知事記者会見 令和3年3月23日
知事記者会見
記者会見での発表事項等を紹介します
令和3年3月23日 知事記者会見
令和3年3月23日 記者会見室
南紀白浜空港展望広場(空港公園)内ビジネス拠点整備・運営事業の優先交渉権者の選定と基本協定締結について
おはようございます。今日はたくさん溜まっておりますが、議会が終わるといっぱい出てきます。議会中は、議会との約束で、よっぽど緊急の時以外は記者会見をしないことになっているので、溜めておりました。たくさんございますが、どんどんご説明いたします。
その一は、南紀白浜空港の展望広場にビジネス拠点を整備するということで、アイデアを募集して一番良さそうなアイデアを選んでいましたが、今度は、実際に誰がやりますかということで、優先交渉権者を選定することになりました。
そこで、オリエンタルコンサルタンツという代表事業者と、構成員として淺川組が組んでやることになりましたので、この両者と基本協定の調印式を行います。知事室で3月30日15時半から、白浜町長にも来ていただきまして行いますから、どうぞ皆さん取材してください。
デザインイメージは、この間アイデアを出してもらった時に、こんな感じでどうだというのが出てきたものが、これ(資料2枚目)です。建設関係の事業概要は次の通り出ています。令和4年6月にビジネス拠点を開業しようと考えておるということです。
「飲食・宿泊・旅行業給付金」申請受付開始!
地域交通運行継続給付金の申請受付を開始します
その次は二つありますが、この間の補正予算で通していただきました、「飲食・宿泊・旅行業給付金」と、「地域交通運行継続給付金」の申請を開始いたします。予算が通ったばっかりですが、すぐに申請を受け付けますので、どうぞ皆さん、どんどん該当だと思うところは申請してください。
この紙(申請要領)がありますが、この紙のように、例えば、アウトプットを打ち出すとこんな感じ(申請要領一式)になりまして、この中に、説明とか記載例とかいろいろございます。これをどんどん出していただければ、どんどん認定して給付するようにしたいというふうに思っています。
前からご説明しておりますが、飲食・宿泊・旅行業について大事なところは、今年の1月と2月に売り上げがドタンと落ちて、対前年同月比に対して50%以上減少した。1月と2月とは、1月及び2月ではなくて、1月または2月です。どちらかで結構ですから、50%以上減少した場合は対象になります。
それに対する給付金ですが、小さい店は15万円。大きな店は最高60万円で、段階別に給付金額を考えています。
細かいことは中に書いていますし、ここにWeb(のアドレス)が書いていますが、幾らでもホームページで探していただいたらすぐ分かりますので、それを 見て該当するかどうかを考えていただいたらいいのではないかと思います。
同じく、地域交通運行継続給付金が出ます。これは、先ほどのやつと違って、もうずっと調子が悪いので、今年の1月、2月が対前年同月比で何とかとか、そんなのはありません。バス事業者については、100万円と1台当たりの10万円の加算で、上限があります。タクシー事業者は100万円、法人または個人が20万円で、個人(が複数台所有してること)はありえないけど、法人の場合、タクシー車両1台あたり5万円の加算になります。地域鉄道事業者は一律300万円、フェリー事業者も一律300万円にさせていただきました。
これも、どんどん出していただければよろしいかというふうに思います。申請書の書き方とかは中に書いていますし、分からなければ、Webで調べていただければすぐ分かります。
竹島■(※)工建設株式会社が海南市に工場を増設します
その次、竹島■(※)工は、有田川町ですでに立派に事業をずっとしておられる優良企業ですが、さらに拡張するということで、この間まで動いていましたが廃止になりました海南市の関電の発電所の跡地、特に海側に近いところを、かなり大きく買っていただいて工場を建てることになりました。新規雇用64人で、投資額は35億円ぐらいということですが、64人というのは、海南発電所で失われた雇用を、100%でないですけどかなり取り戻すことになります。
(資料2枚目の)地図を見ていただきますと分かりますが、この赤いところが竹島■(※)工になりますが、まだちょっと空いてます。海南火力発電所として建物マークがついているところが空き地になり、一番上の四角いところは、確か変電所なので残ります。真ん中のところをどうするかは、左側のIR予定地との関係で、事業者がどんなふうに考えるかということもちょっと関わってくるかなと。そうではなく、要らないということであれば、別途、売り出すことになると思います。
