知事記者会見 令和2年7月14日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和2年7月14日 知事記者会見

令和2年7月14日 記者会見室 

ジェイテックグループが雑賀崎工業団地に工場を増設します

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 今日は、発表事項が二つと、話題事項が三つぐらいあります。

 まず発表事項ですが、ジェイテックグループが雑賀崎工業団地に工場を増設します。雑賀崎工業団地、(資料の)2枚目に地図がありますが、1ヶ所だけまだ売れ残っておりましたが、これで全部埋まります。ジェイテックがすでに隣で営業しておりますけれども、ジェイテックグループの子会社の塗装会社、ヒロマサという会社が、約1億5000万円ぐらいかけて、建物と機械設備を作ってくれることになります。12人ぐらい正社員を増やしてくれるということになり、立地協定を作る、こんな感じです。

 それで、逆になりましたが、このグループは、橋梁部材とか各種鋼材の溶接・切断、要するに、鉄の加工をやっています。従来は、塗装部門だけが無いので、1回作ったものを外へ持っていって塗装してもらって、また持ってきて出荷するとかが必要だったんですけど、一貫生産が出来ることになったということです。

IT企業誘致にかかる人材確保の奨励金を創設

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 その次は、IT企業誘致にかかる人材確保の奨励金を創設します。従来の、試験研究施設、オフィス施設グループの、奨励金の一部拡充ということになります。

 特に、情報関連事業で、最近、若干の引き合いもありますけれども、これから人材を増やしていかないといけないというのが多い。もちろん、例えば、東京なんかで仕事をしてて、あっちへ一部移るからお前行けとか、いわゆる転勤ももちろんありますが、そればっかりではなかなか難しいので、ここで人を雇うことになる。その時に、まだ集積は大したことありませんから、例えば、近隣に職を求めるような人がたくさんいるわけではないので、他所から来てもらわないといけない。その時に、人を募集しますと言って、いろんなところで、広告をしたり、PR活動したり、インターネットで配信したり、今時ですからいろんなことをする。その時に、当然費用がかかりますから、その費用について、大体半分を1年間ぐらい見てあげますということで、(資料の)黄色い枠の中に入ったところの奨励金を創設し、直ちに執行いたします。

 これから、働き方のイメージが、コロナ騒ぎの前と後で、大分違ってくるんじゃないかなと。どういうふうに転んでいくか分かりませんけども、少なくともチャンスがあるような気がするということで、こういう制度も利用して、和歌山にたくさんの人が来ていただこうと考えています。

令和2年7月豪雨災害義援金の募集について

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 それから、もう発表していますが、九州などの豪雨災害、名前は、令和2年7月豪雨災害、熊本だけでなく、九州一円とかで大変な被害が出てますから、そういう被害の被害者に対して送りましょうということで、義援金を募集いたします。

 これは、昨日からやっておりますが、10月30日までで、紀陽銀行ときのくに信金に口座を設けまして、良かったら振り込んでいただくことになりますので、皆さん、ぜひよろしくお願いします。

 今はまだ梅雨がずっと続いてるし、雨がいつ和歌山に降ってくるか分からないし、梅雨が明けても、夏から秋にかけては、台風や豪雨のシーズンですから、リスクはいっぱいあるんですけど、少なくとも、我と我が身に引き比べて考えると、あんなになって亡くなったり、家が無茶苦茶になったりするような人は気の毒で、こちらに余裕があったら助けようということで、皆さんのご協力を得たいということで、これを作りました。

和歌山県の防災対策について

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 その次は、何でこんなのあるのという話題事項でございますが、和歌山県の防災対策について、改めてということでございます。

 地震・津波はいつ起こるか分からないし、豪雨災害も、今もう、これもいつ起こるか分かりませんが、明日起こるとか、今日の夜起こるとか、そういうような状況にあり、予測を完全にすることは不可能なので、考えておかないといけない。その時に、今、コロナと重なっています。それで、割合、有識者の方々あるいはマスコミの方も含めて、避難所は危ないというような、実際にもちろんリスクはあるんですけど、そういう情報を流しています。賢い避難とか、そういうことをよく言われますが、根っこのところの、避難しないと危ないということについては、みんな分かってる前提であんまり言わずに、避難所にばっかり行くのが能じゃないというようなことを、割合、たくさんの方が言ってメディアがそれを載せる。

