知事記者会見 令和4年11月28日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和4年11月28日 知事記者会見

令和4年11月28日 記者会見室

和歌山県レッドデータブックを改訂しました

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 今日は、発表事項が四つ、話題事項が二つです。来週から議会に入り、議会中は記者会見をしないことにしているので、(定例)記者会見は今日で終わりです。

まず、和歌山県レッドデータブックを改訂しました。公開は、11月28日からホームページで、冊子版は、今印刷しているので、(発刊は)令和5年2月頃の予定です。
 そこ(資料)にあるような分類で、「絶滅」、「絶滅危惧I類」、「絶滅危惧II類」、「ほか」、「ほか」というのはデータ不足とかがありますが、全体で1655(の掲載種数)になっています。
 今回、特に工夫をしたのは写真付きです。写真が撮れないものも若干ありますが、それはしょうがないので、(写真を)撮れるもの、利用できるものは全部利用して、写真付きにしました。そうしないと、分かる人は分かる、(例えば)私は、昆虫で特にチョウは分かりますが、そうでなければ、皆さんは、どんなものかほとんど分からない。だから、ただの記録になってしまうので、皆さんに見ていただいて、そういうことかと分かっていただくために、写真を入れないといけないということで、写真に拘りました。良い写真が無いとか、いろんな議論がありましたが、ちょっと強引に写真にしましょうということにしました。
 それから、貴重な動植物が多く生息するエリアを、「生物多様性保全上注目すべき地域」として、掲載して解説したところが、もう一つの特徴です。
 そういうことで、もう確定しているので、実物が発表されるのを楽しみにしたいと思います。11月28日、今日ですが、ネット版で見られますので、一度、ちょっと皆さん眺めていただきたいと思います。

令和5年2月南紀白浜=東京(羽田)の臨時便が運航!4往復8便化の実現に向けた取組を推進します!

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 その次は、南紀白浜=東京間が、臨時便という扱いですが1日4便になります。白浜空港は、新型コロナの中でも、おそらく唯一の黒字空港であったというふうに申し上げたと思います。今、大分、観光客や乗客が戻っているので、他のところも続々黒字化していくと思いますが、白浜空港は、最近では史上最高の乗客数です。ボーイングB737が、1日3便、東京羽田と白浜空港の間を飛んでいますが、その他、不定期便で、静岡県のFDAが、時々、飛んできてくれていますし、その他チャーター便も若干あります。そういうようなものを全部入れると史上最高になっていますが、結構、白浜=東京便は(乗客が)いっぱいなので、増やしてくださいとお願いをしたところ、JALが1個増やしてくれることになりました。
 そういうことで、ますます、たくさんのお客さんが来やすくなります。白浜だけではなく、南の方は、那智勝浦、新宮、串本、古座川とかにも行きやすいし、少し北へ行くと、日高地方にも行きやすいことになるので、ぜひ、1個増えたことを、皆さん、記事にして欲しいと思います。

和歌山県と東武トップツアーズ株式会社との観光振興に関する協定について

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 それから、和歌山県と東武トップツアーズ株式会社との観光振興に関する協定を、12月5日10時30分から行います。観光庁長官などをされた東武トップツアーズの久保さん、それから、百木田(からきた)社長さんもいらっしゃって、協力協定を結ぶことになりました。
 実は、東武トップツアーズには、和歌山県は、10数年前から随分お世話になっています。特に、和歌山県の「ほんまもん体験観光」。これは、私が就任する直前ぐらいからありますが、ほんまもん体験観光の発展系として、ほんまもん体験修学旅行を企画して、修学旅行生を体験型で和歌山の各地に来ていただいたらどうだという話をして、大分セールスをした時に、関東地方を中心に一番頑張ってくださったのが、当時の東武トラベルでした。(そこが)東武トップツアーズになり、改めて、そういうことも含めて、お互いに協力をしながら、我々から言うと観光客を増やしてもらう。東武トップツアーズから言えば、ビジネスの発展を図る。こういうことを、やろうということになりました。
 そういうことで、(資料の)下の方に連携協力の対象分野を書いていますが、こんなことを中心にして、よく相談をしながらやっていこうということです。

