこの長計に、まあ言ってみたら中に書いて、我々もそれに従っていろんなことを提案し、各部署の方もいろいろ努力していただいてることはわかるんですが、今までの9年間はチャラにしまして、この後の2年半、要するに2027年3月──4月ですか──までこれが続くという前提でいきますと、もう2年半、10年間のうち2年半、つまり4分の1が過ぎたわけです。

 先ほどエベレストと龍門山の例を言いましたけども、山で言うと、知事、今の段階で何合目まで来ましたか。これだけ一言、言ってください。

○議長(岸本 健君) 知事。

  〔仁坂吉伸君、登壇〕

○知事(仁坂吉伸君) 私は、龍門山にも何度も登ったことがございますが、あそこへ登るだけでもへとへとでしんどいということなんだけども、それがまだ8%かとかいうと、もうがっくりくるというところもありますし、今、鋭い御質問でございますので、また健康長寿を損ねながら必死でお答え申し上げたいと思いますが、今、何合目かを答えることは大変難しいと思います。

 議員配付の資料を拝見いたしますと、0点というふうに言いたくなるわけでございまして、これは0点だというふうに私が申し上げましたら、職員にたしなめられました。

 議員がいつもお使いになる議員配付の健康長寿は、御指摘のように、要介護2から5を除いた65歳の平均自立期間を見たものでございまして、男女とも全国的にはうんと下位ということになっております。

 この主な要因は、要介護率が高いということに尽きるわけでございます。背景には、ちょっと本当に健康を損ねてる人が多いということに加えて、受けられるものはどんどん受けておこうという心理と、それを勧める介護関連サービス業者の働きかけがあるんじゃないかというふうにも思います。

 ただ、それは悪いと言うべきではなくて、できるだけ多くの人を介護サービスの対象にしてあげようという、認定するのは市町村ですから、市町村の当局の優しさのあらわれとも考えられるわけでございます。

 よく使われる別の資料は、国民生活基礎調査でございます。この健康寿命というデータになりますと、日常生活に制限のない期間をどのぐらいはかるかと、こういうことでございますが、平成28年にはこれも低くて、男性、全国43位、女性はちょっと高くて全国37位、あんまりぱっといたしません。

 ただ、健康寿命の伸びは、平成19年と28年を比較すると、男性1.41年で全国34位、女性1.08年で全国31位となっておりまして、それまでよりは少し改善しておるということでございます。

 また、平成27年の平均寿命は、男性、全国44位、女性、全国41位と、これまたあんまりぱっといたしませんが、伸びを見ますと、平成17年と平成27年を比較すると、男性1.97年で全国28位、女性1.13年で全国28位、これも少しはましということでございます。

 そういうところから、職員が言うように、0点とも言えないなあという気もするんでございますが、ただし、もしそうであっても、いずれの指標も、伸び率も日本一とはほど遠いわけでございますんで、もっと努力しないといかんということを考えております。

 健康長寿日本一という高い山、エベレストに登らなあかんのかと、ううっと思いますけども、取り組みを確実に実行しながら、一歩一歩着実に頂上を目指して頑張っていきたいと考えております。

○議長(岸本 健君) 浦口高典君。

  〔浦口高典君、登壇〕

○浦口高典君 知事、どうもありがとうございました。

 結局、何合目まで来てるということは言えないということですね。まあ、それはいいです。また聞きますから、次の段階で。

 前にも言いました、ちょっと上がったは、私にとってあんまり意味ないんですね。やっぱり、これチャンピオンで。私、三日月知事にはっきり断言しましたから、知事の代弁者として。和歌山は日本一になるんだということを言ってますからね。しかも、他府県の議員も、また知事さん、副知事さんも来てる中で、何としても和歌山が一番になるんだということを訴えさせていただきました。

 私、非常に、何合目、山を登るところの例え話で言いましたが、どうも担当の方と話してると、一生懸命やってるんですけど、これ、何か麓をぐるぐるぐるぐる回ってるような感じがあるんですよ。動いてないとは言わないです。やっぱりこれを上へ引っ張り上げていただくのは、私は知事のリーダーシップだと思いますんで、今のお言葉、いろんな意欲は十分わかっておりますんで、そのことを大事にしながら、ぜひいい意味で職員の皆さんを叱咤激励して、やる気になっていただいて、日本一に何とか和歌山県をしていただきたいと、そのように申しまして、私の拙い一般質問を終わらしていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)

○議長(岸本 健君) 以上で、浦口高典君の質問が終了いたしました。

 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。

 この際、暫時休憩いたします。

  午前11時59分休憩

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  午後1時0分再開

○議長(岸本 健君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 質疑及び一般質問を続行いたします。

 36番楠本文郎君

  〔楠本文郎君、登壇〕(拍手)

○楠本文郎君 議長の許しを得まして、6月議会に続き、一般質問をさせていただきます。

 台風にかかわる質問になります。

 文字どおり対岸の火事にしてはならない千葉県の今の状況というのは、去年の和歌山県でした。私の住む家は、御坊火力発電所の煙突の真下なんですが、そこの電気の復旧が一番おくれましてね。当時、町内会長、区長という職をいただいてたんですけれども、「早う電気つけんかい」というて毎日のように怒られた思いがありますが、文字どおり千葉県ではまだその状態が続いているということで、心からお見舞いを申し上げ、一日も早い災害復旧を願いたいと思います。

 さて、質問の内容に入りますが、6月にも日高川水系整備に関し、時間をかなり割いて御質問を申し上げましたが、折しも8月15日から16日──ことしのですよ──に台風10号の襲来があり、今回も続けて御質問申し上げたかったわけでございます。

 昨年は、今申し上げたように3回も台風襲来に見舞われました。ことしも早々に、8月お盆に御先祖様と一緒に来た台風10号は、御坊周辺ではおとなしい感じだったんですけれども、上流ではかなりの雨量となっていたんです。この台風10号に伴う降水量に対応するために、椿山ダムでは、事前放流を含む洪水調整が行われました。

 まず、今回台風に際して行われた椿山ダムの放流の操作状況を、時系列データも含め、概略的で結構ですから御報告していただきたいと思います。

○議長(岸本 健君) ただいまの楠本文郎君の質問に対する答弁を求めます。

 県土整備部長髙松 諭君。

  〔髙松 諭君、登壇〕

○県土整備部長(髙松 諭君) 今回の椿山ダムの操作状況に関する御質問をいただきました。

 まず、県管理ダムの操作に関してでございますけれども、これにつきましては、知事が定めましたダム操作規則に基づいて行っているところでございますけれども、以下、台風第10号に伴いますダムの操作状況に関しまして、時系列でお答え申し上げます。

 まず、8月9日金曜日の夕方時点の話でございますけれども、台風が15日の午後から16日にかけまして最接近をしたということで、6日前になりますけれども、お盆の休みの前、あるいは3連休の前という段階の週末の夕方の時点で、紀伊半島を直撃する進路と、それから低い気圧が予報されるということから、お盆時期の帰省ですとか、あるいは川でのレジャーが重なって接近するということが懸念されておりましたため、同日9日の金曜日に、ダムからの事前放流の可能性に関するお知らせを報道機関に提供いたしました。新聞、テレビ等におきまして、数日にわたり報道していただくなどいたしまして、県民の皆様方への事前放流に関する可能性の注意喚起を行ったところでございます。

 その後、14日の水曜日の正午ごろより事前放流を開始し、翌15日木曜日の午後5時半ごろには、流入量が洪水調節の対象となります毎秒600立方メートルに達しましたことから、洪水調節を開始いたしました。

 日付が変わりまして、翌16日金曜日の午前2時20分ごろには、最大流入量毎秒約2500立方メートルを記録いたしました。その後、同日午後5時ごろに流入量が毎秒600立方メートルを下回ったことから、洪水調節を終了したという状況でございます。

 以上が、台風第10号に伴うダムの操作状況でございます。

○議長(岸本 健君) 楠本文郎君。

  〔楠本文郎君、登壇〕

○楠本文郎君 本当に概略でお答えをいただきました。

 冒頭にありましたように、今度の台風10号というのは、8年前と同様の進路をとっていたということなんですよね。それで、かなり私ども周辺の皆さん方は警戒に警戒を重ねた中で迎えたと。幸い、四国、中国地方へ通り過ぎていったんですけれども、それたにもかかわらず、報道されているように、台風10号、400ミリ超の豪雨があって、日高川で氾濫危険水位を超えるという状況が起こりました。ただ、これ深夜だったんですよ。来るか来るかと思うてて来なんでね、ほいでもう雨もおさまるやろなと思うたら、うわあっと振り出したというのが、こんな意地悪な降り方だったんですよね。

 そのときに、私ももう雨がかなり降ってきたら外に出れなくなりますから、ホームページの「和歌山県河川/雨量防災情報」というものを検索していきました。それがこういう形でずっと報告をされているというところを同じように撮るんですよね。(資料を示す)大体、でもこれで県の方も仕事されるんですよね、予想されていくんですよね。

 15日の夜半に、時間雨量20ミリから、奥地では50ミリ近く降りました。御坊では、一番ひどかったときが16日の18時の雨量が29ミリ──時間雨量ですね──だったんですけれども、この雨は八斗蒔とか椿山ダム、龍神の安井、三ツ又、小川では、50ミリ、60ミリと時間雨量が降るというような状況であったということなんですね。