 そうすると何が起こるかというと、逃げようかなと思ってた人が、逃げない可能性がある。例えば、もともと病気があるのに、お医者さんに行くとコロナがうつるかもしれないといって行かないで、悪化して死んじゃうというのと同じ現象が起こります。従って、皆さんにご協力をいただきたいと思いますけども、ぜひ、逃げてもらいたいということで、対策一覧表を改めてお配りすることにしました。

 この流れで、全国の識者及びマスコミがまた全然わかってないことが、一つあります。それは、避難場所と避難所を区別しなきゃいけないのに、区別してないということです。特に、地震・津波の時に、避難所と称する、市町村が運営する、面倒見てくれるところへ逃げる必要は、とりあえず無いということです。風水害の時もそうで、必ずしも設備の整っている、そういうところへ行く必要は無い。これが第一です。

 和歌山県は、そういう事を、紀伊半島大水害、その半年前の東日本大震災の時から、口を酸っぱくして言うとるわけです。だけど、皆さんのマスコミの紙面で、避難場所と避難所を区別してアナウンスしてるところは、多分ない。あの時はちょっとあったかもしれないけど、多分ない。そうすると、もっと危ない可能性がある。つまり、避難所へ行くと密になってとか、そればっかり考えるから、避難場所に逃げることすらしない人たちが出てきたら、これは命に関わるので、今日申し上げることにしました。

 その資料の中で、すぐ逃げるという対策はずっといろんなことやってるんですが、直接的に関係するところだけ申し上げますと、1枚目の地震・津波で言うと、①避難場所安全レベルの設定が、和歌山県のものすごい工夫です。☆1、☆2、☆3と、避難レベル1、2、3とあります。☆3になったら、これは津波ももう来ないでしょうと分析できるところです。例えば、巨大地震の理論値最大の地震が来ても、ここまでは来ないというところへ逃げておいていただければ、津波からは絶対に助かる。それが☆2ぐらいになると、巨大地震の時は来るかもとか、☆1ぐらいになると、来るけども、そこの上の堅固な建物に上がっておけば、1階建てのご自宅とかに居るよりは、はるかに安全ですから、行ってください。大事なことは、自分の発災のところから、避難場所まで時間内に行けるかどうか。何分で行けますということがものすごい大事で、それを考えて、例えば、自宅で寝てる時にドンっといくとすると、我々のアナウンスは、計算上は5分間はボーッとしてる。おたおたとなってボーッとしててすぐに逃げない。人間はそんな簡単なもんじゃないですから、急に脅かされたら、ああといって茫然自失になり、5分後ぐらいに、これは危ないといって逃げ始める。逃げる時に、皆さんのような方だと走って逃げると思いますけど、お年寄りもいらっしゃるんで、時速1.8キロで計算してたどり着けるかどうかを考えて、避難場所がレベル3だったら良いけど、無理かなと思ったら、2、1と、よりリスクはちょっと上がってくるけど、逃げないよりマシなところへ逃げようと考えといてください。これがメッセージです。それから家族もみんな打ち合わせしといてください。家族を迎えに行ったり探しに行って死んだ人が、東北の時にたくさんいました。そういうことを、改めて県民の人に言いたい。

 リスクって確率ですから、ひょっとしたら避難所へ行ってうつるかもしれないという確率よりも、そこに水がガーッと来てる時に逃げない方が、命がなくなる確率がはるかに高くなる。だから、とりあえず逃げることをまず考えましょう。これは、避難場所ですということです。津波は、大体、半日で来なくなるので、推奨モデルはラジオを持っていくとか、スマホを持っていくとか、いろんなものを持っていって、情報を入れて、もう大丈夫ということになったら下りてきて良いし、下りてきて自分の家がセーフだったらそれで良いし、自分の家がもう駄目であれば、避難所に行っていただければ良い。自分の家は泥だらけですから、避難所へ行かざるを得ないとなったら、避難所に行ってもらったら良い。避難所では、こないだから県の方で、安全対策の指針を改訂して、熱のある人は別室にしなさいとか、もうじき入ると思いますけど、ちゃんとパーティションで区切って、咳が直接パッと横へいかないようにするとか、そういうようなことは考えてやっていますから、安心して行ってもらったら良い。

