知事記者会見 令和5年11月28日
知事記者会見
記者会見での発表事項等を紹介します
令和5年11月28日 知事記者会見
令和5年11月28日 記者会見室
令和5年度和歌山県文化表彰について
資料1(PDF形式 3,421キロバイト)
それでは、定例会見を始めます。発表事項が二つです。一つ目は、令和5年度和歌山県文化表彰についてご報告申し上げます。
まず、文化賞受賞者は、版画等を主として世界的に活躍されている現代美術家の松谷武判(まつたに たけさだ)さん。この方は九度山町ご出身で、大人になられてからは、兵庫県で中心に活躍されていますが、国際的な各賞を何度も受賞されている方で、現在は、フランスのパリにお住まいだということです。すいません。ご両親が九度山町出身で、小中学生時代に湯浅町、串本町、田辺市で育ったということで、出身地は大阪府大阪市という形になっています。失礼致しました。
文化功労賞ですが、松山馨(まつやま かおる)さん。和歌山市在住の歌人の方で、後進の指導等もしていただいて、大変活躍されている方です。
文化奨励賞は、歌手の川島ケイジ(かわしま けいじ)さん。南部川村、現在のみなべ町にお生まれになって、現在、シンガーソングライターとしてメジャーで活躍をされている方です。「僕らが生まれた梅の町」という歌を制作して、全国的にみなべ町の宣伝をして、みなべ町のふるさと観光大使にも就任いただいている方です。
同じく、文化奨励賞をお取りいただいた木ノ下裕一(きのした ゆういち)さん。大変演劇の世界でご活躍をされていて、いわゆる木ノ下歌舞伎や、昨年は、能狂言で鬼滅の刃を補綴(ほてつ)される。補綴というのは、いろんな過去の資料を使って、演出家と一緒に過去の古典芸能を現代版にまさに補うということで、私も今回初めてそういう職業があることを知りましたが、補綴家と言われる(職業で)、大変、ご活躍をいただいている方です。
団体としての文化奨励賞は、紀州の民話をオペラに実行委員会。紀州の民話をオペラにして発表していただく、地元に根づいた団体です。
文化賞、文化功労賞、文化奨励賞、それぞれ(令和6年)1月15日に表彰をさせていただきたいと思います。和歌山県としても、文化の推進をやっていく中で、こういう方々のお力も借りていきながら、前へ進めていきたいと思っています。
第21回紀の国チャレンジド賞及び紀の国チャレンジド・サポート感謝状授与式の開催について
二つ目の発表事項ですが、紀の国チャレンジド賞及び紀の国チャレンジド・サポート感謝状の授与式を行います。
チャレンジドというのは、ご存知のとおり、英語で障害のある方のことを指す言葉です。これは、もともとアメリカの英語では、ディスエイブルドというのが、普通、障害がある方の英語です。edというのは人という意味なので、ディスエイブルな人というのが、障害者の普通の言葉で、俗語ではハンディキャップドと言われていました。ただ、ハンディキャップドというのは、ハンドと帽子なので物乞いをする人という意味で、障害のある人は物乞いをする人ということで、ある意味、差別用語です。今、ハンディキャップドという言葉は使われていません。むしろ、チャレンジドという言葉が英語では中心になっています。
どういうことかというと、おそらくキリスト教の影響だと思いますが、健常の方は普通に暮らすわけですが、いろんな障害があると、健常の方に比べて常に挑戦をしないと活動がしにくいという意味で、挑戦することが権利として与えられている。むしろ健常者はどちらかというと、私もそうですが怠けがちだけど、障害があるために常に挑戦をする。それは余儀なくされているのではなくて、神様から挑戦する権利を与えられているという意味で、前向きな言葉として挑戦する人、チャレンジドとなっているので、我々もチャレンジドという言葉を使わせていただいています。
「令和の熊野詣」参加者募集!