 それで、十津川から龍神の水が流れ込むというのが日高川の特徴ですから、それを受ける椿山ダム、このダムの操作はどうなんかということが問われるということになります。

 一気に流れ込んできたと思います。椿山ダムの基礎高さは標高154メートルなんですが、最低水位は184メートルに置かれています。そこまでが洪水調整される部分なんですね──ごめんなさい、事前放流をされる分。この言葉、物すごい大事やのに、間違うたらあかんわ。事前放流ということが今回で3回目だとお聞きをしました。この事前放流をして、しかし、それよりも流れ込む量が多くなると、187.6メートルで洪水貯留準備という形になって、ここから洪水調整というものが行われると。部長が言われたのは、そういうことの概略、かいつまんだ時間の報告であったと思います。

 平常時最高貯水位は206.5メートルとなってるんですけども、今回はそこまで行かなかったんです。200.4メートルでとまりました。そのとまったというやつは、こういう形で出されてますから(資料を示す)、これはもう配付はしておりません。資料ではなくて私が勉強する資料として出してきたものですけれども、こういう中で、やれやれ、この雨は一山だった。わあっと降って引いていく。これであれば、椿山ダムの得意とするところという形の雨の降り方であったと私は考えました。

 とすれば、質問の2点目に入りますが、椿山ダムから毎秒1000トン以上の放流があると、御坊市の藤井グラウンドは被災すると言われてきました。平成9年にこのグラウンドがつくられているんですが、当初は浸水被害なかったんです。ところが、平成23年の日高川大洪水と合わせ、最近の9年間で5回目なんです。つくられた当初10数年は何にもなかったのに、この9年で5回の浸水がある。近年は頻繁に豪雨があるだけなのかなという、そんな議論が御坊周辺で続いているということをおわかりいただきたいと思います。

 この台風で被災した御坊市藤井河川敷につくられたグラウンドの災害復旧をめぐって、今、御坊市民の間では「市の税金は安くて済む。都市公園の災害復旧をかけられるということになったら、国の税金を使わしていただくという形になるから、市民の負担は少ないからええ」、「いや、それはもうやるべきでない」と、こうやって議論が分かれている部分があります。しかし、私は、この県政においては、毎秒1000トン以上の放流は、これからもしばしば起こり得るという前提で考えていかなければならない状況、時代にも入ったのではないかと思ってるんですけども、いかがでしょうか。

 また、約1500トン毎秒以上の流入が10時間ほどありました。放流は1000トン毎秒以上の放流として、これは15時間流し続けたんですけれども、その間のダムの水位は184メートルだったものが200メートルへと上昇していきます。つまり、ダムへ流入してくるものを受けて、一気に流したらまた洪水が起こりますから、それを調整しながら1000、そして、洪水調整で1700まで上がっていくという形で、200メートルの高さまでが今回の到達で、その後、雨降らなかったから、それでおさまったというふうに、それぞれの資料を見たら、私にはそう読み解けるわけなんです。読み解いているんです。

 そういう雨だったけれども、今、全国見てて、線状降水帯という言葉が最近しばしば使われていますから、仮定の話ですが、もう数時間、日高川流域に降雨が続いていたり、もしくは時間雨量、降雨量がふえていたら、放流はただし書き操作に移って、一定の洪水は避けられないことになったんではないかと心配、懸念をしたんですけれども、専門家の立場からいかがでしょうか。

 私は、このことを前提に、ダムからの早い目の放送をかけて、ダムの放流をするということの周知徹底、同時に、早い目の洪水予報が必要な時代に入ったのではないかと思っています。この点での県土整備部長の見解をお示しいただきたいと思います。

○議長(岸本 健君) 県土整備部長。

  〔髙松 諭君、登壇〕

○県土整備部長(髙松 諭君) まず、毎秒1000立方メートル以上の放流に関するお尋ねを頂戴いたしました。

 椿山ダムからの毎秒1000立方メートル以上の放流でございますけれども、これにつきましては、平成元年のダム管理開始しました以降、約30年になりますけれども、おおむね2~3年に1度の頻度で発生しているという状況でございます。

 それから、次にただし書き操作の可能性に関する御質問をいただきました。

 御指摘のとおり、仮にダムの洪水調節能力を超える降雨があった場合には、平成23年の台風第12号の際のように、ダムへの流入量とダムからの放流量を同程度とする異常洪水時防災操作、いわゆるただし書き操作を行わざるを得ないという状況でございます。

 それから3点目、最後に、早目の情報提供ということでお尋ねをいただきました。

 この早目の情報提供に関してでございますけれども、異常洪水時防災操作に限らず、ダムからゲート放流を行う前には、ダム管理事務所から市町、警察、消防等に対して、その旨を事前に通知いたしますとともに、河川敷などの利用者に対しましては、安全確保のため、川沿いに設置しております警報局からの放送を行うということとともに、ダム管理事務所職員が警報車に乗り込みまして、目視で確認を行いながら警報活動を実施すると、こういう状況に努めているところでございます。

 また、洪水予報に関してでございますけれども、椿山ダムから下流の日高川を水防法に基づく洪水予報河川に指定してございまして、県と気象台が共同して3時間後までの水位を予測し、その結果を踏まえ、氾濫警戒情報や氾濫危険情報などを発表していると、こういう状況でございます。

 このように、ダムからの放流情報や洪水予報に関する情報は、市町に対して速やかに提供をしております。市町におきましては、住民などに対しまして発令する避難勧告等の判断基準の一つとなっているというふうに承知をしてございます。

 なお、ダム管理事務所におきましては、市町への情報提供とは別に、県のホームページやテレビ和歌山のデータ放送において、ダムの運用状況の見える化も行っているところでございます。

 今後も、県管理ダムの適切な運用を行いますとともに、ダム下流の地域の皆様方へのわかりやすい情報発信に努めてまいりたいというふうに考えております。

○議長(岸本 健君) 楠本文郎君。

  〔楠本文郎君、登壇〕

○楠本文郎君 丁寧な答弁をいただきました。

 実は、ダム事務所と気象庁とも連絡をとりながらというお話を、きのう日高川町の議会でこの質問があったんですね。町長が答弁をされています。町長の答弁は、「放流量の増加とダム湖内の水位が上昇することによって、場合によればただし書き操作に入るかもと8年前のことが頭をよぎった」。町長というのは住民避難の号令かける責任者ですから、8年前は町長が深夜に号令かけてというところを受け継いでる現町長ですから、「住民避難のことを思い、常にダム事務所と連絡をとり、気象協会から発信される予想雨量と予想最大放流量の情報により、有事に備えた」ということでございます。

 これは、やっぱり臨場感がある答弁ではないかなと私は思うんですね。一旦こうやって23年、8年前の被災ですから、そのことを、当時は総務の担当者だった現町長がそれを想起するということになっていると。ですから、私が早い目、早い目の情報提供を住民にもお願いをしたという中身は、まさに幹部の皆さん方が、町長が一口放送で「避難」という言葉を使ったりしたら、もうそれでどっと行くわけですから、その前に情報をとり合うだけでなくて、住民の皆さんにも情報を流していくと。いろんなデータが出ているということもしっかりとお知らせをしてほしいということを、ここでは重ねて御要望申し上げておきたいと思います。

 それで、私はこの二つ目の問いかけのところで項目を、もう「御坊周辺では椿山ダムがあるから洪水は起こらない」という安全神話にも似たような部分は皆さん払拭しましょうと。現に、部長が答弁をされたように、30年間で2~3年に1回1000流しているけれども、藤井のグラウンドがつかってんのは、そのうちの手前の9年間で5回なんですよ。何や知らんけど、水がふえてるように見えるんです。じゃあ、その椿山ダムからの放流は同じように流しているのにもかかわらず、藤井のグラウンドが何でこんなに頻繁につかるようになったのかというところは、後のテーマにも若干あるんですけれども、いろんな要因があるかと思いますから、そのことを今後議論していきたいと思います。

 その議論の一つなんですが、3項目めです。ダムの貯留をできるだけ下げてもらえんやろうか。椿山ダム関連の3点目はそのことで、要するに貯水量を大きくしておかなならん、そしたら堆砂という貯水池の──貯水している池ですね。湖とも言えるぐらいの大きなもんですけども──その底にたまった土砂が少ないほうがよいわけですよね。堆砂容量は毎年調査されているでしょうか。その堆砂を除去できないのでしょうか。また、椿山ダム全体の貯水の容量、貯留が小さくなってきているのではないかというのが川下の声なんです。

 さらに、海抜184メートル以下に事前放流して、もっと低いところに置いとけんのかよという、そのことを視野に入れてもらえんかいと思ってます。その際の不都合な問題についてお答えをいただきたいと思います。

○議長(岸本 健君) 県土整備部長。

  〔髙松 諭君、登壇〕

○県土整備部長(髙松 諭君) まず、堆砂の調査と、それから堆砂の除去についてお尋ねをいただきました。

 椿山ダムでは、貯水池の測量を毎年行い、土砂の堆積状況を把握してございます。また、少しずつではございますけれども、堆積土砂の除去も毎年行っているところでございます。

 次に、ダムの容量についての御質問をいただきました。

 治水容量につきましては、土砂の堆積も含めた安全率を加味していること、また、治水容量とは別に100年分の堆砂容量を事前に確保していることから、現時点におきましては、堆積土砂が洪水調節能力に影響を及ぼしている状況であるとは考えておりません。