「紀州学研究会」の設置について

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 その次は、「紀州学研究会」を作ります。発足式は、来年になってから新知事の元でやってもらったらいいと思いますが、今、(研究者の)募集をしていて、有力な方がどんどん入ってくれることになっています。
 紀州学というと、和歌山県には熊野学があり、熊野に関する歴史や風土とかを勉強、特に、古代のことを中心にして、一部宗教学とかをやりましょうということで、随分前から、そんなグループがある。それで、熊野も大事な一要素ですが、考えてみたら、和歌山県或いは県境の関係ない和歌山から見た時の紀伊半島は、他にも面白いものがたくさんある。例えば、紀中や紀北も、ものすごく歴史や自然、或いは文化人類学的な材料に、いっぱい富んでいると思います。そういうのを研究する人が、紀州学研究会にみんな結集して、お互いに切磋琢磨したり、学際的な刺激を与えあったりしたらいいのではないかというふうに思いました。
 これを推してもらった一つは、この間行った東京大学との連携協定です。東京大学は総合大学ですから、そういう意味で、我々とやりましょうと言ってくださっていますが、我々の選手からすると、博物館、県庁職員、或いは和歌山に居てその都度集める郷土研究家、そういう人たちはいるかもしれないが、一緒に研究しましょうと言った時の我々の方の陣容が、必ずしも整っていないところもあった。
 従って、紀州学研究会を作っておいて、今回、東京大学とこんなテーマでやるから、一緒にやりたい人どうぞと言ったら、和歌山の人だけではなく、他県に住んでおられて大学でやっておられる人なんかも、たくさん参加してもらったらいい。そういう意味で、紀州学について、研究したい、勉強したいという人達の拠り所を作っておこうというふうに思ったわけです。
 そこで、和歌山県には、ものすごい学のある山東君という県庁職員がいて、今、退職して県立博物館にいます。この博物館を事務局として、山東君にいろいろ声を掛けてもらったところ、すでに随分多くの人が集まってきつつあります。そういう方々の他にも、このニュースを聞いて集まってくれた人がいたら、もっと強力な布陣になっていく。(紀州学研究会に)誰が入ってもいいので、みんなで勉強して切磋琢磨して、刺激を与えあったらいいということで、紀州学研究会を設置することを、今日、発表したいと思います。
 当面の活動項目は、今、募集をずっと続けています。それから、分科会などを作って、研究対象分野ごとの研究体制の構築をしたい。ただ、分科会に分かれてしまうと、学際的な研究や刺激ができないので、例えば、自然系のことについて興味のある人も文化のところに行っていろいろ議論をしたり、文化の人が、「なぜこんな文化があるのだろう」、或いは「なぜこんな歴史があるのだ」といったら、実は太古の昔から言うと、ジオに結びついたり、或いは生物系の自然に結びついたりします。そういうことを、お互いに勉強してもらったらいい。
 来年度の上半期に、キックオフシンポジウムを、ちょっと派手にやりたいと思っていますが、これは、新知事がちゃんとプロモートしてくれないと困るので、私はそう思っているということです。
 それから、毎年度、研究セミナー、内外大学や地域学会等との研究交流、研究報告会の開催や紀要の発行なども、予算を若干取ってやっていきたいと、そんなふうに思っています。

~「蘇りの地、わかやま」キャンペーン~ わかやまリフレッシュプランSワイド~利用期間の延長~

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 話題事項は、和歌山リフレッシュプランSワイドの利用期間の延長です。事業期間が10月11日から12月20日になっていますが、12月27日まで、少しですが延長いたします。これは、観光庁がそんなふうにしましょうと言ってくれたので、そんなことになっています。

PCR検査等の無料化事業の期間延長について

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 それから、(発表する)順序が逆になりましたが、PCR検査等の無料化事業の期間延長です。11月30日までになっていましたが、国の方針(も踏まえた上)で、12月31日までになりました。すでに発表していますが、話題事項で提供しておきます。
 それから、岸本次期知事、新知事当選おめでとうございます。昨日も申し上げましたが、新知事が、すぐに滑り出して、思う存分腕が振るえるように、ちゃんといろんな準備をしておかないといけないと思って、今、忙しく働いています。
 以上です。