それで、同じようなくらいの規模の企業が来てくれたら、海南発電所の雇用は前以上に取り戻すことができることになります。
立地協定の調印式を、3月24日15時半から知事室で行います。皆さんよろしくお願いします。
どんな会社か言い忘れましたが、(資料1枚目に)写真が出てますけど、鉄骨・橋梁の部材を作っています。部材と言っても、ちょっと組み立ても入りますが、ファブリケーテッドスチールというジャンルです。
(※は金へんに矢)
福原ニードル株式会社が白浜町に工場を増設します
その次は、福原ニードル株式会社です。すでに、白浜でメリヤス編針とか編み機の部品を作っています。福原ニードルは福原グループの一員で、福原グループというのは、福原産業貿易株式会社を中心とするような会社で、大阪市に本社があります。メリヤス丸編機械を作ってるのは福原精機製作所で、針などの部材を作ってるのは福原ニードル、この三つで福原グループができるわけです。特に、この部材のところを拡張しようということになったので、同じく白浜町の中ですが、さらに土地も増やして建物も建てるということで、正社員20名、非正社員9名が、新たにここで働いてくれることになります。これは進出協定(の調印式)とかはないの。
企業立地課長:それはありません。
株式会社コムテックがコンタクトセンターを拡張します
その次も(立地協定の調印式は)ありませんが、株式会社コムテックがコンタクトセンターを拡張いたします。もともと、ガラスなんかをやっておられた会社ですが、特に福祉、医療、介護部品の販売のところにどんどん進出をされていて、現在、和歌山市西浜には本社(ロジセンター)や倉庫があり、東京支店もあります。それを、さらに拡張して、ちょっと大きな建物を建てていくことになり、これも良かったと。7名雇用予定になります。
令和3年度 主要な和歌山県公募型補助金について
その次が、公募型補助金制度についての一覧表を作りました。和歌山県は、割合、公募型の補助金が多い。名指しであなたにお金をあげますとかはあまりしないで、制度を作って、この指たかれというのに来ていただいて、一番評価の高いものから、全部ではないですが、専門家なんかの意見も聞きながら審査して決める。基本的には、補助率10分の10というのはあまりなくて、自己負担あるいは自分でリスクテイクもしていただきながら、やる気のある事業者、しかも能力の高い事業者には、どんどん出していこうと、こういう考え方です。
商工系もあるし、農林水産系もあるし、福祉系もある。全部の業種を網羅したものがこれ(資料)で、発表させていただきますので、これをご覧になって、これはうちがいけるなということであれば、どんどん応募していただいたらよろしいかと思います。
なお、和歌山県で、もう一つ、ちょっと便利な制度をずっと作っています。それは(県ホームページに掲載している)ナビで、ちょちょっとひけます。これは、全部の業種を作るのがやや大変だったので、主として商工系の中小企業と、農・林・水産について、それぞれナビを作っています。もちろん、こんなリトゥンフォームというか打ち出した紙でも見ることができますが、自分のやつを探す時にめくっていかないといけない。ナビでやると、例えば、お金を借りたいと入れると、お金を借りるやつがずらっと出てくるし、お金を借りるやつの中で、次にまた条件設定したら、どんどん狭まっていくことになります。ナビで調べるのがなかなか便利ですが、ナビで調べるものについては来週にいたします。ちょっと今、一生懸命作っていますので、ナビスタートは来週、全部網羅した包括的公募型補助金一覧は今日、そういうことにさせてもらいたいというふうに思います。
大規模災害時における食材等の供給及び避難所における調理協力に関する協定を締結します
その次は、災害が起こりますといろいろ協力していただかなければいけないところがありますが、その一つが調理師会です。特に、避難が長引いたりすると、お食事をどうやって提供するかということが出てきますが、そういう時に、調理師会の方々が組織的に手伝ってあげようというふうに言ってくれたので、協定を締結いたします。3月24日16時から16時半です。そのやり方は、ここ(資料)の絵に書いています。