 ただし、このダムの堆積土砂につきましては、椿山ダムのみならず全国的な課題、検討項目になっておりますことから、引き続き国の動向も注視するなどいたしまして、情報収集に努めてまいりたいと、このように考えております。

 それから、最後に184メートル以下の放流ということでお尋ねをいただきました。

 標高184メートル以下に事前放流の目標水位を低下させることにつきましては、物理的には可能でございます。仮にそのようにダムの貯水位を低下させますと、貯水池内は池ではなく川のようになり、速い流れが発生いたします。そうしますと、通常でありますとフロート式の流木どめ、我々一般的には「網」という字に場所の「場」と書いて「網場(あば)」と呼んでおりますけれども、この網場で捕捉されるはずの流木が、網場を乗り越えましてダム堤体付近に到達することが想定されると、こういう状況でございます。

 そういたしますと、椿山ダムでは、県が管理いたしますほかのダムと比較して低い位置にコンジットゲートを設置しておりますことから、この流木がコンジットゲートで詰まる危険性が非常に高くなるという状況でございます。万が一、そのような事態となりますと、ダムのゲート操作が不可能となりまして、洪水調節機能を喪失するということになります。

 こうしたことから、楠本議員御指摘の標高184メートル以下に目標水位を低下させた事前放流を行いますことは、ダムの正常な機能を確保できなくなるおそれが高いということから、困難であるというふうに考えております。

○議長(岸本 健君) 楠本文郎君。

  〔楠本文郎君、登壇〕

○楠本文郎君 答弁としてはとても丁寧にいただいたので、私どもが考えていることと同じ方向を向いたものというのは確認ができたと思っているんです。それは、容量はまだ十分にあるけれども、しかし、コンジットゲートのあけ方によって調整していくという、この幅にあるということは今の答弁でも十分にわかりました。ですから、コンジットを全部あけといたらええんやとか、いろんな議論はあるんですけれども、文字どおり科学的に、じゃあこういう場合はどうだろうかということでしっかりと提案をしていきたいというふうに思っています。

 ただ1点、椿山ダムの湖面にたくさんの流木があるんですよね。それの回収といいますか、ちょっと遅いんと違うかと。だから、もしものとき用にああいう流木というのが浮かんできたら、すぐに撤去できるような形にはならないのかというふうな声もあります。今、コンジットをあけるときの邪魔になるという答弁もありましたから、その改善はこれからも求めていきたいなというふうに思います。

 そういう課題と合意点ということを確認さしていただいて、次の第2項の日高川水系整備計画の進捗状況を改めて問うというところに移りたいと思います。

 議長、お願いいたします。よろしいでしょうか。

 同じく台風10号に関連をしてなので、日高川水系の整備計画の進捗について、6月議会と重なりますけれども、続けてお尋ねをしていきます。

 まず1点目は、6月には西川本川の河川整備を優先して取り組まれているということが答弁をされました。

 まず、西川整備の現在の施工箇所の状況、今後の計画をお示しいただきたいと思います。

○議長(岸本 健君) 県土整備部長。

  〔髙松 諭君、登壇〕

○県土整備部長(髙松 諭君) 西川整備の整備状況に関する御質問をいただきました。

 西川の各施工箇所の整備状況につきましては、今年度中に大川橋から尾上橋までの区間におきまして、工事用台船進入のための暫定的な河道掘削が完了する予定でございます。また、来年の出水期までに、大川橋から尾上橋までの区間の両岸及び尾上橋から寺田橋までの区間の左岸におきまして、護岸工事が完了する予定でございます。

 この西川の河川整備につきましては、県議会の皆様、県選出の国会議員の皆様を初め、関係の方々の御尽力により成立いたしました防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策の予算を最大限活用するなどしまして、引き続き事業の進捗に努めてまいります。

○議長(岸本 健君) 楠本文郎君。

  〔楠本文郎君、登壇〕

○楠本文郎君 東裏川という川は西川の支流なんですが、台風10号でも冠水した箇所が広くあります。地域住民にとっては何とか早く対策をとってほしいという要望の強い場所です。

 もう少し東に行くと、ちょうど御坊駅が、ぎゅうんと曲がります。その御坊駅から道成寺駅に向かったところに道成寺の参道周辺があります。その参道あかんねらよ。こいが物すごいんよ、また。ほやさかいにねって、ここらあたりになったら御坊弁になるんですよ。西川をやってもらわなんだら、東裏川つかる、そこで冠水が多々出てくる、同時に道成寺の参道のところもつかるということで、台風10号の御坊周辺のというたら、道成寺は日高川町ですから、東裏川というのは日高川町と美浜町と御坊市にまたがる場所ですから、御坊のとか日高川町のとかって言うてられんのです。全てが西川にかかっている。予算欲しいんやらなあ。

 ですから、本当に国土強靱化は非常にありがたい予算だと思いますけれども、この治水効果の状況の中で一気に改善を図っていただきたいという声が高いということなんですね。

 西川水系の今後の整備方針とあわせて東裏川と堂閉川、そこの視野も御答弁をいただけたらと思います。

○議長(岸本 健君) 県土整備部長。

  〔髙松 諭君、登壇〕

○県土整備部長(髙松 諭君) 西川の支川の東裏川と堂閉川に関するお尋ねでございました。

 今回、この8月の台風10号によりまして、この西川の支川の東裏川と堂閉川におきまして道路冠水等があったことについては、県としても承知してございます。

 今、西川水系につきましては、下流の部分から順次整備を進めているところでございまして、こういった東裏川、堂閉川も含めました浸水対策につきましては、現在、下流から進めております西川本川の整備に一定のめどがつき次第、着手につきまして検討してまいりたい、このように考えているところでございます。

○議長(岸本 健君) 楠本文郎君。

  〔楠本文郎君、登壇〕

○楠本文郎君 ありがとうございます。

 次に、その関連で藤井の堤防の現状と今後の計画についてお尋ねをしていきます。

 白い補修箇所が藤井の堤防に目立ってまいりました。点から面になってきているのを見ると、堤防強化が見えて気持ちが落ちつくという住民の声をたくさんいただきます。

 堤防強化の取り組みとして、今年度計画の進捗及び今後の計画をお示しください。

○議長(岸本 健君) 県土整備部長。

  〔髙松 諭君、登壇〕

○県土整備部長(髙松 諭君) 日高川の藤井地区の状況につきましての御質問を頂戴いたしました。

 この藤井地区の藤井グラウンド前の約740メートルの区間でございますけども、この区間におきまして、平成29年度より張りコンクリートによる護岸の修繕工事を実施しているところでございます。昨年度までに約270メートルが完成をしてございます。今年度は、野口橋の下流の約150メートルの区間、こちらのほうを施工する予定としてございます。

 今後も、引き続き修繕工事を進めてまいりたい、このように考えてございます。

○議長(岸本 健君) 楠本文郎君。

  〔楠本文郎君、登壇〕

○楠本文郎君 地元では「ばんそうこうから包帯になった」というふうに表現をされてます。住民に期待と安心感、堤防の土台まで守ってもらえるんだというような意識が広がってるということを御報告申し上げておきたいと思いますが、藤井グラウンドはその低水護岸の上につくられてますから、それが根元のところを支えるプラスになっているものなんだと、その安全も見ながら施工されているということで、皆さんに御説明をしているというところです。

 既に国の国土強靱化対策予算として、同じく日高川のしゅんせつ、樹木伐採の方針が出されているんですね。実施の時期はまだ示されていませんでしたので、改めて聞きます。いつごろでどのような工事になっていくのかということと、藤井のグラウンドの真正面、打ちっ放しゴルフがあるところなんですが、そこのところに盛り上がった形で砂利がたまってるんですよ。この砂利が、先ほど申しましたように1000メートル、前にはつからなんだところが、グラウンドが今はつかるということになるのではないかという声があるんですね。だから、このグラウンドに濁流が流れ込んでしまわないようにという声を受けて、砂利の除去ということはならないのかということを御質問申し上げたいと思います。計画の中に入らないでしょうか。

 あわせて、一つつけ加えてなんですが、藤井の堤防だけでなくて野口の堤防の強化も必要だという声が多々あります。6月のときの答弁では「大丈夫だよ」という答弁だったんですけれども、野口防災センターの建設でその部分は強化されているんですけれども、既に使われなくなった水路の管路が内側から外側に通っていて、そこが状態の弱いままだということで、改善を求める住民の要望もあります。これは、事前にお知らせをしておりませんので、御答弁については差し支えるかもしれませんけれども、両面の要望があるということでお答えをいただけたらと思います。

○議長(岸本 健君) 県土整備部長。

  〔髙松 諭君、登壇〕

○県土整備部長(髙松 諭君) まず、日高川の樹木の伐採の件で御質問をいただきました。

 日高川本川におきましては、今年度より天田橋から野口橋の間の樹木の密集地におきまして、基本的には下流から樹木の伐採を行い、さらに、再び繁茂することを防止いたします再繁茂防止のための除根と掘削も行うこととしてございます。

 今年度の工事箇所でございますけれども、本年5月に御坊市自治連合会の通常総会で御説明申し上げているところでございますけれども、天田橋上流の左岸側、それから御坊大橋下流の左岸側など、合計約600メートルの区間について、これを予定してございます。次年度以降も順次実施してまいりたいと、こういうふうに考えてございます。

