知事記者会見 令和2年7月21日
知事記者会見
記者会見での発表事項等を紹介します
令和2年7月21日 知事記者会見
令和2年7月21日 記者会見室
株式会社Office Concierge(オフィス コンシェルジュ)の白浜町進出に伴う進出協定調印式を行います
本日は、発表が二つに話題事項が二つですが、後でちょっと質問があったら申し上げたいと思いますし、無かったらこっちから申し上げたいことがございます。
発表事項について、Office Concierge(オフィス コンシェルジュ)という会社が、白浜町に進出をしてくれるので、進出協定の調印式を行いますという発表です。27日、来週の月曜日に、知事室で調印式を行います。
これは、どこのどういう会社かと言うと、本社は、東京の建設業界のいろいろな経営サポートをする、業務統合システムあるいは販売とか保守サポートを、ITを使って行うという感じの企業であります。ITと言っても、だんだんと多分、こういう業務アプリケーションの会社の発展が大きくなってくるんじゃないかと思いますので、そういう意味では、非常に期待が持てる会社だと思います。
和歌山の白浜にサテライトオフィスを作るんですが、そこで何をするかと言うと、ちょっと全部カタカナになるんですが、インサイドセールスとプロジェクトマネジメント、言葉が格好いいわりには抽象的すぎて、なんのこっちゃ分からないのですが、そこ(資料)に書いてございます。インサイドセールスとは、電話、メール、インターネット等を活用して営業・商談を行うということです。それから、プロジェクトマネジメントは、システムを開発した人がいるわけですが、ユーザーさんがいろいろお使いになって、いろいろ質問とか苦情とか、いろいろお願いとかあります。そういう時に、システム改修等の調整を行うということで、その二つの仕事を、サテライトオフィスとして白浜でやろうということであります。中身はちょっと違うかもしれませんが、宮崎県の日南市にも、同じようなオフィスがあるやに聞いております。
どこへ入るかというと、最近、OS株式会社が、白浜で新ITビジネスオフィス、ANCHOR(アンカー)と言うんだそうですが、これを作っており、初めての入居になるので、良かったということでございます。ANCHOR(アンカー)自体の開所が、今年の11月1日を予定しております。そういう意味では、こちらは、進出は9月と書いておりますが、2ヶ月は、ちょっと元のところでやるのかなというふうに思います。
来週、調印式を行わせていただきます。
辛味果実が発生しない ししとうがらし 新品種「ししわかまる」を開発しました
その次は、辛味果実、辛くないししとうを、和歌山県の農業試験場暖地園芸センターで作り上げましたので、今日は発表させていただきます。そこにたくさん(実物が)ありますが、(ししとうのディスプレイを倒し)ちょっと粗相をいたしまして、ごめんなさい。「辛くないししとう 和歌山の逸品」ということで、こういう感じでこれから売り出す。まだ、農業試験場限り、暖地園芸センター限りで、一部出荷も、暖地園芸センター自体が、
研究推進室長:JA有田で、何十軒か作っていただいて、今、大阪の中央市場へ少し出しております。
そうですか。大変失礼しました。説明資料によると、今年、どんどん種を作って、一般のところに供給すると書いてあるんで、まだかなと思ってたら、もうすでに出荷されてるそうでございます。一度かじってみていただいて、もし辛いのが入っていたら、研究推進室長がごめんなさいと言う、ということになっております。大丈夫です。
世界との対話と協働 ◇第6回アジア・オセアニア高校生フォーラム開催◇ ~今年はWeb会議形式による実施!!~
それから、話題提供でございますが、資料は6月30日に出させていただいておりますけれども、毎年、夏休みに、アジア・オセアニア高校生フォーラムというのを、和歌山県のプロモーションでやっております。和歌山県の高校生諸君と、アジア・オセアニア地域の我こそはと思うような高校生が、一堂に会して、その時々の世界の問題について英語でディスカッションをする、こんな感じです。それから国内の、これも我こそはと思うような学校の生徒さんも来てもらいます。
こんなことで、なかなか毎年、盛り上がるんでございますけれども、だんだん議論も活発になってきて良いなというふうに思ってます。初めは、書いたものをぼそぼそ読んでいるような人ばっかりがいて、先生も何となくロジばっかりやってるような感じがありましたが、先生も参加するし、生徒さんも活発に議論が出来るようになってきました。
さらに、そこには選手が選抜されているので、ディスカッションに全員が来れないんですが、それをまた多くの生徒さんが見てるとか、そういうような形になって広がりも出てきて、高校生に対する良い刺激になってるんじゃないかと思いますが、今年はコロナがあり、渡航制限などがございまして、絶対に一同に会することが出来ませんが、止めてしまうのは大変惜しいので、全部Webでやろうということになりました。
時期は、7月29日から31日の3日間で、そこ(資料)にあるように、世界19の国/地域、それから、国内の県外高校生5校、5名に来ていただくということになり、来ていただくじゃなくて参加していただくことになり、2枚目にあるような日程で、いろいろ議論したりすることになります。
早くコロナが収束して、また一堂に会することが出来たら良いなと思いつつ、今年も中身の議論はWebでも出来るんで、ガンガンやってもらいたい、そんなことです。
令和2年度わかやまスマート農業実践塾(果樹コース)スマート農機操作講習 受講生募集開始!