 皆さんマスコミで報道されるのは、大体、都会のものすごい混み合ってるところの問題意識で、避難所にみんな行ったらものすごく密になると言うんですが、和歌山県について言えば、いつも皆さん報道で、テレビ和歌山とかNHKとか報道してくれますが、ほとんどのところはガランとしてる。むしろ、もっと逃げてくれたら良いのにというぐらいの感じなので、密になるということをそんなに恐れる必要はないし、あっても、対応はちゃんと通知してあって、今みんな機材をどんどん入れつつあるんで安心だけど、いきなりそこへ行くんじゃなくて、とりあえず高い所で津波なんかをやり過ごして、そこから行くということを、①で考えといてくださいということです。

 それから、関係するところで言うと、3枚目に、⑤地震津波観測監視システム。これは2015年から入っていて、三重県が今年から追っかけてきました。和歌山県は、100ヶ所、観測ポイントがあり、DONETの情報で、ガンと来たら、海面のはね上がりなんかで、津波がどこまで来るかというのを、海底地形とか陸上地形なんかの情報を入れて、シミュレーションしている。従って、どこまで来るかは、予知とかでは無く地震の実測によって正確に分かる。それを市町村にバッと伝えますから、市町村はどこでどの辺までは絶対逃げろというのはすぐに分かる。だから、そういう警告をバーッと住民の方にやっていただいたら良いし、そういう情報が無くても、逃げとけば良いというのが、この話だと思います。

 それから、今度は風水害ですが、風水害も①と②が今回の関係でいうと、大事なところです。風水害についても、同じように安全レベルの設定をしてます。どんなイメージかというと、例えば、避難所と称するところは、公民館とか小学校とかが多い。そういうところが、例えば、川べりにあったとすると、川が増水の危険があった時に、いつも一つ覚えでそこへ逃げてたら、そこごとやられる可能性がある。ですから、避難場所は、例えば、川から離れたところ、ちょっと高台ですが崖の近くでは無いところを選んで、住民の方に渡している。これも、避難場所☆1、☆2、☆3とあって、3は断固安全だけど、遠いとそこまで行けないかもということでやっていますということを、覚えといていただいて、雨も止み水も引いたら、さて家はどうだ、家はあかんから避難所に行こうか、そういうふうにしてもらった良いということです。

 それから②は、避難勧告などですが、あんなものみんな狼少年だというようなパーセプション(理解)が、大分できてしまった。和歌山県は、実は国の推奨モデルに採用されているんですけど、紀伊半島大水害の時の教訓を元にして、データをいっぱい入れてシミュレーションをして、このぐらいの雨でこうなったら、こういう発令にしようというふうに係数化して決めています。その係数モデルは、市町村に全部差し上げているので、市町村から、例えば、避難勧告、避難指示、その前提としての避難準備情報が来た時は、またいい加減なことをと絶対に思わないでください。かなり科学的に正しいことですから、もちろんそれでも外れることはあるんですけど、これはかなり信用して、例えば、避難準備情報なんていうのは、お年寄りで車いすでなかなか動けない人は、もう先に、避難場所兼避難所に移っといてもらったら良いということです。避難勧告や指示が出たら、これは本当に危ないというふうに思ってもらいたいということです。

 さらに、その時に、両方共通ですが、風水害対策の⑥と⑦、これは大変大事な情報です。和歌山県で、全国でこんなところ無いと思いますけど、県全体で防災ナビアプリを配信しています。これは、自分の家からどこへ逃げるかというのはパッと分かりますが、ちょっと他所にいる時に、バンっと来ることもあります。そうすると、この辺で高台はどこだとか、この辺で避難所になってるとこはどこだとか、そういうような情報が分かるし、そこへ行こうと思ったら、右曲がれとか左曲がれとか、音声では言いませんが、スマホをかざすと、あっちとかこっちとかが分かる。これはものすごく便利なんで、ぜひ使ってもらいたい。