質問と回答

産経:昨日の選挙結果について、率直な受け止めはいかがですか。

知事:予想通りです。

産経:今、いろいろな準備をしているということですが、後任に向けてのメッセージはいかがですか。

知事:思う存分、腕を振るってもらって、自分の思うところに従って、一生懸命、県の勢いをさらに高めるように頑張ってもらったらいいのではないでしょうか。それは、みんな協力できるような体制になっていると思います。特に、県庁は、少なくともそういう体制になっていると思いますから、あまり心配はしていません。一県民として、大変期待をしています。

NHK:昨日、岸本さんが前県政を継承すると仰っていましたが、4期16年務められた仁坂知事から、どんな分野でどのように力を振るってほしいと思われますか。

知事:それは、ありとあらゆる分野です。知事はオールマイティーで、全ての事について責任を持たないといけないから、この分野で頑張ってくださいというような話が、あまりあるはずがない。私のような人から見たら、或いは岸本新知事から見てもそうだと思います。ただ、県民の方々は、全部について責任を自分が持っているわけではないので、こうしてくれ、ああしてくれという、たくさんの要望があるはずなので、それをどういうふうにして、良い塩梅にバランスを取っていって、良い県政をしていくかが、すべての知事に求められますが、岸本さんもそうしてくれると思います。期待しています。

NHK:ご自身で取り組くんできた(政策の)中で、道半ばのものは。

知事:あまりないのですが、上手くいかなかったことで言うと、IRです。後は、政策手段として、上手くいかなかったことはないと思うが、結果として、ガバメントリーチが及ばない所はたくさんあります。こういうふうになって欲しいと思って、それに向かって政策手段を動員していくのですが、政策手段の方は全部上手くいったはずですが、マイナスIRです。IRは、雇用がうんと増えるので、やっぱり勢いを取り戻すには一番早道だというふうに思います。ただ、一回、政府が引いたプロセスの中で落ちているから、次のステップがいつ来るか分かりません。また、チャンスがあったら、狙ってもらったらいいのではないかと思います。岸本さんも、別のやり方でやった方が早いのではないかというふうに言っておられた時期があるので、それを実践してもらったらいいのではというふうに思います。
 残りは、政策手段としては、別にやり残したことはないです。

NHK:岸本さんに、ご自身と一番違った物事の進め方があるところはどこですか。

知事:これも、あまりありません。物事の重点の置き方は、個性があるからいろいろ違うと思う。同じような発言をしない場合もあると思うけど、どこかすごく違うかと思ったら、別に違わないのではないでしょうか。結局、いろいろ考えたら、同じようになっていくのではないかと思います。
 あまりパンチのない答弁ですいません。

読売:退任の時に公でしゃべられる機会もあるかもしれませんが、定例会見としては、今日が最後の定例になります。抽象的な言い方で申し訳ないのですが、思うところであったり、そういったものがあれば。

知事:今月の「県民の友」の一番後ろにメッセージを出しておきましたが、あれが偽らざる心境でして、私は16年間、知事をやらせてもらいました。自分の生まれた所の県の勢いを取り戻そうと思って頑張ることができた。(それが)できたのは、やっぱり県民の方が選んでくれたからです。
 そういう意味では、選んでくれて、頑張れと言ってくださった県民の方々に、心から感謝を申し上げたいと思います。人生で、自分としては大変ありがたいチャンスをくださった県民の方々に対して、心から感謝を申し上げますというのが、一言で言うと感想です。

読売:明日から議会があり、最後に臨まれますが、そこへの思いがあれば。

知事:普通に聞いていただいたらいいと思います。遠慮しなくてもいいし、普通に何でも聞いてください。今おっしゃったような総括的な話ばっかり聞いていただかなくても、あれはどうした、これはどうしたと、いつものように聞いていただければ、12月16日までは私に責任がありますから、それについて思うところを誠実にお答え申し上げ、いつも通りやります。ですから、何らいつもと変わる思いはありません。

共同通信:知事選のことに話が戻りますが、投票率が、3回連続で30%台に落ちてしまいました。投票率について思うことがあれば。

知事:皆さん、もうちょっと投票したらいいのにといつも思います。選挙に行かなかった人は、おそらく、どうせ行っても行かなくても、岸本さんが通るでしょう、或いは、その前で言うと、行かなくても仁坂さんが通るでしょう、まあ、それでいいや、と行かない人が多いと思いますが、選挙は、勝つか負けるかのゲームではないので、自分が一番いいと思う人に信任を与えるというプロセスでもあるので、やっぱり投票は行った方がいいというふうに思います。私も、もちろん行きました。