もう一つは、スマート農業。今年の農業政策の目玉の一つですが、スマート農業を和歌山に導入していこう。それをやらないと、せっかく販路が開拓されても、生産が追いつかないと、ちょっと苦しい。だんだん農業者も高齢化していくし、もちろん新しい人たちを養成することは大事ですが、そんな簡単にいっぺんに増えないということで、かなり儲かるようにはなってきつつありますが、何とか生産を人間に頼らないでやらなきゃいけないということになると、スマート農業です。省力化だけじゃなくて、これをやることによって、新しい地平線も開けてくるということになります。特に、オランダに勉強しに行って、施設園芸をして、ITコントロールをして、いろんなものを作ると、品質の良いものがどんどん出来るということにもなりますから、そういうことを全部まとめて、スマート農業をどんどん進めようということです。農業者がよっしゃと言って、その気になっていただかないといけないんで、ホップ、ステップ、ジャンプという形になっておりまして、初めは、いろいろセミナーをしたり、シンポジウムをしたり、塾を開いたりということで、2番目は、実際に機器を見てもらって、最後は、実際に導入する段階でやってもらうというのがある。ここで言ってるのは、1番目ですか。
研究推進室長:3番目です。購入を考えている人、あるいは購入された人に、使い方を習熟してもらいます。
3番目ということで、農業散布用・空撮ドローンとか、リモコン式草刈機とか、アシストスーツとか、そんなものを実際やってみるということで、導入をしていただければ良い。導入の補助金なんかも、もちろんあります。
以上です。
質問と回答
朝日:今日の発表事項で、ししとうが出ましたが、今後の売り出し方といいますか、考えてること、なかなか珍しい「辛くないししとう」と言うことだと思いますが、何か考えてるようなことがあればお願いします。
知事:だんだんと、皆さんの味覚のレベルが高くなってるんですが、マイルドになってる感じがします。辛いのばっかり求めるというところもちょっとあるんですけども、辛いのがちょっと入ってると嫌だという子供さんがいる。風味は十分あるわけですから、そういう意味で、「辛くないししとう」ですと言って、ちょっとこう面白いキャッチフレーズなので、こういうことを大いにPRをして、和歌山の名産の一つになっていくと良いと思っております。
朝日:知事は、実際に召し上がられましたか。
知事:まだ無いんです。辛くないそうなんで。私は辛いのも好きですけど。
朝日:発表事項とずれますが、新型コロナに関連して、隣接の大阪の感染者数が非常に増えていますが、受け止めと、今後何か考えているようなことがありましたらお願いします。
知事:まず、結構増えてるなというふうに思いました。一時は、東京ばっかり増えて、大阪はうんと少ない時期があって、さすがだなと思ってました。いろいろ言われてたんですが、そんなことはあるまいというようなことが多くて、あんまり言うとちょっとまずいので言いません。
和歌山県は、ずっと近隣の方々がどんなことをしてるか、特に、保健医療行政でどこまで頑張っておられて、どこかに穴が無いかどうかということは、穴があったらちょっと申し上げようと思ったんですけど、ちゃんとやっておられると思います。どこがそうかと言うと、濃厚接触者についてちゃんと調べて、調べられない時、協力しない人がいた時期があったんですが、協力してくれる人については、ちゃんと調べて検査して、その結果、数は出るけれども、無症状者みたいな方も、随分、入院したり、ホテル療養したり、きちんと対応しておられるというふうに思います。そういう意味では、頑張ってる感じで、和歌山も出ますし頑張ってるけど、和歌山と同じように関西の他府県の方々も頑張ってる、こんな感じです。
ただ、数はちょっと増えてきたので、和歌山県民の方々に、予告どおり、ちょっと注意を喚起せないかんかなと思っておりまして、まず、従来から注意をしているのが、二つあります。これは、県内とか県外とか共通で、通学とか出勤とかの時に熱がある時は、もちろん全部じゃないですが、かなり感染してる可能性が高くなるので、和歌山県は、誰でもクリニックへ行くなとは言わないので、いつものかかりつけのお医者さんへ行って、熱があるんですけど大丈夫ですかというのを、診てもらいたいと思っています。そうすると、お医者さんは、要するに、お医者さんでない人以上にプロですから、これはちょっとおかしいというような時があると、保健所に連絡してくれて検査してもらう。こうやって発見されている例が、結構たくさんあります。そういう意味で、無理に通勤、通学しないで、クリニックに行きましょうということを申し上げたいと思います。