 あわせて、防災、減災の全県下ほとんどで途切れないはずのFMラジオを、和歌山放送に設備を貸与して、あげてかな、やってもらうことになってるんで、これをサッと持って、NHKもいいのが入ると思いますが、和歌山放送かNHKに合わせといてもらったら大丈夫です。これぐらいが、とりあえず逃げる時に、頭に置いといてもらったら良い情報です。

 重ねて申し上げますが、コロナもリスクはあるけれども、その前に、おぼれたり、津波でやられたり、川に落ちたりしてはいかんので、コロナが怖そうだから家にいた方が良い、これは絶対に止めてもらいたいということです。
 

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 それからもう1つございまして、コロナの話ですが、最近、結構また出ています。今のところ、発生元は4つですが、結構たくさん出てるのはどういうことかというのをちょっとご説明いたしますと、こういうこと(資料1ページ)でして、これ別に40代でなくても良いんですけど、誰かがここ(資料1ページ左側)で分かりました。和歌山県は、クリニックなんかで早期発見できるので、クリニックに行かれた人で、この人が怪しいという情報がいっぱい来るんですが、ほとんどが陰性で、陽性はワァ大変と、こうなるわけです。

 そうすると、ここにこうなってます(資料1ページ左側から真ん中へ)。この人は、同居家族がいる、同僚で濃厚接触した人が何人いるとかは、ちゃんと聞きますから分かる。そうすると、まずここ(資料1ページ真ん中)を調べに行くわけです。この人との関係で、濃厚な接触者は誰だと言って、バーッと調べに行って、割合セーフということが分かってくると、ここ(資料1ページ真ん中)でセーフだったらここで切れるわけです。ところが、このケースで言うと、赤になってるところ、この方のご家族で1人感染をしている、この方の同僚で1人感染してるということが分かります。そうすると、次にここ(資料1ページ右側)へ行くわけです。それで、この人(資料1ページ左側)のこの方(資料1ページ真ん中)が感染者になって、その次の、この人(資料1ページ真ん中)の濃厚接触者は、早期であればあるほど少なくなってくる。これをバーッと尽きるところまで行く訳です。これが和歌山の姿です。

 こんなところ(資料1ページ真ん中)を自由自在にして、検査はしたけど、さよならとか言ってたら、あっという間に爆発するし、このスピードが遅ければ遅いほど、こっち(資料1ページ右側)が増えてくるわけです。こんなふうにやってますので、和歌山県の数と、東京の数とを比べてもらったら困るということです。別に、特定のところの名前は止めといた方が良いかもしれませんが、今日の新聞で、検査したが陽性の人たちの行方が分からんと、そんな馬鹿な話はない。それはちゃんと、きちんと行政が隔離しないといけないというふうに思います。和歌山県は完璧にそれが出来てます。時々、あんまり喋ってくれない人が出ますが、それは困りもんで、ちゃんと手当しますし、プライバシーを守りますから、本当にきちんと正直にしゃべってもらいたい。それは世界のためと思います。

 こうやって一生懸命やってますが、多分あと数日ぐらいは、この先のやつがぱっぱっぱっと出てきますが、段々これを一生懸命つぶしてると、大きな施設にドンと行かなければ、数は減ってくる。もちろん、こっち(資料1ページ左側)が新しく出てくるとまた辛いんですが、新しく出てくるか、どっかへドンと入るかしなければ、理論的には数は減ってくるはずです。それで和歌山県は、頑張ってやってくれています。

 それでも、これはあかんという場合もあり得ます。それは前に発表しているように、ここのところ(資料2ページ)にございますが、基準があって、自粛をもう1回、県民の皆さんにお願いしなきゃいけないという時はあります。あの時、決めたのは、新規陽性者数5人以上が複数日出現する、肺炎患者の陽性率5%以上、新規感染陽性率5%以上、病床使用率50%以上と、これはかなり厳しいです。他所は重症者とか言いますが、我々は、病床は軽症者も重症になる可能性がある訳ですから、それが面倒見きれなくなったら、これはやばいというふうに思ってるんで、要するに病床率でやっています。