和歌山県オリジナルの災害対応シミュレーションゲーム「きいちゃんの災害避難ゲーム」が完成しました
それから、これは面白いのですが、和歌山県オリジナルの災害対応シミュレーションゲームができました。「きいちゃんの災害避難ゲーム」です。二つありまして、厚紙で何度も使えるような感じになっていますが、昔で言うとすごろくの、ちょっと洒落たようなやつで、ちょっと考えながらやるすごろくです。単にサイコロを振るだけではなく、考えながらやるすごろくみたいな「きいちゃんの災害避難ゲーム」ですが、ゲーム1は「津波から逃げ切ろう!」、ゲーム2は「避難所運営しよう!」ということです。ゲームで親しんでおくと、例えば、頭の片隅に、避難はこうやってやったらいいんだとか、避難所に入ったらみんなの世話をこうやって、やってあげようかとか、市町村の人たちなんかもこんなふうにやったらいいんだとか、そんなふうになると思いますので、それを一遍、ぜひお使いください。
PRするために、こんなことを口で言っても何のこっちゃ分からないので、3分間のPR動画を担当の人が作りましたので、見てください。
(PR動画を上映)
初めて見たんですが、なかなか格好いいのができました。これにサイコロを振っているところがあったらもっといいんですが、サイコロを振って偶然のところで、パッと当たったらパッと何か考えるというような、そういう要素もあります。皆さん一遍やってみてください。記者の方々も、普段、100%忙しいわけではないでしょうから、ちょっと今やることがないなというふうな時は、どんどんお貸ししますから、一遍、自分たちでやっていただいたら面白いと思います。私も、そんなにたくさんやったわけではないんですが、目の前でやってもらいました。なかなか面白いです。
それから、ここ(後ろ)に貼ってます「和歌山県防災ナビアプリ」。貼っているのはなぜかということで、これは、日本レジリエンス大賞国土強靱化大賞(下線部について、正しくは、ジャパン・レジリエンス・アワード強靱化大賞です。以下同じ)というのがあります。和歌山県も何度かレジリエンス大賞の各賞をもらっていて、毎年一つずつぐらいもらっていますが、とうとう今年、これがナンバーワンに選ばれました。これは、本当に便利だと思いますが、スマホさえ持っていれば、あまり予備知識がなくてもどこへ逃げたらいいか、それ(避難場所)どこにあんのとかいうと、あっちやこっちやあっちにと(避難場所が)出てきます。それで、避難場所に逃げる。避難所というより避難場所、どこに行ったら命が助かるかが出てくることになっていて、その他にもたくさん使えて、それを避難訓練用にちょっと使ってみようとかもできます。なかなかこれ優れものなので、スマホを持ってる人は、これ(ポスター)のQRコードに登録するとインストールされますから、災害が起こった時にちょっと触るとすぐに(避難場所が)あちこち出てくる。災害が起こらない時でも出てきます。
これが、日本国土強靱化レジリエンス大賞になりましたということを書いていませんが、後ろに貼ってあったので申し上げておきます。表彰式はいつでしたか。
防災企画課長:19日(正しくは、3月18日)に表彰です。
19日は議会があった(議会閉会は18日)ので行けなかったのですが、もう終わっていて、これをもらって参りました。あんまり言わなかったかな。発表はしています。
紀州徳川400年記念出版 -南葵音楽文庫(なんきおんがくぶんこ)関連書籍3点同時刊行-
その次は、紀州徳川400年記念出版で、南葵音楽文庫関連書籍3点同時刊行になります。もうちょっと前に出そうと思っていたのですが、執筆者の美山先生が、凝りに凝って、ものすごく良いものを作ろうということで、一生懸命、推敲に推敲を重ねて作ってくれたので、ちょっと遅くなってしまったというきらいはあります。
三つありまして、一つは持ってきましたが、帯に私の顔が出てるから持ってきたわけではないのですけど、これは包括的な案内です。昔話も内容も全部入ってるし、この文庫の外側にあるようないろいろな話のいろんなものが入っているので、紀州南葵音楽文庫をご理解いただくには、ものすごく良い本だと思います。ご覧のように、ほとんど写真と説明が半々くらいで、非常に包括的で良い本ができたと思います。
さらに、二つ同時に発行しました。一つは、これはなんて読みますか。
県立図書館サービス課長:薈庭楽話(わいていがくわ)です。