二つ目は、特に事業所の方から言うと、そういう(熱のある)方々に言ってても、なかなか聞かない場合が多い。大丈夫だと言って来られる人がいて、うつしてしまった例も結構ありますので、事業所の方でも、熱を測るとかということを、出来るだけやっていただいたらどうだということを言っております。これは前から言ってる話です。
この塊と、もう一つは、各事業所、特に飲食とか接客とか、そういう事業所については、ガイドラインをそれぞれ業界ごとに作っていただいて、業界の(ガイドラインが)無い場合は県からお示ししたりしてやっています。そういうところ(事業所)では、そういうところ(ガイドライン)をちゃんと守って、お客さんを受け入れてもらいたいと思っています。また、そろそろ調査をしに行こうと思っておりますけど、2週間ぐらい前に1回調査をしました。その時は、一部はちょっと懸念があるなというところもあって、注意をしたりしてたんですけど、割合、例えば、カラオケなんかは守ってもらってるというふうに聞いております。これも、しばらくして忘れてしまうのは困るんで、きちんとやって欲しいと思っています。
それから、新しくちょっと言わなきゃいけないのは、やっぱり大阪の感染者が、従来発表しておりました40人以上、複数日というところに該当してるんで、ちょっとこれは気を付けなきゃいけないかなというふうに思います。だけど、県内でも発生、それがうつってくる可能性があって発生しますけども、それは、我々の保健行政で、防遏し爆発を防ぐように対応は出来てるんで、往来を全部止めろというようなことを言う必要はないというふうに思います。そんなことをすると、和歌山県は、やっぱりもともと(大阪への)依存性が高いので、自分ところの経済とか生活が成り立っていかなくなって、別の悲劇が発生する可能性もあるから、そこは慎重に行こうと思っています。
感染した人を全部ぎりぎり調べていますが、一番多いのは、大阪、一部首都圏で飲食を結構やって、飲食の種類はいろいろあるんですけど、それでうつってくる例というのは、ものすごく多いというかほとんどです。従って、そういうところで、飲食をする、飲食にそういうところへ行くのは、今の時期ですから、お控えになった方が良いんじゃないかと、そんなふうに思っています。もちろん、接待を伴う飲食もそうですし、普通の飲食も今回は結構うつってるんで、そういうところは感染リスクが高いと思うべきだと思います。マスクとか手洗いとか一般的なことは、当たり前ですから、改めて申し上げることもない。新しく言わなきゃいけないのは、かつて大阪へ遊びに行くのを止めてくださいと言ったんですけど、特に飲食のところで、大阪とか、感染のより拡大してる首都圏とか、そういうところで楽しんでくるのは、しばらくお控えになったほうが良いんじゃないかということを申し上げたいと思います。
朝日:確認ですが、これまで言ってたような、密な接客のあるところはもちろん、感染者が増えてるというのもあるので、いわゆる居酒屋だとか会食してしゃべるような場所は、今の段階は出来る限り控えてほしいということでしょうか。
知事:感染の爆発、爆発じゃない、今のは言い過ぎました、すみません。感染が多いところ、首都圏とか大阪とかに、飲食をされに行くというのは止めましょう。あるいは、お仕事の帰りにそこでたっぷり楽しんでくるのは止めましょう。和歌山での飲食は、まだそんなにそこでたくさん流行ってるというわけではないので、そこまで言う必要は無いと思います。
朝日:少し話が戻りますが、大阪で感染が増えているけれども、今のところ往来に関する措置をしないのは、保健医療行政を頑張ってるからだという話がありました。感染者数が増えているのはもちろんですが、大阪で感染経路不明者の割合がかなり高く、ここ1週間は半数以上超えてるというデータが、大阪の発表であり、この点はかなり和歌山と違う。和歌山は、だいたい濃厚接触者のところで人数が増えていて、感染経路は誰かの濃厚接触者ということが多いと思いますが、大阪は感染経路不明者が多い。この点について、和歌山から大阪を見て、知事はちゃんと追えてると見ていますか。どのように考えますか。
知事:大体、今、感染経路不明か、感染経路不明でないかによって、マスコミの主流の判断があります。これは、多分に、ずっと言っておられた政府の専門家の方々の感覚が、ものすごく効いてると思うんです。で、意味のない議論では全くありません。もちろんそれも大事なことです。
和歌山でも、感染経路は初め不明なことが圧倒的に多いんです。だけど、よくよく調べていく、何日もかけて濃厚接触者などを調べていくと、逆に濃厚接触者からうつったかな、今度は、濃厚接触者の行動を追うと、あそこでうつったかなとか、はっきり分からないけど、だんだん分かってくることが多い。だから、何をしなきゃいけないかと言うと、感染者を追っかけないといけない。感染者の感染前の行動について、調べるのは当然です。それが、なんか変だな、なんでうつったんだろうと思っても、その後の行動履歴を調べて、濃厚接触者をあぶり出したりしていくと、分かることも結構ある。