テレビ和歌山:最後の定例会見ということで、私も、知事が就任された当時から県政を見させていただいていますので、感慨深いものがあります。この16年の中で、本当に難しい政策判断を連続でされ、いろいろな危機も何度もあって、その対応をされてきたと思います。その中で、まだ来月16日まで(県庁に)おられますが、これから社会の中心になっていくような特に県内の若い世代に対して、様々な困難があった政策判断や危機に対応した時に、常に、仁坂知事の中心にあった、哲学というか、取組の中心に据えていたものを、改めて、発言として残していただけませんでしょうか。

知事:いつも高校生の諸君に言ったりしていますが、「どうせ僕なんか」、「どうせ私なんか」と思わないことだと思います。人間の能力は、実は無限です。努力をしていったら、もちろん、運や周りの状況、読み違えとか、たくさんあって、失敗することもたくさんある。しかし、「どうせ僕なんか、私なんか」、「どうせ和歌山なんか」と、そういう発想法でやっていると、絶対に前に進まない。前に進まないということは、我々は、一歳一歳、年を取っていくわけだから、後ろに退く。それはあまりよろしくないので、「どうせ僕なんか」、「どうせ私なんか」と思わないで、よーしと、いろいろチャレンジしてみることが大事ではないかと思います。
 最近、これも、なかなかいいと思うけど、そういう例を、毎日のようにあちらこちらで発見する。若い人達が、よーしと言って何かやろうとしている、事業も拡張しようとしている。そういう人たちが随分増えてきた感じがして、それは若い人だけではなくて、結構なお年寄りも含めて、そういうところもあるので、それはいいことだと思います。

朝日:知事に、教育分野に対する拘りを感じてきたのですが、知事の教育感という所で、どういう思いを持っているのかをお聞きできないでしょうか。

知事:一番大事なことは、いい子を育てることです。いい人を育てる。いい人と自分が思ったら、ちょっと増上慢になりますが、人がいい人だと思うような人を育てることは、一番大事だと思います。
 従って、勉強もしないといけないし、学力も体力も大事だし、道徳教育も大事で、そのためのモチベーションになるのは郷土教育だったりするし、誰かが途中でそれを挫折するような状況に追いやったら困るので、いじめや不登校の対策もきっちりやらなければいけないし、将来、伸びていくための国際化教育やプログラミング教育も、やっぱりちょっと手ほどきをしておいたほうがいいと思います。
 だけど、そういうのをいろいろ身につけた上で一番大事なことは、学校教育というのは、いい人を育てる、いい人になることを目指した営みだというふうに私は思っていて、ぜひ、学校でみんな頑張ってもらいたいというふうに思います。

朝日:先ほど、チャレンジという言葉がありましたが、知事を辞められた後、どんなことにチャレンジされていくのか。

知事:ありません。あまり考えていません。ゆっくり休みたいともあまり思っていなくて、半分ぐらいは家内の看病をしないといけないし、半分ぐらいは、これまでお付き合いがあった人達が、県内外にたくさんいます。今までは、知事室長の指示に従って、たくさん仕事をしないといけないので、あまり暇が無かった。(今後は)ちょっと(暇が)できますから、県内のお知り合いの人と、またゆっくり語り合ったり、未来を語ったり、そんなことをやりたいと思うし、県外の人たちにも、いろいろお世話になりましたから、お礼を言いつつ、そういうことをしたいと思っています。
 それから、今のところはありませんが、何かこういうのをやってくださいと頼まれたら、常勤はやる気はありませんしできませんが、自分がいいと思ったら、何でもさせてもらいます。

読売:今日の発表事項について伺います。東京=南紀白浜の便が1日4便になるということですが、臨時便でなく定期便として4便になる見通しを教えてください。

知事:とりあえず臨時にしているのが、大企業っぽい行動ではないか。だから、あまり意味はないと思います。臨時だから、はい、1日だけ(ではなく)、不定期臨時ですから、何日間だけお試しというわけでもない。とりあえず、そんなふうにしてもらって、お客が付かなかったら、定期便になっていたとしても、臨時便だったとしても、お客が減ってきたら、企業としては(便を)止める。そういう意味では、あまり意味のないネーミングだと思います。

