知事記者会見 令和5年8月29日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和5年8月29日 知事記者会見

令和5年8月29日 記者会見室

人権施策の推進に係る県民意見募集(パブリックコメント)

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 それでは、定例会見を開きます。まず、発表事項からで、1番目、人権施策の推進に係るパブリックコメントの件です。資料にあるように、一つ目は、仮称ですが障害者差別解消条例を制定する。二つ目が、現在ある部落差別の解消の推進に関する条例について、一部改正を行いたいと思っています。三つ目が、パートナーシップ宣誓制度です。上の二つは条例ですが、三つ目は行政の施策です。
 現在、和歌山県庁は、いわゆる性的少数者の皆さんに対して県でできる取扱いは、全てパートナーシップ宣言と同様の効力を発するようになっているので、それをきちんと宣言するという趣旨です。詳しい内容は、障害者差別解消条例案は、全体に不当な差別の取扱いを禁止するという趣旨の条例です。部落差別の解消(条例の)改正案は、特に、結婚及び就職に関しての身元調査や、不動産の取引に関連した調査に関する事業者に対する取扱いにおいて、どうしても県の要請に応じていただけなかった場合には、その旨と事業者名を公表することで、効力を持たせたいという趣旨です。パートナーシップ(宣誓制度)については、すでに効力を発しているものについてより明確にする形となります。

新たな温室効果ガス削減目標を設定しました

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 二つ目が、新たな温室効果ガスの削減目標を設定させていただきましたが、2030年度の温室効果ガス削減目標として、2013年度比で46%の削減目標を設定させていただきました。従来の目標は、2021年に作っていたもので、2013年度比で30%削減するということでしたが、2020年度の実績を見ると達成されています。内訳を見ていただくと分かるように、主として、産業部門がほぼ29%削減に成功している。家庭部門、業務部門等は、2013年は、電気が、いわゆるCO2を出す石油や石炭等が多かったのが、関西電力の場合は、原子力発電がある程度稼動したので、その分で大きな削減効果を発揮しているということです。産業部門は、ウエイトが高いのですが、主として日本製鉄関西製鉄所の高炉一基が止まったことが、大きな要因となっています。ある意味、努力して省エネをしたわけではないという結果になっています。
 今回、国が作られました目標設定の仕方と同じ計算方式でやり直しをし、2030年度は、新たにそれぞれの部門ごとに積み上げました。たまたま数字は国と一致していますが、単純に国に合わせたわけではありません。それぞれの部門ごとに、国の計算のやり方と同じやり方で計算をしたものを目標に掲げています。
 この中で、ポイントはやはり産業部門ですが、家庭部門、業務部門はともかく省エネ努力をしていただくということだと思います。運輸部門は、さらにトラックのEV化或いは効率化等をやっていただくことで達成していっていただきたい。産業部門は、概ね7割ぐらいを日本製鉄関西製鉄所さんが占めているので、引き続き、日本製鉄関西製鉄所さんにご努力をいただくと同時に、一方で、残る3割の他の産業部門は、実は、2020年度実績では、ほとんど削減ができていませんでした。従いまして、残りの産業部門についても、効率化、省エネ化を図っていただきたいという趣旨で、県としての目標を定めたものです。
 

和歌山県内で初めて公的さい帯血バンクの協力医療機関が設置されます

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  三つ目ですが、公的さい帯血バンクの協力医療機関が、日赤和歌山医療センター、花山ママクリニック、はまだ産婦人科、県立医大附属病院の4機関で、9月1日から稼働します。骨髄バンクがあり、白血病等については、骨髄バンクも重要な役割を果たしていますが、実際の運用上は、さい帯血バンクが、白血病患者の皆さんに使っていただく比率が増えてきています。これは、本来捨てるものですが、それをきちんと保存して、白血病の患者さんのために活用するということで、大変意味のあることです。これまで、和歌山県内に機関がありませんでしたが、今回、4機関を増やさせていただくということで、大変な朗報であろうかと考えています。
 

匠技研株式会社が和歌山市に工場を増設します

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 四つ目ですが、匠技研株式会社が和歌山市に工場を増設していただきます。

「トランスコスモス株式会社」が和歌山県「企業の森」事業に参画します!

