知事記者会見 令和2年9月8日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和2年9月8日 知事記者会見

令和2年9月8日 記者会見室 

本県での新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)の登録と活用について

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 今日は、発表項目が四つに話題事項一つでございます。

 まず、COCOA(ココア)、新型コロナウイルス接触確認アプリをインストールしましょうということを、皆さんにお願いをしたいと思います。

 これは、国が企画して装置を作ってくれたやつなんですけども、スマホから簡単に(資料の)下にあるようなQRコードからパッと入りますんで、これを入れといていただくと、何かと便利だということになります。それで、(資料の)真ん中の方にございますけれども、誰彼なくて、スマホとスマホで、1メーター以内15分以上接触したものについては、このアプリを入れとくと、全部記憶をしておくわけです。それで今度は、見ず知らずの人も結構いると思いますけど、そういう人が陽性になったというと、保健所の指示で、その人から情報が発信されるわけです。そうすると、インストールしてるところにピュッと来て、接触した可能性あるよと言われるんで、さあということで次のページへ行きます。

 左の方は、ダウンロードしといて、1メーター以内に15分以上接触したら記憶されています。誰かの陽性が発覚するのは、いろんなシステムで発見されるわけです。和歌山で言えば、お医者さんで発見されることがあるんですが、そうすると保健所が、あなたCOCOA入ってますか(と聞いて)、はい入ってますと言ったら、アプリ確認処理番号を発行いたします。そうすると、全国の接触者に(情報が)飛んでいくわけでございまして、スマホに陽性者との接触がありましたよと通知が来ます。そうすると、その人は、新型コロナ専用相談窓口の連絡先に連絡するということでございます。

 ここが一番大事です。間違っても、保健所に大変大変とか、例えば、日赤のような大病院に大変大変(通知が)来ましたといって、ワーワー言うてもあきません。そんなことすると、せっかく上手く回ってるシステムが回らなくなって、多くの人が殺到しますから、従って、ここ(資料)にあるような番号に相談してくださいねということでございます。

 そうすると、本人情報と症状の有無を確認して、どこどこの医療機関に行ってくださいと言います。料金は、基本的に自己負担はありません。しかし、クリニックなんかに行くとか病院に行くとかいう時は、そんなに高くないと思いますが、初診料などは払っていただくということになります。何万円もするはずのPCR検査料とか、もうちょっと安い抗原定量検査料とか、そういうのは無しということになります。従って、連絡して行って、調べてもらえば良いということです。

 それで、陰性の場合はやれやれということになるんですが、陽性の場合は、その病院が保健所に連絡するということになります。あとは、保健所の人が、これは大変だということでやってきて、措置入院をさせてくれたり、あるいは行動履歴で濃厚接触者をお聞きしたり、そういうことになるわけです。

 従って、これはものすごい数になる可能性があるんですけど、この人たちが保健所にダッとラッシュしたり、日赤みたいなところにドッとラッシュしたら大変なことになるんで、そういうことにならないように、大体はそんなに陽性の人は多くありませんから、(資料真ん中の)県の赤い番号のところに連絡していただければ良いということになります。

 ちょっと私もあれと思ったんだけど、問い合わせ窓口と、2枚目にある電話番号が違うんだけど、これはなんで。1枚目の問い合わせ窓口がある。さらに、問い合わせ先、健康推進課、担当者が書いてある番号と三つある。これは、何。

危機管理・消防課長:アプリのインストールなど、それ自体の取り扱いは危機管理になります。

知事:危機管理ってどこ。

危機管理・消防課長:感染症対策本部の方です。

知事:ちょっと待って、どの番号。

危機管理・消防課長:441-2262です。

知事:何。

危機管理・消防課長:1枚目の。

知事:そんなものはないぞ。ああ一番下か。だから、四つもあるんだ。危機管理・消防課長は、僕はあんまり相手にしてないんだよ。つまり、その上に、073-441-2275とある。その次の紙に073-441-2170とある。さらに、073-441-2643とある。さらに、2262まである。これはどうなってるんだというのを、この紙を予習してきた時に分かった。