薈庭楽話というのを、同時に出します。これは、徳川頼貞さん、南葵音楽文庫を本当に心血を注いで集められた紀州徳川家の当時の当主ですが、その方ご自身の本です。自叙伝風ですが、音楽に対する思いとかを書いていて、1941年にできています。これは、当時の世相もあったのかもしれませんが、出版して世に売り出すというよりも、ご自身で印刷されて一家の資産としたということです。それを、初めて公開して出版することになります。もちろん、資料としては、音楽研究家はどんどん使っている本ですが、もともとは私家本でした。
もう一つは、徳川頼貞さんにずっと私淑したサポーターがいて、喜多村進さんという人ですが、この方が、自分の上司である徳川頼貞侯を素描した、徳川頼貞侯の横顔ということで、県立博物館に初稿原稿が残っていましたが、それを初書籍化いたしました。
それぞれ定価がついていますが、これをぜひお読みいただいて、紀州徳川400年南葵音楽文庫についての思いをいたしていただいたらどうかと思います。
一番の推奨は子供たち、それから、文化に関連する特に音楽の好きな文化人、全国の音楽家、教育関係者、そういう方が読んでいただいたらいいなというふうに思っている次第です。
県民の皆様へのお願い
発表は以上ですが、県民の皆様へのお願いを変更しています。3月22日以降で、今まで出していました、露骨に言うと、京都府、大阪府、兵庫県への不要不急の外出は控えるというのは止めました。なぜ止めたかというと、緊急事態宣言も切れて、あんまり我々は、不必要に行動の制約はしないということでしたが、実はこの3府県が自分たちの府県民に対して、不要不急の外出を控えるようにと言っておられたので、じゃあ一緒にしないといけないということでした。しかし、3府県とも、不要不急の外出を自府県民にお願いするのは止めたので、これはもう廃止をいたしました。
埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県は、京阪神に比べるとまだまだ感染者も多いし、形はいろいろですが、事実上は、不要不急の外出の自粛のようなものを、それぞれの知事が熱心に説いておられるので、これは協力するというのと、乱さないという意味もあって、4都県については、不要不急の外出を控えて欲しいということを、県民に対しては申し上げようと思います。残りは全く一緒です。
この際申し上げておきますと、和歌山県の現状ですが、毎日、福祉保健部、特に技監が記者会見したり、資料提供したりして、皆さん聞いていただいてて報道していただいていますが、私がまとめる限りは、次のようなことが気にかかります。
一つは、やっぱり変異種です。これは、結構うつりやすいというふうに思います。変異種は、和歌山県は近畿の中で終わりの方でしたが、京阪神で結構あるのではないかというふうに思います。それを引き込んでくる、うつった人が和歌山へ来て、誰かにうつす、家族にうつすということが、いくつかのところであって、結構うつりやすいので、すぐクラスターになってしまうことがありますから、これは注意しないといけないと思います。もともと、和歌山県はずっと調べていて、第三波の時がうつりやすいとか、あるいは陰性でも後で陽性になる人が結構いますというのは、統計を駆使して皆さんに申し上げていましたが、印象ですが、それよりも更にうつりやすいかもしれないというふうに思っていますので、お気を付けください。
その関係で、どうやってうつったか完全にはまだ分からない状態ですが、多分これだろうと思っているのは、やっぱり、他所へ出かけて、特に大阪などに出かけての飲食です。しかも、結構、お祝い会みたいな、あるいは派手に夜中まで飲食というような感じなので、これはやっぱりまだリスクは結構高いから、県民の皆さんへのお願いは続けていますが、ぜひ気を付けてもらいたいというふうに思います。和歌山県で飲食をするなというのは、一般的には言っていないので、例えば、大阪に出かけて飲み会をやらなくても、和歌山で飲み会をやっていただければいいと思います。従って、それはものすごく注意してもらいたいと思います。
二つ目は、いつも言っていますが、何か分からないけどちょっと症状がある時に、医者に行かない人がまだ随分います。熱が出たりしてちょっとドキッとするけど、クリニックであれお医者さんに行って、これは新型コロナとは違うでしょうか、PCRしてくれませんかと言ったら、公費でやってくれます。症状があればやってくれてタダですから、ぜひそれはお願いされたらいいと思います。