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 五つ目が、トランスコスモス株式会社が、「企業の森」事業に参画をしていただきます。調印式は7日に行うことになっています。

和歌山戦略経営塾 開講のお知らせ

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 話題事項ですが、和歌山戦略経営塾が9月6日に開講されます。すでに資料配布は終わっていますが、今回は、寺島実郎さんを中心に少人数に絞りまして、参加されるのは25社と聞いていますが、従来の座学ではなく、できる限り25社25名の皆さんがグループ討議をしながら、できればビジネスマッチングをしていただくような、具体的に和歌山県の企業振興に役立つようなプロジェクトにしたいと思っています。

 以上です。

質問と回答

読売:発表事項のパブリックコメントですが、条例と制度は、いつ頃の制定なり施行を目指すことになりますか。

知事:まず、パブリックコメントは、大体1ヶ月ぐらいの作業になると思います。これで、いろんなご意見をいただいたものを、それぞれに反映できるのは反映をさせていただき、その上で、当然、条例は、県議会を中心にご相談をしながらやっていきます。できれば、条例は12月議会におかけしたい。その後、市町村関係への周知徹底等があるので、それぞれ三つとも、来年の年明けぐらいには、それぞれにタイミングを見ながら施行していくというふうに考えています。年度内ということです。

毎日:今までご説明いただいてきたので大変恐縮ですが、改めて、なぜ今これが必要なのかと、必要なことのバックボーンとして、今こういう状態だからこれが必要だというところを、詳しくご説明いただければ。

知事:なぜ今かというのは、私が知事になったからです。もっと早くやっておくべきだったと私は思っていますが、前から申し上げているとおり、憲法13条の基本的人権の尊重の項目にあるように、全て私たちは個人として幸福を追求する権利が認められ、保障されています。その意味では、まず、障害者の差別を禁止する条例が無かったのがおかしいと考えているので、私が就任して、事務方の皆さんと詰めながら、最速のスピードで今回提案をさせていただく。部落差別解消条例についても、常に条例や法律は少しずつ改善をしていくということですが、私としては、必要な改善を、私が知事になったので早急に行うという趣旨です。パートナーシップ宣言の問題は、常に県庁としては万全の体制を取っていましたが、宣言になっていないので、ご存知ない方も多かったし、今、一部、橋本市を初め那智勝浦町など市町でも進んでいますが、性的少数者の皆さんの幸福追求の権利を守るような動きをさらに進めたいという趣旨で、今回、県としても、宣言制度を世に問う。こういう形を取らせていただきました。

毎日:部落差別において、結婚及び就職、身元調査、不動産取引について、さらに条例を改正するということですが、これは、この条例がなければ、今、ちょっとまずい状態というか、きちんと機能していない状態があるという認識があったからですか。

知事:まず、基本的に、部落差別の問題で、今一番私たちが頭を悩ましているのが、インターネット上での書き込みの問題です。これは、和歌山県も、和歌山市も、それぞれ市町村も、さらには法務省或いは地元でいうと法務局の皆さんと協力して、プロバイダーに対しての削除要請等はかなり頻繁に行っていますが、いろんな壁があり、なかなか難しい場面もあります。成功している場合もありますが、それはそれとしてさらに引き続きやっていきますが、和歌山県として、部落差別は決して許されるものではないということを強く世に問うという意味で、特に、不動産取引等については悪質な事例があったので、そういう事業者については、止めてくださいと勧告要請してもお止めいただけない場合は、事業者名を公表し、毅然たる県の姿勢を示すことで、全体として部落差別の解消を進めていきたい。
 これは、私も和歌山で育ちました。和歌山は、特に、部落差別に対する教育や人権推進について、非常に伝統的な行政を行ってきたところです。私も高校生の時は、部落差別問題についての研修会などを学校でもやりましたし、或いは全県下で合宿みたいなものもありました。ただ、これが、私が高校生の頃ですから、ざっくり50年前です。法律もでき条例もできましたが、でも、やはり社会の中では全く無くなっていません。特に、インターネット上での書き込みは酷い。そういうことについて、私たちは一生懸命やってきていますが、ひょっとしてルーティン化している部落差別解消に対する問題を、さらにここでもう一度立ち止まって、もう一度腹の底から取り組んでいきたいという趣旨もあります。