危機管理・消防課長:すいません、間違えました。アプリに関する窓口は、441-2275です。441-2262と言いましたのは、報道機関の皆様の資料に対する問い合わせ窓口です。

知事:それは、誰も聞いてない。そんなことは聞いてなくて、問いに答えろ。君は関係ないことだけしゃべって、私の問いに答えていない。すいません、皆さん申し訳ない。議事録に残しておいてください。

健康推進課長:健康相談に関するお問合せ窓口というので、2170が入ってます。これは両方の紙に入ってるんですけども、こちらの方につきましては、陽性患者さんからの通知を受けたアプリを使っている方が、相談していただく連絡先窓口になっております。

知事:そうすると、2170に、皆さん大変大変と言って(電話を)かければ良いということですね。

健康推進課長:はい。

知事:ところが、なんか紛らわしいのが、1枚目とその下に書いてある。これは無視していいのか。

健康推進課長:資料のお問い合わせ窓口ということで書かせていただいております。

知事:そういうことね。制度についてのお問い合わせ、そういうことですな。そういうのは、好きなように問い合わせしてください。だけど大事なのは、この真ん中に小さく書いてある、073-441-2170に、大変大変、なんか来ましたと言って、皆さん連絡するように、新聞とかテレビでは言ってください。お願いします。そんなことでございます。

新型コロナウイルス感染症の県内発生について

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 それから、その次は、発表というよりも、ちょっとまとめてみました。このまとめについては、先週の日曜日と次の日曜日に、福祉保健部技監がテレビ和歌山で説明しますけど、ちょっと、その一部だけ、これからするところを、先に皆さんにもご披露させていただきます。

 今、234人確認されておりますけど、これは8月31日の発表までなんで、230件でこんなふうになりましたということで、累計は赤い線で230のとこへ行っておりますが、新規発表はこんな感じでございます。なんかものすごいたくさんいるようですが、目盛りが細かいので、一番多い日で13人でしたが、そんなことでございました。

 それで、第1波、第2波というのを比べると、これは全国的な特徴ですけれども、圧倒的に20代の方が急に増えたということでございます。30代、40代も結構増えて、お年寄りのところは、まあまあ前と同じような感じかなということで、20歳未満、20代、30代、40代のあたりが増えましたということでございます。

 症状は、第1波と第2波に分けますと、発熱は、両方ともやっぱり多いんですけれども、肺炎が、第2波について言えばかなり少ないんです。やっぱり夏ですから、呼吸器系が元々そんなに弱っていないということではないかなあというふうに、私なんか思ってるんですけど、医者でもありませんので、あんまりはっきりしたことは分かりません。いずれにしても、肺炎が少ないということであります。逆に、味覚異常と嗅覚異常が、今回はえらい多いということで、ひょっとしたらウイルスの変容が若干あるのかもしれないし、味覚、嗅覚に関して言うと思い当たるのは、今回はよく飲食でうつってるんです。だから、うつってるウイルスがたくさん入ったところの味覚なんかが、やられることが多いんではないかなというふうに素人ながら思うんですが、事実だけが真実なんで、推測の方はあまり当てになりません。

 年代別重症度というのは、これは今までのやつを全部足したものでございますけれども、こんな感じになって、やっぱり年寄りになると重症になる人が多いということで、若い人は軽症のまま止まる人が多いということになります。それから、第1波と第2波に分けてみましたが、ちょっと違うなと思うのは、70代のところで、第1波の時は、亡くなられた方、あるいは酸素を必要とするような重症者、つまり、肺炎になって苦しむという人が多かったんですけど、まあ4人と3人ですけど、軽症で止まってる人もいるようであります。全体的には、肺炎以上の割合が低いということが、若干、お年寄りでもちょっと見えるなという感じでございます。