一方、お医者さんも、自分のところでPCR検査キットがないお医者さんがあったと思いますが、それは他所に紹介すればすぐにできるわけで、それをしなくて、二回もチャンスを逸して、随分遅くまでその人の感染を囲い込めなかった事例がありました。従って、クリニックの方々もどんどん検査をする。せっかく来てるんだから、どんどん検査をして、それでクリニックが損するわけではありませんから、そうやってやって欲しいというふうに思います。陰性で良かったということでいいわけですから。ということを基本的には思いました。
それから、昨日、東京へ行って参りました。18日に、私が俗に田舎連合と言ってますが、32県(正しくは34県)で、広瀬大分県知事を座長とするグループがあります。緊急事態宣言区域だと、結構手厚く政府が助成をしてくれる。調子が悪くなった時に政府が助成をしてくれますが、残りのところ、特に、和歌山はパラパラ(陽性者が)出てますが、例えば、鳥取とか島根とかはゼロですから、(そういう)感染を必死で抑え込んでいるようなところだって、経済は元へ戻っているかというと全然戻っていない。みんなマインドが冷え込んでしまって大変な惨状で、和歌山もそうです。和歌山は、県単で自分で企画して、少ないお金を使って皆さんを助けようとしていますが、政府も、それをぜひ助けてくださいという話をしに行っています。18日に大分県知事が上京して、ずっと政府や与党を回りましたが、それの補足行動として、私は昨日、西村大臣や県選出国会議員のところに行って、お願いをしてきました。
まだ、「はい、これやります」というふうにはなってないのですが、だんだん機運は熟しているのではないかというふうに思います。まだ予算審議の真っ最中なので、今日、明日に、何かしてくれることにはならないと思いますが、だんだん、政府与党関係者の頭の中に、それをやってあげないといけないというエネルギーが溜まりつつあるのではないかというふうに、期待をしています。
以上です。
質問と回答
朝日:きいちゃんの災害避難ゲームについて質問です。こちらですが、他の自治体の取り組みなど、何か参考にしたものがありますか。
知事:どこだったかちょっと忘れましたが、そんなの言う必要もないけど、他所にも同じようなものがあって、見たらなかなか面白い。要するに、楽しみながら体で覚えるという思想は全く一緒です。ただ、和歌山県は、ものすごく、実は防災関係のレベルが高い。知見もあるし、装備もものすごくできている。だから、それを入れて我々なりのやつを作らないといけない。人のものをそのまま借りてきてこれで遊びましょうと言っても、そんなに役に立たないから、和歌山県の現在の装備とか準備とか知見とか、そういうことを入れたものを作らないといけないので、内容はオリジナルです。
朝日:ゲームについてですが、イメージとしてる対象者は、どういう層を対象にしてるのか。あまりこれまで防災の知識がない人に、より知ってもらうというイメージですか。
知事:誰でもです。まず、遊びの要素があるので子供たちが遊べます。それから、大人もちょっと、今、余裕があるなという時は遊べます。遊んだら、「そうか」と分かることもあります。それから、市町村の方、県の職員、ひょっとしたら避難所運営にいつも面倒を見てくださるような人、自治会の幹部、そういうリーダー的な人にもやってもらったら、もともと知識は随分あると思いますが、さらにレベルアップされると思います。
朝日:コロナウイルスの話ですが、変異ウイルスが、これまでスクリーニングして11人出てると思います。海外渡航が無い人が大抵だったと思いますが、知事は、県内での変異ウイルスの広がり状況について、蔓延してると捉えているのか、どのように捉えていますか。
知事:和歌山県は、もともと、コロナウイルスが蔓延しているわけではない。だから、どこかの県みたいに、蔓延してしまって積極的疫学調査の意味がないなんて状態では全然なくて、ちょっとでもうつった可能性がある人はみんな調べに行って、全部囲い込んでいるから、保健所がアプローチしてこない人は、ほとんどうつっていないと言った方がいいと思います。その中で、アプローチしてきた人の中で、結構、変異ウイルスが多くなっているということだと思いますが、そういう位置付けです。なぜ多くなるかというと、それは結構、他のやつよりもうつりやすいので、全体で囲い込んでる中でも、それから漏れてポッと発症した人の周辺で、結構変異型の人が発症しやすく、そうでない人は、それほどでもないとすると、こっち(変異型)が割合増えてきます。そういうことであろうなというふうに思います。逆に言うと、この辺の囲い込みがちゃんとできてないところは、首都圏など結構たくさんあるのではないかというふうに思います。