さらに、分からなくても、濃厚接触者をちゃんと早期に検査して、陽性の人は隔離していく、陽性の人の濃厚接触者がまた次々と出てくるわけですが、それを次々と対応していくことを、早期にやらないといけない。長くやってると、そのうちうつる。早期にやっていくと、その系が閉じて囲い込みが出来る。その囲い込みをやろうとしていることは、大阪も含めて明らかだと思います。それは、どこで分かるかと言うと、無症状者がこれだけいますということを、時々おっしゃいます。無症状者がなぜ分かるかと言うと、ちゃんと追ってるからです。追ってなくて、発症した人しか対応してなかったら、軽症か重症かの差しか出ない。無症状者が出てるということは、濃厚接触者をちゃんとフォローしてるということなんで、そこはちゃんとやっておられるんじゃないか。むしろ、そういう判断、そういう見方をした方が良いんじゃないか。
よく、テレビなんか見てると、感染経路不明者が何人、終わりというのがある。あれは、ものすごく当局者に悪い影響を与えてると思います。と言うのは、感染経路不明、終わり、だからもうどうしようもない、もう何もしないというところがあったら、これは爆発するんです。だから、行動履歴をちゃんと調べて、濃厚接触者を一生懸命検査しようとしてるという意味で、基準としてるんじゃないかというふうに思いました。
朝日:その段階で経路が分からなかったとしても、その後に追って、ある程度囲い込みと言いますか、だいたいの経路が見えてるような状態が、今の大阪だということですか。
知事:もっと言えば、和歌山の例ですけど、何ヶ月か経ってから分かることがある。いちいち発表してませんが、DNAで分かってくる。DNAって系統樹があるので、どこの人とどの人が近いというのがあります。ウイルスの系統樹を作って、例えば、この辺から来てるのはこいつだというのが、ずっと後で分かることもあります。分子生物学なんかの領域だと思いますけど、そういうことを、和歌山県も、国立感染症研究所なんかと一緒になってやってるんで、別に今から言ってもしょうがない話ですから言いませんけど、ああそうだったのかというようなことが、分かることがあります。だから、感染経路不明で、ギブアップしてしまうのが、一番いけないことだと思います。
時事:政府が、少し前に、「Go To トラベルキャンペーン」から東京を除外するという決定をされました。これについては、全国の知事から、東京に限らず周りも含めたらとか、地域を限定して少しずつやったらどうですかというような、いろんな意見が出ておりますが、知事のお考えをお聞かせください。
知事:「Go Toトラベルキャンペーン」を実施する責任が、政府にあるわけです。東京はあまりにも凄いから、ちょっと止めときましょうと言われたのは、リーズナブルじゃないでしょうか。もし、どこかで東京以上にもっと流行ってきたら、それはそういうふうになっていくでしょう。現時点では、一方で、全国の観光業界がみんな疲弊してるんで、助けてあげようという気持ちもあるから、早くやりたかったし、早く助けてあげたかった。だけど、東京があまりにも凄いから、ちょっと遠慮してもらおうかと思ったのは、リーズナブルじゃないかと思います。
時事:例えば、エリアを限って地方からブロックごとにやっていくとか、そういうことは必要だと思いますか。
知事:いやいや、それも良いと思います。和歌山県はやってます。県内に限って、県民の方が県内に行く時に、大いにプロモーションしようと。これは、私は、まだ今の時点で、コロナはちょっとありますけど、ちゃんと一生懸命防遏してるから、県民の方に使っていただいて、大丈夫だと思ってやってるんですが、無茶苦茶になってきたら、ちょっと止めてもらわないといけないということです。
時事:国のキャンペーン自体も、段階を踏むことには賛成ということですか。
知事:踏むことは賛成だけど、別にやり直して、県と同じことをやってもらう必要は無いわけです。だから、今ので良いと思います。
時事:今ので良いというのは。
知事:東京を除外して、とりあえずやるということで、良いと思います。ればたらの議論をすれば、ブロックごとに始めましょうかとかいろいろあったと思いますけど、決めた時の状況からすれば、全国的に大丈夫だと思って判断したんでしょう。それで、東京が酷いから除外する。そういう意味では、人間の意思決定パターンとしては、リーズナブルじゃないかなと。ればたらの議論をしたら、始まらないです。