 最後のページが、一番重要であります。和歌山県の230例の分析結果のうち、和歌山県は発見が早いので、無症状のまま入院をしていただいてる人が随分たくさんありますが、無症状のまま入院していただいたが、病院に入ってから、肺炎になったりする人が結構いるんです。あるいは、軽症者はもっといるということで、無症状の方が無症状のまま退院するというのは、全体の中では半分以下であります。従って、無症状でも、放っておいたら危ないので、軽症で止めるように、いろいろな治療をして、軽症で止まったらそれで良いし、重症になったら酸素を入れることから始まって、様々な手当が病院ではできますので、命が助かる確率が高くなるということであります。

 そんなことで、無症状者についても、ちゃんと入院をさせないと危ないということであります。ましてや、軽症者の場合は、軽症で止まる人もいるんですけど、軽症が悪化する人もいるということであります。

 大事なことは、無症状者であっても、病状の悪化に備えて、入院による医学的管理に置く必要があるということで、こういうことからも、感染症法を改正して、入院しなくてもよろしい、入院するのを強制することは止めなさいと言われることなんかしたら、人の命はどんどん危険に晒される。その人に関してもそうだし、その人がちゃんと家の中に閉じこもっていれば良いけど、ウロウロする可能性だってあるわけです。特に若者なんかは、なかなか言うことを聞かない人もいる。そうすると、そういう人を介して感染がどんどん広がるんで、せっかく分かってて感染の防止ができるのに、できないことになったら大変です。政府のこれから正しい判断を、特に求めたいというふうに思います。以上です。

「和歌山梅酒」が酒類の地理的表示(GI)の指定を受けました!

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 それから、和歌山梅酒が、酒類の地理的表示(GI)の指定を受けました。GIというのは、酒とその他というふうに分けていて、その他は農林水産省が所管していて、酒については財務省が所管をしているわけですが、これは、地域で長年育まれた伝統と特性を有して、その品質等の特性が生産地と結びついている農林水産物や食品、すなわち酒です。これの名称を、知的財産として保護するということであります。

 これは実は、EUとの関係では、経済連携協定でお互いに保護しましょうということになってるわけですから、EUの中でも、日本のGI、例えば、今回の場合の和歌山梅酒を、EUの人が勝手に違うものに表示したり販促をしたら、EUの中でも違法になるということになります。

 そんなことで、世界的に保護されるものでございまして、和歌山県で言うと、紀州金山寺味噌。これは酒類以外ですけども、すでに登録をしています。酒については、今まで12品目指定されていましたが、和歌山梅酒が13番目ということになります。梅酒では、当然初めてでございます。梅酒というとリキュールですので、リキュールでは初めてと言ってもいいかもしれません。

 ということで、これからどんどんこれを利用して、拡販努力をしていこうというふうに思っております。

県立博物館施設「秋の特別展」のご案内

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 それから、県立博物館の各施設で、9月から10月にかけて、秋の特別展を始めます。来年の、国民文化祭、全国障害者芸術・文化祭まで、いよいよあと1年になったわけですが、これから、こういう文化の催しというのを、どんどんどんどん多くしていこうというような企画をしていて、それの第1陣で、三つございます。

 一つは、紀伊風土記の丘で、「埴輪が語る古墳の祀り」ということで、なかなか面白い古墳についてのお話が聞けるということになります。開会式、内覧式は、10月2日の午前11時半から行います。

 県立近代美術館では、「もうひとつの日本美術史-近現代版画の名作2020」。和歌山県について言えば、版画家もいるし、和歌山県立美術館の、版画の収集、蓄積は、かなりのものなんです。それを皆さんにお見せしましょうということで、他所のところのものも若干借りてくるということです。日本の版画100年の歴史を一覧できるようにするということです。

 県立博物館は、「国宝粉河寺縁起と粉河寺の歴史」ということで、西国三十三ヶ所の三番札所でございます、粉河寺。観音さんの信仰の聖地ですが、これについて、様々な展示をするということで、後の方に、パンフレット等を入れておりますので、それを元にして、県民の皆さんにご紹介いただいたらどうかなというふうに思います。