読売:当然ですが、これは定期便になっていくのを目指していくものでしょうか。

知事:臨時便で定期だと思っています。だから、臨時便であろうと定期便という名前であろうと、いずれにしても、お客さんが増えてきてちゃんと付いていれば、無くなるはずがない。お客さんが減ってきてガラガラですと言ったら、いずれにしても止められてしまうので、そこは、大企業風のちょっと格好付けのネーミングではないか。あまり食いついたら、賢くないと思う。

日刊工業:JALの定期便です。これは2月で冬ダイヤですが、3月から春ダイヤ、夏ダイヤも始まると思います。ここでは4便になるのですか。

知事:お客さんがちゃんといれば、大丈夫だと思います。お客さんがいっぱいいるのに、無くすはずがないでしょう。

日刊工業:2月は閑散期で、非常に搭乗率も苦戦する時期だと思いますが、この時期に160座席増やすのは、何か勝算があったりするのですか。

知事:分かりません。とにかく4便にしてくださいとお願いに行ったら、OKということで、2月からやってくれることになった。そうか、2月から1ヶ月なので、さっきのは間違いで、さっきの(発言)は取り消し。だから、ちゃんとその間に、お客さんがほどほどにいる状態にしないと、止められてしまうかもしれません。

日刊工業:目標の搭乗率はどれくらいですか。

知事:分かりません。それは、こっちの絶対的な搭乗率の問題もあるし、JAL全体の他所の搭乗率もあります。搭乗率があまり芳しくないと思っても、他所はもっと芳しくないと思ったら、こっちの方がマシかということになる。経営はそんなふうに考えるのではないでしょうか。

日刊工業:国際線の折り返しを使っていると思いますが、国際線が復活してきた時に取られてしまうようなことはないのでしょうか。

知事:そういう全てのことがあり得ると思います。今から、あれに関してこれとか、そういうふうに狭いルートだけがリスクではなくて、お客さんがいないと、全てがリスクです。だから、和歌山県は、今結構人気がありますが、その人気が急に無くなって、仁坂と共に去りぬでは困る。だから、どんどんお客さんを呼び込むようなことをして増やしていけば、それは、あまり心配するようなことはない。

日刊工業:2月というのは、やっぱりロケットの(打ち上げ時期)とか、そういった新たな観光需要が見込めるということでしょうか。

知事:(JALが)どう考えたのでしょうか。おそらく、JALの中で、もっと複雑な機材繰りをやったのではないか。ただ、そんなことは教えてくれないので、はっきり言うと分かりません。

NHK:元に戻って申し訳ないのですが、先ほど4期16年の全般的なお話をされたと思います。せっかくの機会なので、改めて、4期16年で、仁坂知事が印象に残ったことをいくつか。政策的な課題でも構いませんし、紀伊半島豪雨もありますが、そういった意味で、振り返っていただけないでしょうか。

知事:あまりにもありすぎて、特記しにくい。一度、知事メッセージを書いているので、バーッと見ていただくと、長いけどいっぱいあります。現在から逆算して見ていただくと分かると思います。私としては、あまりあれがというのは、言いにくい。

NHK:一つだけ。

知事:そういうふうに聞きたくなるでしょう。言いたくないわけです。一番ビビったのは、やっぱり紀伊半島大水害です。じゃあ新型コロナはどうでもいいのかというとそうでもないので、これまた難しい。それから、津波はどうでもいいのか、防災だけでもいっぱいある。鳥インフルエンザだってビビっているし、みんなビビっている。だけど、やっぱり紀伊半島大水害が一番ビビったというふうに思います。もっとこれやるぞ、と頑張ったものも腐るほどある。知事は、そんなものではないでしょうか。

NHK:昨日の選挙で、田辺市で開票作業が遅れて、終了したのが、明け方というか朝6時過ぎになってしまったのですが、これについて何か受け止めは。

知事:感想も、あまりありません。ミスというのは、どこでも起きる。だから、何か起こったのでしょう。私も、毎日ミスばっかりしています。物理的にどこかにぶち当たったり、何かを落としたり。そういう意味では、あまり単純なミスみたいなものを責める気持ちもないし、だからと言って、それを容認してはいけないし、一回ミスした人は、これはいけないと思って、次からしないように努力してくれるのではないでしょうか。