時事:次に法律についてお伺いしたいのですが、コロナに関する改正新型インフルエンザ特別措置法について、菅官房長官がテレビ番組で、再び改正する必要があるんじゃないかということをお話になりました。内容としては、やっぱり休業要請をする以上、補償は絶対に付けたほうが良いとか、休業要請に応じないところがあれば、そこの事業者に罰則を設けるような規定も考えるべきだというようなお話をされて、それについては、全国の各自治体から賛同するようなお声もありました。知事は、再三、休業要請と補償をセットにするのはおかしいというような考えを述べられておりましたが、改めて、この特措法に関する考えをお聞かせください。
知事:多分、皆さん、とても優しいお気持ちの方が多いんじゃないかと思います。私は、特別措置法も感染症法も、一種の取締法だと思っています。振興法じゃないので、取締りをする時に、躊躇なくやったら良いというふうに思うんで、救済と取締りは、別に考えないとおかしい。これは災害対策なんかもそういう考え方の法制です。これは私の法律論であり、法律の相場感というか、法律感というか、そんな感じです。しかし、和歌山県も現に実施してるように、休業要請をした、私が口に出した業種だけじゃなくて、すべての業種が影響を受けて困ってるんだから、影響を受けて困ってる度合いに応じ、かつ、事業継続の度合いに応じ、みんな助けて差し上げたら良いということで、財源も限られてますが、必死になってやってます。それをやってる、やろうとすることに、むしろ反対なんかは全くしないし、やれれば助けてあげたいというふうに思います。
時事:現在の特措法に、いわゆる強制力が無いということについて、大阪府知事も、感染の防止に協力しないところには営業を停止する措置が出来るように改正して欲しい、それを国がやらない場合は、条例を改正してでもやりたいという強いお話がありましたが、その点についてはいかがですか。
知事:私は、特措法ではなくて、最近思い始めたんですが、感染症法だと思ってるんです。特措法も、実は、一般的な休業要請の規定があって、例えば、45条の1項、2項、3項、4項、45条に行く時は、よっぽど酷い状況ですから、それを知るもんかというような態度をしている業界があったら、それはもっと厳しくやるべきだと思います。私はそんなふうに思っていますが、それよりも最近思ってるのは、感染症法の権限をもうちょっと強化した方が良いというふうに思います。
感染症法の権限は、大きく分けると懸念するところが二つある。一つは、陽性患者の時に、和歌山県なんて完璧に隔離が出来てます。入院していただいていますが、嫌だと言って逃げ回った人、逃げてしまう人をどうするか。知るもんかなんて言って、私は多分、死なないから、人にうつしても良いんだという気持ちの人がいた時どうするか。
もう一つは、行動履歴を徹底的に調査と言いましたが、行動履歴を一切しゃべらない人がいる。私は病気だから診てくれ、でも、どこへ行ったかとかは言えないという人がいて、それは和歌山モデルも全く対応できなくなる、非常事態になるんです。特に後者も、前者もそうです。この二つは、やっぱりきつくした方が良いと思います。
特に、前者は、一応罰則までは無いんですけど、強制的にそういうことが出来るように我々はなってるんで、そこは、そのぐらいでも良いかというふうには思います。一生懸命やれば良い。ただ、この観点から言うと、確か東京だったと思うんですけど、陽性者が分かってるのに行方不明になっちゃいましたというニュースがありました、本当か嘘か知らないんですが、もしあるとしたら、これはとんでもない失態だと思います。
後者の方はもっと大変で、和歌山県でも、なかなか言ってくれなかった人がいて、事なきを得ていますけど、とても危険です。これについては、言わなかったら罰則というようなことがあっても良いと私は思ってます。ただ、それは、感染症法の改正をしないと駄目です。
それから、もっと歴史的に言うと、我が国には伝染病法(伝染病予防法)というのがありました。これは、今は廃止になっていますが、スーパー感染症法だったんです。今、食品衛生法で、例えば、お店に立ち入りすることも出来ます。感染が疑われるお店に立ち入りして、衛生状態の強制調査をする、強制検査をすることが出来ます。伝染病法も昔はそんなことが出来たようです。だけど、そこまですることはあるまいというので廃止になって、今の感染症法で、このぐらいで良いだろうということになってるわけです。
特に、大阪府知事が言っておられるような、とんでもないお店があるとすると、むしろ、感染症法に保健所の強制立入調査権みたいなやつを認めれば、法律論としては、むしろそっちの方がすっきりするんじゃないかというふうに、私は思います。
時事:確認ですが、感染症法を改正すべき点の一つ目としておっしゃっていた、陽性患者が逃げないようにと言うのは、隔離を確実にするためということですか。