国勢調査の実施について

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 それから、9月14日から、国勢調査のインターネット回答が始まります。インターネット回答は、10月7日までにやってください。これは、調査員がいちいち各戸を訪問して、書いてくださいとか言うわけですけれども、若干コロナが流行ってるんで、あんまり人と会いたくないなと思う人もいます。そういう人も、このインターネット回答でおやりいただくと、完璧ということになります。

 各戸訪問の場合も、インターホン越しに説明を行うとか、マスクを着用して調査員が回るとか、工夫はしていきたいというふうに考えております。

 以上でございます。

質問と回答

産経:梅酒のGI指定についてです。率直に、県の主要産物である梅を使った加工品が指定されたというところで、それの受け止めと、取得したことで、今後に期待される効果はどのようにお考えでしょうか。

知事:例えば、こういうのは指定をすると、自然に、胴元の、例えば、国税庁とか農林水産省とかが、政策の宣伝を兼ねてPRをしてくれるわけです。だから、それだけでも知名度は必ず上がる。

 それから、やっぱり徒や疎かに簡単に取れるわけではないんで、GIに指定されたということは、ここにあるような特色が認められたということで、我々としては、やっぱり良い物なんですよということが、証明されたということになります。

 それから3番目は、偽物とかまがい物とかが横行しては困るんですけど、これはちゃんとした制度になっていて、保護もあります。そういう点では、安心ということにもなります。従って、これをてこにして、我々は大いに誇りに思うとともに、PRして売ってきましょう、まあこういうことです。 

産経:梅の生産量や販売価格においては、価格は上がってるんですけど、生産量は下がってたりしますが、梅農家とかに対しての効果とか、その辺りはいかがですか。

知事:これは、三つあるんですけど、生梅で売ったりジャムにしたりするというのと、梅干と、この梅酒です。この三つがあるんですけど、梅干もものすごく今ブームなんですけど、やっぱりこれから梅酒は特に外国には受けるんと違うかなあと思ってて、実は受け始めてるんです。そういうのが、特にGIの指定で弾みがつくんではないかというふうに思います。製品が売れると需要は必ず膨らむんで、従って、梅農家にとっても朗報ではないかというふうに思います。

 梅酒に関しては、梅農家が少しも喜ばない梅酒があるんです。つまり、梅を使ってない梅酒というのが世の中にあるんで、我々がずっと運動してきたのは、本格梅酒というのを推奨しようと。これは、クエン酸なんかで適当に味つけして、梅酒といって売るのは駄目ということになってるんです。従って、本格梅酒が売れる限りにおいて、梅の需要が喚起される。これはもう論理的なんですけど、GIも同じように、変なまがい物が入ってたらGIになりませんから、そういう意味でGIとしての梅酒が売れるということは、梅農家にとって大変よろしいわけです。そういう意味で、梅農家も良い話だと思います。

朝日:新型コロナに関連して。感染拡大してるところに行って会食しないとか、県民の皆さんへのお願いは引き続き出てると思うんですが、徐々に東京や大阪も、感染の数が減ってきてると思います。そのあたり、県民の皆さんへのお願いの内容の変更とか、何か今考えてることがあればお願いします。

知事:和歌山県は他県と比べると、圧倒的に要求度合いが仰々しくないでしょうから、今あるぐらいのことは、感染がほとんど無くなるところぐらいまで、ちょっと注意して行かれたら良いのではないかなあというふうに思うんです。従って、この時点では、変更する必要は全く感じません。

