知事記者会見 令和7年2月5日
知事記者会見
記者会見での発表事項等を紹介します
令和7年2月5日 知事記者会見
令和7年2月5日 記者会見室
令和7年度当初予算案
資料1(PDF形式 803キロバイト)
資料2(PDF形式 690キロバイト)
資料3(PDF形式 499キロバイト)
資料4(PDF形式 56キロバイト)
令和7年度当初予算の概要につきまして、説明をしたいと思います。
(1ページ目は)「令和7年度当初予算の概要」です。(予算額の)合計、歳入歳出同額で6,138億円、対令和6年度で約140億円少なくなっています。この理由が、一つは増加分は、人件費、公債費が多くなっています。数字は資料にありますし、後ほど財政課長の説明でお聞きいただければと思います。人件費の中身を詳しく説明しますと、人件費は相当増えています。退職金が2年に1回、定年延長があるので、令和7年度は退職金が増えていない、むしろ減っています。それを上回る人件費の増があります。減っている部分がコスモパーク加太の対策関連費で、令和6年度に、大幅計上していた分の約200億円程度が減っています。
それから、国直轄道路で、すさみ串本道路に硬い岩盤がでましたので、工事自体は少し遅れています。令和6年度までに直轄負担金は払っていて、その分が減っています。 令和5年度災害復旧が令和6年度事業として行われましたが、令和6年は大きな災害がなかったので、令和6年度に比べ、(令和7年度事業の)災害復旧費が減っているので、全体予算の規模は少し減っています。予算は、人口減少、超高齢化の加速、或いは脱炭素社会への対応等々、ここ(資料)に書いています「重点施策の5つの柱」に沿いまして予算を作りました。目玉は、令和6年10月から実施した子育て支援の給食費無償化です。これが約15億円と大変大きな金額になっています。これを途中でやめるわけにはいきませんので、令和7年度も給食費無償化は続けさせていただきます。今、国会でも与野党の議論になっていますように、本来政府で統一的に(給食費無償化を)していただき、全国的にしていただくべきものだと考えています。引き続き、全国知事会、関西広域連合の場を通じて、給食費無償化を政府でしていただくよう要請していきますが、県単独事業として令和7年度も行うのが一つです。それから、熊野白浜リゾート空港を核とした地域経済活性化に向けた利用促進が目玉で、後ほどご説明します。もう一つは防災減災対策の強化が目玉です。
一方でこれも後ほどご説明しますが、「財政危機警報」を発出したときよりも、さらに財政状況が悪くなっています。そういうことですので、メリハリをつけた予算を作らせていただきました。前から申し上げていますように財政再建するのに増税、或いは歳出のカットをすることで財政再建ができたためしは、外国の例でもありません。事業をやるべきものはやりくりをしながら、県民の皆さんに夢と希望を持っていただくような予算を作ったつもりです。令和7年度予算はシーリングをしていません。令和6年度予算は15%のシーリングをかけて(財源を)捻出しましたが、令和7年度は業務適正化の観点、或いは事業の見直しのスクラップアンドビルドで行いました。
(2ページ目は)これ(当初予算の主な取組)は先ほど言いました5つの柱は令和6年度予算とは変わっていません。状況は同じで、「1.こどもまんなか社会の推進」、それから宇宙やGX(グリーントランスフォーメーション)を中心とした「2.成長産業の創出」、そして「3.農林水産業、観光産業をはじめとする地域産業の強化」、特に熊野白浜リゾート空港の利用促進、それから「4.人口減少下におけるまちづくり」で振興局の機能強化を引き続き行って、魅力ある地域まちづくりを行ってまいります。それと「5.安全安心で心豊かに暮らせる社会づくり」の中の防災減災対策の強化です。個別に説明をしていきます。
まず、(3ページ目は)「こどもにやさしい社会づくり」、先ほど申し上げました学校給食費の無償化を続けることで約15億円、それから、和歌山こども食堂支援で約5,000万円の予算措置をしています。これは、こどもまんなか社会ということで、こどもの居場所づくりで、これまで説明してきたように、多世代のおじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さんの世代と一緒に、地域のみなさんで集まる場所を作っていく事業です。(令和5年からの)2年間で約50箇所のこども食堂が100箇所を超えることになりました。引き続いて、令和7年度予算でも措置することで目標の各小学校区に一つのこども食堂、約200箇所程度を目指していきたいと思います。