知事:やってもいいけども、切実感はあまり無い。和歌山ではもう全く切実感はありません。ただ何か変なニュースに接したんで、なんちゅうことだと思ってます。後者の、行動履歴の調査に協力しない人については、強制調査権みたいなやつも無いので、やっぱりそこは強化をしたほうが良いと、明らかに思っています。
さらに、もっと言えば、特定のところに対して、保健所の立ち入りがあっても良いんじゃないかというふうに思っています。
NHK:先ほどのお話の中で、大阪での飲食は控えて欲しいとあったと思うんですけども、これは、例えば、1人でラーメン屋に行くとか、そういう簡単な飲食もすべて控えて欲しいということになりますか。
知事:控えて欲しいというか、大阪へ行ってお腹すいたらラーメンぐらい食べてこないと、ちょっとね。会食って、ちょっと宴会しようとか、大阪で盛り上がろうとかがあるでしょう。そういうことを言ってるわけです。ラーメン食べていけませんとか、コンビニに寄るなとか、そんなこと言えません。常識の範囲内で申し上げております。
NHK:大阪で会食して感染してる方というのは、基本的に誰かと一緒に食べて、その方からうつってるという認識でしょうか。
知事:その方からうつってるか、その方にうつしてるか。どっちか分からないんですけど、結構たくさんあります。それから東京もあります。
NHK:さっきの言い方だと、飲食全部を止めて欲しいというふうに聞こえると思うので、改めて、県民に向けてお願いします。
知事:会食です。あるいは、ことさら飲食に行くとか、そういうことです。ちょっと言葉が難しいけど。
紀伊民報:今の話で、細かいのですが、会食以外に、繁華街に行って買い物するとか、遊びに行く、そこまで控えて欲しいということではないのでしょうか。
知事:そこまでは。例えば、市中感染が爆発的に広がってるようなところだったら、それは言わないといけないかもしれません。だけど、さっき言いましたように、感染者の追っかけも一生懸命やってるし、現象的に、どこへ行ったって、誰と会ったって、うつるという感じではない。ですから、あんまりやりすぎるのもどうかというふうに思いますので、大阪へ買い物に行くなとまで言うつもりはありません。よく、不要不急と言うんですけど、どこまでが不要不急か分かんない。仕事と通学と通院以外は、みんな不要不急だと言ったら、それこそもう動けなくなります。ですから、そこまでは言わないんですが、どうも、飲食でうつってるんで、そこのところは注意をしてください、出来るだけ、そっちで誰かと会食するというのは、お止めになったほうが良いんじゃないですかということです。
紀伊民報:大阪というお話もありましたけども、東京も含めてということですか。
知事:首都圏と大阪が、40人以上になってます。そういう意味では、そういうことです。
紀伊民報:一方で、県外からの受け入れについては、どういうふうに考えられますか。
知事:それは、今のところ何も言うつもりはありません。来られた人については、例えば、旅館とかでは、お入りになる時に熱を測っていただくとかをやっていただいたら良いし、お客さん同士で、うつしあいっこをしないよう、安全対策を十分やっていただいてますんで、その線でやっていただいたら良いんじゃないかと思います。
それから、兵庫県知事が知事会で言っておられたように、今患者がバンバン出てるような方々と、遠くまで旅行に来られる人は、感染リスクという点では、ちょっと違うんじゃないかと言っておられたんで、東京から来られた人が、全部、汚染されてるからシャットアウトということを言う必要は無いんじゃないかと思います。
それから、今ホテルの話をしましたが、お買い物をするとかの販売所も、やっぱりあんまり密にならないよう、いろいろ工夫しながらやっていただいたらよろしいかと思います。
読売:今のお話に関連して。明日から「Go Toトラベルキャンペーン」が始まりますが、改めて、観光業の振興という意味も含めて期待の面と、先ほどおっしゃったような安全対策の部分を徹底して欲しいというようなメッセージをいただければと思います。
知事:やっぱり一番大事なことは、国民生活が破壊されるのは困るということですが、どこで一番破壊されるかというと、コロナが流行ることです。人の往来や移動は、もちろんそれを助長するわけですが、やっぱり根本は、危ないことはしないこと、感染リスクの高いことはしないこと、発症してしまったら、その人をちゃんと隔離して、濃厚接触者なんかも特定して検査し、また隔離していくという、保健医療行政が積極的に対応していかないといけない。その原点に戻って、努力をする人が努力をしないと、最後は観光を頂点とするような国民生活が破壊されて、困ってしまうことになるんで、我々の責任は重いと思いますが、みんなで頑張りましょうということです。