 実は5人以上が2回出てますから、本当は複数日は出ていますが、まあ毎日でもないし、これからの状況を見て、これが発生基準を超えてますと言うべきかどうかは、まだちょっと判断するのは早い。残りのところは全然大丈夫なんで、今のところ皆さんに自粛をお願いするつもりはありません。そんな状況でも無いと思います。

いつも言ってるように、コロナ対策というのは足し算で、行政がさっき言ったような努力を必死になってやるということと、これが出来ない時は、県民の皆さんにお願いをして、やっぱり自粛を、それも効果的にやってもらうということになりますけど、今のところは、これで何とかなってると、今日は思っていますので、経済とか生活とかを再建してもらえば良い。(コロナに)かかることもあると思いますけど、その時は、ちょっと少し重い病気になったというふうに思って、治してもらえば良いということだと思ってます。それがまだ十分できる状況です。

 もう1つ、ちょっとまだ不徹底だと思ったのが、この数日間を見てた時、熱があるとか、ちょっと症状があるけど、大丈夫だろうと思って、頑張って仕事に行っちゃったケースが二三あります。これは、こういう時代ですから、普段だったら本人の善意と性格はもの凄く評価すべきだと思いますけど、ちょっと今危険なので、止めてもらいたいというふうに思います。

 こうやってアナウンスしてても、なかなか守れない場合もあると思います。そこで、今ちょっと考えているのは、症状の無い時はうつりますがどうしようもないのですが、症状のある時が、要するに問題になるケースのほとんどなので、症状が出た時は止めようという手段として、例えば、福祉施設、学校、県庁とか大きなオフィスでは、出来るだけ熱を計ってもらおうと思っています。福祉施設なんかは、今話をどんどん進めてますが、出勤して職員が入ってくる時に、検温するというのを励行してもらうようにお願いしていこうと。まだ、これ(検温器)がない場合もありますから、簡単にはいかないのですが、段々、そういう体制にしていこうと思っています。県庁は考えたんですが、県庁の入口でこんなこと(検温)をやるのも何ですから、自分で出勤前とか朝起きた時とかに熱を計ってもらって、職場の管理職に、私はなんぼでしたということを申告してもらおうと思っています。そういうのを、明日から県庁はやります。残りのところは、県庁が幾らやれと言ったって、体制が整ってなかったら出来ないので、今、お願いをしに回っているところです。

 以上です。

質問と回答

産経:まず、検温の件ですが、学校では、すでにもう検温して毎日提出するということをしていますが、改めて、明日から呼びかける施設はどういうところをというのを、改めて教えてもらえますか。

知事:私がいつも一番心配するのは、自粛を全部解除しますけどこれだけはという施設がありました。福祉施設ですが、特に高齢者、障害者のところが、やっぱり一番おっかない。併せて病院でしょう。そういうところでは、それを励行してもらったら、かなりのリスクは無くなるんじゃないかと思います。

産経:別件でこれもコロナ関係ですが、先ほど、いわゆる営業自粛の基準の5%とか、

知事:再自粛です。

産経:再自粛については、まだ水準ではないし考えてないということですが、もう一方の往来自粛です。近隣府県で40人以上が複数日というところがあって、近畿でまとめてみると、昨日は40人切ってますが、その前の5日間ほどは40人以上を超えてる状況で、往来受入自粛のことについての考え方をお願いします。

知事:近隣府県といっても、近隣府県の足し算ではなく、イメージは、大阪で毎日40人以上出たらどうしようか考えようという感じです。出た日もあるけども出なかった日もあるというぐらいの感じで、今、いろいろ毎日のように聞いてますが、少なくとも、京阪神の府県は、和歌山と同じかどうかは知らんけど、みんな必死になって防遏しようと思って頑張ってて、別に破綻してる感じでは無いので、すぐに一直線にいくとは限りません。一直線にいったらどうしようかは、その時にまた考えたいと思います。