(4ページ目は)「成長産業の創出(宇宙、GX)」で、串本のロケットもスペースワンで(飛行中断の)原因究明が行われていると聞いています。近い将来、必ず成功していただけると期待しています。そのためにも「スペースエントランス」ということで、産業集積とビジネス創出に、今後(注力を)続けていきます。関連産業の誘致、宇宙関連の人材育成、トータルでスペースエントランスという言葉を使っています。これに注力をしていきたいと思っています。それから、GXで太陽光発電、洋上風力発電といった再生可能エネルギーの普及に予算措置をしています。あとは県内企業のGXのビジネスモデルの創出のお手伝いをする予算、県有林の森林クレジット創出の準備を今始めたいと思っています。
(5ページ目は)「熊野白浜リゾート空港の利用促進」で、全く新しい予算措置です。空港利用者を毎年2万人増やしていくため、いろいろなインセンティブをつけていく予算約5,000万円です。それから国際チャーター便誘致で、今週末、韓国に行きます。国際チャーター便を、できれば定期便化を含めた誘致(を行う)、また空港振興の目玉として熊野白浜リゾート空港の中に、県のサテライトオフィスを設置したいと思います。これは空港振興を担う県土整備部や地域振興部以外の県職員も、いわゆる地方創成リモートワーク制度で、県職員が地域のいろいろなところでリモートワークをする場所としても使っていきたいと思います。4月から各課の副課長クラスを全員、港湾空港振興課に併任をかけます。オール県庁で空港振興をする一つの象徴として県職員が使えるサテライトオフィス、県庁の出先、いわばミニ県庁を熊野白浜リゾート空港内に設置するということです。それから、このことは前から申し上げていますように、乗降するお客様を毎年2万人ずつ増やしていって、現在20万人を30万人規模にすると、コストベネフィット分析上、(滑走路延伸の)国の補助金申請が可能になります。この予算自体は観光産業活性化ですが、この先には滑走路延伸がございます。従って、令和6年度は(滑走路延伸の)技術的な可能性の検証をし、技術的には可能だという結果が出ています。令和7年度は基本計画を作成し、その基本計画をもとに少し先ですが、地域住民の皆様に説明ができるような体制を作っていきたいのが、この4,400万円の予算です。それから、(空港の)お客様が今20万人を超えてきています。空港からのアクセスは今まで連絡バスのようなものがありませんでした。20万人を超えているので、空港からのアクセスについて、JR乗継支援、空港連絡バスの運行などに予算を使っていきたいと思います。
(6ページ目は)「住みやすく魅力ある地域、まちづくり」で、振興局機能強化の一環として予算化をしています。移住定住はおかげさまで毎年1,000人を超える方が来ていただいています。世代別に分けますと、一番多いのが20代の移住定住の方で、その次は30代と若い皆さんが移住定住をしてきてくださいますので、これをさらに推進していきたいと思います。JR駅舎、空き店舗などを使って、地域の賑わい拠点を創出するための予算も措置させていただきました。令和6年度から作りましたが、振興局の独自予算として、地域のイベント等、地域課題解決のための予算を引き続き措置をしています。それから、これはとても大事ですが、地域公共交通体系でライドシェア事業者支援、運転手が足りないので困っているバス事業者の支援などを行うとともに、キャッシュレス化の支援などをしていきたいと思っています。
(7ページ目は)「防災減災対策の強化」で、これは知事査定のときにご取材をいただきましたが、スターリンク18台を予算措置しました。これは大きな災害が起きた時に緊急に県庁から派遣するのが18チームです。1チームにつき1台で、18台のスターリンクを配備します。南海トラフ地震のときの対応もそうですが、中央構造線の地震が起きた場合も18台で対応します。最低限18台あれば大丈夫だと検証されましたので、(予算)措置しました。それから熊野白浜リゾート空港は自衛隊、海上保安庁が訓練等、災害のときに出動していただくための特定利用空港に指定(に向け手続きがな)されましたが、隣にある旧滑走路を防災拠点にしていくためのいろんな調査とか準備をするための予算、基本設計費を計上させていただいて、防災強化を行いたいと思っています。この1年間で2回、南海トラフ地震臨時情報の「調査中」、「巨大地震注意」と発令されました。本当に緊迫した状況でした。いろいろと危機管理部で検証しますと、一旦大きな災害が起きると、すべき手順、マニュアルが紙の書類でたくさんあります。それをいちいち全部覚えている方もいません。正直に言って紙をめくって、みんなで対応するのは不可能ですので、システム化して、こういうときはこうするというソフトウェアを立ち上げれば、流れ図みたいに次に何をすればよいか、どんどん指示をしてもらえるようなシステムを導入します。これは他の地方公共団体でも10ぐらいの団体が使用されていて、既にそういうところでは定着しているということです。和歌山県もこのシステムを導入して、危機管理部以外の県職員でも、それを立ち上げれば、次に何をすればよいかが分かるようなシステムですので、令和7年度に導入していきたいと思います。