 それから、藤井グラウンドの対岸の堆積した砂利の件について御質問いただきました。

 また、この日高川本川の藤井地区及び野口地区でございますけれども、水面上に砂州があるということから、一見すると土砂が著しく堆積しているように見えるという状況ではございますけれども、ここにつきましては、平成23年台風第12号によります洪水と同規模の洪水を流下させることができるということで、現時点では、議員御指摘の藤井グラウンドの対岸箇所について土砂を撤去する予定はございません。

 野口のところの水路の話もございましたけれども、今後、河道内の土砂堆積、あるいはいろんな構造物の状況など、そういったところをきちっと管理をしていきまして、土砂堆積などが著しく進行しているという状況が見受けられる場合には、土砂撤去を行うなどということを含めまして、適切な管理に努めてまいりたいというふうに考えてございます。

○議長(岸本 健君) 楠本文郎君。

  〔楠本文郎君、登壇〕

○楠本文郎君 丁寧にお答えいただきました。

 この項の最後に、県道御坊美山線藤井地内の道路整備についてお尋ねします。

 6月の答弁を聞いて以来、地域住民の方から「いよいよ道路拡幅に動き出してもらえる」、「今年度予算の調査費だから、もうすぐこれからの方向性が示されることになると心待ちをしている」ということがお話しされました。

 現在の進捗状況について御報告をいただきたいと思います。

○議長(岸本 健君) 県土整備部長。

  〔髙松 諭君、登壇〕

○県土整備部長(髙松 諭君) 県道御坊美山線の藤井地内の道路整備の進捗状況についてお尋ねをいただきました。

 県道御坊美山線藤井地内の道路整備に関してでございますけれども、先般9月15日に堤防の地質調査並びに道路整備に必要な現地測量の立ち入りにつきまして、地元の藤井区に対しまして説明会を実施したところでございます。

 この説明会では、堤内側、いわゆる民地側でございますけども、民地側へ道路を拡幅する考え方につきまして御説明を行った上で、現地測量を進めていくということにつきまして、同意を得たところでございます。

 今後、現地測量を実施し、具体的な道路計画について地元の皆様方へ説明を行いながら道路整備を進めてまいりたい、このように考えてございます。

○議長(岸本 健君) 楠本文郎君。

  〔楠本文郎君、登壇〕

○楠本文郎君 文字どおり、9月15日に地元説明会がなされて、民地側で地元が受け入れを同意されたという答弁は非常に大きな一歩だと思って、感謝申し上げたいと思います。

 それでは、届け出項目の3点目に移らしていただきたいと思います。部長、ありがとうございました。

 私の三つ目の質問は、紀の国森づくり税と森林環境譲与税について通告を申し上げました。

 日本の国土は、森林が国土面積の3分の2を占めて、木材の供給とともに国土・環境の保全、水資源の涵養、生物多様性など、広域的な機能を有して、国民生活に不可欠な役割を果たしている。同時に、CO2(二酸化炭素)の吸収・固定による地球温暖化防止への寄与など、低酸素社会の実現にも欠かせない資源だと理解しています。この大事な役割を持つ森林を、歴史的に維持管理してきたのが林業だと思います。それが今、危機に瀕していると言われているわけです。

 その現状を打開するためにということで、森林環境税が国税として創設されたと把握しています。ことし、この配分として、森林環境譲与税として県にも、県内30市町村にも分配をされる。2019年度は全国で200億円、県分として9612万5000円、市町村計で3億8446万4000円、合計4億8000万円余りが和歌山県に分配されるということが示されています。

 税の集め方はちょっとひねってるんです。今既に課税されている市町村民税均等割に500円、県民税均等割に500円上乗せされている、現行は東日本復興特別税なんですが、それが終了する2024年から、今度は森林環境税として引き続き国税として課税されるということになっているという把握でよろしいと思います。

 一方、和歌山県には既に紀の国森づくり税が県民税均等割に上乗せをされている。個人県民税均等割に500円、法人県民税均等割に5%の超過課税です。2007年(平成19年)から始まり、2017年(平成29年)から再延長され、ことしはその3年目となってます。年間約2億6000万円の税収見込みで紀の国森づくり基金に入れられ、基金活用事業として、平成30年度には12年間累積で約28億円の事業実施、基金残額は4億900万円と広報されています。これだけの森林環境を改善するための事業が展開されてきている。

 ちょうど1年前の9月議会に、先輩議員がとても丁寧な一般質問をされておりました。それに基づいて質問しようと思ったら、きのうもきょうも繰り返しこのことが質問をされていますので、残った部分だけ私がお尋ねを、私の発想で残った分だけお尋ねをするということにしたいと思います。

 なぜ目的税として、ある意味二重に課税とまで言われている形で森林に投資するのか。これからついて回るテーマでもあるかと思います。

 そこで、日本の森林、林業の現状と課題の中で、本県の特性、独自課題もあると思いますので、その対策も含め認識をお示しいただきたいと思います。

○議長(岸本 健君) 農林水産部長角谷博史君。

  〔角谷博史君、登壇〕

○農林水産部長(角谷博史君) 本県の森林、林業の課題については、長期にわたる木材価格の低迷や、地形が急峻であるがゆえ、他県に比べ生産コストが高く、林業従事者の減少、高齢化が進んでおります。こうしたことにより、手入れの滞った森林が増加し、水資源の涵養や洪水防止など、森林が持つ公益的な機能の低下が懸念されます。

 このため県では、生産コストの低減に向けて、林道等の路網整備を初め、プロセッサーなどの高性能林業機械の導入や油圧式集材機の開発などを推進しているところでございます。

 また、首都圏での展示会への出展や見本市の開催に加え、公共建築物や木造住宅での利用に対する支援などにより、紀州材の販路開拓、需要拡大にも取り組んでおります。

 さらに、平成29年度に農林大学校林業研修部を新設し、人材の育成に取り組むとともに、新たな担い手を確保するため、今年度から都市部での林業体感セミナーの開催や市町村及びわかやま林業労働力確保支援センターと連携した仕事、住まい、暮らし等をワンストップでサポートする体制を整えたところでございます。

 戦後植林された杉やヒノキが成長し、森林資源の本格的な利用期を迎えている現在、林業の再生を図る絶好のチャンスと捉え、今後とも森林整備を初め、低コスト林業の推進や紀州材の販売促進に加え、担い手の育成確保により林業の活性化に取り組んでまいる所存でございます。

○議長(岸本 健君) 楠本文郎君。

  〔楠本文郎君、登壇〕

○楠本文郎君 きのうの午後、そしてきょうの午前、同じような質問をして、答弁も重なりが出てくるんですよね。そら、同じことを聞いてんねから当たり前の話で。

 もう単刀直入に2点目の質問を申し上げるんですけれども、森づくり基金活用事業というのは、公募事業と県が取り組む事業があって、これ大別されるんやろな。実は私、その町内会長、区長というのを仰せつかったときに、公募事業のほうに申し込みさしてもうてあるんですよ。その分でいうたら、どえらい審査難しかったで。何回も事務的には書き直されたで。ほいでも、森をつくらしてもらったんです。そういうことがイメージの中にあるもんですから、今度の森林環境税とこの森づくり基金活用事業とをどう分けていくのかというところをもう一回、現在の到達点としてお示しをいただきたいと思います。

○議長(岸本 健君) 農林水産部長。

  〔角谷博史君、登壇〕

○農林水産部長(角谷博史君) 森林環境譲与税は、市町村が行う人工林の間伐や公共施設での木材利用などに使われることとなっております。

 一方、紀の国森づくり税は、県が取り組む施策として、小中学生を対象とした緑育活動や貴重な森林を公有化する新紀州御留林に加え、今年度から県が実施する防災上必要な集落周辺の森林整備や国の制度の対象とならない間伐への助成に活用しております。さらに、議員お話しのように、県内の団体等がみずから企画実施する公募事業にも使われることとなっております。

 この公募事業については、例えば里山を再生するための広葉樹の植栽でありますとか、竹林・松林の整備、森林の機能を学ぶ間伐や木工体験などを実施する場合に補助するものでございまして、紀の国森づくり税は森林環境譲与税とのすみ分けを行っているところでございます。

○議長(岸本 健君) 楠本文郎君。

  〔楠本文郎君、登壇〕

○楠本文郎君 ありがとうございました。

 わかったようなわからんようなという部分がまだあるんです。ただ、森づくり税は5カ年計画の3カ年目、あと2カ年残します。でも、森林譲与税は、まだ実際には負担を皆さんにお願いしてないんやらな。2024年からお願いしますよということで、事業はこれから前倒しでやっていく市町に8割、9割と、9割から入って8割へ抜けていくというのもありますから、これをじっくり私らが見せてもらう中で、なるほど、仕分けわかったよということもあり得るかと思ってますので、そういう状況の中でまた教えてもらえたらと思います。

 以上で、この項は終わらしていただきます。

 それで、お待たせいたしました。教育長にお尋ねをしたいことでございます。

 どうもこういうことになるのではないかと心配をしておったんです。30分ほど欲しいテーマなんですが、8分です。それで、端的にお尋ねをしていきたいと思います。

 学校図書館へ司書を配置して充実しましょう、第5次学校図書館図書整備等5か年計画が2017年からスタートしています。ことしは同じく第5次の3年目です。

 和歌山県内においては、第4次までの20年間に比べて、この5カ年の中で前進をしてきたことは明らかだと思っているんですが、この5か年計画は、図書の整備と学校図書館へ新聞を配備せえということと、3点目には学校司書の配置という、この三つの並びのテーマになってるんですよね。