紀伊民報:きいちゃんのゲームですが、ゲームを見られたということで、実際にはやってみられたのですか。
知事:目の前でやってもらった。
紀伊民報:実際にはされていない。
知事:見てました。それほど時間がないので、知事説明の時に、実物を持ってきてやってもらって、やってるところをみんなに見せないと分からないと。だから、やってるところをビデオに撮って、記者諸君に見てもらえというのが私の命令です。だけど、サイコロを振っているところがなかった。
紀伊民報:これは販売とかはしないのですか。
知事:販売はしないか。
防災企画課長:販売の予定はございません。
知事:あげるんだ。
紀伊民報:市町村とか、振興局から貸し出す。
知事:貸し出します。
紀伊民報:空港公園のビジネス拠点ですが、改めて、どう期待するかコメントいただけますか。
知事:これは、今、チャンスです。特に、東京一極集中が、コロナウイルスで反省されている。だけど、それは和歌山へ自動的に来る話ではない。そのチャンスを活かして和歌山へ来てもらわないといけない。だから、今、非常に頑張らなければいけない時期ですが、頑張る時に、口で言っててもいけないので、どこで頑張ったらいいかというところがあります。そうすると、やっぱりビジネスですから、便利でなければいけない。道が悪くてそこへ通うのも大変ですけど人里離れたところでどうですか、というようなところは難しい。白浜は、交通の便を考えると、陸上は、関空を使ってとか新幹線を使ってもそんなに不便ではないし、南紀白浜空港が堂々とあるし、ものすごく便利なところです。それから、通信環境は和歌山県はすごく良いですから、そっちの条件は良い。その次は、住んで楽しいところじゃなければ、東京の狭いところでテレワークして家から通えることになるから、住んで楽しい立派なところというのが大事です。それは、自然環境も大事で、和歌山県は、自然環境とか歴史とかはあるけど、何もそれだけで生活するわけではない。例えば、住宅環境が良いかとか、物価はどうだとか、進学校がなくて息子や娘の出来が悪くなるのはものすごく心配で、みんな逃げてしまうから、教育環境はどうだとか、病院とかがちゃんとあるかということがあって、和歌山県は割とそういうのはちゃんとできてる。最後に、入る建物があるかというのがある。それは、いっぱい空き地があるとか言ってても駄目なので、やっぱり作ってここはどうですかといったら、すぐに明日からでもと考えてる人は検討の対象になる。ところが、それがちゃんと整備されてなくて、更に2年か3年かかりますというのは、それは他所へ行くことになるから、こういうようなものをどんどん整備していかないといけないことになる。たまたま、ここはロケーションが最高ですから、そういうところで建物を建てといて、ここに、サテライトオフィスでもワーケーションの基地でもどっちでもいいんですが、作ってもらったらいいなというふうに思います。一年ちょっとかかりますが、完成を待ち望んでいます。
毎日:先ほどお話の中でも少しありましたが、改めて、緊急事態宣言が解除されたことの受け止めを、もう一度お願いします。
知事:まず、緊急事態宣言が発表された時の状況と今と比べると、やっぱり随分コロナウイルスの患者数も減ってるし、病床の埋まり具合も随分減ってると思います。ただ、コロナウイルス患者については、別に隠し立てをしてるところはないと思うし、誰も隠し立てはしてないから、よく謀略論で隠してるんだとかは、嘘だと思います。ただ、特に首都圏なんかは、見つけ損なっているのはいっぱいあるかもしれない。
病床については、ちょっと括弧書きを入れなければいけない。和歌山は全員入院です。例えば、兵庫県なんかも、あんなに大きいけど、全員入院にまた復帰しています。そういうところと、自宅でいいです、ホテル行ってくださいというところとは、病床の埋まり具合を、全然別のクライテリア(基準)で判断しなければいけない。だから、和歌山流に東京の病床占有率を考えたら、そんなもの何百%になってしまう。和歌山は最大400床で、今、実行はもうちょっと減らしてますが、そういうところから言うと20人ぐらいですから、まだいっぱい余裕がある。この余裕と、東京や神奈川の余裕とは違います。兵庫県ともまた違います。兵庫県は全員入院ですから、結構割合は高いけど、それでも大分減ってきた。だから、いろいろ違うけど、全体として言うと病床占有率も随分減ってきた。