朝日:全国的な感染状況を見ながら、引き続き続けてもらえたらというのが、県からのメッセージですか。

知事:そうですね。

朝日:コロナに関連してですが、昨日、和歌山県の医療労働連合組合の会見があり、県への要望書の提出がありました。その中の一つで、済生会有田病院ですが、国が、医療従事者に対して慰労金を支払うという制度があって、その中で、県の指定を受けて患者を受けたところは20万円、他のところは5万円もらえるというのがあり、済生会有田病院は5万円で、いろいろ苦労したのになんで20万円ではないんだという話が出てます。知事にもお願いのメールとかもしたという話があったんですけれども、要望の一つで、もし国の制度として厳しいなら、県として何か独自で支援してもらえないかというお話があったんですが、何か考えてることがあったらと言いますか、どのように対応したらというのが、何かありますか。

知事:県としては、今度(の議会で)予算要求をしようと思うんですけど、7月以降、コロナで、本当に現場で苦労してくださった方々がいるんです。こういう人に対して、まだ国の措置が出ていないので、そっちの方がはるかに優先度が高いというふうに私は思いますので、それについては、予算措置を県議会にお願いする予定であります。

朝日:済生会も、例えば、帰国者・接触者外来は設けてませんが、感染が出た後に接触者外来を設けたり、県の指示に従って、さらなる感染予防対策をして、亡くなった方が出ましたけれども、感染爆発を防げた要因の一つとして、現場の頑張りもあったと思います。その辺りに対して、言い分と言ったらあれですけれども、現場の声として、感染を受けていない普通の医療機関と同じ5万円というのは、ちょっと納得いかないなという声だったんですけど。

知事:でも、患者を受け入れてないわね。

朝日:確かに受け入れてはないですけれども。

知事:だから、普通の医療機関です。

朝日:患者と接する機会というか、(患者が)出てしまったということなので、そこに関しては、しょうがないというか、国の基準に対して、県として独自でやるのは難しいということですか。

知事:難しいと思います。もしそう言ったら、他のところは、かんかんになって怒るでしょう。

朝日:クリニックとかですか。

知事:クリニックではなくて、病院なんていっぱいある。何だと言って、めちゃくちゃ怒るでしょう。だから、県としては手出しができません。

朝日:それよりか、国の予算として付けられていない、7月以降のということですか。

知事:そうです。国の予算の場合は、病院の従業員の方みんなにということになってました。そこまで県はやる余裕もないし、それはtoo much(トゥーマッチ)な感じもするんで、県独自の措置を考えるという点では、実際に、コロナの方々に接した、対応したお医者さんと看護師に限って、慰労金を差し上げようかなというふうに思ってます。たまたま、そういうことに役立たせてくださいという立派な寄付者が現れたんで、その方のお金を主として使って、計算するとちょっと足りないんで県費も足して、対応しようかなというふうに思っています。

NHK:コロナに関連してですが、台風10号で、コロナ対策している避難所での受け入れが不能になったところが、全国的にあるという話があったと思います。基本的には、市町村での避難所運営になると思うんですが、県として、こうしたことに対しての受け止めといいますか、今後の対応とかを考えてることはありますか。

知事:まず、いくつかの側面に分けて、考えることが多いと思うんです。

 一つは、危機はどこにあるか。危機の確立ということを考えないといけない。だから、コロナが怖いから、定員が何ぼですからあなたもう帰ってくださいと言って帰ってもらって、テレビで報道されてるように、代わりのところがあればそれはそれで良いと思いますけど、無いのに帰ってくださいというのは、本末転倒だというふうに私は思います。別に、ものすごい大感染の渦中にあるわけではないんですから、それよりも、避難してきた人を外へ放り出したら、もっと危ない。もっと高い確率で怪我したり死んだりする可能性があるんで、それはちゃんとみんな冷静に頭に置いて対応しなければいけない、これが第一です。

 第二は、そうは言っても、できるだけ安全サイドで、いろんな工夫はしていった方が良いでしょう。だから、6月議会で予算措置までしてますが、6月議会の前ですから4ヶ月ぐらい前に、県としてマニュアルを作って、各市町村に通達を出して、こんなふうに運用しなさいというふうに言いました。