 私は、キーワードは司書の配置やと思うてるんです。図書何ぼ置いてあっても、楠本みたいなおいやんがよう整理せんですよね。やっぱりマンパワーだと思ってるんです。この配備がどうなのかというところをお尋ねしたいわけで、そのためには、学校司書、図書館司書というのはどんな役割を果たしているのかということと、県立高校ですね、ここの学校図書館司書の配置状況、並びに、県はつかまえられる立場にあると思いますので、県下の市町村の小中学校の司書の配置状況はどうなのかをお示しいただきたいと思います。

○議長(岸本 健君) 教育長宮﨑 泉君。

  〔宮﨑 泉君、登壇〕

○教育長(宮﨑 泉君) 学校図書館は、子供の想像力や豊かな心を育む場であるとともに、調べ学習などの自発的な学習活動を実現する重要な役割を担っております。

 また、学校司書の配置によって、学校図書館の整備充実が図られ、学習環境が整うことで子供たちの豊かな学びにつながると考えております。

 学校司書の今年度の配置状況は、県立学校については全てに配置しております。また、市町村立の小中学校については、24市町に63名、347校中217校、63%の学校に配置されておりますが、十分な状況とは認識をしておりません。

○議長(岸本 健君) 楠本文郎君。

  〔楠本文郎君、登壇〕

○楠本文郎君 学校図書館がどう生かされるかということは、豊かな人間を育む子供を育てる上で必要不可欠なポジショニングを持っていると私は思っています。

 実は、1991年に教師やめた私が、地域外のいわゆる家庭の教育、学校教育、地域教育という3本立ての中で、何らか地域教育にかかわらないかんと思って問題意識を持ってたさなかに、御坊市の市立図書館の館長から声がかかりました。「川から南の子供たちは御坊市立図書館にいっこも来れない状態だ」。距離があって、橋越えて遊びに行ったらあかんという学校の校則があるから、だから行けんのです、図書館へ自分らでは。お父ちゃん、お母ちゃんに乗せてってもらうしかない。

 そんなんで、その図書館長、僕、偉かったと思います。公民館の分館あるからそこ借りて、県立図書館の本を借りて、私の地域で図書館を開いたんです。あしたも私、当番なんですよ。28年間ずっと本読んでるんです。「じごくのそうべえ」って読んだら喜ぶんです。女の子は「わたしのワンピース」、何十回でも読んでくれって言うんです。これ地域のおいやん。

 高校へ行ったら全部司書あるんやらよ。今の小学校、中学校の子供たちが、ほんまに子供読めてるんやろうかということでいうたら、僕、今の学校の先生らの置かれた立場は把握してるつもりなんです。学校司書に任命された先生が図書館へ入って本を整理するいとまもないという、片っぽあるわけでしょう。地域で、おじいかおいやんか知らんけど「読み聞かせ好きな子供たちが学校行って本読むような場、つくっちゃろらよ」ということが、これ実は第5次、文科省が言うてるわけでしょう。地方交付税までつけるって言うてるわけでしょう。だから、そういう分でいうたら、この必要性というのは教育長はもう十分に認識をされてると思いますので、小中学校の学校司書をふやしてもらえるように、県の教育委員会として、どんなに手かしてくれらということを答弁いただいておきたいと思います。

○議長(岸本 健君) 教育長。

  〔宮﨑 泉君、登壇〕

○教育長(宮﨑 泉君) 市町村立小中学校の学校司書については、1校当たりにするとおおむね年間約70万円程度の国からの地方財政措置が講じられております。こうした中ですが、各市町村では学校司書の必要性を重視し、さまざまな工夫を行い、その配置数は年々ふえてきております。

 県教育委員会では、学校図書館担当教員や学校司書などを対象に研修会を行うとともに、ボランティアの協力も得ながら、読書好きな子供の育成と学校図書館の充実を図っているところでございます。

 今後もこれまで以上に、国に対して、全ての小中学校に専任の学校司書を配置できるよう、定数措置を要望してまいります。(「ありがとうございました。終わります」と呼ぶ者あり)

○議長(岸本 健君) 以上で、楠本文郎君の質問が終了いたしました。

 質疑及び一般質問を続行いたします。

 27番山下直也君

  〔山下直也君、登壇〕(拍手)

○山下直也君 皆さん、こんにちは。自民党県議団、山下直也でございます。

 今、議長のお許しをいただきました。実は、さきの6月定例会におきましても一般質問を行ったところでありますが、本定例会一般質問におきましてもこうして最終登壇者、質問者を務めることとなりました。先輩・同僚議員の皆さん、そして知事並びに県当局の皆様方、連日続く一般質問になります。いささかお疲れだろうとは思いますけれども、何とぞあとしばらくの間、おつき合いのほどよろしくお願いを申し上げます。

 6月定例会のときは、私の政治信条であります現場第一主義ということに基づき、県民の皆様からお伺いをした不安に思っていらっしゃること、風水害や地震などの自然災害、また経済的不安などについて質問をいたし、当局の答弁をいただいたところであります。そしてそのとき、県民の皆様の不安を払拭し、安心して生活していただけるためには、まず何よりも県民の皆さん方の生命、命をどう守っていくかということが大変重要であるというふうに感じました。

 そこで本定例会では、この場をおかりいたしまして、一般質問、命ということをテーマに、幾つかある深刻な社会問題等について当局の見解をお伺いいたしたいと思います。

 なお、私の一般質問を、さまざまな要因により現在悩み苦しんでおられる方々が聞いてくれているかもしれません。どうか当局におかれましては、その点、誠意ある御答弁をよろしくお願いを申し上げます。

 それでは、質問に入ります。

 1項目め、がん対策についてであります。

 9月4日の「読売新聞」の記事によれば、がん患者らが治療しながら働けるよう就労環境を整えた企業向けに国が始めた助成金制度が、初年度の2017年度、約750件分の予算を確保していたにもかかわらず、わずか14件しか使われていないことが判明したとのことでありました。

 国は、2018年度以降、助成金額をふやした上で、企業側にも治療と仕事の両立への理解を求めており、具体的にこの両立に関しては、時間単位で年次有給休暇をとれるようにすること、始業や終業の時間を変更し、時差通勤ができるようにすること、短時間勤務で身体の負担を軽減すること、パソコンなどを活用し、テレワークを可能にすることなど、推奨しておられます。

 私は、6月定例会におきまして、国立がん研究センターの調査結果から、企業の規模にかかわらず、がんにかかった3割の会社員が離職の不安を抱えていること、また、がんになったときに会社に相談しない会社員の割合が大企業に比べて極めて高いことなどに大きな不安を覚えたため、本県におけるがんにかかった会社員の方々が自分らしく働き続けられるような環境整備に県としてどう取り組んでいくのか、当局にお尋ねをしたところであります。

 その際、当局からは、国が平成28年度示した事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン、これに基づき、県内9カ所のがん診療連携拠点病院等に設置しておりますがん相談支援センターにおける相談支援や情報提供、平成29年7月に設置した和歌山県地域両立支援推進チームによる治療と仕事の両立に関する取り組み状況の共有、さらに、労働セミナー等の機会を通じて職場環境の整備に理解を求めていただくなど、さまざまな取り組みを行っていただいていることを答弁いただき、大変心強く感じたところでありますが、今回のこの「読売新聞」の記事を拝見いたしまして、全国的に理解が進んでいない実情もまた痛感したところであります。

 制度の活用促進に関しましては地道な啓発活動等が必要なことは理解できるわけでありますが、最終的には、がん患者となった従業員に対する企業経営者の深い理解と協力が必要であります。しかしながら、本県の大多数を占める中小零細企業におきましては、経営環境が厳しい中で、がんにかかった従業員の方への支援というところまで十分に対応できていないのではないでしょうか。

 そこで、企業経営者に理解を深めていただくための対策として、まずは商工観光労働部長にお尋ねをいたします。

○議長(岸本 健君) ただいまの山下直也君の質問に対する答弁を求めます。

 商工観光労働部長稲本英介君。

  〔稲本英介君、登壇〕

○商工観光労働部長(稲本英介君) 治療と仕事の両立は、患者にとっては適切な治療を受けながら仕事が続けられる可能性が高まり、また、企業にとっては疾病による従業員の離職を防ぐことができ、人材の定着が可能になるなど、双方にとって重要なことだと考えております。

 国においても、働き方改革の主要な項目の一つとして位置づけられており、その実現のためには職場の理解と環境整備が必要です。

 県では、5月に開催した労働セミナーにおいて、治療のための時間単位の休暇や短時間勤務制度、自宅で働くことができるテレワークの導入など、取り組みの好事例を参考にしながら、治療と仕事の両立に向けた職場環境の整備を企業に対して促しました。その後も企業、団体へ個別訪問するなど、さまざまな機会を通じて啓発しているところです。