(8ページ目は)「その他の主な(重点施策の)事項」で、細かく書いています。特に令和6年度から力を入れている病児保育充実、病児保育のIT化、マッチングでどこ(の病児保育施設)が空いているか、そういうことができるようにするのを引き続きやっていきたいと思います。
農業、林業、水産業ですが、令和6年度もいろいろな跡継ぎ問題をやりました。林業は林道整備を相当進めてきています。漁業も、新しい担い手を応援していくことで、今まで、(就業形態が)雇用型の漁業で、研修先で親御さんのところで研修するのは支援対象になっていませんでしたが、親元で研修する場合も県として当然支援の対象にすべきだろうということで、新たに(支援対象に)しています。
空飛ぶクルマの実用化に向けた支援、県産品の推奨制度である「和歌山一番星アワード」の予算措置をしています。
あとは水道管広域漏水調査、人工衛星のデータを使って上水道の漏水調査をする費用です。
それから、県警本部ですが、ネットワークカメラシステムを活用した市民応接の向上及び交通安全対策です。
私ども力を入れていますが、児童精神科医がとても重要になっています。こどものこころの診療ネットワークです。和歌山県には、現在児童精神科医がそんなにたくさんいないものですから、センター(拠点病院)の必要があります。従って、県立医科大学に児童精神科医を育てるための寄付講座を設けて、ここで(医師を)育成していきたいと思います。少し時間が掛かりますが、こどものこころの診療ネットワークのための児童精神科医を育てていく、非常に大事なことだと思っています。
和歌山県は、移民が全国で6番目に多い移民県です。私も令和6年はブラジル、アルゼンチン、カリフォルニアにも訪問させていただきました。日系1世はもちろん、日系2世もだんだん少なくなっておられて、日系3世、日系4世の世代になってきています。日系3世、日系4世になりますと、日本語もなかなかできない方もおられるので、ぜひ和歌山にルーツのある日系3世、日系4世、日系5世の方々の交流を続けるために、令和7年度は在外県人会の若者を約10数名、和歌山に呼んでくる、或いは和歌山の青少年を派遣して交流するような形で、次世代のリーダーを育てていきたいと考えています。ゆくゆくは日系3世、日系4世の方々は、特にブラジルは特別のビザがあって、日本での就労が他の外国の方よりも容易にできる状況があります。そういう和歌山県にご縁がある海外の方々に人材として和歌山で働いていただくようなことも将来の目標として、若手リーダーの交流をしたいと思っています。
最後になりますが、カスタマーハラスメント対策です。これは県職員と私がおにぎりミーティングをずっと2年間やってお伺いしたところ、ほぼ全ての県職員が理不尽なカスタマーハラスメントの経験があります。本当に、聞くも涙、語るも涙のような話がたくさんありますが、皆さんそれに耐えて乗り越えている話を聞いて、びっくりしました。中には、それで精神的な病になられる県職員もいるぐらいです。従いまして、県としても理不尽なカスタマーハラスメントから県職員をどうやって守るかということで、知事室長がチームリーダーで検討しました。決め手はないのですが、まずは外から掛かってくる電話を録音させていただく。よく民間であると思いますが、「サービスの向上のために今から録音させていただきます」と、これを外線電話に全て導入します。そうやって録音することで、1時間、2時間もお電話いただく場合がございますので、そういうことについては少し対策になるように(予算)措置をしてみたいと思っています。
それから県庁のカスハラ対策のガイドラインを作る準備をしています。例えば、あまりにも理不尽なことを3回質問された場合は、3回聞いた後は電話を切ってもいいとか、これも民間等であるものをモデルにして(作成して)、そういうのがあれば県職員も自信を持って電話を切ることができます。やっぱりどうしても我々は県民に対するサービス向上という意識があるので、大変理不尽なことを3回、4回、5回も聞いても電話を切れません。その辺は県職員のためにガイドラインを作っていきたいと思います。その上で、令和8年度に向けていわゆるカスハラ条例で、県内の民間企業さんも含めた一般的なカスタマーハラスメント条例に繋げていきたいと考えています。