 今日の読売新聞に、時間が遅れて、親切にも詳細に載せてくれてましたが、もっと前から、それはやってるわけです。しかも、今、ちょっと緊急が間に合ってないところが多いんですけど、緊急に、やっぱりパーティションなんか要るだろうということで、ダンボールのパーティションを標準装備と考えて、あるところは良いんですけど、無いところは、全額県費で配るというふうにしてあるはずです。それで、もう配ったかと言ったら、若干入札手続きがごたごたして、まだ100%執行されてないところがあるんですが、それは急いで全部配ってしまったら良いのではかと思います。

 だから、繰り返して言いますと、若干現実的な対応をしないといけないんで、コロナが怖いからといって、もう帰ってくださいとばっかり言うのは、どうかというふうに思うのと、そうは言っても、ちゃんと中で安全に対応できるようなマニュアルを作ってるんで、それを見てくださいということです。

 例えば、症状のある人、熱がある人は、必ず測れというのがあります。それで、そういう人が来たら、帰すわけにもいかないのですが、だいたい学校が避難所になってることが多いんです。学校は、その日は当然使ってませんから、体育館みたいなところに、パーティション付きでみんな入ってもらうわけですけど、それでもちょっと危ないから、教室を開放しろということにしていて、その教室を個室みたいに使って、熱のある人はそれぞれ入っていただくとか、その人たちのトイレは別のところにしておくとか、そういうようなことについて、マニュアルにいろいろ書いてあるはずです。そういうことを守っていただいて、いろいろ教室なんかも使えば、追い返すことはないのではないのというふうに思います。

 5月なので4ヶ月前です。あそこに居る担当課、何も言わない。違うときに、一生懸命言ってるのに。

時事:今月最後の知事会見ということでお聞きしたいんですが、IRについてちょっとお伺いします。政府が、今年の初めに公表すると言っていた基本方針の決定が遅れてまして、和歌山県としては、少しスケジュールを後ろにずらしましたが、もう一回粛々とやりますというようなことをお話されています。そんな中で、和歌山県の応募期限も迫ってくる中、いまだに政府がちょっと動きを見せないという中で、政府にどのようなことを求めていくのか、総裁も新しくなるということで、新しい内閣にどういうことを求めていきますか。それと、どういうスタンスで臨んでいきたいですか。

知事:まず、約束は守りましょうというのが第一です。守れなくなったのなら守らなくても良いわけですけど、守れるんだったら約束は守りましょうと。例えば、和歌山県も含めて、誰も手続きに間に合わないということであれば、しばらくサスペンドしても良いでしょう。だけど、少なくとも和歌山県は、国がアナウンスしてたスケジュールに従って、着々淡々と進めてる。しかも、それは変更ありませんと約束したんだから、それはちゃんと守ってくださいということでしょう。

 じゃあ、今、和歌山だけが先行してるから、三つのうちの一つに和歌山が必ず入るかは、別の問題です。手続きがずっと進んでいった時に、そんなものは駄目ですという自由は、国にあるでしょう。ですから、和歌山が先に審査を受けて合格か不合格かが決まり、不合格になった場合はまだ三つある、合格になった場合はまだ二つあるということなんで、それは揃いそうな時に、またやったら良いのではないかと、私は思います。それが、一番現実的なんではないのというふうに思います。

時事:約束というのは、区域整備計画の提出期限と、全体的な国のスケジュールの話ですか。

知事:そうです。我々が始める時に、コロナも流行り始めたし、大丈夫ですか、本当にスケジュールは変わりありませんかといって、結構何度も聞いたんです。そしたら、変わりありませんと言って、つい最近まで国土交通大臣なんかも変わりありませんと言っておられた。それで、そうですかと言って信じてる人を裏切ってはいけない。そういうことです。

時事:さらなる国のスケジュールの後ずれについては、止めて欲しい。

知事:止めて欲しいと思うけど、それは、別に和歌山が得しようと思って言ってるのではなくて、他と関係なく、和歌山は和歌山で審査してもらったら良いし、合格だったら合格、不合格だったら不合格と言い、それで残りの枠が幾つあるか分からんが、また後でやったら良い。誰も何にも困らないというふうに思います。