 その上で、企業により理解を深めていただくため、誰もが差別のない働きやすい職場環境を実現する目的で、本日から12月にかけて県内各地で開催する企業向け人権研修においても、従業員に対する職場内でのサポートや柔軟な配置転換、治療のための休暇、勤務制度の充実など、治療と仕事の両立に係る支援が重要であることを訴えることとしております。

 県内企業の理解を深めるためには、県からだけではなく、いろいろな方面から周知を図ることが肝要と思われます。そこで、企業が取り組みを進めるよう、労働局や商工会議所を初めとする経済団体、労働組合等に対し、働きかけを強めてまいりたいと考えております。

○議長(岸本 健君) 山下直也君。

  〔山下直也君、登壇〕

○山下直也君 今、商工観光労働部長に御答弁いただきました。

 それで結構でありますけれども、実はもう皆さん方よく御承知のとおり、このがんというものでありますけれども、これから恐らく3人に1人、もしくは2人に1人、なる可能性が高いというぐらいのものでありまして、とりわけ気になるのが──これは全部心配ですよ。心配なんだけれども、とりわけ気になるというのがやっぱり働き盛りの皆さん方の就労の問題です。だから、この点を今回も取り上げさしていただいたわけであります。どうかその点、御理解いただきまして、今御答弁いただきましたけれども、しっかりその点よろしくお願い申し上げたいと思います。

 次に、がんの先進医療であるホウ素中性子捕捉療法、いわゆるBNCTについてお尋ねをいたします。

 がんの治療方法につきましては、研究者の方々のたゆまぬ努力により、飛躍的な進歩を遂げてきております。先日も和歌山県立医科大学附属病院への膵がんセンターの開設が発表されました。県内の膵がんによる死亡者の割合は高く、山上病院長によれば、診断と治療が難しい膵がんについて、患者や家族が気軽に相談できるホットラインの開設、早期の診断及び先進的な治療により死亡率の低下を図り、ひいては膵がんを克服したいとのことでありました。実に頼もしい限りであります。

 しかし、このように治療方法や患者さんを支える体制が徐々に整備されてきてはおりますけれども、やはり現時点でのがんの克服は道半ばと言わざるを得ないのではないでしょうか。これからも先進的な医療について十分に情報を収集し、状況によってその導入を検討していくことは、県民のとうとい命を守る上で重要なことではないでしょうか。

 がん対策をライフワークの一つとして位置づけている私は、これまでさまざまな先進医療についての勉強を重ねてまいりました。本日お尋ねするホウ素中性子捕捉療法(BNCT)についても研究施設の視察などを行い、平成26年12月定例会、平成27年12月定例会において、県内へのBNCT導入についてお尋ねをしたところであります。

 その時点では、当局でも南東北BNCT研究センター等に職員を派遣され、検討を進めた結果、まだ時期尚早との答弁をいただいたところでありますが、その後、脳腫瘍と頭頸部のがんについては治験も行われ、BNCTの実用化に向けた取り組みが進められているとの情報もあります。

 導入に係るコストがかかること、中性子のビームを安定的に大容量発生させる技術の開発が必要なこと、また、がんの部位ごとにホウ素薬剤の安定的な供給が可能かどうかなど、課題はあるわけでございますけれども、治療時間が30分程度、検査を含めても入院期間が1週間程度と短いこと、中性子発生源の技術によって患者やスタッフの被曝が大幅に減少することなど、メリットも大きなものがあります。

 今後、肝臓、肺、また乳房など、他の部位におきましても研究が進んでいくと思われますが、これらの現状を踏まえたBNCTに対する県の検討状況について、福祉保健部長にお尋ねをいたします。

○議長(岸本 健君) 福祉保健部長宮本浩之君。

  〔宮本浩之君、登壇〕

○福祉保健部長(宮本浩之君) ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)につきましては、再発悪性脳腫瘍や頭頸部がんなどの難治がんに対する化学療法と放射線治療が融合された新たな治療法として研究が進められています。

 この治療法は、特に正常細胞をほとんど傷つけることなく、がん細胞のみをピンポイントで破壊できることや、何度も通院することなく、原則1回の照射で治療が完了することなど、患者への負担が少ないといった特徴があるとされています。

 近年、技術の進展により、病院に設置可能な小型の加速器を用いた治療法が開発され、国内では京都大学などのグループや筑波大学が中心となったグループなどが実用化に向け、研究を進めていると聞いています。

 現在、BNCTは、一部の施設においては、特に頭頸部がんについては通常の医療の前段階まで進んできておりますが、ホウ素薬剤の集積性の問題などがあり、適応となるがん種が限られていること、建設・運営費用が膨大であること、また、総じて研究途上の技術であることなど、多くの課題があり、現時点ではBNCT施設を設置できる状況に至っておりません。

 県としましては、今後、技術革新によるコストダウンや適応となるがん種の拡大につながるホウ素薬剤の開発状況などについて、積極的な情報収集に努め、慎重に検討してまいりたいと考えています。

○議長(岸本 健君) 山下直也君。

  〔山下直也君、登壇〕

○山下直也君 9月13日の「朝日新聞」に、がん患者の治療費や療養費のうち、公的医療保険の対象にならないものについて独自に助成を行う自治体が広がっているという記事が掲載されており、本県も先駆的な取り組みを行っている自治体として取り上げられておりました。

 具体的には、既に実施している重粒子や陽子線治療など、先進医療に対する助成に加え、今年度から若い患者への支援として、抗がん剤や放射線治療によって生殖機能が損なわれ、将来子供が持てなくなるおそれがある場合に、治療前に精子や卵子を凍結保存しておく費用を支援する事業と、介護保険が使えない40歳未満の在宅治療を希望する末期がん患者に対し、訪問介護や介護ベッドのレンタル費用を助成する事業を開始したというものでありました。

 いずれも、若い患者さんががんになっても自分らしく生きるための支援であり、和歌山県がん対策推進条例の制定にいささか力を尽くしてきた私といたしまして、大変心強く感じておりますが、こうした取り組みも助成制度自体を患者さんが知らず、また、御家族が知らず、利用されないということでは意味がないのであります。

 また、私のがん対策についての考え方は、できることは全てやるというものであります。知事も先日9月15日の「きのくに21」において、がん対策について説明をされておられましたが、県当局におきましては、患者や医療従事者などに対し、制度の周知をしっかりやっていただくよう要望いたしまして、がん対策の質問を終わりたいと思います。

 2項目め、発達障害についてお尋ねをいたします。

 9月2日の「朝日新聞」に、「発達障害、寄り添うため 特性は多様、早めに専門機関へ」という見出しの記者解説が掲載されておりました。私の知人でも、技能がとてもすぐれているのに特定の判断だけができない、初めはそれを特性と認めることができなかったという方が結構おられます。その話を伺って、私はもっと早期に適切な支援が受けられれば、悩みや苦しみが軽減できたのではないかと考えました。

 先述した「朝日新聞」の記者解説は、成長段階に応じて発達障害に苦しんでおられる方の様子を詳しく紹介しておりますので、この内容に基づいて、発達障害に係る私の質問を行いたいと思います。

 発達障害といっても、読み書きや計算など、特定の課題の学習につまずく、いわゆる学習障害、また、こだわりが強く、他人の気持ちを想像したり共感したりすることが苦手な自閉スペクトラム症、忘れ物や遅刻など不注意が多く、また、落ちつきがなかったりする注意欠陥・多動性障害など、さまざまでありまして、光や音、暑さや寒さなど、特定の刺激にとても敏感な方など、症状は一様ではないのであります。そして、発達障害の原因は脳の機能障害であり、当事者はその特性と生涯向き合う必要があるため、医師や臨床心理士等の専門家と早期につながることは大変重要なことであります。

 幼少期におきましては、行政機関における早期の支援がなされていると思いますが、まず、本県の幼少期における支援体制及び内容について、福祉保健部長にお尋ねをいたします。

○議長(岸本 健君) 福祉保健部長。

  〔宮本浩之君、登壇〕

○福祉保健部長(宮本浩之君) 幼少期におきましては、市町村が実施する1歳6カ月時や3歳時における幼児健診で発育状況を確認する中で、保健師が発育のおくれに気づき、家族に障害を受け入れてもらうとともに、障害福祉サービスなどの支援が受けられるよう、医療機関の診断を受け、社会生活に適応するための訓練を行うことが必要となります。

 しかしながら、健診の段階では発達障害の症状が顕著にあらわれていない場合や、症状が軽度であるため、家族が障害であることを受け入れられないことが少なくなく、早期の支援につなげられないことが大きな課題となっています。

 そうした方々を対象に、障害があることを理解してもらい、少しでも早い支援につなげられるよう、和歌山県発達障害者支援センター「ポラリス」を開設しているところです。

 ポラリスでは、経験豊富な臨床心理士や社会福祉士など、さまざまな職種の専門家が常駐し、全国の先進事例や研究事例等を踏まえ、相談者に寄り添った面談をすることで、相談者が障害を受け入れられるような取り組みを進めています。

 しかしながら、文部科学省が実施した通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査によると、小学校の通常学級において、学習面または行動面において著しい困難を示し、発達障害と疑われる児童生徒が一定の割合で存在している状況から、まだまだ相談につながっていない児童の現状が明らかになっています。

 県としましては、幼児教育や学校教育における日常のかかわりの中で、発達障害の特徴的な動作を見逃さず、一人でも多く早期に発見することが必要であると考えています。

 そのため、平成28年度からポラリスにおいて、保育士や幼稚園、小学校の教師を対象とした研修会を開催し、発達障害に対する知識を高めることで、発達障害のある児童を支援につなげていけるよう取り組んでいるところです。