話題事項ですが、「令和の熊野詣」。来年がご存知のとおり、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録20周年です。もともと、熊野詣のスタート地点が、ここ(資料)に書いているように、京都市の城南宮でした。当時の法皇様や上皇様が、部下の方々と一緒にここで出発式をして、熊野に詣でるということにちなみまして、出立式を12月9日にしたいと思います。これは、当時の服装でスタートするというイベントで、女院役は黛まどかさんにお願いしています。私もコスプレをしますので、取材をお願いしたいと思います。
それから、熊野古道リレーウォークも、今、参加を募っていて、熊野古道の紀伊路を歩くツアーです。これも応募中で、まだ残りがあるようなので、この日程に合わせて、ぜひ、県民の皆さん、もちろん県民でない方も含めて、ご応募いただければと思っています。
話題事項には書いていないのですが、二つ目の話として、私からご報告します。先般、具体的に言うとGo To Eatの時の和歌山県のドメインが、第三者に悪用されたという報道があったので、ご説明をしておきたいと思います。ドメインというのは、業者を通じて買って「.JP」とかにしますが、(事業が)終わった後にちゃんと処理しないと、売った事業者がオークションにかけるというようなことが行われていて、かなりの公的な事業体が使ったドメインが悪用されるケースがあります。これについて、実は、総務省から10月の段階で注意喚起が行われていて、県庁内でも情報基盤課が担当しているので、庁内各部署には注意喚起しているところですが、改めて私から全庁に指示を出して、今後、契約の段階で縛れるので、公的機関が使ったドメインが第三者に悪用されないような、きちんとした処理は今後していきたいと思います。今回、私どもの不行き届きで、和歌山県の公的なドメインが悪用されたことについては、県民の皆様に心からお詫びを申し上げたいと思います。申し訳ありませんでした。
以上です。
読売:発表項目外です。先日、報道等もありましたが、大阪府の高校無償化制度に関して、和歌山県内の私立高校で複数の学校が参加する意向を示しています。一方で、和歌山県内から通う学生に関しては無償化ではないという、若干、格差とは言いませんが差が出てしまう状況に対してどう思われているのかと、何かしら措置を取る予定はありますか。
知事:事前に吉村知事からもご連絡をいただいていましたが、大阪府が、今回、和歌山県の高校に通う大阪府の高校生に対しても、授業料無償化の対象にするということです。それは、大阪府の政策ですが、私どもの少子化対策として、子供子育ての経済的な負担をどれだけ減らせるのかについては、同じ問題意識を持っています。ただ、財源に限りがある中で、私どもとして、私立高校に通われる家庭に支援するだけの財源があるのかないのか。私としては、むしろ、大変所得が低くて、いろんな問題を抱えている皆さまへの手当が、和歌山県として不十分であると考えています。十分な応援がまだできていません。
それは、例えば、給食費の無償化についても、今、国に対して、全国知事会或いは関西広域連合を通じて、国の政策として給食費の無償化をして欲しいとお願いしていますが、その他にも沢山の課題があります。全部申し上げるわけにはいきませんが、例えば不登校の問題です。不登校が和歌山県でも大変増えています。文部科学省は、不登校は問題ではない。つまり、学校に行かないことは問題ではない、行かなくていいという整理をしていて、無理に学校に行く必要はない。でも、そうなると、学校に行かない子供さんの場合、所得の高い方は、フリースクールに行ったり家庭教師をつけたり、学びの場を維持できますが、所得の低い方が学校に行かない場合に、どうやって学びの場を維持するのか。大変大きな課題です。私としては、もし和歌山県に財源のゆとりがあるのであれば、まずは不登校対策を行ったり、或いは小中学校の子供さん達が、公平にいろんな教育の機会を得られるようなことに財源を振り向けるべきだと思っています。
従って、今後とも、まずは、できるだけ幅広く大勢の方が学習の機会が得られるような方向に、県の財源を使っていきたいと考えています。
NHK:発表項目外ですが、鳥インフルエンザについてお伺いします。昨シーズンも、和歌山県内では相次いで確認され、全国的にも卵の価格などに影響が出たと思います。今シーズンも、週末から昨日にかけて、全国で2例の養鶏場で確認されています。そういった状況を踏まえて、現状の受け止め、危機感の部分と、農家さんへの呼びかけ等、一つずつお願いできればと思います。
知事:おっしゃるとおり2例発生しているので、私ども、大変緊張感を持って見守っているところです。農林水産部としては、従来から、鳥インフルエンザの予防について、いわゆる日常業務としてお願いをしていますが、2例発生しましたので、より緊張感を持った作業を、私からもお願いしたいと考えています。