 それから、そもそも、例えば、和歌山が合格したとする。そしたら、これ多分、国は成長戦略としてやってると思うんです。和歌山もそうですけど、こんな大きな投資案件というのは、これからこういう案件でないと中々起こりにくい。昔でいうと、原子力発電所を作るとかが大きな投資としてあったし、その前は、大工場を作るというのがありました。だけど、段々そういう時代ではなくなってきつつあるんで、こういう民間の大投資というのは、段々こういうことになっていくのではないかと思います。そうすると、実際にできるまでは4、5年かかりますから、その頃にコロナが収まっていれば良いわけです。しかし、その間ずっと投資案件が続いていくわけだから、有効需要の喚起にはものすごくなるんです。従って、成長戦略としても、もし和歌山が合格水準に達して、認めてやらしておけば、国にとっても良いんではないかと。私が国の総理だったら、あるいは担当者だったら、そういうふうに判断しますけど。

時事:県内の業者の選定についても、引き続き粛々と。

知事:はい。県内の業者さんも、ちゃんと国の合格水準に達するような良いものを作っていかないと落ちます。良いものを作れないようだったら、我々はもうギブアップせざるを得ません。県でお金を出したりというのは、このシステムからするとおかしいんで、業者さんがどう考えるか。それで、今はやると言ってるんだから、とにかく仕上がるかどうか期待してみよう、そういうことです。

産経:IRに関連して。事業者のスケジュール、国のスケジュールももちろんですけども、立地県として、地元の理解も重要になってきます。8月、9月と、賛成の意見書の取りまとめたものが出されたり、反対の意見書とかが出てきたりしました。一方で、コロナの影響で、どうしても周知広報なんかもやりにくい部分もあったと思うんですけども、並行して地元の理解を進めていくというところの必要性の中で、かつてに比べて、理解は上がってきてるという認識でしょうか。

知事:これは分かりません。理解が上がってきてるかどうか、不明。だけど、理解が低いかというと、そんなこともないと思います。だから、みんな知っていて、反対の人はあんなの嫌だなといって反対をする。でも、その人達に対して問われるのは、じゃあそれなしで和歌山は大丈夫ですかということについて、本当に責任持てますかと言ったら、そんなことは知事が考えることじゃ馬鹿たれと言うでしょう。だから、それで終わりということになってしまうんです。

 それから、賛成の人も、良いわ良いわと言ってるけど、じゃあ、それに対して心配はないのと言ったら、やっぱりいろいろあるでしょう。それは、こういう点が心配だから、賛成だけどちゃんとやれよという話もあるし、我々もそれに応えていかないといけない。良いとこもあれば悪いとこもあるんです。だけど、和歌山県は、ずっとこのままだと、我が県はしょぼくれていくから、成長戦略を特に考えなければいけない、大都市と違うんだから、そういう県なんです。世界中の動向なんて慎重に見たら、特にシンガポールなんか、堂々とちゃんと成功してるから、ああいうことを見習ってやっていけば大丈夫ではないか、しかも良いのではないのというふうに思ってるから、一生懸命やってるんです。初めから、割と皆さん分かってるけど、100%かというとそうでもない。そういうことではないですか。

産経:そのあたり、引き続き情報発信は続けていくという理解でよろしいですか。

知事:はい。

時事:ちょっとまた別の話になるんですが、人材派遣会社大手のパソナが、本社機能の一部を淡路島に移転しようという、結構大胆なことを今月頭に発表されました。これは、和歌山県とは直接関係ないですが、地方創生ですとか、リモートワークのすごいモデルケースになるのではないかと言われてますけど、どのように見てらっしゃいますか。