それから、感染者も宣言の時に比べると随分低い水準にある。だから、緊急事態宣言は一回解除してよろしいというご判断だと思います。私はそれは正しいと思います。
ただ、次にどうしなければいけないかというと、リバウンドしないようにしないといけない。リバウンドしないためにどうしたら良いかと言うと、御新聞も含めて、ほとんどのメディアは気の緩みばっかり言っています。気の緩みで爆発したら大変だというのは、実は緊急事態宣言の時に注意をしようと言ってたのと同じなので、それが世論としてみんながそうだと思ったら、経済や生活の回復なんてあり得ない。それで、一部の人はそんなもん知るかといって本当に気の緩みをするから、このままだと感染のリバウンドがある可能性が高いわけです。
どうしたら良いかというと簡単で、和歌山のようなシステム、ほとんどの地方圏できちんとやっているような、医療保健行政を立て直す。今まで全然違ったシステムでやっていたところは、一番上手くいってるところに合わせてきっちりしたらリバウンドしない、それをしなかったらリバウンドする可能性は高いということに、論理的になります。ある意味では、期待を込めて早く改善したら良いのにと思いますが、同時に多大な恐れを持ってます。首都圏を中心にリバウンドするのではないか。またウワーッと来ると、たくさん球が飛んでくる状態になりますから、たまらんなあというふうには思います。
毎日:今後、転勤や進学などで、首都圏から和歌山県に来られる方も少し増えると思いますが、改めて、そういう方々や県民の方に対して、呼びかけをお願いします。
知事:一番大事なことは、極端な行動はしないということでしょう。極端な行動は何かというと、お願いに書いてあるような、めちゃ暴れをするような飲食が中心でしょう。
その次に、例えば、東京から転勤しました。もともと高熱があるのに転勤してきましたというのは、止めてくださいというのがあります。だから、体調とかを考えて、大丈夫だと思ったら移動して、大丈夫でなかったら、大分向こうも状況が良くなってるから、クリニックなんかへどんどん行って診てもらうというふうなことをすべきです。だから、体調の悪い人は移動しない。これが二つ目です。
三番目は、和歌山でちょっとでも悪かったら、すぐクリニックに行って調べてください。「大したことない、こんなもの」とか言うのは止めてくださいというのがあります。
四番目に、仮に罹ったら、別に罹ったことがすべて悪ではないので、とにかく和歌山県はそういうところの指導はきちんとしますから、100%指導に協力してください。誰と会ってた、あの時はあの人がいた、あそこでご飯食べた、いつからちょっと熱っぽかったとか、じゃあこの病院にしばらく入ってくださいと言ったら、はい分かりましたと言って協力してもらう。軽症や無症状は、割と早く出られますし、出られたらすぐに働けますから、そういうことをやって欲しいというふうに思います。
その4点でしょう。それを気を付けていれば、他所から来た人を全面的に敵視したり、飲食は一切しないようにしようとか言う必要まではないと思います。
時事:東京に行かれて西村大臣とお話になったということですが、具体的にどのようなことを要望されて、どのような回答を受けられたのか。
知事:言ったのはさっきの話です。聞いてなかった。
時事:聞いていました。例えば、「Go To トラベル」の地域限定の再開や、そういうような話は。
知事:具体的に、手段は、やっぱりなかなか選びにくい手段と選びやすい手段があって、我々としては、何らかの形で応援をしてくれればいいわけですから、あんまりこの手段をこういうふうに発動しろと、政府ではないし役所ではないから、私はそんなところまであんまりこだわっていない。従って、今、非常に落ち込んでる飲食や宿泊を中心とする業種、「中心とする」ですからその周辺もあると思っています。そういう落ち込んでいるような業種に対する救援、救済。もう一つは、「Go To」については、できるだけ早く戻して欲しいけど、例えば、戻し方にいろんな議論があるのだったら、Go Toイクイバレントというか、Go Toに匹敵するような制度も応援してもらったら良いのではないかというふうには言っておきました。