産経:先ほど、会食をお止めになった方が良いと言われたところは、首都圏と大阪でしたが、受け入れについては、今のところ規制はしない。
知事:はい。
産経:以前発表された資料には、県外受入自粛の強化等になっていますが、今回は受け入れの規制はしないということで、基準を見直すということではない。
知事:はい。ありません。等と書いてあって、往来の時に、受入の方がちょっと迫力があるので、そう書いて等にしたんですけど、そこはいろんなやり方がある。今一番問題になってるのは、(大阪の)ミナミの何とかとか、東京の新宿とかで、どうも大量に店の中でうつってるということが一つと、和歌山の例を調べると、そういう露骨なとこに行ってなくても、それに近いようなところで、お友達とかなり密に会食をして、帰ってこられて発症するというのが結構多い。ですから、そういうところを、自粛の対象にしたらよかろうというふうに思っているということです。
産経:もう1点、「Go To トラベルキャンペーン」に関してですが、先ほどリーズナブルな判断と言われてましたが、和歌山県にとっては、白浜空港に直行便があり、全体的な話ではなく和歌山県のことを見た時、一定程度、影響があると思うんですけど、その部分についての見解をお願いします。
知事:それはもちろんあります。東京というのは、一番多いのは京阪神、圧倒的に多いのは京阪神ですが、その次が、東京を中心とする首都圏と名古屋圏です。特に、その首都圏の中心の東京が、「Go Toキャンペーン」の対象になりませんと言ったら、それは影響が出るに決まってます。しかし、元々来られる人は、来られます。つまり、お金はもらえないけど、白浜に遊びに行きたいという方、今回は、前みたいに往来自粛と言ってるわけじゃない。要するに、お金をつけて振興しませんというだけです。
産経:キャンペーン無しで来られる方。
知事:キャンペーン無しで今まで来られて、キャンペーンのことなんか考えなくて予約が入ってるような人が結構いるし、京阪神にはいっぱいいる。そういう方は、安全に気を付けて来ていただいたら良いと思うので、「Go Toキャンペーン」即往来禁止みたいになってますが、そこまで考えなくても良いんじゃないかということです。
産経:観光に関連してです。県のリフレッシュプランが発売されて、先週の1週間の時点で、予算を4割超執行したということで、かなり好評かと思いますが、それに対する受け止めと、一方で、期間を迎えるまでに予算が尽きるんじゃないかという懸念があるんですけど、その辺の対応や対策はいかがですか。
知事:まず、リフレッシュプランが割合好評で、皆さんに申し込んでいただいたのは、非常に良かったと思ってます。その分だけ、もちろん県費は使いますが、観光業界の方が潤うし、県民の方のお気持ちとか元気とか、そういうのが高まると思うんで、非常に良かったと思います。そういう良かったことですから、お金が無くなったら、また追加したいというふうに思います。追加する手法は、プロの世界の話なので、あんまり言うてもしょうがないわけですが、いろいろ工夫しながら、追加していきたいと思います。
産経:方向としては、予算措置を何らかしてということで、期間中は、利用できるように組み立て直す、そんな感じでしょうか。
知事:もちろんそういうふうに考えています。
産経:もう1点、全くちょっと話が別になりますが、IRの関係で、国の基本方針の決定が白紙という報道があります。それに対して、実際にそうなった場合、和歌山県としてどう対応するのかという部分と、これまで和歌山県は、他の自治体に比べて手続きが先行してるというアドバンテージがあったかと思います。それが失われるような懸念もあるのかなと思いますが、その辺りについてはいかがでしょうか。
知事:今の質問の中で、基本方針が白紙という記事は、いかに産経新聞でも無かったように思います。基本方針の時期が白紙でしょう。基本方針の中身が白紙になっちゃったら、これはものすごい影響が出ます。
ご質問に答えますと、そんなことは無いはずだというふうに思っています。無いはずだというのは、勝手に思ってもいけないんで、根拠を言いますと、我々は3月に、これ本当に進むのかということで、政府の関係当局にものすごく確認をして、スケジューリングについては一切変えませんとおっしゃるので、我々はそれに従って手続きをしてるわけです。もし仮に、それを変えるようなことがあったら、和歌山県は大変抗議をしたい。あんだけ言ったじゃないかと。何も我々が憶測で言ったわけじゃなくて、本当に確かめて、絶対その通りやりますから大丈夫ですか、コロナ流行ってますよとか言ったんだけど、将来の話だから、手続きは変えるつもりはありませんと言ってるから、ああそうですかと。