産経:いずれにしても、まだ今も、受入自粛もその段階では無いということですか。

知事:いきなり前みたいに、自粛レベルの一番ピーク、5月の連休の時が一番ピークだったんですが、いきなりあの時にポンと戻るかどうかは、それはその時に考えてみないといけないので、多分、あそこまでいかないでしょう。だけど、何らかの警報を発するかどうかは、状況を見て考えるんで、今はその時期では無いと思います。

産経:先ほど、イメージは大阪と言われましたが、実際、大阪の数を見て判断するという考え方でしょうか。

知事:そうです。例えば、京阪神と言っても、大阪があって京都があって滋賀県があって、滋賀県でガーンと出ても、あんまり和歌山と関係ない。足し算をしてなんぼというわけじゃないので、大阪がどのぐらい流行ってくるかというのが、やっぱり我々としての関心です。だけど、立派にやっておられると思ってます。

朝日:今のお話に重ねてですが、近隣府県からの受け入れは、主に大阪で40人以上複数日出現して、その基準に達してからまた考えようということですが、基準に達したからといって、すぐに受入自粛をするわけではなく、段階を踏んでということですか。

知事:そうです。受入自粛もいっぱいある。いきなり、一番きつかった時にポンと戻りますと決めてるわけではないので、何か考えなきゃいけないというのが、ここの議論です。

朝日:もう1点、県民への再自粛をお願いする基準についてですが、例えば、東京だとか大阪とかでも、向こうは解除する時の基準で東京アラートなどを、実態に即すという形で、基準を一部変更したこともあったと思います。和歌山県は、5月に発表した元々の基準を、そのまま適用するということでよろしいですか。

知事:はい。

朝日:そこに達したら。

知事:また考えようということです。

時事:検温についてです。いろんな事業者に、出勤前に熱を計ってもらうことを励行するという話がありましたが、県の施策として、例えば、検温器を配ったりとかではなく、あくまで事業者の自主努力を促すということですか。

知事:例えば、でっかい株式会社に、貧しい県が、なけなしの予算をはたいて購入してどうぞというのも変だから、そこはやってくださいということで済むかもしれないし、県の施設は自分でやらないといけないし、その中間の福祉施設で、どのぐらいどう考えるかは、お願いしてみての状況です。むしろ、お金の問題よりも、機器が手に入らない可能性がある方がリスクだと思います。一時、ちょっと払底してたんで、マスクが無いときに検温器も無かった。今はどうかというのは、今日時点であんまり調べてないのですが、それがむしろリスクかもしれません。

時事:一方で、県庁の職員についてですが、各自、職員一人一人に自宅で熱を計ってもらう。

知事:自分で、いつも熱を計ってもらうことを励行してもらって、今日は大丈夫でした、何度ぐらいでしたと上司に報告してもらう。そしたらそこで、心理的バリア、みんな嘘をついてまでやらないでしょう。だから、熱がある時は休もうというインセンティブが働くかなというふうに思いました。

時事:自分の体温を、明日から毎朝所属長に報告するということで。分かりました。

読売:検温ですが、目的としては、要するに今まで熱があっても出勤した人たちがいたので、そういうことが無いように、熱ありますという証明のためにやってもらうということですか。

知事:熱は無いですという証明のためです。

読売:それで健康管理を徹底していこうという狙いですか。

知事:県庁の場合は自己申告ですが、たくさんいるし、そのぐらいで十分だろうと思っていますが、福祉施設なんかは、もうちょっと厳重にしたほうが良いんで、例えば、従業員が出勤してきておはようございますと言った時に、ピッと計って、熱あるから、ちょっと今日は来ないで先にお医者さんに行きなさいと言ってもらったら良い。それで、普通のお医者さんで、まさか肺炎なんか無いだろうとか調べてもらって、あれっと思ったら、チェックが出来る。普通はちょっと熱があってもすぐに治るので、お医者さんに行って、もう大丈夫です、別に大したもんじゃないみたいですといって、今日はもう下がりましたと言うなら、良いんじゃないですか。そんな感じです。

読売:感染拡大防止と早期発見のためにというようなことですか。

知事:そうです。

読売:別件で、往来の件になってきますが、政府の「Go To キャンペーン」がそろそろ始まることになってくると思います。それについて、今、首都圏とかがああいう状況なので、期待と不安というのがあればお願いします。