知事:まあパソナは、割合そういうことを言って、あんまりしないことが多い会社だから。言うのは得意なんで、期待です。だけど、今の話は、別にパソナの話だけではなくて、コロナの前から、例えば、小松製作所は、ものすごくたくさん東京から石川県に移してます。そういうのが、段々そもそもの流れになってきている上に、実は、テレワークで、それが意外といけるということに、みんな気が付き始めた頃です。そういう時流に乗るのはパソナは上手いから言ったんだろうと思うんだけど、同じようなことは、ありとあらゆる会社に対して、可能性はあります。ですから、和歌山県は、実は今、営業の季節を迎えています。ボーッと生きてたらいけない。そういうことを、県庁の職員にも、今、かなり激しく言ってるところで、自分も努力中です。

時事:テレワークとか企業誘致を、今こそ力を入れたい。

知事:力を入れてやらないといけない。チャンスです。パソナが刺激になると良いです。

NHK:IRに関連して、後ろ倒しにされた予定に関してなんですけれども、1月頃に選定という話がありましたが、これ以上、後ろ倒しにはしないというようなことで。

知事:後ろ倒しにしないというか、国に、後ろ倒しにしないで済むようにしてくださいと言うのが正しい答えです。基本方針のフィックスをしてくれないと、次に進めない。基本方針はほとんど変わらないだろうということで、実施方針もこれぐらいでいけるだろうということで、それぞれ案の段階で進んでるわけで、フィックスしないと手続きが完了しないから、早くフィックスとしてと言うしかない。そういうことです。

NHK:県としては、そういったものに沿ってやっていくというような形ですか。

知事:そういうのに沿ってとは。

NHK:沿ってと言うか、粛々というか。

知事:粛々とって、何か聞いてないような、理解をしてないようなので、あんまりそんな理解してないね、なんて言ったら、某大大臣みたいにひんしゅくを買いますから、繰り返して言いますと、こっちが決めることではなくて、国にちゃんと決めてくださいとお願いをするのが、今、私の気持ちなんですけどという答えです。

毎日:IRに関連して。一方で、国の基本方針の策定がいまだに遅れてるという現状があると思いますが、その中で、業者さんたちも、一応10月の県への提出期限があって、基本方針が無い中では、なかなか確定しにくい。矛盾してるなと思うんですが、その辺りについては。

知事:基本方針が無いわけではないんです。基本方針が無いけど、基本方針(案)はあるわけです。パブリックコメントみたいなのもかけて、そこにどんなパブリックコメントがあるのかを詳細にギリギリ調べてないけど、大体そんなもんかなということになりそうなんです。そうすると、こっちもそれに合わせて、実施方針(案)を出してる。それを見て、こんな感じでやろうかと考えてるはずです。だけど、それ、きちっと案を取って閉じてもらわないと、次へ進まない。だから、早く取ってということです。

毎日:他の自治体は、基本方針がきちんと定まってないということも含め、まだ。

知事:他の自治体は、全然違います。業者さんのやる気がない。そんな生易しい話ではない。手続きの話しで騒いでいるわけではありません。そんなの大体、新聞見たら分かります。どこどこは逃げてしまったとか、どこどこはちょっと止めてしばらく静観とか。だから、前に進めないわけです。我々も業者さんあっての問題だから、業者さんが無かったら、しばらく止めようということはあり得ます。業者さんが、ちょっとギブアップというかサスペンドをお願いしますと両方とも言うなら、それはそうします。そうなると他所と一緒です。他所は、全然業者さんのやる気がない。手続きの話は新聞辞令です。そんなもの誰も信じてる人はいません。

毎日:表向きの理由としては、そういうことなのかもしれないということですね。和歌山としては、今2者業者さんが手を挙げている段階なので、粛々と今のところスケジュールどおり進めていく。

知事:そうなんです。だから、できるんだけどなというふうに思ってるんです。


 ちょっと特定のテレビ局の宣伝にもなりますけど、テレビ和歌山の福祉保健部技監の解説。ものすごく分かりやすいですから、先週のやつも含めて、県のホームページから見れますので、見ていただいたら良いし、次の日曜日にもう1回出てきますから。どうぞよろしくお願いします。

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