○議長(岸本 健君) 山下直也君。

  〔山下直也君、登壇〕

○山下直也君 部長に御答弁いただきました。

 次の質問に移ります。学校における支援体制等についてお尋ねをいたします。

 幼少期の支援体制を受けた後、特性を持った方は小学校から中学校、高等学校と学校教育段階に移行してまいります。

 「朝日新聞」によりますと、県立和歌山東高等学校では、発達に課題がある生徒の保護者とは入学前の早い時期に面談を行い、例えば、読み書きの苦手な生徒に対して、在籍する通常学級で黒板を書き写しやすくするために、重要なことは黄色の線で囲むなど工夫をしているとのことであり、すばらしい取り組みをされていることがわかりました。

 このような丁寧な取り組みについて、義務教育段階におきましてもしっかり対応いただいていると思いますが、学校教育段階における支援体制及び内容について、改めて教育長にお尋ねをいたします。

○議長(岸本 健君) 教育長宮﨑 泉君。

  〔宮﨑 泉君、登壇〕

○教育長(宮﨑 泉君) 発達障害のある児童生徒への学校における支援体制についてお答えいたします。

 平成19年度に特殊教育から特別支援教育へ制度的転換されたことを踏まえ、小中学校では、全ての市町村を国の事業などを活用して研究指定地域とし、発達障害のある児童生徒の支援を含む特別支援教育を推進する体制づくりを進めてきました。

 高等学校においては、和歌山東高校を初めとする3校が研究指定を受け、発達障害を含め、障害のある生徒一人一人の特性に応じた指導及び支援の充実に努めてまいりました。その教育成果は大きく、特別支援教育の視点での取り組みは他の高校にも広まっています。

 こうした中、県教育委員会では、教員の発達障害の児童生徒の特性や支援方法等についての理解を深めるため、指導事例集や実践資料集を作成するとともに、県内公立幼稚園、小中学校、高等学校の全ての教員が平成26年から5カ年間で受講する特別支援教育基礎・基本研修を実施してきました。これは全国的に見ても先行的な取り組みで、本県教員の発達障害のある児童生徒に対する理解と対応力は大きく向上しました。

 さらに、本県では、従前から小中学校への特別支援学級の設置に取り組み、知的障害や肢体不自由等、障害の種別に応じた少人数学級での教育を実施してきました。加えて、通常の学級に在籍する発達障害等の児童生徒の学校生活上の困難さの改善、克服に向けた指導を行う通級指導教室の設置拡充にも取り組んでいます。

 また、高等学校の通級指導教室は、昨年度国で制度化され、現在、有田中央高等学校、新翔高等学校、貴志川高等学校の3校に置かれています。

 今後も引き続き、発達障害のある児童生徒に対する小・中・高等学校の切れ目のない支援体制の充実に努めてまいります。

○議長(岸本 健君) 山下直也君。

  〔山下直也君、登壇〕

○山下直也君 教育長から御答弁いただきました。

 今、幼少期、そして小中高と尋ねてきたわけでありますが、いよいよ次は成人期における支援体制等についてであります。

 平成17年に発達障害者支援法が制定され、平成28年には、国民は、個々の発達障害の特性等に対する理解を深め、発達障害者の自立及び社会参加に協力するように努めることなど、所要の改正が行われました。

 しかし、今まだ、さきに述べてきましたように、そんな症状が特性と理解されずに、困難を抱えたままで見過ごされ、今なお苦しんでいる方々がいらっしゃいます。また、障害の傾向があるものの適切な支援を受けられない、いわゆるグレーゾーンで苦しんでいる方々もいらっしゃいます。

 このような成人段階で苦しんでいる方々への診断、支援体制等について、福祉保健部長にお尋ねをいたします。

○議長(岸本 健君) 福祉保健部長。

  〔宮本浩之君、登壇〕

○福祉保健部長(宮本浩之君) 幼少期、就学期においては、保育士や教師の支援により対応できていたことが、学校を卒業し社会環境が広がるとともに、周囲の支援が少なくなることから、自分にできないことがふえ、成人期になって初めてみずからの発達障害を疑うケースがふえています。

 幼少期では、定期健診や教育現場において、保育士や教師等がさまざまな行動の中から発見して相談につなげていくことに対して、成人期においては、みずからが発達障害に気づき理解することで、みずからが相談や支援を求めていくという、より主体的な行動が必要になっています。

 そのため、発達障害自体の理解を深めるための取り組みとともに、身近な保健所や市町村の相談窓口に加え、より専門的相談機関である発達障害者支援センター「ポラリス」の周知啓発に取り組んできたところです。

 そうしたことから、ポラリスにおける成人の相談状況は、平成18年度の創設当時には64人であったのに対し、平成30年度は484人と約8倍の増加となっています。

 県としましては、引き続き社会全体に発達障害の理解を広め、市町村や地域の相談窓口の機能をさらに強化させるために、ポラリスとの密接な連携体制を構築するとともに、ポラリス自体の機能の強化についても取り組んでまいります。

○議長(岸本 健君) 山下直也君。

  〔山下直也君、登壇〕

○山下直也君 福祉保健部長、御答弁ありがとうございます。

 今、福祉保健部長から県発達支援センターのポラリス、この機能強化を図っていくとの答弁をいただきました。現在でもポラリスには多くの皆さんが相談に訪れているとお聞きをしたわけでありますが、まだ県民の方にポラリスの機能など十分周知できていないかと思います。

 現に私はこの問題に直面して、いろんなところを訪ねました。そのときにはポラリスさんも当たったんです。でも残念ながら、子供の発達障害の診断はできるけれども、大人についてはやっていないということでありました。それから、医大にも問い合わせたと思いますけども、たしか何カ月待ち、かなり長い時間を要するというような状況だったと思います。

 この問題について一番わかってもらいにくい点は、発達障害の方というのは、いろいろ接しておってもわからない部分が多いんですよ。そんな中で、いろんな特性を持って本人は悩み苦しむわけでありますから、自分が一体発達障害なのかどうなのかという診断をしてほしいという方は、実は大人になっても結構おられるんです。そのときに、とんでもないと言う方もおって、「大人になって発達障害って知ってどうすんねや」という大変な間違いを言う人も実はありました。違うんですね。やっぱり大人になってからでも、自分のそういうところを診断していただいて、なるほど、こういうことで自分はこういうところが弱かったのかと。

 例えば、実際にありましたのが、英語はすごくできる方でありますけれども、時計の見方がわからない、そういう方もあります。大学まで卒業を立派にされて活躍されておられる。しかし、時計の見方がわからない。また、計算の仕方がわからない、そういう方もおられるんです。

 そういうことの中で、大変、社会に出ていってから、いろんな職場等々において困ったり、それから浮いてしまったり孤立してしまったりするんですよね。そういうことで苦しんでおられます。どうかその点をよく御理解いただきまして、これからの対策もお願いしたいと思うわけであります。

 発達障害の支援につきましては、幼少期から早期に相談して、継続した相談、支援が大変重要であると思います。そのためにも、今以上に発達障害の相談・支援機関としてのポラリスの広報というものを大いに行っていただくととともに、幼少期から成人段階まで相談、支援が受けられるよう、体制の強化を整えていただくよう要望さしていただきまして、発達障害についての私の質問は終わります。

 いよいよ最後の項目であります。最後の質問は、自殺対策についてであります。

 厚生労働省の2018年の人口動態統計、これによれば、和歌山県内の自殺者は197人であり、人口10万人当たり自殺死亡率は全国最悪になったとのことであります。これまでも自殺死亡率が高くなった年がありましたが、全国最悪となったのは初めてのことであります。

 知事も、本年7月の2日の記者会見で「対策は講じているので、それを一生懸命やるのはもちろんであるが、さらにいろいろ調べて欠けているところは補って対策を講じて、県民の皆さんに元気を出してもらえるようなことをやっていきたい」、そう発言をされました。全く同感であります。県民の命を守れずして、どうして県の長期総合計画で目指すべき将来像として表現しておられる「世界とつながる愛着ある元気な和歌山」が実現できるのでありましょうか。

 私は、自殺対策は大変デリケートな問題で、また、県が取り組むべき大きな、そして対策が多岐にわたり非常に難しいが、決して看過できない課題だと考えております。

 そこで、さきに述べました人口動態調査の現状を重く受けとめ、県としてどのようにこの自殺対策に取り組んでいかれるのか、知事にお尋ねをいたします。

○議長(岸本 健君) 知事仁坂吉伸君。

  〔仁坂吉伸君、登壇〕

○知事(仁坂吉伸君) 厚生労働省の人口動態統計では、昭和50年以降2万人台前半で推移していた全国の自殺者数が、平成10年に初めて3万人を超え、以後、高い水準で推移をしてきました。

 その対策として、これは国全体ですが、平成14年に厚生労働省において自殺防止対策有識者懇談会が発足し、平成18年に自殺対策基本法が施行され、平成19年には自殺総合対策大綱が閣議決定されたところであります。そういうものが功を奏したのでございましょうか、自殺者数は平成21年から減少に転じました。平成30年には2万32人まで減少しております。