知事:やっぱり、不安はあります。東京は、何とかして欲しいと思いますが、どうも、東京都知事は、自粛のイメージだけでアナウンスしてる感じがある。行政の方を一生懸命やったら、もっと減ると思うんだけどなあと思いますが、それは人の話だから、ちょっと心配するだけしか能がありません。厚労省なんか、もっとそこを注意して、細かいところまで指導したら良いと思いますけど、そういうこともあんまりしません。

 今の話で言うと、我々は心配するだけなんだけど、心配してて、じゃあちょっとリスクがあるからもう来るなと言ったら、自分ところが自滅してしまう。これも困ったもんで、我々はコロナでも生きていかないといけない。生きていくのはコロナにかからないことだけで生きていけるわけじゃないので、やっぱり稼がないといけないし、ビジネスもせないかんので、今のところは、安全にむちゃくちゃ気をつけて、工夫をしながらやっていくということしかない。そういう意味では、「Go To キャンペーン」も良いのではないですか。それで来やすくなってくれれば、お客さんは来る。そのお客さんを、嫌な顔しないで、例えば、空港なんてサーモグラフィをちゃんと入れてますし、ホテルや旅館やレストランでも、みんな気を付けながら営業してもらってます。今は、そういうことに気を付けながらやっていくしかないんじゃないかと思います。

読売:今のお話しにもありますが、やっぱり「Go To キャンペーン」で、和歌山県にもいっぱい人が戻ってきてくれるかなという期待はある。

知事:期待はあります。「Go To キャンペーン」をしなくても期待はあります。それは、やったほうがより多いでしょう。「Go To キャンペーン」の前から、もう予約を入れて良いと私がアナウンスしてから、じわじわじわじわとやっぱり増えてます。

読売:関西とかの方には、プロモーションなどもかけていこうというのを進めてらっしゃると思いますが、それで徐々に戻ってきてると。

知事:徐々に。ただ、状況を見て、どのぐらいのスピードでいくか、ブレーキとアクセルを慎重に踏みながら、やっていくしかない。

朝日:コロナ関係ですが、昨日のニュースで、別の県の話ですが、高松市の職員が熊本に応援に行って、その後にコロナの陽性が分かったというのがありました。和歌山県として、今回だけじゃなく今後も含めてですが、他の地域で災害があったら職員を派遣することがあると思いますが、そういった場合、何か対策といいますか、コロナを持っていかないのもそうだし、拾わないのはなかなか難しいかと思いますが、事前に何か、先ほどおっしゃってた体温検査とか、何か別の検査をするとか、何かありますか。

知事:もちろん健康チェックして派遣するわけで、向こうでは激務ですから、コロナ以外も体調が悪くて、その人にもしものことがあってもいけないということは、常に考えなきゃいけません。特に、コロナがありますから、検温とか、その時に熱が下がってても、実はちょっと前に熱があったというのは、検査したら良いと思います。そんなふうにして、慎重に送り出したら良いと思いますが、和歌山もいつ災害が起こるか分かりませんけど、私は、あんまり来るなと言わない方が良いんじゃないかと思ってます。紀伊半島大水害の時に、惨状なんかはもう十分経験してますから、和歌山は、例えば、お年寄りの独居なんてのは、いっぱいいるわけです。その方々が、1人で泥を出さなきゃいけないというのは大変なので、ボランティアの方にすごく頼る。その時も、いろんな事情があって、お泊めするところが無くて、おもてなしが出来ないから来ないでくれとか、そんなような善意の配慮をしたりすることがありましたが、そんなこと言わないでどんどん受け入れようと思ってます。もし仮に、善意で来られた人が発症したら、今、熊本県がやってるように、保健当局は、災害の時にそればっかりやってるわけじゃないので、そっちの部隊がバーッと行って、バーッと検査をすれば良いと思います。熊本県も、公的な人は受け入れるけど、ボランティアは県内の人に限ると言ってたけど、私は、もし和歌山がやられたら、あんまり言わないようにしようと言いたい。もちろん、そう言った責任は私にあります、という感じです。

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