最後になりますが、(9ページ目は)先ほど申し上げました「財政収支の見通し」で各経費(の増加額の推移)で、(資料の棒グラフの)青が人件費で、これが増えていきます。R9の増え方がR7に比べて増えていますが、これはまさに定年が1年延びる年です。定年が延びるので、退職金が増えない意味で、ここだけは少し少ないのですが、R7当初から見ますと22億円増えます。大変なことです。そういう意味で言うと、かなり人件費が増えていきます。それから明らかに公債費が大変な勢いで増えていく。社会保障関連経費も着実に増えていきます。これはどうしようもない義務的経費です。結果として、令和7年度、歳入、歳出はあわせていますが、収支不足が74億円出ました。これは過去3番目に大きい赤字です。74億円の赤字が出ましたので、基金を取り崩しました。こういうことのために財政調整基金があります。それから県の借金を返すための貯金、県債基金があります。この二つ(の基金)が言ってみれば、財政課のへそくりです。そのへそくりである財政調整基金、県債基金の年度末残高、令和7年3月末は約200億円です。R5、R4も約200億円です。中期財政計画で150億円はキープすべきだと考えています。収支不足の赤字が100億円を超えますと、実は県の財政規模からすると結構厳しく、総務省から監督されるようなインパクトのある数字です。何かがあったときのために、そうならないように100億円はキープしておきます。50億円は紀伊半島大水害のときに必要だった1年間の費用が52億円でしたので、そういう意味では紀伊半島大水害レベルの災害があったときに対応できるのが50億円です。赤字があって総務省のコントロールを受けないようにするために150億円ですが、見ていただきますと、今年はこの基金を取崩しましたので、令和8年3月には133億円になります。150億円を切ってしまいますので、非常に危機感を持っています。これがおそらく義務的経費が増加しますので、今のままでいけば、令和8年度もおそらく取崩さないといけないので、赤字になる年度が令和9年度です。もちろんいろいろな条件が変わりますので、単純ではありませんが、今のままの水準でいくと令和9年度に赤字になります。私が知事になって財政危機警報を出したときの2年前の推計ですと、赤字になるのが令和10年度だったのが、1年早く来るということです。それは令和7年度の赤字が過去3番目に多い74億円であったということです。この理由は、物価が上昇したこと、金利が上昇したというようなこともあって、悪化のスピードが速まっています。これは大変危機感を持っています。
一方で、県民に夢と希望を与えないといけない大事な予算も確保しながら、何とかやりくりをしていきます。令和7年度は、何とかやりくりができました。令和8年度以降、緊張感を持ってより一層の財源の捻出をしていかなければならないと思っています。
「令和7年度組織改正(主なもの)」で、これも担当課長から後で聞いていただければよいと思います。(令和8年に)全国育樹祭が行われますので秘書課にお成り班、これは宮内庁対応です。全国育樹祭推進室が農林水産部にありますが、ここに広報おもてなし班、式典施設班を設置させます。
2027年(開催)のワールドマスターズゲームズに備えて、スポーツ課にワールドマスターズゲームズ推進室を新たに設置します。
これまで人事行政が人事課、それから行政改革的な組織は行政管理課でやっていました。行政管理課がしていた組織も人事とあわせて運用する方が効率が良いということです。人事課に組織を所管する企画班を設置して行政管理課を廃止します。そして、職員厚生室を職員課に改編して、人事課の業務が増えるので、(人事課の)職員の給与(事務)は職員厚生室、改め職員課に移管することにしています。
以上です。
質問と回答
日刊工業:成長産業の中で、宇宙まちづくり推進で、スペースエントランスという言葉が出ていますが、これは何かハコモノをつくるイメージですか。
知事:これはハコモノではなくて、いろんな人的ネットワークですとか、ソフト面のいろいろな準備をしていこうということです。
日刊工業:抽象的だったので分からなくて、これはコンソーシアムのようなものと考えていいのでしょうか。