 一方、本県は全国と軌を一にしていたわけですが、平成13年の317人をピークにその後は減少してまいりまして、平成26年には167人になったんでございますが、再び増加傾向に転じまして、平成30年には197人となり、人口10万人当たりの自殺者数を示す自殺死亡率は、全国16.1に対し21.2と全国ワーストワンとなってしまったところでございます。

 自殺者数を世代別構成割合で見ますと、平成30年は40歳以上の中高年、高齢者層の割合が全国よりも高い傾向となっておりまして、特に60歳以上は全国平均37.8%に対し、44.9%と7ポイントも高くなっております。

 一方、子供、若者層の割合は、全国が平成28年からほぼ横ばいにあるのに対しまして、本県は減少傾向の中、平成29年は22.9%、平成30年は18.4%と減少し、全国平均の26.3%と比べて約8ポイント低くなっております。

 原因動機別に──どこまで真実をついてるのかよくわからないんですが──調べた統計によりますと、健康問題が最も多く、次いで経済・社会問題、家庭問題となっており、原因は多分単一ではなくて、幾つかの要因が複雑に絡み合い、心身に不調を来す中で精神的に追い込まれた結果、自殺に至るという状況は、これはまあ全国も同様だというふうに思いますが、和歌山もそうだと思います。

 また、本県は自殺者のうち、過去に自殺未遂歴がある者の割合が全国に比べ高いという現状がございます。このため、自殺未遂者の再自殺企図防止を図るために、救急医療機関の協力を得て、自殺未遂で搬送された方やその家族の同意を得まして、保健所の職員が本人、家族と連絡をとって、自殺の原因となった問題の解決に向けた相談を行う取り組みを始めたところでございます。

 さらに、自殺者が日中に次いで深夜に多いんでございまして、曜日では日曜日が最も多いという傾向にありますので、これまでやっておりました電話相談、これは365日24時間体制にいたしました。また、スマートフォンなどの普及が若年層のみならず中高年まで広がっていっておりますので、文字によりリアルタイムにコミュニケーションができるSNSを活用した相談窓口も開設いたしました。SNSで何か信号を送ってこられたときに、一々ずうっとチャットでつき合いはできないんですけど、我々のマンパワーの問題として。だけど、相談に誘導するようにうまくやっていこうというようなことを始めております。

 その他、従来からの相談窓口の周知とか、あるいは悩んでいる人に気づき、早期に医療機関の受診を勧める啓発に取り組むほか、生活のさまざまな場面で話を聞くことができるゲートキーパーの養成や、自殺の多い地域で地元の民間団体と連携し、周辺エリアの見守りを行うなどの取り組みを行ってきたところでございます。

 これまでもさまざまな取り組みを行ってまいりましたし、昨今、今申し上げましたように、追加したものも結構あるんでございますが、それでもまだこの統計を見ると不十分だなあというふうに思いますので、今回の人口動態統計の結果を踏まえて、改めてもう一度、本県独自の傾向を分析したり対策を考えたりする必要があると考えまして、このたび全国から医療、司法、民間支援団体を初め、さまざまな分野から有識者を集めまして、徹底的な分析を行うというふうにしております。

 こういう分析結果を踏まえて、より有効な自殺防止対策を検討して、人々の命が急になくなるというようなことがないようにしていきたいと考えております。

○議長(岸本 健君) 山下直也君。

  〔山下直也君、登壇〕

○山下直也君 知事からの答弁をいただきました。ありがとうございます。ぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。

 要望なんですけども、相談体制の充実や再発防止策など、当局としてしっかり取り組んでいただいていることは理解できます。今後、どのような原因で自死、みずから死に至るのか、今、知事の答弁にもありましたとおり、そういう、いうなれば有識者会議みたいなものをぜひつくっていただきまして、きちんと分析を深めていただき、その会議で出された意見を参考にして、一人でも多くの県民の命を守る有効な取り組みにつなげていただけるよう要望さしていただきます。お願いいたします。

 次に、自殺予防教育についてであります。

 さきに述べました厚生労働省の人口動態調査の結果から、年齢別では高齢者だけではなく、子供、若者も全体の2割から3割を占めているとのことであります。これは深刻な問題であります。

 平成30年4月に策定された和歌山県自殺対策計画においても、和歌山県における自殺対策の課題として、自殺予防教育や若者への支援により一層取り組む必要があると記載してあります。

 そこで、学校での自殺予防教育の状況について、教育長にお尋ねをいたします。

○議長(岸本 健君) 教育長。

  〔宮﨑 泉君、登壇〕

○教育長(宮﨑 泉君) 本県における子供の自殺については、極めて少人数ではありますが、みずから命を絶つ子供がいます。本当に残念なことだと思っております。

 自殺予防教育につきましては、思いやりや生命のとうとさなどを涵養することが重要であると考えます。特に小中学校では、本県独自の道徳教科書「心のとびら」、「希望へのかけはし」なども活用して、道徳科の授業の充実を図っております。

 また、全ての校種の教員を対象に、自殺をほのめかす危機にある子供のかかわり方や具体的な自殺予防に係る指導事例など、より実践的な内容を取り上げた研修も実施しております。さらに、子供が悩みや不安を一人で背負い込まず、信頼できる大人に相談することができる24時間対応の相談電話やSNSを活用した相談窓口も設置しております。

 各学校では、常日ごろから子供の言動の変化を注意深く見守り、一人一人の気持ちに寄り添うことを大切にしています。また、スクールカウンセラーやソーシャルワーカーなどの専門家を活用しながら、相談体制の充実を図っております。

 さまざまな教育活動を通じて、子供一人一人にみずからの将来を前向きに考えさせ、夢と希望を持たせることは、自尊感情を高めることに通じています。このことが、子供たちの生きる力や、自分はひとりではないといった自己肯定感を育み、将来にわたって自殺予防につながっていくと考えております。

 今後も、こうした取り組みを一層充実させ、自殺の未然防止に取り組んでまいります。

○議長(岸本 健君) 山下直也君。

  〔山下直也君、登壇〕

○山下直也君 教育長、ありがとうございました。

 今回の質問に当たり、実はいろいろ考えました。「自殺」という言葉を使わせていただいておりましたが、悩み苦しんだ末に自死に至った方のことを思いますと、この「自殺」という表現は適当なんであるかどうか、そういうことなんかもいろいろ考えました。

 そんなとき、ここに1冊の本を持ってきたわけでありますけれども、小さいころから、みずからが自閉症であって悩み、大変御苦労されたという、もう皆さん方よく御承知の方でありますが、昨年亡くなられた俳優の樹木希林さん、この方の思いを、文筆家でこの人の娘さんで長女の内田也哉子さん、この方がまとめた「9月1日」という本がありまして、(本を示す)この本との出会いがあって、これを読んでみました。

 本当に、内閣府で、この中に書かれておるんですけれども、初めて9月1日に子供の自殺が多いというデータが出たわけであります。それは2学期初日を迎えるに当たり、子供たちがいろいろ悩んで、その中にはいじめとか登校拒否、ひきこもり、いろいろ問題があると思いますけれども、学校に行きたくない。しかし、親がなかなか理解せずに、無理にでも学校へ行けと、そういうことになる。そのはざまで子供は大いに苦しむわけであります。悩むわけであります。そういう子供のメッセージがこの中にも書かれてありました。

 生きづらさを抱えて苦しむ子供たちに、どう伝えていけば悩まなくていいですよということが伝わるのかという、樹木希林さんのやりきれない思いがひしひしと感じられる内容の本でありました。

 県当局はもとより、私たち県会議員も、支援制度をつくればそれでいいというだけではないと思います。せっかくつくった支援制度を、本当に悩み苦しんでおられる方々に伝えるには一体どうすればいいのかと思いをめぐらせ、その人に、この中にも書かれてあるわけでありますけども、寄り添う、寄り添っていくということが一番重要であるというふうに書かれてありました。

 生きていくことが苦しくてつらくて、そういう人が、もし今回のこの私の質問を聞いていただいているならば、私はこの場から訴えたいと思います。「あなたはひとりではない」、今の教育長の言葉にもあったと思います。「悩んだらまずは相談してください。あなたを必要としている人がたくさんいるのだから」と、そう申し上げたいと思います。

 今回、知事並びに県当局の皆さん、私は、がん対策、そして発達障害、自殺の問題を取り上げさしていただきました。これ冒頭に申し上げましたとおり、全て大切な命に直結する問題ばかりであります。どうか、きょうは御答弁をいただいたわけでありますけれども、もう一度私たちと一緒になって、この命というものについて考えていただけんでしょうか。その上での対策をどうかよろしくお願い申し上げ、私の一般質問を閉じさしていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)

○議長(岸本 健君) 以上で、山下直也君の質問が終了いたしました。

 お諮りいたします。質疑及び一般質問を終結することに御異議ございませんか。

  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(岸本 健君) 御異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問を終結いたします。

 次に日程第3、議案の付託について申し上げます。

 お手元に配付しております議案付託表のとおり、議案第134号から議案第162号まで及び議案第165号は所管の常任委員会に付託いたします。

 お諮りいたします。9月24日及び25日は常任委員会審査のため休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。

  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(岸本 健君) 御異議なしと認めます。よって、9月24日及び25日は休会とすることに決定いたしました。

 次会は、9月26日定刻より会議を開きます。

 本日は、これをもって散会いたします。

  午後2時45分散会

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