朝日:今回の知事選は、3人の候補者全員が、一次産業について結構触れている印象がありました。知事としては、4期16年、非常に一次産業に力を入れてこられたと思うのですが、成果と課題というところ、どういうふうに考えていますか。

知事:和歌山県は、農業の特化係数が結構高い。総所得中の農業所得が、全国では1%強しかないが、和歌山県は2%ぐらいある。そういう意味では高いのですが、でも2%です。では、どうでもいいかというと全然良くなくて、その2%で頑張ったらいいわけです。どう頑張らなければいけないかというと、産業ですから、所得を上げないといけません。だから、所得を上げるにはどうしたらいいかを一生懸命考えて、販売もやるし、生産力の強化もやるし、輸出もやってみるとか、売れるために「おいしい健康わかやま」を編み出したりして、ありとあらゆることやりました。それから、農地をある程度守っていかないといけないし、新しいところを整備しないといけない。そういうことをやってきて、農業で所得が結構増えた人が結構いる。そういう意味で、個々の有力農家を見たら、結構頑張ってくれているようなところが多いというふうになってきました。
 だけど、全体として問題ないですかと言ったら、一歳一歳年を取っていくので、後継者もちゃんと整えておかないといけないし、いろんなことを考えると、まだまだやることがたくさんある。
 よく、行政のど素人みたいな人が、そんなことないのに、仁坂さん、和歌山はいろいろ期待してもあかんから、観光と農業だけで頑張りましょうというふうに、アドバイスをしてくれる人がいるわけです。これは、はっきり言うと間違いです。なぜならば、さっき言ったみたいに、全部は比率で考えないといけない。シェアというか構成要素、原価構成みたいな感じで考えないといけないけど、全く考えていない。だからといって、1個1個は大事です。だから、みんな大事なので、みんな頑張ろうと言うことは、本当に正しい行政だと思います。そうやって、やってきました。農業も大事なので、一生懸命やってもらったらいいと思います。

紀伊民報:4期16年の中で一番ビビったのが、紀伊半島大水害とおっしゃったのですが、逆に、一番頑張ったとか、やったとか、実績を一つ挙げていただきたい。

知事:それは腐るほどあるので、言いにくい。逆にビビったけど、本格復旧を1年半で95%やってしまったので、よしっという感じはあります。だけど、それは私一人の問題ではなくて、県民一人一人も含めて、みんな頑張った。だけど、61人は帰ってこない。そういう意味で、良いこともたくさんあるけど、ビビったこともたくさんあるし、危機はたくさんありました。
 あえて言うと、ビビっても逃げなかったことです。ビビったら逃げたくなります。新型コロナも、なかなか収まらないから、いい加減知事の責任は無くしたいと思いますし、他所はそんなふうに動いているところがいっぱいある。だけど、(知事の責任)無くした瞬間、県の行政が逃げた瞬間、(新型コロナが)ウワーッと広がる。そしたら、重症化する人が少ないといっても、一定の比率で人は死んでいく。だから逃げてはいけないということです。逃げられない仕事というのが、県知事の仕事です。一応、務めは果たしました。

朝日:昨日のセレモニーの時に、知事から岸本さんについて、後継者という発言があったと思います。知事は後継者指名はしていませんが。

知事:後継者というのは、私の後継者という後継者ではない。ついに、次の人が決まりましたという意味での後継者ですから、そんな深い意味はない。とうとう知事が決まりました。次に知事をやっていただく人が決まって嬉しいなということです。

朝日:ということは、知事としては、仁坂県政の継承者とは認めてない。

知事:認めていないというのは、嫌らしい(言い方です)。継承していただくかどうかは、どこを継承し、どこを改めるか、それは岸本さんが全部考えることです。認めてないって、それはちょっと酷い言い方ではないですか。

朝日:すいません。ちょっと、言葉が。

知事:それは岸本さんが考えることで、私は、お前、俺の跡継ぎだ、と言ったわけではない。だけど、県民の皆さんがお選びになった知事が決まったわけですから、ようやくその人にバトンタッチできるという意味で、嬉しいなと言っていたわけです。そういう意味です。

 
 

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