知事:総合的に東牟婁中心にまちづくりもあわせてやっていくことで、まずアクションプランを作ります。ロケットを打ち上げます、観光客が見に行きます、というのが今の段階です。さらに宇宙産業をどうやって誘致してくるのかというと、例えば、NASA(アメリカ航空宇宙局)でよく宇宙の訓練をプールでやっています。例えば、串本の海は、非常に広い、平らで、割と深さもちょうどいいんです。これから月へ行ったときに大きな宇宙探査車を動かさないといけないのですが、プール(訓練)で宇宙探査車を動かせないので、串本の海で宇宙探査車を動かす実験を誘致します。そういう、つまり串本の周りを町ぐるみでいろんな宇宙関係サービスを集積していく、その先には私が言っている(ロケット関係の)組立工場も来るのですが、そういうためのまずアクションプランを作ろうではないか、そういうのがまず第一番の目玉です。
日刊工業:アクションプランのための調査費用みたいな感じですか。
知事:今回、アクションプランを作るためのコストで、いろんな有識者に集まっていただいて、どんな形でやるかはこれからです。アクションプランを作るための予算で、これを作った上でいろんなものを誘致していく、最初の一歩と考えていただければと思います。
産経:財政収支見通しですが、あと2年度でかなり厳しい状況になるということですが、これからも金利とか不安定な状況になってきます。もちろん利上げとかもあるでしょう。それに対してマイナス20億円は避けるべきものと考えて、どういうような具体的な手、その(資料の)下に書いていますが、「見直し」、「重点化」とありますが、今後厳しいシーリングを掛けるとか、それと同時に夢と希望を与えるという理想と現実をどういうふうに埋めていく考えを現段階でお持ちでしょうか。
知事:予算とは単年度主義ですので、令和7年度予算はともかくやりくりして、もちろん貯金も崩しながら作れました。令和8年度、令和9年度もそれぞれの年度に、予算を作ってやりくりします。そのときの状況で歳入がどうなるかです。令和8年度のときの歳入はどうなるかがポイントで、歳入が今見通しているような状況であれば、まさに(基金の)取崩しがあります。それをできるだけ少なくしておかないといけないので、例えば、事業の見直しやシーリングも必要かもしれません。そのときに、量から質へどうやって持っていくかです。予算は従来10億円のものが5億円になりますが、削る5億円はそんなに無駄な予算を使っていると私は思っていませんが、優先順位ですので、やっぱり優先順位が落ちるものはカットして、より県民の方が望まれる必要な予算に振り替えていくことをやれるかどうかです。量から質へということだろうと思います。それはこれから担当者と一緒に汗をかきながらやっていくことですし、できるだけ国庫支出金を取ってくるとか、それから前から言っていますように、これは令和7年度もやりましたが、借金をするのでも交付税措置のより大きいものを、より有利な借金をするということです。新たな歳入確保もいろいろな部局で今考えていただいていますが、新たな歳入確保もやっていきたいです。これも令和6年の県議会でご質問等がありましたが、例えば、宿泊税というような議論をご質問いただきました。そう簡単な話ではないと思いますが、そういう県として歳入確保策についても知恵を絞っていくということです。あとはテクニカルに言えば、予算執行の段階で節約をかけるやり方も、これは国ではごく普通にやっています。総動員をして、赤字にはならないようにしないといけないと思っています。今、箱根の駅伝で言うと(青山学院大学の)若林さんが走った、山の神の最後の胸突き八丁のところまで来ているような気がしています。
読売:熊野白浜リゾート空港ですが、国内線利用促進と書いていますが、現段階でどんなことをされるのかを、お話ができる範囲でお願いできますか。
知事:国内便は現在かなり利用客が増えていて、令和6年11月は羽田から白浜へ来る最終便はほぼ満席が続きました。ところが朝(の)白浜から羽田へ行く便は空席があります。そういう便に対してインセンティブをつけられないか、具体的にこれからですが、例えば、割引ができるような支援、そういうことを今考えています。
読売:関連で、なかなか見通しがたたないと思いますが、「滑走路延伸は国庫補助採択2030年度」と(資料に)書いていただいているのですが、大体滑走路延伸ができるのは、何年度までとか、目標などはございますか。
知事:「工事」の完成ですか。「最短(2030年度)」は大変野心的な目標にしています。これは「失敗を恐れずに」が、私のモットーでハードルは相当高いですが、失敗を恐れずに挑戦しようということで、毎年2万人ずつお客様を増やしていくということです。30万人程度になれば補助金申請ができます。このあいだ技術的に可能であるという調査が終わりましたし、基本計画を令和7年度に作ります。地域住民といろいろな説明会をしながら、補助金申請ぐらいまでにコンセンサスを作って、「よーい、ドン」で工事が始まりますと、やっぱり数百億円規模の工事ですので、数年は掛かります。一応、私の頭の中には2030年代半ばが一つのゴールになっています。