産経:パートナーシップ制度について、すでに従前の状態で体制としてはあるというような発言もありましたが、それを踏まえて、改めて制度として打ち出すことによって、どんな効果があると期待していますか。

知事:まず、制度上は、県庁内外で対応できるようになっていますが、もちろんご存知ない方もいらっしゃるので、周知徹底を図る、ご利用いただきたいというようなことの広報効果が一つです。それと同じですが、市町村についても、結局、窓口は市町村の事務が多いので、市町村の皆さんにも問題意識をぜひ持っていただきたいという啓蒙効果、この二つをぜひこれで図りたいという趣旨です。

産経:他府県を調べてみると、条例化しているところもあると思いますが、今回、和歌山県が、条例ではなく制度として切り分けたのは、どんな理由がありますか。

知事:最終的には条例という形もあり得ると思いますが、まずはステップバイステップで、皆さんのご理解をいただきながら進めていきたいという趣旨です。

NHK:温室効果ガス削減目標の件ですが、2050年のカーボンニュートラルを目指すにあたって、森林吸収量の増加も重要な点かと思います。そちらに向けて、どういうふうに増やしていくのか、県の取組と意気込みについて教えていただいてよろしいですか。

知事:まさに私どもとしては、森林吸収量のところに書いているように、これまでの目標が6.4万トン減らすということでしたが、今回は7.4万トンで、さらに吸収量を増やしていきたい。これは、まさに私が林業の活性化を公約に掲げて、今、徐々にスタートしているところですが、とにかく、山の木で、今、成熟期を迎えている人工林を伐採し、植林をする。植林をしないとカーボンクレジットにもならないので、そういう形で、まさに私の公約の林業の活性化と併せながら、森林の二酸化炭素吸収量を増やしていきたいと考えています。

日刊工業:温室効果ガス削減について教えていただきたいのですが、先ほど、産業セクターで7割が日本製鉄というお話があったのは、2013年の時点なのか、それとも2020年度末の時点なのか。

知事:丸めて申し上げましたが、正確に申し上げますと、2013年度の排出実績のうちで、産業部門で、日本製鉄関西製鉄所さんが占める割合が77%です。

日刊工業:これがどれくらいまで減ったのですか。

知事:2020年度の実績で、鉄のウエイトがどれだけ下がったかは、後で担当者から聞いてください。今、私、計算できません。数字は出ますか。

環境生活総務課長:鉄鋼業については、2013年度は945万トンの排出量でしたが、2020年度で587万トンまで削減されています。

日刊工業:今回、産業セクターでは非常にチャレンジングな目標を立てていらっしゃいます。これは、ENEOSの来年の休止も寄与してくると思いますが、この辺りは、どれくらいの数字を見込んでいますか。

知事:ENEOSの廃止時に見込まれる削減量は、78万トンと見込んでいます。

日刊工業:和歌山県の産業で言うと、非常に主力としているのが、エネルギー多消費型の産業、鉄鋼、石油、化学であったりと思いますが、46%という国の目標を上回る目標数値を掲げるということは、将来的に、こういった産業からの産業構造の転換を見込んでいらっしゃるということでよろしいですか。

知事:また関西製鉄所さんにご取材いただければと思いますが、私も製鉄所の視察に行かせていただいて、製鉄所の幹部の皆さんと意見交換をしていますが、日本製鉄が、非常に意欲的に二酸化炭素を減らすご努力を社内でされているので、十分、達成可能な数字だと私は期待をしています。

時事通信:発表事項からずれますが、先日、和歌山県沖で貨物船が転覆して、不明者が今だに1名いらっしゃるという話ですが、知事としての受け止めをお伺いできたらと思います。

知事:大変、不幸な事故が起きまして、まだお一人捜索中ということなので、1日も早く、ご家族の皆さんが安否を確認できるように、お祈りを申し上げるところです。それから、船が沈没してしまいましたので、県としては、通常、船が沈没或いは衝突した時の油漏れが、漁業等或いは自然環境に与える影響について関心を持っていますが、現在のところ、大規模な油の流出が無いと聞いています。そちらの方も、引き続きモニターしていきたいと思いますが、1日も早く、残りの方の安否が確認されますことをお祈りしています。

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