どんなものが匹敵するような制度であるかと言うと、例えば、別に政府の助けを借りてやったのではないし、やれと言われたわけではないけど、県内用にリフレッシュプランをやりました。ああいうようなものなどは、対象になるのではないですか。あの時は、一般的な包括交付金はもらってますが何に使うかはこっちの自由で、要するに、県の財政を犠牲にしてやったわけですが、それをもうちょっと露骨に助けてくれても良いのではないかというような気持ちはあります。
だから、時宜を得て、状況を見て、手は打ってくれるのだろうというふうに期待はしてると思います。ただ、どういう形でいつ何が出てくるかは、別に確約いただいたわけではないし、私も分かりません。それは、ある程度、中身は政府にお任せしていいのではないかというふうには思っています。
産経:防災ナビの、ジャパン・レジリエンス・アワードの大賞受賞の件です。このナビは前から作って、どんどんバージョンアップしてきた部分があると思いますが、まず、受賞の受け止めと、ナビなのでインストールして使ってもらわないと意味がない部分があるので、その辺り、改めて県民に一言お願いします。
知事:まず、ものすごく良いのができたと思います。これは、県庁の職員が自発的に発意して、あっという間に作ってくれました。私は結論を見せてもらって感動しましたが、本当に立派なものを作ってくれたと思いますので、こんな立派なものは他所にはない。従って、日本レジリエンス大賞の本当の大賞に認定していただいたのは、大変名誉なことです。しかし、まあそうだろうというぐらいの自信はありましたというぐらいの感じで、あんまり偉そうに言うと怒られるので、名誉なことだというふうに言っておきたいと思います。
そんなものすごく立派なもので、かつ、日本中の専門家も含めて、これはすごいというふうに言ってくれたものなので、ぜひ、県民の皆さん、スマホを持ってる方はこれをインストールしといていただくとものすごく便利ですと呼びかけたいと思います。
それから、こんなもんと言いましたが、実は、防災で商売しようというものすごく先端的な企業があります。僕らが作った半年後か1年後に、「こんなのどうですか」と言って売り込みがどんどん来て、あるよと言ったらびっくりしてました。だから、そういう企業は、他所の県に売り込みに行ってると思うので、今は、ひょっとしたらこれに近いようなものが、他所の県と市町村にも、その会社製のものが入ってるかもしれません。
朝日:今日の発表内容と違って、県議会の答弁のことですが、藤本県議から同性パートナーシップ制度の話が出た時に、公的機関が証明したとしても、生ずるその法律関係の変化が整備されてないと自己満足に終わってしまうと答弁されてたと思いますが、ここで言う自己満足とは、行政側なのか、それとも利用する当事者側なのか、ちょっとその辺り、認識を伺えますか。
知事:まず、基本的には、何でやって欲しいかというと、認められたら嬉しいということで、嬉しいだけでは駄目でしょうということで自己満足と言いましたが、今の質問はなかなか良い質問で、そういえばよく考えたら、こういうのをどんどんやるところがいっぱいあるけど、ひょっとしたらあんまり考えないで、格好だけ付けてやっているのではないかというような気もするなと。基本的には前者ですが、後者についても、ややそういうものの見方はあるかもしれません。
今やらなければいけないことは、本当にそういう人が事実上の差別を受けている。事実上というのは、別に差別したいわけではないけど、制度によって不自由を来してるということが正しい表現と思いますが、その不自由を来しているものがあったら、その不自由を取ってあげるのは行政の仕事ではないかと私は思っているので、今ずっと制度をスキャニングしていて、直すべきものは直そう。
その時に、藤本さんもちょっと言っておられましたが、LGBTだけではなく、例えば内縁関係とかも、見せかけではなく真面目な内縁関係があります。そういうのは、結婚しているという形式にかかわらず、不便を来す必要はないのではないかと思います。あるいは、同姓にしなければいけないのは嫌だけどずっと一緒に住んでるとか、そういうのも人の生き方として別にいいのではないかと思いますから、そういう不便を解消してあげたいということで、これ実務的な話にすごくなるので、今、やってるとこです。
朝日:いつぐらいまでにとかは。
知事:ちょっと分かりませんが、割と気が短いんで早くやれと言っています。
朝日:割と、いろんなところにどういう制度の不自由があるかというのを、今早急に精査している。
知事:とりあえず県庁の制度です。