それから、基本方針その他については、もう原案は出ていて、パブコメ(パブリックコメント)もほとんど終わっていますから、出そうと思ったら、確定というか閉めようと思ったら、いつでも閉まる状態になってて、我々はその基本方針の原案に従って、実施方針を案の段階で出して、進めてるわけです。ですから、政府の言う通り聞いたのに、急に止めるなんてことを言ったら、どういうことだと言って、とても抗議をしたいというふうに思います。
これは仮定の問題で、別に政府からそんなことを言われてるわけじゃないので、そんなことを政府がするはずがない、産経新聞の説は誤報であろうというふうに、強く信じております。
産経:国とのやりとりは、3月の段階の話でしょうか。
知事:3月の段階とか、その前もずっとそういうこと言いながら、いよいよこちらも手続きを始めなきゃいけないから、その時にまた確認してやっています。その後も、大丈夫ですかと言ったら、官房長官が大丈夫ですと言ったりした記者会見も、何ヶ月か前にありました。そういうことだと信じてます。別に、政府から止めたいんですがとか、遅らしたいんですがと、何も来てません。我々のことは全部報告してます。
それから、和歌山県だけちゃんとやってるんです。他のところは、自分の都合で止めたり、手続きを始めなかったりですが、そんなものは他所の勝手です。何も私がそう言ったのは、法治国家としての在り方の問題だと思ってるからそう言ってるんで、和歌山だけ先行してて有利だから、どさくさに紛れてやってしまおうなんて、そういうケチなことを思ってるわけでは全くありませんので、その部分、よろしくお願いします。
毎日:観光振興に絡んでお聞きしたいのですが、先ほど県のリフレッシュプランが非常に好調で、追加の予算を積むお考えもおっしゃりました。期間が9月末ということですが、その期間をさらに延ばすというお考えは、お持ちでしょうか。
知事:それは、今は白紙です。つまり、逆に言うと考えていません。しかし、ネガティブかと言われたらそれも白紙ですし、ポジティブかと言われたらそれも白紙で、質問に答えたことになっておりませんが、考えておりません。そういうことについて、考えたことはまだありませんというのが、正しい答えです。
もうちょっと言うと、状況を見て、今のキャンペーンが終わりかけてきた時に、次はどうしたら良いかということを、その時の状況を見て考えるべきことだというふうに思います。そういうことで、今は何も答えられません。
毎日:県内の観光地は、本来のかき入れ時である7月、8月に、今年の予約は非常に厳しいという話も聞いてまして、やはりなかなか観光産業というのが、コロナで一番、負の結果を受けてる部分も多々あると思います。今後、こういった観光業界の振興、いろいろ取り組んでこられてますが、一番の対策みたいなことを、何かお考えの部分、現時点でお持ちでしょうか。
知事:ありません。
毎日:それも状況を見ながらということでしょうか。
知事:状況を見ながらというか、多分、助成の体系を理解してないと思うので、ありませんと言ったわけです。理解していただければ、多分わかる。
日経:白浜の海開きが23日にあります。ちょっと今までとかぶるかもしれませんが、改めて、白浜についての期待と不安もあるかもしれませんが、コメントをお願いします。
知事:コロナは全国的にたくさんあるんですけど、コロナのリスクというのは、お客さんの往来が盛んになるに従って、当然上がるわけです。だけど一方で、白浜が生きていくためには、お客さんにも来てもらわないと生きていけないということがあって、どっちのリスクが高いかということを考えながら、やらないといけないということです。
和歌山県は、よく命か経済かと言うんだけど、命も経済も両方大事に決まってるわけで、そういうことを比べるのがおかしい。両方を何とかしようということをやろうと思ったら、その分だけ職員が大変ですが、保健医療行政で必死になって頑張って爆発を防いで、一般的にバタバタとうつるような状況は作らないように努力しますから、1人や2人出る、1人2人出たら関連が出ますけど、1件2件出るということを、ものすごいリスクと考えてすべての行動原理にするのは、ちょっと止めた方が、我々は生き延びられるかなというふうに、今は思ってます。
そういう意味では、それぞれの方は、安全には気を付けていただかなきゃいけないし、最善のことはしていただかないといけないわけですが、来たらすぐうつるというような、そういう恐怖心は、ちょっと抑えて行動したら良いんじゃないかと思います。
白浜町の海の監督も、ちゃんとやっておられると思います。むしろ私は、海開きをした時の、海難の事故、こっちの方も気を付けてもらわないといけないと思います。